プロローグ
主人公は基本ヘタレです。
作者もヘタレです。
目の前は赤色で埋め尽くされている。
何が起きたか理解できなかった。
体を動かそうとしても動かない。
呼吸することすらできない。
なんとか顔を横に向け俺が見たものはおびただしい量の血・・・。
そうか・・・俺は死ぬのか。
横からガテン系のおっさんが必死に俺に声をかけている。
「大丈夫か青年!!すぐに救急車が来るからな!しぬんじゃないぞぉぉぉ!!」
おっさん・・・心配してくれるのは嬉しいんだが・・・すごく暑苦しいです・・・。
まあ救急車が来ようが俺の死は確定だろう。
なにせ出血量が半端じゃない。
某太陽にほえる刑事さん並の量だ・・・。
別に死ぬことは構わない。
専門学校に二年通い春に新社会人として少しの不安と期待と共に社会に乗り出して半年・・・
絶望した。
毎日働き詰めで休みも仕事の疲れをとることに使い、仕事の疲れがとれたらまた仕事。
上司に怒られ先輩の愚痴を聞き、こいつらは何を楽しみに生きているだ?と思う毎日。
職を変える勇気もなく苦痛に耐える日々。
もういい・・・。
生きることに疲れた・・・。
おっさん・・・こんなダメなやつの為に泣いてくれてありがとな。
ああ・・・そういえば一つだけ悔いがある・・・。
・・・せめて童貞くらい卒業したかったぞ!!コンチクショオォォォォ!!!!
せめて今俺を腕に抱いて泣きながら暑苦しい顔を近付けているのがおっさんではなく美少女もしくは美人のお姉さんだったら・・・。
ちょっ!おっさんっっ!!鼻水垂れてる!!顔につく!!あっ・・・。
クソ!!忘れよう・・・・どうせ死ぬしどうでもいい。
たとえ死ぬ間際に顔がおっさんの鼻水でグチョグチョだとしてもどうでもいい・・・・。
・・・やっぱりちょっとやだなぁ。
よし!そろそろ本格的にやばくなってきたしあの名言で俺の人生の最後を飾ろう・・・。
俺は顔についた鼻水を右手で拭い顔の前で右手を開き穴の空いているであろう肺から無理やり空気を出すように声を出した。
「な、なんじゃこりゃあぁぁぁ!?」
・・・なんか違った
ああ・・・・・・もう意識が・・・。
最後の最後まで俺はダメだな・・・。
死ぬ間際ふと思った。
そういえば・・・死ぬとどうなるんだろう?
天国とかかな?それとも地獄かな?そういえば仏教には輪廻転生って概念があったな。
確か死んだら転生するんだっけ?
虫とか犬とか何になるのか分からないんだったよな?
だったら猫がいいなぁ・・・。
たまに道端で見る猫のあの気持ちの良さそうな寝顔が今の俺には羨ましかったなぁ。
死んだら猫になれるかなぁ?
まあ死んだらわかるか
だが死ぬ前に一言言わせてもらおう・・・。
「せいねぇぇぇん!!せいねぇぇぇぇぇん!!!うおおおおおん!!!!」
おっさん・・・最後まで暑くるしいです。
こうして俺は21歳という若さで死んだ。
うまく書けているかとても心配です。
なれるまではあまり読みやすい文章は書けそうにないです。




