3武器を研ぐ
次にやってきたのはこの村の鍛冶場だ。俺の武器は凄い効果を持っている代わりにあまりに耐久性はなく、1日に1回は剣を研がないと直ぐに折れてしまうからだ。だがそれだけ強力なのでしょうがないかと思ったりもする。それにここの魔力感は武器にとって良いものなのも最高だ。
「よう、おっさん。いつものここ借りるぜ。」いつも通りあまり邪魔にならないところを選んで勝手に作業を始める。
今は休憩中だったのか俺の声に気づいたようで「おう。」と短い言葉だけ話してくれた。まず俺はバックの中から魔法の砥石を出す。これは値段が張ったのだが効果を見て、俺が買わないといけないと思い買った。効果の内容としては砥石は勝手に魔力を吸収して刃の凸凹している部分に魔力を流しその刃物と同じ効果の魔法を付与するものだ。そして砥石の方は石が削れるのではなく表面の魔力が削れるのでほぼ永久に使えるのも凄い。これだけ見れば破格の効果なのだが殆どの冒険者は一つの武器を使い続けるので売れ残り続けたみたいで俺の持ち金で買えたんだよな、だから使い捨ての壊れやすい武器を使っている人にはオススメアイテムだ。だが今思い出すだけでも頭が痛くなるほどに金がかかった。
そしてその作業もいつも通り1時間丁寧に武器を研ぐ。最初の頃は上手くいかず魔力が付与されているかを見ると上手く付与されているように見えなくて何回も繰り返していたので3時間程かかっていたのだが慣れてきてどんどん早く出来るようになっていったな。そして自分が納得したと思った時に店を出る、「いつもありがとな。」と一言言ってここの使用料として毎回1000円を勝手に置いていってこの場所を出る事にしている。
このくらいの時間帯だと空が暗くなるまで時間があるので体に異常がないか確認をしたり軽くドラゴンとの戦闘のシュミレーションを脳内でしたりする。そしてそんな事をしていると段々と外が暗くなっているので宿に戻る事にする。この村は、村としてはそこそこ大きい部類に入ると思うので薄暗い道でもモンスターの心配は殆ど無いので安心して宿に向かった。
宿に近づきドアを開けて入ると目の前に受付の人が立っているのでいつも通り挨拶をしようとするが今日は別の客と話していたのでそれを横目に自分の部屋に帰る事にする。その道の途中にある食堂を抜けて上に向かう階段を登ると何部屋か映るのだが俺の部屋は1番近い所にある6と書かれた場所に今借りている部屋があるのでドアを開けるといつも通りベットとテーブルだけの狭い部屋がそこにあった。
そして安全のために鍵を閉め、自分のアイテムを並べて行く。「もうそろそろドラゴンも倒せそうだし一旦アイテムの確認でもしておくか。」そう独り言を呟いてアイテムを出して行く。ドラゴンに挑んでから全然使っていない武器やアイテムがあるのでそれが気になったからだ、いつもは魔力を高めたり安定させたりする訓練をしている。
さっき研いだ剣4本と使わなかった1本の剣、指輪3つとポーション3つを取り出す。こんだけあれば、最後のとどめを綺麗に刺せるだろうと思いながらポーションの匂いを嗅いだり指輪の魔力が発動推移に達しているかの確認を行った後アイテムを閉まっていく。すると扉の外から「コンコン」と音が鳴ったので鍵を外して扉を開ける。するといつも呼んでくれる男の子の定員がいた。
俺が開けた瞬間部屋に入ってきて手を引っ張ってきて「ご飯できたから早く行こ!」と言ってきた、余りにも長い滞在なので俺の対応が雑になっている、最初の方はあんなに丁寧な仕事ぶりだったのが懐かしい。だがここの料理は熱いうちに食べた方が上手いのでいつも通り引っ張られることにする。
引っ張られながら食堂に着くと既にご飯の準備がしておりそこに座ると俺を呼びに来た小さな定員も俺の前に座り出した。「今日も洞窟楽しかった?」俺を早く呼ぶと他の客がいないので話せる事が分かっているのでいつもご飯の時間になって直ぐに呼びに来るのだ。
