3 冒険者ギルドピースフル支部
どうも!
実は、3日の活動報告でこれからの目標を日間ランキング100位以内という目標を立てたのですが、次の日にPVとユニークが大変なことになっててランキングを確認したら1日で達成してしまっててびっくりしています
お気に入り登録、評価していただいた方ありがとうございます
たくさんの方に読んでいただいてうれしい半面、結構見切り発車な部分も多いため少し重圧もあったりします。
とりあえず、また何か目標を立てて頑張りたいと思いますのでよかったら宜しくお願いします
「おっ、やっと見えたぜ!」
ピースフルの4大区画のうち北門から一番近い区画で通称「ギルド区画」と呼ばれる所まで来たベルたちの視線先には、3階建ての木造建築で2枚扉の入口の上に『冒険者ギルド』と書かれた建物が見える。建物の扉は完全に開かれており、冒険者であろう武器や防具を装備した人たちが魔法灯≪マジックライト≫の明かりに照らされながら行き来している。
「ほら! 早く入ろうよ!」
アリスが先陣を切ってギルドに入っていく。
「もう、そんなにお菓子が食べたいのかしら」
「アリスは甘いもの大好きだからなぁ」
「僕もあの茶色の食べ物好きですよ。苦みというか甘味というかあの味が病みつきで」
「いや、ボルがアレ食べたら身体に悪いから気をつけないとダメだよ」
「………………早く入る」
アリスのはしゃぎ様を見ながらマリアたちが店内に入る。するとと、ギルド内にいた冒険者、職員、男女問わずその視線が入口に向けられる。
それもそのはずだ。このギルドに問わず、クライン一家はピースフルではいろんな意味で有名人なのだから。
一家の主であるマリアは言わずと知れたBランクの冒険者である。Cランクで一人前の冒険者といわれる中でBランクというのはCランクの冒険者なら一生かかってもランクアップできるかどうかと言われている。そのほかにも、戦時中はヒト族でも珍しい魔法剣士として名をはせていた為どうしても視線を集めてしまうのである。
マリアはそんな人を師事している上に、女性でも見惚れてしまう容姿にロリコンなどの病気を持った人も正常に戻してしまうような豊満かつバランスのとれたプロポーションをしている。
そのため、冒険者にとどまらずピースフルやヒト族の中ではとても人気が高い人物となっている。
すでに年齢は30歳を超えているが、ミーナに教えてもらったマナの特殊な使い方によって未だに20代前半の身体を保っている。ちなみに、マリアがミーナにその運用法を教えてもらったときにベルが年齢を尋ねたところ実は213歳という常識はずれなぐらい長生きしているという事を追記しておこう。
そして、そんなマリアの1番弟子であるアリスも冒険者の中では一目置かれている。
まだ、成人していないためギルドに登録はしていないものの実力はすでにDランクと遜色ないほどになっていた。それに加えて、まだ発展途上とは思えない早熟した身体は魔人族特有の褐色肌で妖艶に見え、普段のアリスを知らない人が見れば子供とは思えない雰囲気に一目ぼれしてしまうかもしれない。
そのアリスが、ギルドに登録したと同時に自分のチームに誘おうと冒険者達は目を光らせているのである。しかし、当の本人はそんなことはいざ知らずこれからもマリアに色々教えてもらおうと考えていたのだった。
そして、ここ1年で新たに注目を集めているのがクライン家の末弟であるベルとフェイである。クライン家は7人兄弟という話が世間の認識だったが、そこに実は2人の男の子が下にいたのだから世間は大騒ぎだ。もともと、マリアの娘、息子は戦争孤児を拾って育てたという話は有名だったため新しく拾った孤児という認識については違和感はないのだが、兄弟達は皆マリアから英才教育を受けてきていた為「この子たちはどれくらいすごいのだろう?」と強い関心をもたれるようになった。それに、あの兄弟達が口をそろえて末弟が一番凄いと言っていたらしいという噂(実話)も一部に流れていてそれを見極めようとする人たちもいるのだ。
