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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第6章 暗晦の道(前)

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第6章 第1節 館の落実(第2項)

挿絵(By みてみん)



――今日(きょう)(とり)(たち)(にぎ)やかだね。



(やかた)()(ぐち)(とびら)()けると、

(からす)(へい)(さき)(なか)()()んでいる。



挿絵(By みてみん)



()(えい)(とう)()(えい)(たち)(そと)(まど)から、

(へい)(さき)(わす)(もの)(なが)めていた。



「おはようございます。」



「はよう、メノーのとこの(じょう)ちゃん。」



(ちい)さいのに今日(きょう)(げん)()だ。」



「サンサとお()かけだってな。


 オーナーによろしくなぁ。」



わたしが(あい)(さつ)(こえ)()けると、()(えい)

(かれ)らは(てい)(ねい)(たい)(おう)をしてくれる。



そんな()(えい)(なか)にも、

(とっ)()(こう)(どう)をする(れい)(がい)()る。



わたしは(うし)ろから(あたま)(つよ)(さわ)られた。



()(うご)きからして(あい)()はサンサではない。



「よう。(ひも)()(おんな)。」



「ウント! (らん)(ぼう)しないで。」



(おお)(こえ)(はな)ってしまった。



(はる)(はい)った()(えい)()(なら)いで、

(かれ)()(まえ)はウントという。



挿絵(By みてみん)



「オレはウントじゃねえ!


 今日(きょう)からオレの()(まえ)は、

 ゼズ・ド・ウントルガリムだ。」



「え? はぁ。…また今日(きょう)

 なにを()ってるんですか?」



()()みない()(まえ)()()(はじ)めたウントに、

(ふか)()(いき)()いて()()きを()(もど)した。



(ぎん)(いろ)(かた)(かみ)(しゅう)()()けて(とが)らせた(かれ)

()(えい)(なか)(いち)(ばん)(わか)い。



(かれ)(こぶし)()(ぶん)()のひらに()てて、

()()もなく(かる)(おと)(なん)()()らす。



カヴァの()(すじ)()(しょう)する(せん)(さい)()()で、

ファウナと(おな)じく(とう)()(じょう)(はたら)いていた(かれ)も、

オーナーのルービィが(やと)った。



(かれ)(やかた)()(きゅう)するキャシュクの(そで)を、

洒落(しゃれ)(もく)(てき)(やぶ)った(ため)

()(えい)(たち)から(しか)られていた。



それでも(かれ)(やぶ)った(ふく)()()って、

(ほそ)(うで)()せつけている。



メノーが()うには、(おとこ)という()(もの)

(きた)えた身体(からだ)()せつけたがるものらしい。



(ほか)()(えい)(くら)べると

ウントの(きん)(にく)()いに(ひと)しい。



(びょう)(いん)()くメノーと(とも)(がい)(しゅつ)するわたしは、

まだ()(ごと)()(かい)していない(かれ)()(くだ)される。



(やかた)(ひさ)(びさ)(やと)った()(えい)(なか)でも、

(さい)(ねん)(しょう)なこともあって、

フランジを()(くだ)せる(あい)()()(にん)している。



ウントは(うで)()んで(あご)()()す。



「どうだ? いい()(まえ)だろう。」



(たい)(せつ)なお(じょう)(さま)()になるからって、

 ウントは(めい)(わく)()けてくれるなよ。」



ディーゴという()(えい)がウントを(からか)うと、

(かれ)()()になって(はん)(ぱつ)する。



挿絵(By みてみん)



――お(きゃく)さんに(ひん)(せい)()うなら、

  ()(えい)(ひん)(せい)()うべきだよね。



「なぁにしてんのぉ?」メノーが(たず)ねた。



「わっ!」



ウントの(うし)ろに()って(かれ)(おど)かすメノー。



挿絵(By みてみん)



メノーは(うす)()けるチュール()()(うえ)に、

()()(がく)()(よう)()まれたレースの宝飾巾(ヴェール)

頭巾(フード)をしていても、ほとんど()だけで

ウントを()(かく)してしまう。



ドレイプが(がい)(しゅつ)する(とき)は、

(はだ)()(しゅつ)(ひか)えて

(まち)(ふう)()(みだ)してはいけない。



「それで、なんて()(まえ)でしたか?


