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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第5章 混濁の庭

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第5章 第1節 遮光の場(第3項)

挿絵(By みてみん)



()(かげ)(にわ)でファウナと(とも)

()()()べていると、

ハンドベルの()んだ(おと)(ひび)き、

わたし(たち)(らい)(きゃく)()らせる。



「ほら、お(きゃく)さんが()たわよ。


 ファウナはボナを()んできて。

 スーは()(もの)(もら)って()なさい。


 (いそ)いで()べると(のど)()まらせるわよ。」



「ほぁーい。」



二人(ふたり)はまたお()()(くち)()めて、

(たる)んだ(へん)()をした。



「ニクスは西(にし)(すわ)ってていいわよ。

 アルは(せき)(ゆず)りなさい。


 また(たお)れられても(こま)るもの。」



()かってるよ…。」



わたしが西(にし)(がわ)()()(ちか)()くと、

アルが()げるように()()(はな)れ、

サンサの(ひざ)(うえ)()(うつ)った。



アルに(わす)れられたイオスを()()げると、

わたしに()こされてビャオォと、

(かす)れた(こえ)()いて(こう)()する。



イオスをわたしの(ふと)(もも)()けば、

(まえ)(あし)(こう)()()して(しょっ)(かん)(たし)かめ(はじ)める。



(つめ)()てるので、

わたしはイオスを(つか)み、

(あお)()けにして(ふと)(もも)(はさ)んだ。



(げん)(かん)からハーフガンに(あん)(ない)され、

一人(ひとり)(おんな)(かご)(かか)えてやってきた。



挿絵(By みてみん)



(くろ)(かみ)(しろ)(はだ)で、

ドレイプより(ねん)(れい)(うえ)(おんな)()える。



(くせ)のある(まえ)(がみ)()(そろ)え、

(なが)(かみ)(こう)(とう)()(たば)ねている。



()(こく)()めた(すそ)(なが)いキャシュクには、

(ほそ)(なが)()びた()()(ひざ)(うえ)にまで()び、

そこから(のぞ)(しろ)(あし)()える。



(かた)にした(あか)(いろ)()()(かざ)(ぬの)()()く。



「いらっしゃい。ソフィ。

 (ひさ)しぶりになるわね。」



「わたしの使()(よう)(にん)(めい)(わく)()けたわね。

 サンサ。


 あんな()()(まつ)(あと)でも、

 (まね)()れて(いただ)けたことに、

 (ふか)(かん)(しゃ)するわ。」



「あなた(あい)()だもの、()(まつ)(もん)(だい)よ。


 ボナも(さび)しがるから(たす)()いよ。


 (やかた)(ねずみ)がやってきても、

 ()るものは(えら)ぶのよ。ファウナが。


 ()にせず(すわ)っていいわよ。」



わたしはサンサに()われるまでもなく、

()()がって(みなみ)(がわ)()()()いて、

ソフィという(きゃく)(すす)める。



()(のこ)されたイオスが(こう)()して()いた。



「ありがとう。

 これ、()かったらみんなで()べてね。


 こんなものでは()びとしては

 ()りないでしょうけど。


 今朝(けさ)(のう)(えん)()ってきたばかりの

 バイテスよ。」



ソフィはテーブルの(うえ)(かご)()き、

(かぶ)せた(ぬの)()ると、(ふさ)についたままの

バイテスの()(やかた)()()んだ。



挿絵(By みてみん)



()(みどり)(いろ)(つぶ)はどれも(おお)きく

()(にく)(すい)(ぶん)(たくわ)える(ため)に、

(ろう)(しつ)(おお)われた(かわ)

()(かげ)(なか)でも(しろ)(ひか)っている。



()使(つか)わなくていいわよ。


 あとで(じゅう)(ぎょう)(いん)(くば)りなさい。」



(きゃく)(やかた)()()(おく)(もの)を、

サンサは(ちょく)(せつ)()()ったりはしない。



フランジのわたしが、(おく)(もの)(ひと)つで

(はしゃ)がないよう()いつける()()(ふく)む。



(かの)(じょ)(だれ)にも()うことのできないドレイプ。



()いたわよ。


 エルテル風邪(かぜ)でフランジが一人(ひとり)

 ()んでしまったんですってね。」



「エルテル風邪(かぜ)ではなくて(ろう)(じん)(びょう)ね。」



(ろう)(じん)(びょう)…? ()(ども)なのよね?」



(せき)(くる)しむ(しょう)(じょう)

 ()(かん)(おとろ)えた(ろう)(じん)姿(すがた)()るから、

 (むかし)のひとが(ろう)(じん)(びょう)()()けたのよ。


 (はる)(はい)って()たばかりの()で、

 (くう)()()ざった(ちい)さな(せい)(ぶつ)が、

 ()(こう)から身体(からだ)(なか)(はい)ってしまったの。


 (くう)()()()(はい)

