(この小説は削除)
取りあえず、切ない恋愛っぽい
話しを書いてみました。
あまり文芸には優れていないので、
感じるような場所がないかもしれませんけど、
どうか、大目に見てください。
何があったかはワスレタ。
しかし、俺はパソコンに手を差し伸べていた。
どうして頭にストーリーができていたのかもワスレタ。
なぜかスラスラと書けていた。
俺の小説は面白かったらしい。
良くわからず、できたのなら投稿と。
新人賞とれたっけ?入選したんだっけ?
よく覚えていない。
何か大事なことを忘れているような。
俺の記憶は去年からあいまいだ。
楽しいことやつらいこと。
苦しい時や嬉しい時や。
俺の記憶が確かであれば、
俺は一時期最悪な人生を暮していたはず。
それがいつの間にか楽しかった。
俺の記憶は丁度三か月前あたりで
残っている。
空白の九か月間はワスレタ。
しかし、何も不自由はない。
いや、自由になれたような。
しかし、どこかせつないような。
~三か月前に書いた小説~
ざっと簡略化させた版
主人公(彼)は土下座してばかりだった。
借金残しの親の遺産相続から借金取りに追われる毎日。
学校ではいじめの標的にされ、悲しみに明け暮れ。
気晴らしのポルノ、たばこ、酒にその高校二年生は手を伸ばし、
しまいには危険な麻薬にまで手を染めた。
学校も不登校になり、
というか、学費が払えなくなり、
一人部屋にこもっていた。
借金取りである暴力団から
新規麻薬の試験にされたりで、
親の残した借金を少しずつ削って行った。
たまに密売もした。
ついに彼は完全に発狂した。
幻覚と現実に区別がわからなくなり、
世界はぐるぐるし始めた。
苦しみに耐えようとも、
それはほぼ無理だった。
めまいの激しさは増す。
苦痛に悲鳴を上げるも
ついには動けなくなった。
ついにめまいはとれた。
しかし、彼がいた部屋は
あのボロイアパートではなかった。
青春日常ほのぼのを絵に現したかのような
謎の世界。
そこでヒロインと出会う。
主人公はあの世界を忘れ、
その世界で新たな人生を送った。
とても楽しかった。
楽しいことやつらいこと。
苦しい時や嬉しい時。
どれもがいずれも楽しかった。
銀髪のロングヘア。
どこか控えめでシャイなところもあるが、
根から優しく、
人思いな美少女。
茶髪のオールバック。
いじられ、やられキャラではあるが、
根から馬鹿で、
人を楽しませる親友。
黒髪のポニーテール。
冷静で口数少ないが、
根から面倒見の良く、
人を導く、友人。
確か、黒髪と茶髪は
その後、カップルになったっけ。
全員でいい組み合わせとして、
笑っていたっけ。
いろいろと合った。
なんかいろいろと事件を起こした。
いろいろと立ち向かった。
いろいろと楽しかった。
彼は銀髪の子が好きだった。
青春ラブコメによくある、
告白シーン。
ついに彼は、彼女に思いを打ち明けた。
そして彼女は承諾してくれた。
その世界にも終焉が向かっていた。
ハルマゲドンとかではなく、
なんか存在が消えていた。
彼はそれを予知し、
怖くなり、
ずっと銀髪と一緒にいた。
銀髪は優しく手を握ってくれた。
彼はひどいめまいに連日悩まされた。
ついに記憶にも障害が出た。
入院生活を始め、毎日、
みんながやってきた。
入院生活も悪くはなかった。
容態はいきなりよくなった。
健全以上に良かった。
しかし、医師からは余命を宣告された。
後、一週間と。
みんなは学校を休み、その七日間、
彼の死ぬ前にやってみたいこと、
やっておきたいことをやらせてくれた。
人生で一番楽しかった。
七日目の午後11時、
容態は最悪になった。
意識だけあり、少しは
しゃべれるという不幸中の幸い。
みんな見守ってくれた。
苦しかったが、嬉しかった。
みんなで最後の最後まで
ほのぼのと、日常的な
会話をした。
午後11時57分。
めまいがとてつもなくひどくなった。
何も見えなくなり、ただぐるぐる。
あれ?このめまいどこかで……
ついに主人公はあの世界を思い出す。
帰るのか……あの世界へ。
12時ぴったし。
俺は死んだ。
その世界では。
あの世界では生還した。
ボロイアパートだった。
これは夢だったのか。
そう、思っていたら、
となりに銀髪がいた。
体中水のように透け、
今にでも消えてしまいそうな。
