4話の続き
今日も朝起きてすぐに洞窟に行く準備をする。全身をチェックし忘れ物が無いか確認し洞窟へ向かう。この宿は夜だけ出来たての料理が出てきて朝はおにぎりが作ってあるのでそれを2個まで持っていって良い事になっている。なので食堂の横を通りるとき魔道具で温まっているおにぎりをとり洞窟へ向かいながら食べる。この時間帯は色々と忙しいようだし営業時間外であるのであまり定員の人と顔を合わせたことはない。歩きながら食べ終わると腹もちょうどいい感じになった。
洞窟の前に立つといつもと変わらない光景があった。そしていつもどうり洞窟の前に脱出用の魔力を設置して洞窟に入っていく。そういえば昨日話しかけて来たパーティーの人はどうなったのかなとか一瞬でも思ったが意識を切り替えて洞窟の中に入っていく。
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「ねえ、昨日の話の続きをしてよ。」
今日は上手くいかなかったこともありいつもよりも早めに帰ってきていた。そしてご飯の時間よりも早く食堂にきて酒を頼んで飲む事にした。失敗した時やうまくいかなかった時は取り敢えず酒を一杯飲んで気持ちを落ち着かせてからどこが悪かったのかを反省する為だ。それで反省をしようと思っていたのだが昨日話を区切っていた事もあり話しかけられた。
「んー、まぁいっか。昨日の話何処まで話したっけ?あ〜、緊急クエストが来て皆で行くことになったところか。じゃあその続きから話を始めよう。」そう俺が言うと首を縦に激しく振ったので話す事にした。「じゃあ再開するところは近くの街に来たところから。」そういって話しを始めた。
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冒険者ギルドで緊急の時だけ出している馬車に乗って近くまで来てもらった、「すいやせん。私とこの馬ではここまでしか運ぶ事が出来ないので後は徒歩でおねげえします。ところで本当に行くんですかい?失礼かもしれやせんが何人も送りましたがあんた達みたいなパーティーはいなかったんで気になったんだ。」俺達は馬車の中で迷惑にならない程度に騒いだ後爆睡をかましてたから心配になったんだろう、普通戦いに行く前に騒ぐ奴らなんていないしな。そう言われた俺達は少し笑って「ああ、ありがとう心配してくれて。俺達は大丈夫だ。不測の事態が起こった時はいつ寝れるか分からないからこうやって安全な時に寝ておくんだ。」とロイがこたえると「へ〜、それなら良かった。もしかして死にに行くんじゃねえかと心配になってたんだ。だがあんたらがいつもやってんなんなら心配いらねえな!では生きて帰ってきてくれよ〜。」そう言って来た道を馬車は引き返した。
馬車を見送った後「みんな行くよ。」ロイが声を上げたので歩く事にする。馬車はどうやら限界まで近づいてくれたようで襲われてる街まで30分程歩けば着くようだった。なのだがここから俺の魔力感知が反応するくらい魔力の多さを感じられるので俺は正直行きたくねえなと思っていた、そしてみんなの表情もいつもよりも強張っている気がした。
遠くから見えていたのだが街に近づくと、高い壁がありこちらから入る門を門番が守っているようだったのでパーティーのランク証明書を見せて街の中に入っていく。そして入ってから辺りを見回すと荒らされた形跡は感じなかったので侵入をされている感じはしなかった。それで一安心したが広い街なのにも関わらず出歩いている人が少なくて見る人は手に武器を持っていたり家の中に隠れていたりしてみんな不安そうだった。少し歩き街の中の前線の方に行くと鍛冶師が10人くらい死にそうな顔をしながら武器を研いだり小さな建物では僧侶らしき人が何人も行ったり来たりしている。
「これは酷いな。ここまでなっていたなんて、、」ロイは周りの状況を見て呟いた。鍛治氏の方では冒険者たちの剣を無理やり使えるようにしていたり小さな建物の方では中は見えないようになっているが血のついた布を持った人が出入りしているので恐らくあの中で治療しているのだろう。
「そうね、でも感傷に浸っている暇は無いわ。取り敢えず私達は情報を聞いて回らないと行けないわ。私はロイと一緒に聞き込みをしてくるから貴方達はこれから戦う準備をしていて欲しい。」サブリーダーのスイがそういってきた。スイはこのパーティーの3人目に入ってきた、と言うか引き抜いた。他のパーティーで魔力がとてつもなく多かったのに伸び悩んでいた、いやありすぎて制御できていなかったみたいだったからそれっぽい事言って練習に付き合ってたら強くなりすぎた。スイは魔法使いなのだが身軽な格好をしており白い杖を持っている。なんでも普通のローブを着ると気持ち悪いかららしい。