 その(ちい)さな(せい)(ぶつ)(はい)(じょ)する(ため)に、

 (せき)()(かえ)して

 (はい)(いん)(とう)(えん)(しょう)()こすのよ。


 メノーの(びょう)(いん)で、

 しばらく()(りょう)してたのだけれどね。」



「まぁ。(せん)(そう)()わって、

 エルテル風邪(かぜ)だって(しゅう)(そく)してたのよ…。


 これから(たの)しいことが

 ()ってたでしょうに、

 (わか)くして()んでしまうなんてねぇ。


 その()()(まえ)はなんていうの?」



ソフィは(ゆた)かな(むね)()()て、(こころ)(いた)める。



「ナルシャのウラよ。


 (あか)(がみ)(あか)るく(けん)(こう)()だったのよ。」



「ウラ…。あなたも(ざん)(ねん)ね。


 …あなたのお部屋(へや)にも、

 (あたら)しい(ねこ)()たのね。


 (おな)(あか)()の。」



ソフィはわたしの(ふと)(もも)(うえ)()る、

(しろ)(ねこ)のイオスを(しめ)しているわけではない。



(かの)(じょ)(あい)(いろ)()がわたしを()るので、

(かる)(かお)()げた。



「ただの(まよ)(ねこ)よ。」



「まぁ。

 サンサのお部屋(へや)は、

 (かよわ)(ねこ)のお()()(たい)(へん)ね。」



「ボナに()()かれるわよ。」



二人(ふたり)(かる)(わら)()う。



()(かげ)(なか)二人(ふたり)()(がお)に、

(どう)(せき)させられるわたしは()心地(ごこち)(わる)い。



「ノーラのお(みせ)の、(かん)(ばん)(ひょう)(ばん)

 わたしもよく(みみ)にするわよ。


 アイリアの(こう)(ぼう)(つく)ったのよね。


 ここに(かお)()(ひん)()()えているのなら、

 ()(ぎょう)(じゅん)調(ちょう)そうね。」



ソフィは(ふか)(うなず)()(しょう)する。



「いまは(ひと)()()(そく)(なや)ましいわ。


 サンサのおかげで、わたしまで

 (けい)(しゅう)だなんて()ばれたわよ。」



「それは(よろこ)んで()うことではないわよ。」



「ボナまで()ばれていたのだから、

 わたし(たち)、お(そろ)いなのよ。」



「いらっしゃい。ソフィ。」



「スー。

 ()ないうちにまた()じんになったわね。」



(ふゆ)()(とき)にも、

 ソフィは(おな)じこと()ってたね。」



スーが(ちゅう)(ぼう)からガラス(びん)()ってきて、

(くびれ)れのある(ぎん)(さかづき)に注いでくれた。



バイテスの()(つぶ)して()したジュースが、

わたしの(まえ)にも()かれた。



(ほぐ)したクァンの()(じつ)(はい)っていて

()ぜてから()むと、()(じゅう)(あま)さの(なか)

(さん)()(しょっ)(かん)(くわ)わって、

(くち)(なか)(たの)しませてくれる。



「あなたが()るから(つく)らせたのよ。


 お()()はこのジュースに()うのよ。」



「ありがとう。


 それにしても鹿(しか)のゼラチンなんて、

 この(まち)では()(はい)らなくて(こま)ってたのよ。


 またサンサに(たす)けられたわね。」



「ゼラチン(てい)()

 オーブに(つな)がりが()くても、

 ソフィなら(ぎん)(こう)()(けい)()して

 ()()れることもできたでしょう。」



「だって、(ぎん)(こう)()はダメよ。

 ()ったでしょ?


 マイダスは(おんな)(しょう)(ばい)を、

 (ぼう)(がい)することしか(かんが)えないのよ。」



「ふふっ。

 あれで(おな)じオーブの(にん)(げん)なのに、

 マイダスは(しん)(よう)されてないわね。」



「『(もり)(けん)(じょ)』と()ばれたあなたなら、

 (たの)めばなんでもできるでしょう?」



ソフィがテーブルに(ひじ)をついて、

(さかづき)(かた)()にサンサの(かお)(のぞ)()む。



「あなたまでおかしな()(かた)しないでよ。


 (せん)(そう)()わって、いまこうして

 (かせ)いでるソフィは(きゅう)(かく)(すぐ)れているのよ。


 ほら、あなたの()(びと)()たわよ。」



ソフィが()()くと、

ファウナに()れられてボナがやってきた。



挿絵(By みてみん)