 ウントはもう(かい)(めい)するんですか?」



(せい)(しき)()(えい)になったら(かい)(めい)すっからよぉ。


 この(しま)(おう)になる(おとこ)()(まえ)だ。

 そのつもりでオレと(せっ)しろよな。」



わたしは(ふたた)()(いき)()いた。



「なんて()(まえ)()えるのかしら?」



「がゃっ!」



(うし)ろに()って()いかけたサンサに、

ウントが(こん)()はさらに(おどろ)いて()(めん)(たお)れた。



挿絵(By みてみん)



いつもの頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)



()(だん)()のチュニック姿(すがた)で、

(もく)(せい)()(わん)(くび)()げている。



(かの)(じょ)(うし)ろには、

(くろ)(ねこ)のアルと(しろ)(ねこ)のイオスがついて(ある)く。



挿絵(By みてみん)



「アル、イオスも()れて()くんですね。」



アルがミャオと()いて(へん)()をして、

イオスも(かす)れた(こえ)でビャオォと(つづ)いた。



アルは、わたしが()まれる(まえ)から

サンサが()れている(ねこ)で、

(こと)()()(かい)して(へん)()ができるだけで

ウントよりも(かしこ)(かん)じる。



サンサが()(しめ)したので、

わたしはアルとイオスを(りょう)()(かか)えた。



()れたアルの()(ほそ)(やわ)らかく、

その(した)(かわ)はよく()びて(ほね)(ほそ)(かた)い。



イオスはファウナがルービィに(だま)って

(やかた)()っていた(ねこ)だった。



わたしの(うで)(つか)(りょう)(あし)は、

()(ねこ)にしては(すこ)(ふと)いように()える。



わたしのチュニックに(つめ)()て、

(かた)()()して(のぼ)ろうとするので、

アルが(まえ)(あし)()ばして(あたま)(たた)いて(しつ)けた。



「なに、そんなに(おどろ)いて。


 レナ(あい)()に、

 (うし)(ぐら)いことでも(たくら)んでいたのかしら?」



「お、(おどろ)いてねぇし! オレは()(えい)だぞ。」



ウントは(いきお)いよく()()がって、

(しり)についた(すな)(はら)う。



(かれ)()(えい)でもまだ()(なら)いで、

(けん)()くことは(ゆる)されていない。



ウントはドレイプに(かぎ)らず、

()(にん)(たい)して(けい)()()たない。



(がい)(しゅつ)(すく)ないサンサが(あい)()()(あい)には、

()(くだ)せずに(おそ)れを(いだ)いている。



「ウントは()(まえ)()えたいのね。」



「ぉ、オレの()(まえ)

 ゼズ・ド・ウントルガリウスだ。」



――さっきと()(まえ)()わってる。



「『この(しま)(おう)』、

 という()()()めたのかしら?


 ()()れば(おう)になれると(かんが)えたわけね。」



(せん)(しょう)しても

 ()(げん)()()かないわねぇ。


 『(いぬ)(しょく)(しょ)』って()うくらいよ。」



「そんなことないだろっ!」



()(まえ)(なが)くて()びづらいと(おも)います。」



「うるせえなっ! お(まえ)らっ!


 いいだろっ!

 オレが(かんが)えたオレの()(まえ)なんだからっ!」



「なにを(さわ)いでるんだ。」



ハーフガンが()()(じょう)から(もど)ってきた。



挿絵(By みてみん)



