20王都への道
最初の客が来てからぼちぼち客が入ってきていたがみんな口を揃えて「高いな、」と言われるが食べ終わった後には「美味かった。」と言って貰えてるので俺としては満足している、スープも恐らく明日まで持ちそうなので予定通り明日までやって明後日に王都へ行こうと思う。
「こんにちは、まだやっているかね。」
「おうやってるぜ!俺の店はメニューが一つしか無いから嫌なら帰りな!」接客が慣れてきたので少し俺が見たラーメン屋の店主風に応える、スープを見ながら応えたので誰が来たのか分かっていなかったので見たら白い鎧を着たさっきの恐らく貴族の騎士だった。
落ち着け相手は俺が貴族の騎士だって分かって無いと思っている筈だ、なので普通にラーメン屋の店主をする、「で、どうするんだい?」俺は急かすように問いかけると「それでは一ついただこうか、」と言われたので調理に取り掛かる事にする。
「もしかしてこのラーメンというやつは王都で話題になっているものか?私はまだ食べたことがなかったのだが街のものがこのラーメンを王都で食べて感銘を受けてな王都へ修行に行ったみたいでな、密かに気になっていたんだ楽しみにしているよ。」白騎士の女が話かけてきたので「おうよ、うちのは旨いから期待してな!だが王都の物と比べるとここは食材の調達が難しいし環境も良くないからそこだけは分かってくれ!」俺はささっと作り終え客に出す。
「これがラーメンっていうやつだ、口に合わなくても残すなよ!」
「その点に関しては大丈夫だ私はこう見えても好き嫌いがなくてなそう育てられたんだ、だからどんな物でも食べ切ることができるから安心してほしい。」白騎士の女はラーメンを啜って食べる、ラーメンと似たような食べ物は何個かあるのでそれで啜るのが上手いのだろう。
「ん〜美味しいな、凄いなこんな場所でこんなものが食べられるなんて思っていなかった、値段は少し高いがこれなら満足できそうだよ、腕がいいのだなヤロフさんは。」俺の名前を呼んできて少し狼狽えたが冒険者ギルドにヤロフで登録したのでそれを聞いて知っていたのだろう、でもなぜ俺の名前を聞いたのか、
「ふ〜、美味しかったよ、満足満足。これだったらやはり一緒に来てもらいたくなるなBランク冒険者のヤロフさん。」やっぱりこうなるのか、今一瞬嫌な予感がしたのだがそれが当たったようだ。
「森の中で狩りをしている時に少しの間私達の事を見てましたでしょ?それって私が白い鎧を着ていて冒険者ではなく貴族のパーティーだと思って話しかけなかったと言ったところでしょうか、」俺が少しの間見ていたのに気づいていたようだったそれだけでコイツが優秀なのが分かる。
「貴族の依頼は少し無茶振りをする事があるので関わりたくない人もいますがこちらとしても優秀な人には依頼を出したいのですよ、報酬は王都に着いた時にこちらが渡せる貴方が提示した物でどうでしょうか?こんなところで売っているって事はお金には困ってなさそうですしここから王都まで2日程かかりますが私も人でしてね長旅が始まる前までは街を護ってばかりで美味しい物ばかり食べていてね旅で食べる物に少し飽きていたところなんですよ、村のご飯は美味しいですがヘルシーですし野宿の時なんて食べれたらいい物しかありません、だからここでこんなに美味しい物を売っている貴方には一緒に来てほしいのですよ!見たかどうか分かりませんが私達は魔馬車に乗って来たので王都に行くなら悪くないと思う、出発は明後日の朝方にしようとしておる。魔馬の食料としてモンスターのコアを調達しないといけないので明日も狩をする為だ。」とても熱心に貴族の騎士と思えない程に説得された、ちょっと目が怖い。んーそうだな俺も明後日に出発しようとしていたので悪くないか、
