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俺と不死鳥と異世界トリップ  作者: ネギ抜き
第1章 孤児院編
26/35

23 模擬戦が終わって (1)

 少し薄暗い森の中。

 何時間経ったのか、はたまた、数分しか経っていないのか。俺は後ろから迫ってくる不気味な影から逃げ続けていた。

 どんなに、遠くに逃げようとしてはすぐに追いつかれてしまう。

 そんなことが数回続いてから俺は意を決してその影に向かって立ち向かおうと足を止めて振り返る。

 すると、視界に自分の4倍は有りそうな身体のゴンが立っていてすでにこちらに向かってビームを撃つ準備をしていた。

 ゴンのビームはの光はみるみる大きくなっていき明らかに最強レベルで撃ちだそうとしていることは明らかである。

 俺は、すぐさま射程から逃れようとするがいきなり地面が泥沼になり足が沈んでしまって動けなくなってしまった。

 ゴンはそんな俺を気にすることなく発射の準備をしており、その威力を知っている俺は恐怖に体が震えだした。

 そして、光が収束していき俺に向かって放たれた……




「はっ?」

孤児院の男部屋のベッドに寝ていた俺は、目を覚まし、汗を噴き出した身体を起こす。

俺は、余程衝撃な夢を見たのか未だに息が荒く瞳孔がぼやけている。

( 何か巨大化したゴンに襲われる夢を見たような気がする)

どんな夢をみたか気になったがとりあえず置いておいて、周りを見渡してみる。

(ここは、どうやら男部屋みたいだな。確か、ゴンと模擬戦をしてた筈なんだけど、この様子だと俺は負けたみたいだな)

今の状況を把握した俺は、まずはみんながどこにいるか探す為に部屋を出る事にする。

(あれからどれくらい経ってんだ? みんな、集会部屋にいるかな?)

俺はそんな事を考えながら部屋を出るためにドアノブに手を掛けようとする。

だが、ドアは俺が開ける前に開き、廊下には子供状態のゴンとボルがいた。

どうやら、2人?共いつまでも起きて来ない俺が気になって様子を見に来てくれたみたいだ。

ゴンは、すまなそうにこちらを見つめ、ボルは、俺の身体に擦り寄ってくる。


「そんなに気にするなって! 戦ってるんだから当たり前だし、逆に手加減されてたら怒るからな‼」


俺は、申し訳なさそうに身体を縮ませているゴンに声をかけながら頭を撫でてやる。すると、ゴンは嬉しかったのか両手をあげて喜び、ボルは「僕も撫でて!」と言うように俺とゴンの間に身体を入れてさっきよりもすり寄ってくる。

 そんな二人に癒された俺は、みんなを探しに歩きだすのだった。



 ゴンとボルを連れて集会広間に行くと予想した通りみんなが部屋でたむろっていた。部屋は、すでに夕食の用意が佳境を迎えていてテーブルに料理が並び始めていた。

俺が部屋に入ると、みんなの視線が一斉にこちらに集まり、俺だと気付くと子供達が寄ってきた。

「もう大丈夫なのか?」

「まだ寝てた方がいいんじゃないの?」

「そうですわ。流石にあんな怪我してたらもう少し安静にしてないと…」

そう言って、フェイ、アリス、シャロンが心配そうな顔で声を掛けてきた。他の子供達も3人と同じ表情でこっちを見ている。そんなに酷いやられ方してたのか?

『そりゃあもう、ヤベっマジで死んだんしゃね?って思う位やばかったぜ? ゴンの攻撃マトモに食らって吹っ飛んで近くの木に叩きつけられたんだよ。しかも、その木は衝撃でへし折れたくらいだし相当な威力だったんだろうな。マリアが直ぐに試合止めてダイが転送されるとマリアとミーナ、エリーで直ぐに治療に入ったから大事には至らなかったけど下手してた死んでたぜ?』