「何の為に洞窟に行ってるか教えてよ〜。」俺が答える前に続けて話してくるのだがいつもこの質問をしてくるので俺は「なんだろなー」と答えをはぐらかす、するといつも「教えてよ〜!」と言ってくる。この反応が可愛くちょっと揶揄うのが楽しい。
この子はここの店主のお子さんで多分6才くらい?年齢は聞いていないので分からないがどうやら冒険者になりたかったようなので話を俺に聞いてくるんだよな。ただ親に止められているようで余計に気になって俺が何をしているのか毎日聞きにくるようになった。これまではめんどくさくてあまり話をして来なかったのだがそろそろこの場所から居なくなるかもしれないので一つくらいは話してもいいのかもしれないと思った。
「え〜じゃあ今日も教えてくれないの〜?この前の巨大なカニと戦った話とっても面白かったからまた聞きたかったのに〜!」この子はいつも駄々はこねるが迷惑にならない程度なのでそこら辺はしっかりしていると思う。いつもこの後は諦めて親の手伝いをしたりしてるしな。
「それじゃあ少し話してやる、俺はもうそろそろこの街を出るかもしれないからな。」そう言うと嬉しそうな顔をした後「え〜やだ〜。」と悲しそうな顔をしてくれた。
ご飯を直ぐに完食して話を始めた。どうやら俺が飯を食べている最中に親の許可を貰ってきたらしくニコニコとして待機している。自分が食べた物を片付けて「それじゃあ話すぞ。」というと子供は椅子から立ち上がって「ヤッタ〜。」といったあとに自分の口を塞いで周りを見始めそして誰もいない事が分かったようで小さい声で「話して。」と言ってきた。
俺は席を端の方に移動して話す事にした。「これは昔俺がパーティーで活動していた頃の話だ。」
俺らはいつも通り5人で依頼をこなしていた。元々4人だったのだが俺が抜けるに伴ってめぼしい人を俺がスカウトして2年前に入れたので今は5人になっている。それでもう何回かクエストをこなしたら抜けると言うタイミングでBランク以上の緊急クエストが回って来た。内容的にはこの国の4番目にでかい街の近くでモンスターが大量発生したようで対処ができないので応援を要請すると言う内容だった、参加報酬は異様に高かった。
「どうするんだこれ?こんなに報酬が高いのなんてみんな死んで払う人が少なくなるって言ってるようなもんだろ?見ただけで危険な内容だぞ。」俺がそう言うと「ん〜参加は本当はしたくない、、だが苦しんでいる人を見過ごせない、そして誰かがやらなきゃいけないだからその一員に僕はなりたいと思う。」リーダーのロイはそう言う。ロイとは冒険者を始めた時からの付き合いで昔からこんな性格だったしそれに見合う強さも持っていた。前衛で剣一本あれば戦えなくなるまで戦うそんな戦士だ。「私もロイの言っている事に賛成で困っている人達を見過ごせない。」サブリーダーのスイもそう言った。他の二人、ハナとリウも頷いた。なので俺は渋い顔で「はい。」と言った、だって俺だけ弱いから。だけどみんなそんな事ないよと言ってくるのがこの頃本当にくるものがある。そんな事分かりもせずにロイから肩を叩かれ「ありがとう、ヤロフとやればどんな場面だって勝てると言われた。」
「とまあ今日はこんな感じかな。俺は明日も早いからもう寝たいし。」すると駄々をこねるように「まだ話したばっかりじゃん。」と言って来た。確かにその通りなんだがやっぱり寝たいので後ろで聞いていた店主に目配せをして運んでもらった。
部屋に入って自分の魔道具の簡易型のシャワールームを使い体を綺麗にし、今日もおいしいご飯が食べれたし明日も頑張ろうと思いながらベットに潜ると。他の部屋が騒がしくなって来ているのを感じ取ったので素早く眠りに入った。