「おう!いいぜ!俺の仕事としては飯を作る事でいいのか?」
「お、返答が早いなさすがは冒険者だ。そうだな料理は勿論で、こんなところに1人で来たって事は強力な索敵スキルでももっているのだろう?持っていなかったら構わないができれば夜の見張りも頼みたい。」
「分かったぜ!これで一旦契約成立だな。」俺が手を出すと白騎士と握手をし「私の名はラニだ、短い間だが宜しく頼む。」と言って出ていった、貴族の依頼は断ると変な奴に目をつけられる事があるらしいので基本的には断らないようにしている、ただ少し気分が落ちた自分がいる、「依頼が入るとその日まで早く来る感じがするんだよな。」俺は気合いを入れ直し客を待つ事にする。
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そして1日経ちラニ達と一緒に王都に行く日になった、あの後もぼちぼち客は入って来てなんとか売り切ったので達成感があった、そして昨日もラニが店に来て契約書を持って来たのでそれにサインした。俺が嫌なのはこの契約書だ、貴族との契約はこの契約書がほぼ必要で内容的には裏切れないや報酬の確認などさまざまあるが昔には嘘をついて奴隷契約などもあったらしく冒険者になるんだったら字は必ず覚えなきゃいけない。
店を閉まったので俺は仮面を外し指定された場所に向かうと俺が森の中で見た5人パーティーが立っており後ろには魔馬車があった、ここからは面倒くさいが貴族にあった時の礼儀をしなければならない、俺は膝をついて「私の名はヤロフBランク冒険者のヤロフと申します、道中短い旅路になると思いますがどうぞ宜しくお願い致します。」冒険者なんで適当にそれっぽい事を言えば良いのだがこれを言っている時は本当に自分が誰なのか分からなくなる。
「流石Bランクの冒険者だな、何も言わずとも礼儀は程々にできるようだな。ただ私達にはそんな堅苦しい言葉を使わず砕けた話し方で話しかけてほしい、お嬢様は荒々しい冒険者の方が好きなんだ。」ラニがそう言うとお嬢様と言われたら女の子は下を向いた。
少し時間が経ち顔を上げて「私の名はルイ=ペーパーです、短い間ですけど宜しくお願いします!今ラニはこう言いましたけどただ私を揶揄いたかっただけでそんな事思っていないですからね!」冒険者を見る事があまりないのか興奮した様子だった。
「そうかそれはいけないな、それじゃ俺が作った料理はラニの分を少し少なくして意地悪しようか?」
「え〜それはダメ!さっき言った事は嘘だからラニにもいっぱい食べさせて!お兄さんは料理を作るのが上手なんでしょ?ラニがそう言ってた!」ラニは余計な事を言ったようだ。
「そうだな、口に合うかどうかは分からないが俺もできるだけ頑張って作るよ、」
「うんっ、頑張ってね!」何歳かは分からないが俺にもこういう時があったのかと思うと心が癒されるな、まあ俺のとこは毎日のようにモンスターを殺していたのでこんなに笑ってはいなかったと思うが頑張っていこうと思う。
「では全員魔馬車の中に乗ってくれ!ヤロフは乗った事があるかどうか分からないが中は広くなっており操縦室と2つ部屋があるヤロフにはこの一室で過ごしてもらう事になるこの筋肉達は操縦室に行きもう一つの部屋は私達が使う。」ラニが説明している間に4人はすぐに乗り込んで俺が入った時にラニがドアを閉め「出発しろ!」ラニが声を出したら地面が揺れ始めた。
俺は初めて貴族の魔馬車に乗ったがなるほど、これは凄いな。俺のバックみたいに外から見た時よりもだいぶ中が広くなっておりおまけに馬車の揺れが少ないこれは正直に感動した、ただコスト面は大変そうだなと思ったりもした。
「ヤロフ改めて短い間だが宜しく頼む、」
「宜しく」短い挨拶を交わし握手した後に俺は休む事にした。