幻覚?と思っていたら、
彼女は彼を抱きしめ、
一言さよなら、といった。
最後に、
いつまでも愛してる
いつまでも待っている、
私をワスレないでね。
と、いい残し、
ぬくもりも残さぬまま、
消えた。
その途端、体から何かが渦巻いた。
めまいもするが、それよりも
体の中がとにかくぐるぐるする。
これまでとは違う苦しさ。
何かを絞りとられているような。
足から始まったそのヴォルテックスは
上昇していき、2分後には頭までぐるぐると
すぽっ、となるかのように、渦巻きはとれたようだ。
しかし、とにかく体の中を絞られまくった。
体の中の底から何かが込みあがってきた。
そして、ついに、すべてを口、鼻と全身の毛穴から
噴出した。
血、とは言い難い色をした液体。
これまでの麻薬実験で変色したのか。
注射して入れるのもあったぐらいだし。
あのぬくもりが再び。
『あの世界』、あの楽しい世界
での思い出が鮮明に、きれいによみがえってきた。
楽しいことやつらいこと。
苦しい時や嬉しい時。
最初から最後までよみがえってきた。
走馬灯……ついに、俺はこの世界でも死ぬんだな。
彼はそう思った。
天国は意外とイメージとは違った。
ボロイアパートのままだった。
変色した血はそのまま。
まだ死んでないと彼は気づいた。
彼はだんだんと自分の記憶が消えていくことに気付いた。
そして、何があっても忘れないよう、
書き記した。
想い出を。
完
というような小説が出来上がった。
どうやらボロイアパートのモデルは
いまおれが住んでる、
このアパートの事だったのだろう。
あのとき、どうして、どうやって
そんな物語が思い浮かんだのかは
わからない。
もともとそんなに本も読まないし、
文芸にも優れてはいなかったのに。
何もわからない今、印税だけで暮らし、
平穏に生きている。
テレビをつけて、数か月前につかまった
暴力団と新生の麻薬の特集を見ながら
コーヒー一杯を飲み、
自分は今、何をやっているのだろうと思った。
何かをすべき、しかし、その何かが思い出せない。
今日は特に何かが頭のなかでそう叫んでいた。
取りあえず、外にでも出かけよう。
小説の第二巻を作ってみたけど、
念のため矛盾がないか確かめるため、
全部読み終えたところだ。
最近ネットで知り合った友だちから電話が来た。
来てほしい、って。
その友人はカップルで、二人して俺のファンらしい。
ボケとツッコミ的な関係で、一緒にいててたのしい。
俺の日常をあの時の俺は引用したのだろう。
丁度茶髪と黒髪だった。
あいつらに頼まれてやってきたのは
普通の一軒家だった。
門の前にあいつら待っていた。
さあ、行こう
と、手を差し伸べ
案内されるがまま家に入っていた。
誰もいない。
人が住んでいる形跡は
取りあえず一人暮らしということだけは
わかった。
様子的にあのカップルのどちらかでも
なさそう。
一つの部屋に彼らは入って行った。
俺もつられるがまま入っていた。
何か懐かしさを感じさせる匂いだった。
部屋の中では一人の少女が
俺たちを待っていた。
初対面なのに、どこか見覚えのある、
いや、それ程度の関係ではにあ気がした。
特に、彼女の銀髪がどこか見覚えのあった。
「お久しぶり、この世界に来ちゃった。
もちろん、みんなと」
「これで、またみんなであのころのように」
「楽しく過ごせるな」
なぜか、なみだが込みあがってきた。
くるしい。
体の底から何かが込みあがってくる。
あのころのようだ。
変色した血と一緒に流れたのきれいな
水。
こいつらの言ってることがわからない。
出会ったのは最近だぞ。
特に、そのうちの一人は初対面だぞ。
何を言ってるんだ。
なんで俺は泣いているんだ。
やっと思い出した。
三か月前。
俺は忘れまいと。
パソコンに手を差し伸べ。
あのころの思い出を元に
すらすらとうっていた。
楽しいことやつらいこと。
苦しい時や嬉しい時を。
たとえ、それが楽しい夢でも、
それが悲しい夢でも。
夢から醒めた後は、
なぜかだんだんと忘れてしまいますよね。
たとえそれは忘すれてはいけない夢でも。
しかも、夢ってほとんどもう
同じ夢を見れないことってありますよね。
結局自分はその夢を忘れたまま。
気にせず、
完全その記憶を忘れる。
実は誰かはあなたを待っているかもしれない。
もしかしたら