「では俺とスイで聞き込みをしてくるから皆んなは自分の出来る事をしててくれ。」そう言って二人は人の多い方へ歩いていった。それを聞いて僧侶のハナは「とりあえず手伝ってくるわ。」と言って負傷者がいそうな方へ行った。ハナは回復系の魔法が得意だからだ。
残った俺とリウは2人で話を始めた。「これ、戦況はどんな感じだと思う?」まずは現状を分析していこうと思う。
「う〜ん、悪くもないが良くもないって感じですかね。外の方からは魔法の音があまり鳴っていないですし見た感じ怪我人は多くいるが死傷者はあまり見えない、まあ外で死んでいたら分かりませんが。だが戦いが終わっている感じもしない。つまり元凶がまだ生きていて膠着状態が続いているって感じだと思いますね。私が軽く思ったのはこんな感じですが師匠はどう思いますか?」リウも魔力が多かったので俺の代わりとしてパーティーに入ってもらうために引き抜いたのだがこっちも本当に強くなった。
「俺もあながち同じ考えだが今の状況はおかしいと思っている。リウも言ったように重症者があまりいなそうに見える、だが負傷者が多すぎる気がする。というこう事は恐らくどこかの高ランクのパーティーが犠牲になってボスかその周りの幹部辺りを倒したと思う。そして普通型のモンスターを他の冒険者が倒しているのが現状なのではないだろうか。」
「なるほど、元凶は高ランクのパーティーが倒しその他の冒険者は普通型のモンスターを倒しているから致命傷になっていないという事ですね。なるほど確かにそうかもしれない。」
リウと予想をたてて話していたらロイとスイが帰ってきた。周りを見た後「ハナには後で話すか、ここのことだが軽く現状を聴いてきた。偵察班の情報によると恐らくボスが3体、普通型のモンスターが大量にいるらしい。そして俺らのやる事はこの大量にいるモンスターを倒しボス討伐の邪魔をさせない事が目標だ。それで1体目のボスは既に討伐が終わっており、2体目はもう少しで狩る準備が出来る様だ。そしてその2体を刈り切ったらすぐに3体目の討伐を決行するみたいだ。なので今の現状を軽く説明して貰ったらそんな感じらしい。」
「なるほどな、取り敢えず俺たちはモンスターの数を減らし続ければいいんだな。分かりやすくて助かる。」俺はそう答える。
ロイは頷き「ボス周辺のモンスターは余り強くないようだが油断せずに行こう、なんせ数が多いらしい。俺たちはもう少し情報を集めてくるからそうだなあの建物の辺りに後で集合しよう。」ロイは指を刺した後そう言って二人はまた人が集まっているの方へ戻っていった。
「取り敢えず俺らも周りの奴らに話でも聞くか?」周りには結構な数の冒険者がいた。みんな不安そうな顔をしているがやる気は十分そうなので大丈夫だろう。その中では見知った顔もちらほらいたので話し掛けようかと思う。
二人で聞き込みをしようとしたとき壁の上から鐘の音がなった。「敵が動いてこちらに向かってくる。直ちに戦闘を開始する準備をしろ。」壁の上の誰かがデカい声で言っている。
来たばっかりのタイミングで突然戦闘が開始するらしい。しかも防衛戦だな、「はぁ〜、今回は死にそうだな〜」と小さい声でそう言うと「師匠は本当にネガティブですね、そう言っていつも生きてるんですから大丈夫ですよ。それに私がいざとなったら守りますから安心してください。」リウは元気そうにそう言ってくれた。
「え、惚れてもいいか?」緊張を解すために軽口を言いうと「え!?」と心底驚いたように言ってたので「冗談だよ、生きて帰るぞ」と言い三人が急いで来たのでそっちを向く。
「いきなりだがみんないるな。現状は戦力が拮抗している状態でボス討伐メンバーは出られないらしい。だからこの戦いで勝ったほうがこの戦いの勝者に大きく近づく。だがいつも通り無理はしないでいくぞ。」その言葉にみんなが頷く。
「そうだな、いつも通りでいこう、で俺たちはひたすらモンスターを狩る事でいいんだよな?」俺がそう言うとスイが答えてくれる。「はい。ですが私達は負傷者を助けるのを最優先でいきましょう。」
「了解した。じゃあ、出来る限り全力で行きますか。」俺がそう言うと、「それいつも僕が言っているのに、」とロイが言って皆がクスッと笑った。
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話していたら疲れたのか小さな定員さんは寝ているみたいだ。「今日も色々聴かせてくれてありがとね〜、これサービスだよ。」今日の夕食は唐揚げだったがいつもより一つ多く入っていた。
「ありがとう、ここの唐揚げは美味いんだ。」俺はかぶりつく。「はっは、そう言って貰えると嬉しいね〜。またこいつに話を聴かせてくれると助かるからいつでも食堂に来ておくれ。」
と言われたので「ああ、唐揚げが増えるのなら悪く無いな。」と言って飯を食べたあと部屋に戻った。




