2いつもの日常
俺はいつも通り暴れるドラゴンに吹き飛ばされた。いつも違ったダメージの受け方をするのだが今回は割とましな吹っ飛ばされ方だなと地面を3回、4回と回りながら顔面を地面に擦り付け口に砂が入ったところで思った。砂を食べるのは慣れているがダメージは受けていないので簡単に立ち上がる。
「ふう、今日も頑張ったな、撤退。」そういうとその場所には何も残らずドラゴンはまた眠りについた。
俺はいつも通りダンジョンの入り口に戻って来た。俺のスキルの特殊効果でダンジョン内とダンジョン外だとダンジョン外に置いた魔力の位置にダンジョン内にいる時は自由に移動できるのだ。なのでボスを倒さないと出られない魔法がかかっているのにそれを無視して毎度そこそこのダメージを与えて退場している。そして自分の成長も見込めるしもう少しでドラゴンを倒せるんじゃないかと思っている期待感で最初の戦闘以外の毎日がとても楽しい。そして戻った時は真昼間なので魔力探知で攻撃を避けたりしているので薄暗かったところからいきなり明るくなりこればっかりは目が慣れないな。ダンジョンに入るのが朝8時、4時間の移動でボス部屋へ、1時間の戦闘で地上に帰りダンジョンで取った物を換金する。最後に武器の手入れ、これが俺の毎日のルーティンだ。
「とりあえず、換金するか。」またいつものように独り言を言っていると前方から4人組のパーティーらしき人たちが来た。ここにきて初めてのここに挑むパーティーだったので少し驚いたな。
「もしかしていつもここにダンジョンアタックしている人か?」前衛だろうと思われるリーダーの男の子が話しかけて来た恐らく村の誰かから聞いたのだろう。魔力探知でパーティー全体を見るとここに挑むには早すぎると思うくらい魔力も無いので多分見に来ただけで、伸び代も普通だな、まあスキル次第でどう転ぶかは分からないのだが。そしてやはり冒険者たるもの礼儀と金遣いは制御出来ないものだな。
俺は端的に「ああ、そうだ。」と答えた。普通に考えてここにずっと挑むのは可笑しい狂人だと思われたのか、はたまた1人で金が稼げるラッキーなダンジョンと思われたのか分からないが俺を見て少し嬉しそうだった。
するとリーダーの子が「ここのダンジョンは簡単か?」と尋ねて来た。まさかこのダンジョンに挑むつもりなのだろうか、だとしたら自分達のパーティーを過大評価しすぎて、、俺はこいつらが凄いパーティーなのかと思うようにする事にした。こんな子達でももしかしたらパーティーランクが高く魔力の使い方が上手いのかもしれないしな、まあそんな奴は見たことがないのだが。
「まず簡単かって質問を答えるのならボス部屋の道までのモンスターは君たちが挑むには勝てない可能性が高い、これには訳があってモンスターの耐性が面倒な事、だが俺は勝てるので簡単だ。まあそんな事はどうでもいい、まず君たちのパーティーのランクはどんなもんなもんだ?」少し嫌味を混ぜながら話していく。
「あ?あ〜今はCランクだ。前衛2、斥候1、治癒と攻撃が使える魔法使い1のパーティーだ。ダンジョンの攻略はここにくる為に何回かしている。ここは昔からこの辺りで有名な場所でCランクになったら挑んでみたいと思っていたんだが誰に聞いても中の事は分からないと答えられて諦めて1年経って見に来たらあんたがここに挑戦していると聞いたから気になって話かけに来たんだ。あっそうだ名前を言ってなかったな、俺の名前はリクだ、こっちの剣士がエイトで、斥候がライト、魔法使いがユカだ。であんたの名前は?」やっぱりちょっと怒ってそうだ。
リクは鎧の上からでも分かるくらいゴツゴツしている体で恐らく剣一本で戦うのだろう、エイトとライトは筋肉こそ少ないものの必要な筋肉はつけているように見えるしどちらも取り回しの良さそうな剣を持っているてリクと比べれば装備が薄い。ユカは一般的な魔法使いが着るローブを着ており、見た感じ普通のパーティーって感じだ。なるほどCランクか、俺もあまり中のやつとは正面から戦ってこなかったが中にいる魔物とこいつらを見比べると正直自殺行為だとは思った。
「俺はBランクのヤロフだ。そして悪い事は言わないが君たちにはこの場所はまだ早いかも知れない、多分死ぬ。それでも行きたいと言うのならば止めはしない。俺も冒険者だ、死に場所は自分で決めたいしな。」