「あなたを()ってたのよ。


 ウントの(しつけ)くらいしなさいよね。」



「はぁ?」と、ハーフガンとウント。



どちらも(ひょう)(じょう)(こわ)(いろ)()(まん)(うった)える。



(おれ)はエルテルの()()だぞ。


 ガキの()()りなんてしてられるか。

 んなもん、グルグスにやらせろよ。」



(しま)(おう)であるオレがこんな()(ぱら)いに、

 なんで(きょう)(いく)されなきゃなんねーんだ。」



()(ろん)があるのなら

 ルービィの(まえ)()ってやりなさい。


 わたしが()(なか)()してあげるわよ。」



サンサがルービィの()(まえ)()すと、

二人(ふたり)()(まん)(つぶや)きながら()(したが)った。



ハーフガンとウントの(ねん)(れい)は、

(ばい)()(じょう)(はな)れていても()(かん)じさせない。



(あたた)かくて(てん)()()いとねぇ。

 (ねむ)たぁくなるわ。」



「ルービィの(やかた)()くまで、

 (ねむ)らないでくださいよ。」



わたしの(まえ)()(だる)(ある)くメノー。



サンサが(せん)(とう)(ある)き、(あか)(つち)(おか)西(にし)(くだ)る。



(みち)()くひとがメノーの姿(すがた)()(あし)()め、

(あし)()めたひとに(ほか)のひとが(しょう)(とつ)した。



()()()をして(つまづ)いたひとが、

(さか)(ころ)()ちていく(こっ)(けい)()()()きた。



(ばん)部屋(べや)のドレイプのメノーは、

(そと)(ある)くだけで(ちゅう)(もく)(あつ)める。



頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)(おお)っても、

(ほう)(せき)()(りょく)(かく)せはしない。



(くち)(ぶえ)(たか)()()らすひとも()るし、

(とつ)(ぜん)キャシュクを()いで(ちか)()き、

ハーフガンに(たた)かれるひとも()た。



フランジの(ころ)からずっと

メノーを(ちか)くで()てきたわたしは、

(ほか)のドレイプと(にん)()(ちが)いが()からない。



レデとジールの()(まい)(ほう)

(まち)での(にん)()(みみ)にする。



「ねぇ、サンサ。


 メノーはどうして

 こんなに(にん)()があると(おも)いますか?


 (むね)(おお)きいから?」



「それもあるのでしょうけれど、

 (はな)(いのち)(みじか)いのと(おな)()(ゆう)ね。」



(はな)?」



(はな)()くには()があって、

()(よう)(ひろ)げ、(くき)()びて、(ほん)(よう)()やし、

(つぼみ)をつけるまで(せい)(ちょう)する(ひつ)(よう)がある。



(くさ)()にとって()たり(まえ)のことが、

ドレイプの()になる()(ゆう)にはならない。



(やかた)の1(ばん)部屋(べや)という()()が、

(かの)(じょ)(ひょう)()(たか)めているのなら(なっ)(とく)がいく。



サンサの(こと)()()()(なや)んでいると、

(かの)(じょ)(しつ)(もん)()げかける。



「レナは(えい)(えん)って(こと)()()ってるかしら?」



()ってますよ。

 ずっと(つづ)くって()()ですよね?」



「それならレナは、

 (えい)(えん)()れない(はな)を、

 ()たことがあるかしら?」



わたしが(くび)(よこ)()ると、

(まえ)(ある)くサンサは(まん)(ぞく)()(うなず)いた。



(はな)()(むす)んで()れてしまいます。」



「お(きゃく)さんはその(はな)(いっ)(しゅん)だけ()に、

 (なん)()(やかた)(おとず)れるのよ。」



サンサはおかしなことを()う。



「…(なぞ)()きですか?

 そんな()(まえ)(ほう)(せき)…?」



メノーやルービィの()(まえ)

(こう)(ぶつ)(ほう)(せき)()(らい)している。



(こん)(わく)するわたしに

サンサは(うなず)くだけだった。



(かの)(じょ)はわたしを(こん)(らん)させる(もく)(てき)で、

(むずか)しい(ひょう)(げん)をしてきた。



「…()(ばな)ですか?

 (どう)(おび)(かざ)りとか?」



(えい)(えん)なんて

 どうやって(しょう)()()てるのかしらね。」



「サンサが()()したんですよ。


 また、わたしを(からか)ってるんですね?」



(からか)ってないわよ。


 レナに()からないものがあるように、

 (にん)(げん)には()からないものがあるのよ。」



()()した(かの)(じょ)はわたしの(かお)()ると、

宝飾巾(ヴェール)(おく)(こう)(かく)()げて(わら)っていた。




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