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第4語り 魔王の対義語、それは……

おかしい……

俺は確かにあの夜部屋に戻って寝たはずだ

なのに何故……


「こんなだだっ広い真っ白な更地にいるんだよ!!」


ええ、驚きますとも

目が覚めたら魔王?

そして今度はだだっ広い真っ白な更地?


神は俺に何を求める?

そんなに神に嫌われるような事したっけ?

あ、今の俺、魔王だったな。

嫌われる要素十分じゃん………


そんな事を考えていると


「やぁ、いらっしゃい。魔王エイセ君?」


どこからともなく声が聞こえてきた


「出やがったな神様!俺の事がそんなに嫌いか!」


「いや神様とかじゃないから……」


なん……だと!?


「こういう時は普通神様が出て来るのが相場だろうが!責任者呼んでこい!」


「君はクレーマーかい!?それとここに君を呼んだのは僕だから僕が責任者って事になるかな?」


アホな会話を繰り広げて相手が神で無いことを理解

これなら心の中で罵倒できる


「君今、かなりヒドいこと考えなかった?」


「ハハハ。ソンナコトアリマセンヨ!」


「ハァ……」


何故バレた!?

驚いている俺をよそに相手が説明を始めた

「とりあえずこの世界の説明からするよ」


次の瞬間一言で済まされた


「『夢の中』の世界だよ。じゃあ次に……」

「ちょぉっと待てえい!!!」


「え?どうかしたの?」


「『どうかしたの?』じゃねぇ!説明雑っ!荒っ!」


「説明すんのめんどくさいZE☆」


「ハァ、もういいよ……さっさと次の説明してくれ……」


「それじゃ早速


君は魔王として召喚された異世界の住人だよね?

魔王として召喚されたのには訳がある。

簡単な事だよ。

君は何らかの使命を与えられた。

誰にだって?

誰でもないよ。強いて言うなら『理』だよ。

理とは世界における法則、言わばルールみたいな物さ。

だからあの世界のみんなは違和感を感じない。

魔王が異世界から来るのが当たり前の法則なんだから。

まぁ理の事は置いといて、君は与えられた使命を達成すれば元々いた世界に帰れるはずだよ?

どんな使命かは知らないけどね。

でも魔王の役目っていったら想像がつくよね?

ヒントはね

『魔王の対義語』って何だと思う?

簡単な事だから自分で考えてね♪

あ、そうそう、ちゃんと魔王としてやっていけるように能力は強化されてるし魔法の類いも使えるようになってるから。

魔王城の地下に闘技場、もとい訓練所があるから試してみるといいよ?


とまぁ、こんな感じかな?」


「………」


訳わかんねぇ……

なんで俺なんだ?

なんでそんな法則がある?

それになにより……


「お前は何者なんだよ!?理ってやつか?」


「違うよ。僕はただの旅する『小説家』さ。それじゃ、またいつか会おう『魔王様』?」





奴はそう言って俺は夢から覚めた




「変な夢だったな……」


妙にリアリティがあった

あいつらにでも話してみるか……

そして俺は食堂へ向かった


が……



「それでエイセがさぁ……」


「アハハハ!!」


カズミとファンの声が聞こえてきた

他のメンバーも昨日の件について談笑しているようだ

これはあいつらにオシオキしてもいいよね、ね?

そう考えた俺は早速食堂へ足を踏み入れカズミの後ろに立ち


「お前ら面白そうな話してるな?」


「おう!そうなんだよ!昨日エイセが……」


「カズミ、ご冥福を祈るよ。」


「君の犠牲はたぶん忘れない☆」


「僕らは退散させて貰うよ。」


「え?お前ら何を言って」


セイト達に言われるがカズミはまだ気付かない

すると

「カズミ?後ろ後ろ。」

とファンが言い

「世の中には知らない方が幸せな事もあるのね……」

とサーシャが呟いた


そしてカズミがようやく俺の方へ振り向いた

「あ……おはようエイセ☆」


冷や汗をかきながら挨拶をしてきた


「おはようカズミ、良い朝だね☆」


「みんな助け……て?」


カズミが助けをもてめるがセイト達はすでに食堂から脱出している


「こんな良い朝から血を見ることになるだなんて……非常に残念だな♪」


本来なら許していたんだよ?