最低限の忠告だけをしておく。コイツらがここで危険を犯しダンジョンに入るのなら絶対に強くなるので悪くはない選択だと思うからだ。結局冒険者なんていつか必ず危険な事に挑まなければいけなしな。
俺がそういうとリクは少し考えた後「そうか、、忠告だけは受け取っておく。ついでにダンジョンがどんな感じなのかも教えてもらっても良いか?」
なるほど、意思は変わらないようだ。しかも俺にこのダンジョンの情報を聞いてくるなんて図々しいが嫌いじゃないので教えることにする。
「ああ、軽く教えてやる。まずはこのダンジョンは10階層に分かれている。そしてこのダンジョンの特徴、群を作らないで単独で行動している。これは1から10までどれも同じ特徴だ。1から4まで同じ奴、5から9まで同じ奴10だけが違い奥にボス部屋がある。1から4までの奴はとにかく柔くて刃物類が一切通らないが魔法が有効的なダメージになる。5から9は逆にとんでもなく体が硬くなり魔法が効かない、だが弱点もあり関節部分は人間が来ている鎧と一緒でダメージが通るから関節を狙いよろけたところに魔法を何発も撃ち込めば倒せるかもしれない。10階層は腐った犬だ、こいつがヤバいから注意しろ。」
それを聞いてリーダーの子は少し考えたあと「ありがとう。仲間と少し相談する。」と言って俺に5000円の金を渡してきてダンジョンの方に向かって行った。
その背中を見て、「マジで危ないところは避けた方いいぞー」と最後の忠告をして村の方へ歩いて行く。それにさっきの子達は自分達でこの状況を決めないとどの道死ぬと思うので大丈夫かなと思いながら歩いて行くと村に着いた。村に着いて最初に行くところはいつも通り薬局屋だ。ここではさっき手に入れたアイテムを渡すとお金とそのアイテムを合成した解毒薬が貰える。
「おーい、婆さんいるか?」俺がそう声をかけると弟子の女の子が出て来てその後にいつもの婆さんが出て来た。「いつもご苦労様です。」弟子の子がそう俺に言うと、「また来たのかいアンタも飽きないね、あのダンジョンに潜んの。」と言ってくるがここにくると毎回話す会話だ。
「ほら今日も持って来たんだろ。」婆さんがいつもの席に着いたのでその机にアイテムを置く。「ほら、報酬だ。」いつもの2万と解毒薬、洗浄された瓶を貰う。毎日持ってきているので中を見ないで直ぐに渡してくれるのが素直に信頼されていると感じれて悪い気はしない。俺は満足して袋に物を入れると次の場所に向かうため、「ありがとう。」と言って店を出た。すると弟子が後をつけて来たようで「あの、」と声をかけて来たので、俺は振り返って「何だ?」と返事をした。
弟子は少し話すのを躊躇っているようだったのだがようやく話し始めた。「いつも持って来て下さるアイテムって王都の方で売れば10万以上で売れますよね、冒険者の人が知らないってことはないだろうし、ましてや解毒薬なんて2万だし、、何でこの店で売っているのか気になっていて、ようやく今日聴く勇気が出たので質問してみました。」
確かに王都の方が金は凄く手に入る、何故なら需要が凄く高いからだ、王都の周りは毒系の魔物が多くここは毒系の魔物があまりいないのでほぼ売れないので安くなる。だが「誤解しないでほしいのだがまず第一にここにお世話になっているから安く渡しているわけではない、ただ腕が良いと評判だからだ。まあ、最初は損だと思ってアイテムを渡していたが、面白い事に効果が日を重ねるごとに上がっていった。今だったらこの解毒薬20万くらいするんじゃないか?てくらい効果が上がってていると思う。それにこの店、冒険者の中ではそこそこ有名なんだ、薬の効きが良いのに値段は安いって。とか言ったが単純に王都までの売りに行くのがめんどくせえだけだ。まあ理由はそんなところか?安く売って安く買うそれが出来るから売ってるだけだ。」
それを聞いて、驚いた顔をした後に「分かりました。」と弟子が言ったので俺は「それだけあの婆さんは凄いからしっかり学べ。」と言って歩き出すと「勿論です。いつか私も貴方に認められるくらい凄くなりますからね。」と言われたので歩きながら「期待してるぞ。」と言って離れた。