その他にも、見たこともない魔物を2体使役しているとい言う事もありこうして注目を集めているのだった。
マリアたちは、そんな視線を無視して1階正面にあるDランク以下専用受付に向かい、椅子に座って書類の整理をしている10代後半から20代前半くらいのセミロングヘアーの獣人族(犬人族)の女性に声をかける。
「ドネットさん、こんばんは!」
「オッス!」
「おい! こんばんは、ドネットさん」
その女性にアリス、フェイ、ベルと挨拶をし、その後ろでボルとゴンが会釈する。
「こんばんは。相変わらずみんな元気ですね」
「こんばんは、ドネット。受けていた依頼が終わったから確認してもらえる?」
「えっ? 記憶が正しければ、今日の午前中に依頼をお受けになったと思うんですけどもう終わったんですか? だってマリアさんが受けた依頼の場所ってロックベル山脈だったと思うんですけど?!」
ドネットの声に1階にいた冒険者たちが一気にざわつく。
「なぁ、『魔法剣士』はロックベル山脈での依頼を1日で終わらせたらしいぞ!」
「嘘だろ? ロックベル山脈はここから何十キロ離れてると思ってんだよ」
「あれ、確か今日の午前中にあった山脈系列の依頼って大量発生した山鬼の討伐だったような……?」
マリアは、その様子を見て溜息をついた後に、少しどすの入った声を出す。
「ド~~ネ~ット~~?」
「すみません、すみません、すみません!」
「まあ、いいわ。そうやってむやみに大声出すところは直さないとダメよ?」
「本当にすみません~、以後気をつけますぅ~」
「はぁ、私たちが『飛行』使えるのはドネットに言ってなかったかしら?」
「き、聞いてませんよ~ てゆうかみんなってマリアさん以外に使える人いるんですか? だって、後はアリスちゃん達しかいないじゃないですか~」
「アリスとそこにいるゴン以外はみんな使えるわよ?」
「えーー、モゴっ?!」
マリアは、ドネットが叫ぼうとした瞬間に右手で口をふさぐ。周りも何事かとマリアたちを見てくるが、マリアが睨みつけるとすぐにそっぽを向く。
「だから、そのすぐに叫ぶ癖は直しなさい! 次やったら……分かってるわね?」
すると、ドネットはブンブン頭を縦に振る。
「なぁ、母さん遊んでないか?」
「そうよね。ちょっとふざけてる感じあるわね」
「そうか? けっこう真剣に怒ってるような気がするぜ?」
「そんなことないんじゃないですか? 良く見るとちょっと楽しそうですし」
「………………早く」
そんなコントをしてるような二人の後ろで子供達が小声で話していたのだった。
「それじゃあ、話を戻すわよ?」
「……はぃ。おねがいしますぅ」
あれから、少しの間目的を忘れてドネットに教育していたマリアだったが満足したのか本来の話題を出す。
「とりあえず、これが今回の依頼達成の証明品ね。あとこっちは山鬼達が持ってた装備なんだけどギルドで買い取ってもらえるかしら?」
マリアは、子供たちから預かった中身がいっぱいの布袋5つを机の上にドス、っと音を立てながら置く。
「だ、だいぶありますね…… 今から確認しますので少々お待ちください。せんぱーい、手伝ってもらっていいですか?」
思っていたよりも量が多かったのか顔をひきつらせながらも仕事口調で受け答えしたドネットは、奥で仕事をしている先輩を呼ぶ。
すると、奥からツインテールの金髪をしたドネットと同い年くらいのヒト族の女性が出てくる。
「はいはい、どうしたの? って、マリアさんじゃないですか!」
「あら、カレンじゃない? こんばんは」
「こんばんは、今日はどうしたんですか?」
「午前に受けてた依頼が終わったからその報告報酬をもらいにね」
「そうだったんですか! もしかしてこれですか?」
そう言って、山鬼の血で少し緑色になった布袋を見る。
「そうよ。悪いんだけどドネットの手伝いしてもらっていい? 後、ギルド長って今大丈夫かしら?」
「ギルド長は多分自室にいると思います。マリアさんだったらそのまま会いに行っていいと思いますよ!」
「そう? じゃあちょっと会ってくるからその間に確認よろしくね」