(あさ)(ぐろ)(はだ)(つや)やかな(くろ)(かみ)(かがや)かせ、

()(しゅう)(はい)ったキャシュクの(むな)(もと)には、

(きん)()(しょく)(しょ)()らしている。



「あぁ、ボナ。

 あなたに()えなくて、

 ずっと(さび)しかったわ。」



「まぁ、ソフィったら。


 わたしもあなたを

 (おも)わなかった()()いわよ。


 その(おび)(かざ)り、とても()()ってるわ。」



(かの)(じょ)のキャシュクの(おび)(ひも)には、

(ぎん)(つく)られた()(べん)(まい)(そう)(しょく)()けていた。



(いそが)しいのに()いに()てくれて(えら)しいわ。」



()えない(とき)はあなたを(おも)って、

 ずっとあの(ほん)()んでたのよ。


 あなたの(すす)めてくれたアラズ(こう)(ぼう)()

 ()むのは(むずか)しいけれど、()かると

 とっても(おく)(ぶか)いわね。」



二人(ふたり)()()(かん)(じょう)(おさ)えきれず

(かる)()()って、(かお)(ちか)()

()つめ()ったまま(かい)()(つづ)ける。



それを()てサンサはスーに()った。



「スー、(にゅう)(えき)()ってきて。」



「もう、()ってきてあるよ。」



(はく)()()(びん)(はい)っている(にゅう)(えき)は、

フランジも()()()がりに使(つか)(にち)(よう)(ひん)



挿絵(By みてみん)



スーはソフィが()(まえ)から、

()(びん)をテーブルの(した)()いていた。



(よう)()がいいわね。


 ボナ。

 ソフィにこれを(ため)してあげて。


 (よる)(やかた)(とく)(せい)(ひん)よ。」



「ありがとう。サンサ。」



「トレイごと()っていきなさい。


 ()(ちが)えて(にゅう)(えき)()まないでよ。」



二人(ふたり)(しょう)(じょ)のように(はしゃ)ぎながら、

(ひがし)のドレイプ(とう)へと()えていった。



()(かげ)(にわ)にファウナが()(のこ)される。



「ラッガもお()()()べるか?」



「イオスだよ。」と、スーが()う。



「お()()(ねこ)(あた)えてはダメよ。


 アルに()()かれるわよ。」



アルがファウナの(こう)(どう)(けい)(かい)している。



「…ファウナは()かなくていいの?」



わたしの(こと)()に、ファウナは(すわ)ったまま

ソフィの()ってきたバイテスを(つま)んで、

サンサを(よこ)()()た。



サンサは(だま)って(あご)()く。



わたしのこの()(もん)に、

ファウナが()(いき)()いて()せた。



「サンサはこの(しん)()りに、

 この(やかた)がなにをするところか

 ちゃんと(おし)えないと。」



(しょう)(かん)()(ごと)(ない)(よう)くらい、

 15(さい)のニクスでも()ってるわよ。

 ねぇ?」



サンサに()われてわたしは(くび)(たて)()る。



(うなず)いたけれど、

(かの)(じょ)(たず)ねた()()(こと)なっていた。



「でも、あれ。あの(きゃく)は…。」



わたしの()(もん)にスーが(こた)えてくれた。



「ソフィはボナのお(きゃく)さんなんだよ。


 (にん)(しょう)(かん)()のボナを()(めい)するには、

 (そう)(おう)(かしこ)くなければダメだからね。


 (おんな)でもこの(やかた)(まね)かれることで、

 (ひょう)()(つな)がったりもするんだよ。


 こういう()()みを()ると(たの)しいよね?」



「スー。


 (にん)(しょう)(かん)()()(ごと)

 ()めてくれるのは()いが、

 ボナはただの(どう)(せい)()(こう)なだけだぞ。」



()ってファウナは、イオスを()()せる。



イオスは(かの)(じょ)(うで)()かれると、

()(じゅ)(えん)(まよ)(ねこ)(もど)ったみたいに、

(たん)(せい)(しょく)()(かがや)かせてビャオと()いて(よろこ)ぶ。



アルはわたしの(ふと)(もも)()ってきて、

(みみ)(うし)ろに(たお)してその(よう)()()る。



サンサはわたしに(かお)(ちか)()けて、

()(ほそ)めるとこう()げる。



(こう)(じつ)(あた)えるのがわたしの()(ごと)


 (せい)(べつ)(ひと)つで(きゃく)(えら)ぶほど、

 (よる)(やかた)(きょう)(りょう)ではないのよ。」



(かの)(じょ)(さかづき)(のこ)ったジュースを

(ひと)(くち)()()した。



「あなたも、

 (やかた)()るものは()(ぶん)(えら)ぶことね。」



()(かげ)(なか)で、サンサの(つめ)たい(ひとみ)(わら)った。




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