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あの頃も、今日も  作者: 満月仔鳥
19/22

19、ハーバリウムのワークショップ

 ―ああ、また反時計回りに回しちゃってるよ…

 万華鏡をのぞく私の頭の中にニコの声が遠く響いている。

 ゆるやかに美しい曲線の流れに自分が入ってしまい、私は万華鏡の中の小宇宙にゆったりと漂っていた。

 ああ、気持ちがいい。このままずっとこの中でたゆたっていたい。。。



 「日美さん、オイルを注いでいいですか?」

 女性の声がして朦朧としつつあった意識を眼の前に据えると、私の前には色々な花が入った瓶があった。

あれ、万華鏡の花じゃない。縦長の口が広い瓶の中に入っているのは…ドライフラワー?

 隣に座っている若い女性が私の目の前にある瓶を見て話しかけてきた。

「やっぱり日美さんの綺麗だなあ。ヘリクリサムにラグラスに…あとスモークツリーか」


 周りを見ると、私はさまざまな植物に囲まれていた。緑が濃くよく手入れをされて生き生きとした観葉植物たち。天井にはツタが張り巡らされ、淡い色のドライフラワーがたくさん飾られている。

全面ガラスの窓から明るい日が射し込んでいて、まるで植物園の小さな温室ようだ。

大きなテーブルに私を含め女性ばかり七人座っている。二十代から六十代と年齢はばらけていて、皆透明な縦長の瓶の中に色とりどりの花をピンセットで詰めていた。

 自分の後方を見ると、木製の椅子に小さな黒板が載せられていて、

〈ハーバリウムワークショップ 講師卜田日美 13:00~14:30〉

と可愛らしい字で書かれていた。

!!!

卜田?卜田日美だと!?

あの十年前にこっぴどく振った卜田信吾の卜田か!?


 「みなさん、お茶の時間ですよお」

どこからかトレイにガラスの茶器を載せて運んできたのは……信ちゃん…。

まごうかたなき、卜田信吾その人だった。





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