「分かりました」
マリアはカレンにそう言うと子供達を連れて三階にあるギルド長の部屋に向かった。
「ねぇ、僕達も会って大丈夫なの?」
ギルドの入口近くにあった階段上がってギルド長の部屋まで来た時に、ベルがマリアに尋ねた。
実は、アリス以外はギルド長に直接会うのは初めてだったのだ。
「平気よ。冒険者ギルドピースフル支部のギルド長とは昔からの知り合いなの。いい機会だしみんなも会っておきなさい」
そう言って、マリアはギルド長室のドアを三回ノックする。
「Bランク冒険者のマリアです。ロペスさん居ますか?」
すると、中から「入ってどうぞ」と言う男性の声がした。
マリアは、返事を確認すると「失礼します」と言って部屋に入るので、子供達もそれにならって一言言ってから部屋に入る。
部屋の中には、この世界では余り普及していない様々な本や書類が入った本棚が置いてあり、部屋の中央奥には、仕事用の両袖机がおいてあり、机の上には暗がりでも仕事がはかどる様に小さい魔法灯が設置されている。
その机に座っていた、30代から40代位のヒト族の男性が手に持っていた書類を机に置いて笑顔でこちらに視線を向けて来る。
「やぁマリア、久しぶりだね。アリス君以外は初めましてかな? ここのギルド長をしているマルコ・ロペスだ。これでも、昔はBランクの冒険者でね。マリアが冒険者成り立ての頃にいろんな事を教えてあげた事があるんだ」
「あの頃は本当にお世話になりました。もしマルコさんがいなかったら私は冒険者としてやっていけなかったと思っています」
「いやいや、マリア君は僕の下にいなくたって何とかしてたさ。僕が教えたのだって、冒険者としての最低限の知識だけだったしね。まぁ、昔の話は置いておいてここに来たって事は何か用事があったのだろう?」
「はい。今日、私達でロックベル山脈に大量発生した山鬼の討伐依頼を受けていたんですが、直接報告したいことがありまして……」
「ふむ、何かあったのかい?」
ロペスの問いかけにマリアは今回の依頼の内容と、依頼ランク付けをする前に最低限の確認をすべきと言ったギルドの依頼ランク付けなどに対する意見を話す。
「ふむ、確かにそれは問題だね。時間が取れ次第話し合う事にしよう。今回のマリア達の報酬には内容に見合う報酬に加えてギルドから少し増額させてもらうことにしよう。後で受付で受け取ってくれ。今回は迷惑かけてすまなかったね。本当にありがとう」
そう言って、ロペスは深々と頭を下げる。
「そんな…… 頭を上げて下さい。子供達にいい経験を積ませる事が出来ましたし、こちらの方が得をしてるんです。気にしないでください」
マリアは狼狽しながら返事をする。
「ケジメみたいなものだ。素直に感謝されててくれ」
そうマリアに言ったロペスは視線を後ろで様子を見ていたアリス達に向ける。
「、この子達が噂に聞くマリアの新しい家族たちか! 1番下は確か今年、初等部に入学するんだろう? 聞いた話じゃ兄弟の中で1番優秀だと聞いているが本当なのかい?」
ロペスは、話題を変えるように子供達についてマリアに聞く。
「そうですね。確かに子供達の中では1番しっかりしてるかもしれないです」
「そうか。それは将来が楽しみだな! よし! もし何か困った事があったらおじさんにを訪ねて来るといい!! マリアの家族は私の家族も同然だからな! と、言ってもマリアにミーナさんもいるから俺の出る幕はないだろうがな」
「いえ、その時はよろしくお願いします」
そう言って、ベルが頭を下げると、つられてフェイ、ボル、ゴンも頭を下げる。
「別に用がなくても遊びに来てくれていいんだぞ? 受け付けにいる誰かに一言言ってくれれば私に会えるように言っておくからな」
そう言って、順番に頭をなでていくロペス。
それからは、確認を終えたカレンが全く降りてこないマリアたちの様子を見にくるまでロペスの質問攻めにあうのであった。
この時、ベル達が実はギルド長って結構暇なのか?という素朴な疑問を感じたのだった。
良かったら評価宜しくお願いします
感想等お待ちしてます