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俺と不死鳥と異世界トリップ  作者: ネギ抜き
第1章 孤児院編
25/35

22 模擬戦 (3)

 ここからの模擬戦は俺のダイジェストで送りたいと思う。


 とりあえず、模擬戦はミーナさんとシャロンの観客を追加して再開することになった。


 ということで第2試合、シュレーダー対ボル。


 互いに、離れた場所に出現した事で第1試合と同様に時間がかかるかと思ったが、ボルが自慢の聴覚と嗅覚を駆使して早々にシュレの居場所を掴み狩りで鍛えた音を出さずに近づく隠密術で接近していく。

 しかし、どんなに音を立てないと言っても気配が消しているわけではなく、シュレの特技『気配探知』ですぐに居場所がバレてしまった。


 居場所がバレていることを悟ったボルは今までの隠密術から高速移動で相手を攪乱する手段に切り替える。木と木を飛び移ったり、あるいは木の影を利用して姿を消しながらシュレの周りを移動しながら、中距離だけでなく近距離でも使える天属性初級『鎌鼬』を使ってシュレに攻撃を始める。

 しかし、フェイも最近覚えた竜人族の特徴でもある龍化の手前『半龍化』を行い、身体を堅い鱗で覆い防御する。

 ボルの『鎌鼬』は、威力が低く鱗の防御を抜く事ができず、体力ゲージを少しずつしか削れない。

 その事に焦りだしたボルは、動きながら電気を相手に撃ち相手の動きを鈍らす天属性初級『雷撃』を打つ。

 シュレの鱗は物理攻撃には強い物の、特殊攻撃には弱く横に転がって避ける。


 シュレは、そこで漸く防御する事を止め、攻勢に出た。

 両手剣を持ち、剣に火属性初級変化『付加』を使い剣を強化する。

 ボルは今もヒット&アウェイを繰り返しているが先ほどから高速移動を続けているため、徐々に速度が落ち始めていた。 シュレは、ボルが打ってきた鎌鼬を剣で弾くと身体を回転させボルが移動するだろう方向にある木に向けて剣を思い切り叩き付ける。

 一撃でヘし折れた木は、そのまま「ズズンッ」と大きい音を立てて倒れる。シュレはそうやって何度も周りの木を倒して行くと何十回目になるかと言うところで一度動きを止める。

 肩で息をするシュレの周りは木が倒れて視界が広がっており、ボルはシュレから数メル離れた所にある倒れた木の上で佇んでいる。

  数十本の木をへし折っていたシュレだが、ダメージがない訳ではなく、衝撃で両腕のHPは半分を過ぎたあたりで黄色くなっており、武器も強化しているとはいえ殆ど使えない状態になっている。

 しかし、ボルも様々な角度から倒れてくる木や避けた方向に来たシュレの剣の攻撃を受けており、四肢のHP、特に後ろ足には大きなダメージを受けており既に赤くなっている。

 この後は、シュレの攻撃にボルも爪と牙で応戦するも、生命線だった機動力がない為、シュレの重い攻撃を避けることが出来ず、右腕に噛みつき一矢報いるものの柄で頭を殴られ、離れた所に左手で斬りつけられ試合は終わった。




   模擬戦第2試合、シュレーダー(両手剣、火属性魔法)VSボル(爪、牙、天属性魔法)


   勝者 シュレーダー

   決め手 左切り下げ



と、シュレとボルの試合はこんな感じだった。

ミーナさんは特に魔物なのに人の言葉が分かるボルに興味があったみたいだったけど、魔法を駆使した上にキチンとした戦術を用いて戦っていたのをみてとても驚いていた。

そして、シュレに対しては、5歳ですでに半龍化出来ること、初級魔法とは言え『付加』をほとんど使いこなせていること、後は強化しているとはいえ、あの木を何本もへし折った力と体力に驚きながらも賞賛の言葉をかけていた。

俺も、ボルのスピードにどうやって対処するか楽しみにしてたけど木を倒す事で間接的に攻撃しながら足場を悪くして封じるとは思わなかった・・・

まあ、シュレだしそこまで考えてなさそうだけどな

結果としていい試合だったし今回に限って言えばボルのいい経験になったかな


おっ?

