少年は、地獄を見る。
ほぼ実話です。
とある専門学校の廊下。
私、中川誠司は、期待に胸を膨らませ、進級発表が行われるのを待っていた。
去年、落とした単位をやっとの思いで習得し、今年の進級を確信していたからだ。
俺の学校では、進級に必要な単位を、落としてしまったら1年の間で2回ある追認試験に1回でも合格できなければ、留年してしまうのだ。
追認テストに怯えていた日は終わった。あとは、卒業するまでほどほどにやりきれば大丈夫だ。逃げ切ってやるぜ。
中川誠司の学校生活は、苦汁を舐めるような苦しい日々であった。1年のころから留年の危機に陥ったりしていた。運動部の部活に入っていたが、先輩からは、成長が遅く、成績も悪いくせに、補講に行って練習を休んだり,兼部で漫画研究部に行ったりしたため、「真面目型クソ」と呼ばれていた。2年でその部活を辞め、漫画研究部を拠り所にしようとしていたら、部活名簿から除名されていて、新たに、入部届を出したりと、散々な目にあってきた。
これからもギリギリでやっていける。今までの経験を生かそうと思わず、誠司はそう考えていた。
「あー・・・やってもた・・・。」
隣で声を発したのは、我が親友の小宮山智だった。彼は去年落とした単位を修得できず、留年が決まった。
「まぁ、来年進級できるよう頑張れ。過去問やるから。」
「お前はいいよなー。追認合格できて。」
「お前の場合、落とした教科が悪かったんだよ。」
「取れる気しねぇよ・・・。もう、退学するかも・・・。」
ちなみに、2回留年したら強制退学である。
「俺は、お前が落とした教科を3年の時、死に物狂いで取ったんだ。お前もそのくらいやればできるよ。」
「追認マスター様はいいよなー。余裕でそんなこと言えてな。」
追認マスターとは、落とした単位を全て取れたものにのみ、与えられる大変不名誉な称号である。
「全然嬉しくねぇからな!この野郎!」
こうして、親友と身近で話せるのも少なくなるな。まぁ、いなくなるわけじゃないからな。
「休み時間にでも教室に遊びに来るぜ。」
親友の屍を乗り越えてでも、前に進む。この学校に来た以上、乗り越えなければならない試練である。さあ、進級が確認できたら、親に連絡するか・・・。進級者の欄に目を通す。な・・・。な・・・。な・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・な・・・・・・・・・・。
「あ"・・・?」
「どうした?変な声だして。」
「ない。・・・ない。・・・ないっ!」
「まさかお前・・・。」
「進級欄に・・・俺の・・・名前が・・・ない・・・。」
「嘘だろ、おい・・・。」
・・・親になんて言おう・・・。
俺の目の前に、蜘蛛の糸は現れるのだろうか。
中川誠司の地獄体験記のはじまりはじまり。
これからどう書くかわかりませんが、よろしくお願いします。