でも昨夜の話を今朝もしているんだもん


「オレも血は見たくないな。落ち着けエイセ、な?」


「ちょっと、こっち、来いや?」


「イギャァァァァ!!!」


俺はカズミを食堂から引っ張り出しちょっとばかり説教してオシオキをした

なに、カズミだから大丈夫だろ。たぶん。


「流石は魔王。エイセは怒らせない方が良いですね。」


「普段は良い人ってキレると危険だよね~。」


ラーナとユーセンの畏怖の目線と評価が聞こえたが気にしない



そんなこんなでオシオキから30分

カズミが復活し他のメンバーも帰ってきた


そして今朝見た夢の話をした


「―――と言う夢を見たんだ。」


「マジか……オレ、似たような夢みた」


「「「僕(俺)も」」」


「全員が同じ夢を見た、か。偶然とは思えないな。」


「まぁ細かい事はさて置き……」


「魔王の対義語ねぇ……」


「アレが真っ先に思い浮かぶな。」


「あぁ、アレしかない。」


みんなの思考が一致する


「やっぱり―――」


俺が口を開きかけた

その時


「魔王様、なにやらお客様がお見えになっています。」


部下が入って来て来客を告げた


「客?」


「はい。今は応接間でお待ち頂いています。」


「わかった。すぐに行く。」


そう言って俺たちは食堂を後にし応接間へと向かった



「初めまして。俺が魔王エイセだ。お待たせしたな客人。今日はどういった要件で?」


「あ、初めまして。ってそうじゃなくて!ボクは勇者。ユリア・エイユだ!勝負しろ魔王!」


はい勇者きたー

ボクっ娘勇者きたー

来なくていいのがきたー

てか今の俺ら戦闘手段はおろか武器すら持ってないし


「タイム!おい、みんな集合!」


「どうした?」


「武器も戦闘手段も無い!」


「「「「……あ!」」」」


「と言う訳だ。勇者ユリア。今回は帰ってくれ。そして二度と来るな。」


「仕方がない。今回は見逃してやろう!ボクは戦う事もできないヤツをいたぶるような卑怯者ではないからなぁ!ではさらばだ!」


ハハハハハ!!!

ユリアは笑いながら応接間から出て行ったのだが


「ってちょっと待て!二度と来るなとはなんだ貴様!ボクにケンカ売ってるのか!?」


舞い戻ってきたユリア

ちっ、あのまま帰ってれば良かったのに


「セイトにジャンケンで勝てたら勝負してやるよ。ただし負けたら帰れ。」


「俺!?」


「いいだろう!」


「セイト、やっちまえ!」


「はぁ、仕方がない。ジャンケン……」


「「ポン!」」


セイト→パー

ユリア→グー


「勝者、セイト!」


「くっ……!」


フハハハ!セイトのジャンケンでの勝率は8割なのだよ!


「今日のところは勘弁してやる!覚えてろよ!」


「いや、それ小悪党のセリフでしょ……」



そして今度こそ勇者ユリアは去っていった


武器や戦闘手段か、どうするかな………


「あ、そう言えば……」魔王城の地下に訓練所があるとかって夢の中で言われたような………


「よし、行くか!」


「どこへ?」


「カズミ、今朝夢見ただろ?」


「エイセ、カズミに記憶力を期待するのは間違ってると思うよ?」


「「全面的に同意」」


カズミの記憶力の評価がやたらと低い件


「オレの記憶力舐めんなよ!」


「「自慢するとこじゃない!!」」


調子に乗ったところ粛正されたカズミ



「とりあえずカズミはスルーして地下に行きますか……」





そして俺たちは地下の訓練所を探し発見


カズミもナチュラルに合流し訓練所へ入るのであった

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