そんな事言ってる間に次の試合が始まるみたいだ。




模擬戦第3試合 アリスVSエリー



2人の試合は、距離にして約60メル程と近い場所に転移された事により、開始早々から魔法の打ち合いになった。

結界内に入ると同時にお互いが『索敵』を展開させ近くに相手がいることを確認すると先制攻撃の大切さを知っているアリスが地属性初級『土弾』をエリーのいる方向に何発も撃ち出す。

エリーも、『土弾』が自分に達する前に障害物に隠れながら水属性初級『水弾』で応戦する。


撃ち合う事数ミニ、互いに撃ち合っていたが疲れが出始めたのかエリーの水弾の数が減ってきた。

そこでアリスは、水弾をかいくぐりながら残り10メル程まで近づき地属性中級『土檻』を使う。

エリーの周りには自分の身の丈の倍近くある高さ2メル、厚さ30センメルある土の壁が出現し動きを制限してしまった。

 エリーは壁を壊そうと得意の棒術を使おうとするが壁が近くにあるためうまく棒を振れない。それでも、棒に水属性初級『付加』を使い強化し、壁の下に向けて斜めに打ち込んでいく。数発撃ちこむと壁の一部が支えられなくなり上の部分がエリーの方向に倒れてくる。それを日頃練習でやってきた水球作りの応用で大きさ60センメルほどの水球を頭上に作り出し受け止める。そのまま壊れた部分から出たエリーだが、出てくるのの待ち伏せしていたアリスが地属性初級変化『岩弾』をエリーめがけて撃ちこむ。

 急な攻撃に対応できなかったエリーは、右腕に大きさ15センメルの丸い岩の塊が当たりHPが一気に0までなくなってしまった。利き腕である右手が黒くなり動かなくなってしまったエリーは、苦痛に耐えながらすぐに治癒魔法を使おうとするが、アリスがそれを阻止するために同じく強化した片手剣を使って攻撃を仕掛けてくる。

 片手のエリーにそれを捌けるわけはなく、徐々に各箇所のHPが減っていき、連続攻撃の1つが頭部にあたり気絶、そのまま勝負は決まってしまった。



   模擬戦第2試合 アリス(片手剣+地属性魔法)VSエリー(棒術+水属性魔法)


   勝者 アリス

   決め手 連撃による気絶



第3試合目はこんな感じだった。

前の試合に比べたら派手な試合ではなかったけど、それでも中級魔法を見る事も出来たし見応えがある試合だったと思う。

試合は終始アリスがコントロールしてたけど、アリスとエリーじゃ5歳違うしエリーは戦闘に向いてないし、何よりアリスはマリアさんにくっついて旅してたから経験値が段違いだから仕方ないっちゃあ仕方ないか〜

 マリアさんは、2人の戦いに満足したのか納得した様子だし、エリーさんも拍手を送っている。

やっぱアレだな。力だけじゃなくて戦略も大切なんだって気付かされた試合だった。

今の俺じゃあ、あそこまでエリーに完勝出来ないだろうしアリスにも実戦なら負けそうだし、これからも頑張ろう!


さて、次の試合は?


次の試合はライオとトビーの試合みたいだ。まあ、勝負はもう目に見えてるんだけどな……




模擬戦第4試合 ライオットVSトビアス






模擬戦第4試合 ライオット(ナイフ+闇属性魔法)VSトビアス(片手銃+水属性魔法)

勝者 トビアス

決まり手 中距離狙撃



うん。何か何とも言えない試合になっちゃったな

ダイジェストにする必要もない感じだったし

だって、試合開始→トビーがライオ発見→木陰から狙撃→何の対処も出来ないライオが一発で気絶→試合終了!だぞ?

