第一話
山の中。
長い山道を進んだ山奥にある大きな建物。
『私立美麗学園』
幼等部、初等部、中等部、高等部、大学とエスカレーター式の全寮制男子校である。
この学園には生徒たちに凄く人気な組織がある。
それが生徒会。
俺様生徒会長に腹黒副会長。
双子会計にチャラ男会計。
そして、クール眼鏡書記にワンコ補佐。
まさに王道!!!!!
その中に自分が居るってのが少し気にくわないけど。
まぁ王道が間近で見れるから良いかなぁ…なんて
「ゆずる様?どうかなさいましたか?」
「ん?あぁ、少し考え事をしていただけだ。」
「そうですか。なら良いのですが。」
そう言ってキレイな笑顔を見せたのは、俺の親衛隊隊長兼幼なじみの、
万上目 縁
女みたいな名前に、小柄で可愛い顔だが、歴とした男だ。
しかも、中身はめちゃくちゃ男前!
実は空手と剣道の有段者で、全国大会では優勝を何度もするくらいの実力派。
人間見た目で判断してはいけないって言うけど…
まさにそうだよね。
ちなみに俺は、喧嘩したら絶対負けるので、馬鹿みたいなことはしない!
ちなみにあだ名は『ゆっか』
可愛いよね。これ人前で呼んだらめちゃくちゃ怒られるんだわ。
「キャー!ゆずる様ぁ!」
教室に入った途端この悲鳴。
うん。可愛いねチワワたん達は!
けど、毎回毎回この悲鳴は勘弁してほしい…。
「書記様…今日は教室で食べられるのかな…?」
「きっとそうだよ!だって縁様と一緒にいるんだもん!」
「今日はラッキーだね!」
…聞こえてるよチワワたん達。
小声で言ってるけどこの距離だったら流石に聞こえるよ!
まぁでも可愛いから良しっ!
あー…ああいう可愛いチワワたん達と一緒に食事したいな!
素で…。
でも素を出しちゃうと今まで築き上げてきたキャラが…。
だだだだだだー
ガラッ!
「ゆーずるっ!」
ギュッ
「っ!?…東堂か。」
東堂 朝日
オタルックの(腐フィルターによると、変装だと思われる)王道転校生だ。
…てか、なんでいきなり後ろから抱き着いてくるんだよー!
お陰でゆっかが怖くなったじゃないかぁぁぁあぁぁぁあ!
目が笑ってないよ…ゆっか…。
「もー、朝日って呼べっていつも言ってるだろっ!」
「東堂の方がかっこいいだろ」
「で、でもさぁ「かっこいいだろ」…」
あれ?
なんかしょんぼりしてる?
まぁ顔の半分くらい隠れてるからわからないけど!
俺が思うに、転校生くんの本当の顔は、絶対に美形だと思うんだ!
だってだって!
肌はきめ細かいし!色白だし!身長は…俺より少しデカイくらいだけど…。
唇は薄くて、歯も白いし!
俺の腐フィルターに狂いは無い…はず!
「何あのオタク!ゆずる様に馴れ馴れしくしてくれてんの!」
「死ねオタク!」「イヤー!ゆずる様が穢れる!」「困ってる顔もステキ!抱いてぇ!」「書記様抱かせろー」
飛び交う『罵詈雑言』。
とことん嫌われてるな転校生くん。
一部、俺に対しての言葉が聞こえたような気がするけど、気のせいだよなー。
気のせいだと言うことにさせてくれ!
俺は、女の子が好きなの!
まぁ、それは置いといて。
こんな中傷じゃあ、転校生くんは全く動じないんだけどね(笑)
いやー、耳栓でもしてるんじゃないのかな!
「あ、忘れるところだった!ゆずる!一緒に食堂行こうぜ!」
「すまない。俺、今日は弁当だから…。」
「じゃあ明日は一緒に食べような!」
「…明日もちょっ「キャー!暁さまぁ!」…と。」
なんなの!?
俺の言葉に被せるのが、今流行ってるのかな?え?
流石の俺も、イラッってするよー!
「朝日、行くぞ。」
あっらーーー!!!
転校生くん、会長に連行されちゃったぁー。
うひょー!会長×王道転校生って…まさに王道!これぞ萌え!
ヤバっ!同人誌のネタまたゲット!
俺的には、男前受けもオイシイけど、やっぱ転校生くんは総受けじゃなきゃ!
あ、申し遅れましたー。
俺の名前は、
桜木 ゆずる(サクラギ ユズル)
この美麗学園生徒会書記をやっています。
一応この物語の主人公らしいです。はい。
…もうお気づきの方もいると思いますが、俺は腐男子というものです。
そう、男同士のにゃんにゃんが好きなあれです。
妹に言われるがまま、クールキャラを演じて居たらいつの間にか生徒会入りしていたんですよね。
まあ、お陰で同人誌のネタががっぽがぽですけどね!
ピンポンパンポ~ン♪
『2年S組 生徒会書記 桜木ゆずるくん。すぐに職員室に来てく…めんどくせぇなぁ…すぐに職員室に来い。一分以内に来なかったら、どうなるかわかってるよな?』
ブツッ
「…はぁ。」
なんでだぁぁぁあぁぁぁあ!
なんで俺なの!?
あんのホスト教師めっっっっっ!
後にわかった事だが、この時の俺の凄い速さで走っていた姿は、生徒達に見られていたらしい…。
見られないようにしたはずなのになぁ…
2話に続く、、
意外と長くなっちゃいました(´・ω・`;)
2話からも長めになると思います!
4話の途中までは執筆済みのため、投稿速度が早いと思います。
それ以降はこれから考えるので、のんびり更新していこうと思います!
気長にお待ちいただけたら、幸いです!