俺の考えてた事にフェイが念話で答えてくれた。

『エリーとアリス、シャロンにケイン、ライオはショックで泣きそうになってたからな』


そっ、そこまで酷かったのか…… だから、その時の記憶がないのか? とりあえず、骨折位だと思ってとから見通しが甘かったな


思った以上に酷かった事に少しショックを受けていると、みんなが先程よりも心配そうに見つめて来ていた。

俺は、みんなに大丈夫と言う棟を伝えるとやっと表情を緩ませた。

そこで、俺はシャロンにきちんと挨拶していないのを思い出し、エリーと笑いあっているシャロンに話しかける。

「そう言えば、遅くなっちゃったけど、おかえり。髪バッサリ切ったんだね?」

すると、シャロンは何かあったのか苦笑いしながら答える。

「ただいま帰りましたわ。お母様に少し聞いたけどベル達はいろいろ大変だったみたいですわね。髪は動くのに邪魔だったから切ってしまいましたわ」

「あれ? ミーナさんがいる時は普通に話してたから話し方変えたのかと思ったのに…」

「あっちでこんな話し方できませんわ。すぐに先生に直されたんですわ」

シャロンは、その時の様子を思い出したのか顔色が少し悪くなる。

そんなに酷い注意を受けたのか?

「それならこっちでも話し方変えればいいのに…」

「それは、おいおい変えますわ。この話し方でみんなと話していないと違和感を感じてしまうんですわ」

いや、前よりおかしくなってる気がするけど…


まあ、それはおいて置いてさっきか凄いデジャヴを感じる光景が視界の端に映ってるんだけど…

「ねぇ、あそこで横になってるミーナさんはどうしたの?」

俺がみんなに尋ねると、今度はみんなが苦笑いを浮かべる。

みんなの説明をまとめると、事の発端は俺とゴンの試合が終わってからになるらしい。

治療を終えた俺を、ベッドまで連れて行った後、マリアさんの試合はせずに終わり(ミーナさんは久しぶりにマリアさんの相手をしようとノリノリだったらしい)とりあえずみんなで風呂に入ろうと言う話になったようだ。そこで、全員着替えを持った後に風呂場に向かったらしい。そこで、まず建物と風呂場を見たミーナさんがマリアさんに質問しようとしたがそこは流しミーナさんもシャロンから風呂の良さを聞いており興味はそっちにあったためそのまま中に入る。そこから服を脱いで風呂に入ったよいなのだが、始めてマリアさん達が風呂に入った時と同様にお湯に入る気持ち良さにとてもハマってしまったらしく長湯してしまったらしい。もちろん、過去に同じ失敗をしているマリアさんをはじめとした女性陣も止めたらしいのだが、すでに暴走を始めていたミーナさんを止められなく、現在身体にバスタオルを巻いて氷嚢を頭に置かれた状態で横になっているというわけだ。

 何か、マリアさんから聞いていたミーナさんの人物像がどんどん崩れていってる気がする……


 それからは、料理ができるまで俺は風呂に向かい、他は配膳などを手伝いをしていたようだ。俺が風呂から出て戻ってくる頃には、食事の準備ができていた。テーブルの上にはヘビラピの唐揚げやコッペパンを意識して作ったパンもどき、ミートソーススパゲッティーや庭の菜園で採れたサラダとドレッシングが並べられていて、床にはボルのご飯(ヘビラピの丸焼きにサラダ)が置かれている。ミーナさんもだいぶ復活したようで、若干気だるさが残っているものの料理は食べれるという事なので、そこから簡単な歓迎会が始まった。

 最初、始めてみる料理の数々に呆気になっていたミーナさんだったが、マリアさんが作ったスパゲッティーを口に入れると「ふおぉぉぉぉーーーーーー」と奇声を上げて恍惚≪こうこつ≫の表情を浮かべていたが、我に返るとまた変なスイッチが入ったようですべての料理を片っ端から口に入れては奇声を上げるという行動を繰り返し始めた。

 最初に料理の説明をしようとしていたが、ミーナさんの勢いにみんなもつられて食べるので料理がどんどん消えていく。

 ちなみに、ゴンは食事する必要がないので席に座って俺達の様子を見守っていた。


 勢いのままに始まった歓迎会は、数10ミニが過ぎたころには、テーブルの上には空になった皿だけがのこってい、みんなは満腹になったみたいで水や果汁ジュースを飲みながら雑談している。

 ミーナさんは、今まで見たことない料理とその味に感動したらしく、シャロンも久しぶりの家族が作る食事に満足したようだ。今回の食事は味よりも量を優先した食事だったらしいが、満足してもらえたなら良かったと思う。


 さて、これから俺とフェイについて話すか




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