どうやってダイジェストにまとめればいいんだよ……

ミーナさんも向こうで苦笑い浮かべてるよ‼

やっぱ、ライオに模擬戦は早かったんだよ。まだ2歳だぞ? それか相手をエリーとか近距離にしないと何も出来ないだろ

流石に子供の中でシュレ、フェイに続いて上手いトビー相手に狙撃されたらしょうがない。武器は銃だしな

愚痴っぽくなってしまったが第4試合はこんな感じだった。


そして、次はついにメインイベント?の俺とゴンの試合だ。

とりあえず、ゴンは孤児院の中で一番強いだろう。

なんせ、防御力が異常だ。生まれてそんな経ってないから経験は少ないとは言え、身体はダマスカスで出来ていて、コアは俺とベルの最大攻撃にも耐えられる最強レベルのバリアで守られている。多分、マリアさんの師匠であるミーナさんも苦戦、あるいは負けてしまうだろう。自分が考えたとはいえ、こんな奴と戦うなんて余りにも無理ゲー過ぎる。

今回の模擬戦が個人戦である以上フェイのサポートを受けられない。今回、俺は魔法が殆ど使えない以上接近戦に持ち込むしかない。しかし、接近戦と言っても相手は伝説の鉱石で覆われた身体である。練習用の武器どころか強化された武器を使っても武器が衝撃に負けて壊れてしまうのは目に見えており、身一つで立ち向かわなければならない。あの身体に、生身で攻撃したら逆にこっちがダメージ食らうだろうなぁ…

俺は、これから自分の身に起きるであろう一方的な試合展開を想像しながらゴンに声をかけて転送盤に乗るのだった。




模擬戦第5試合 ライベル(俺)VSゴン




試合が始まった俺は、とりあえず簡単な身体強化と『索敵』を展開する。どうやらゴンは近くにはいないらしく反応がない。俺は、今の位置を確認するために近くの木に登る。

木の天辺まで来た俺は自分が中心から300メル程離れた所にいる事を把握、とりあえずケインのように枝を伝って中心の方を目指して移動する事にした。


移動を始めて数分が過ぎた頃、枝を飛び移って移動していた俺は、突如バキバキッと木を何本も折れる音が遠くから聞こえたので一度木の天辺に行き何が起こっているのか知るために情報収集にあたる。

すると、自分の位置から目算200メル程離れた場所の木が倒れて見えなくなっていて、その場所には、ほとんどのダマスカスを装備して体長が3メルを超える巨人に姿を変えたゴンが見えている。いや、ゴンく~ん? 俺の事殺す気ですか?と言いたくなるような本気さだ。

 ただでさえ少なかった勝率がほぼ0になってしまった。


 ここからはゴンの独壇場になってしまった。なんとか突破口を見つけようとのこり100メルをきったところまで近づき、様子を見ようとしてたらゴンは森への配慮を全くしないで、ビーム(模擬戦のため威力は最弱)やロケットパンチ、地属性魔法で大岩を作って投げるなどを駆使して無差別攻撃を始めたのだ。それはもう、さっきのシュレの暴れ具合が可愛く見えるくらいの暴走っぷりだ。あの嵐のような攻撃を掻い潜ることはできないと判断した俺は、作戦を練るために一度攻撃の届かないところまで離脱しようする。だが、運悪くゴンの放ったビームが足場にしていた木に当たりそのまま地面に落下。マンションの5回くらいの高さからの落下で悲鳴を上げてしまった俺は案の定ゴンに居場所がばれてロックオンされる。ゴンはズズンと一歩歩くごとに大きな音を立てながら巨体をコントロールしてこちらに近づいてくる。

 はい、詰んだぁ~ 

 この後の事は、あまりにもひどい惨状だったから割愛させてもらう。て言うか思い出したくない!!

 ただ、1つだけ言える事は……俺、逃げなかったからな!



 模擬戦第5試合 ライベル(素手)VSゴン(素手+地属性魔法)


 勝者 ゴン

 決まり手 右手薙ぎ払い

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