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八:行動、そして勉学

平安時代言葉遣いなんか意識してません。気にしたら負けです。

「僕も、ある力を使えますから」


笑顔を絶やさずに言った儺光を、華凛と永夜は不思議そうに見つめていた。


「…どんな力だ?」


永夜が聞くと、彼は答えた。


「憑霊術です」


儺光はさらりと言ってのけたが、華凛と永夜にとっては聞き慣れない言葉である。とんと意味のわからない顔をしている二人を見て、山吹が補足をした。


「憑霊術っていうのは、例えば、自分にある霊を憑依させれば、その霊の持つ力を使うことができる。他人に霊を憑依させれば、その人を自在に操れる。そんな力よ」


「そう…」


とりあえず、ここにいる四人は不思議な力を使える。それがわかった途端、山吹が急に笑い出した。


「ふふっ」


「なんだよ、気味(わり)ぃな」


「どうしたのですか?」


「変な人」


三人の言葉を受けて、山吹は両手を広げながら青空を見上げた。頬は、嬉しさのせいか、(あか)に染まっている。


「なんだか、この四人がいれば、なんでもできるような気がするの。私この前鏡を見て、自分の眼を観察してみたのだけど…」


そのまま山吹色の髪を(ほど)き、風に任せて続けた。


「感情があったの。興奮も、嬉しさも、何もかも、(よろず)の感情が…。これは、華凛や永夜に会ってからできたもの。それまでの私は無表情が全てだったから…。とても嬉しかったわ。だからっていうのはおかしいかもしれないけど、どう?この四人で、何か大きいことでもしてみない?」


すぐに反応したのは儺光だ。


「いいですね。山吹は昔から、大きい夢を持っていたから…」


「どんな夢?」


華凛が聞くと、二人は顔を見合わせて、にこりと笑った。


「「この縛られた時代を、変えるのです」」



「で、具体的にどういうことだ?」


目の前にずらりと並んだご馳走を頬張りながら、四人はこれからの作戦会議(?)をしていた。よく状況がわかっていない永夜の問いかけに、山吹が答えている。


「この時代って色々な規則がありすぎると思うのよ。だから、それを全部変えるの。例えば、女性が顔をひけらかすのははしたないだとか、食事の仕方が隅から隅まで決まっているとか、そんなこと結局はどうでもいいじゃない?…私みたいな考え方の人なんて、儺光以外に見たことはないけれど」


「未来は、とても自由なところだよ。男女平等は当たり前…。まあ、自由で技術も進化している分、悪いことをする人も多いけどね」


華凛が言うと、儺光が身を乗り出して目を輝かせた。


「ああ、そういえば…未来にはどんなものがあるのですか?きっと便利な時代になっているのでしょうね」


もちろんと言ってから、永夜が説明を始めた。


「例えば、いつでも他人と話が出来たり、歩いたり馬に乗らなくても好きなところに行くことが出来る」


「この前華凛が言っていた、自動車とかいう乗り物のことね」


山吹が箸を伸ばしながら口を挟む。


「そうそう。あ、あと、勉学もすごく発達してるよ」


山吹に答えながら、華凛はメモ帳を取り出した。出どころのポケットやそのメモに、平安に生きる二人の目が引き寄せられた。


「じゃあ…こういう問題にしよっか。『2x(エックス)(プラス)5イコール)7x+15』。どう?永夜、解ける?」


「x同士をまとめて、文字と数字単独に分ける。だから『2xマイナス)7x=15−5』これを計算して『−5x=10』。よって、『x=−2』。簡単だな」


メモに書かれた問題(方程式)をあっさりと解いてしまった永夜を、山吹と儺光の二人はぽかんとしながら見つめた。


「え、あの、二人とも大丈夫…」


と華凛が聞こうとした瞬間、二人はガバッと華凛と永夜の手を握り、口を揃えて言った。


「「未来の勉強を教えてください‼︎」」





キャラクターの外見設定一応あるんですが、使う機会は無いかと。次話、番外編として書こうかな?

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