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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
序章 婚星の路

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序章 第3節 伝道師の話(第2項)

(むかし)(むかし)(とお)(はな)れた(たい)(りく)に、

 ()()(むら)がありました。


 (かわ)(かん)(がい)(なや)むその(むら)に、

 (りん)(ごく)(でん)(どう)()がやってきました。


 (でん)(どう)()はこう()います。


 『(かわ)()れるのは、

  (かみ)(むら)(おんな)(しっ)()しているのだ。』


 (でん)(どう)()(むら)(もの)に、

 (わか)(おんな)(きょう)(しゅつ)(てい)(げん)します。」



(ひと)()御供(ごくう)というやつね。」



スーの(はなし)にサンサが(くち)(はさ)んで(せつ)(めい)する。



わたしは()(きゅう)()(かえ)すだけで、

(へん)()をしていられない。



(むら)(もの)(たち)(はな)()い、

 (わか)(おんな)(でん)(どう)()(あず)けます。


 すると(あめ)()り、(かわ)には(みず)(もど)り、

 (かみ)からは(ばん)(じゅう)()ました。」



(ばん)(じゅう)?」



(かた)()()(ゆう)(りん)(すき)という(おも)(どう)()を、

 ()(ちく)(ちから)()()らせて(こう)()――、

 (はたけ)(つく)(ため)(たがや)(どう)(ぶつ)のことよ。


 (たい)(りく)使(つか)われてたのは(おも)(うし)ね。


 ()(しゃ)(そり)()(どう)(ぶつ)(ばん)(じゅう)()んで、

 ()()(もつ)()せた(どう)(ぶつ)は、

 (うま)(うし)でも()(じゅう)()ぶわね。


 ()()(らく)()()(じゅう)ね。


 (むかし)(ばなし)(べん)(きょう)になるでしょ。」



(あし)(まわ)(つづ)けなければならないせいで、

サンサの(せつ)(めい)(うなず)()(ゆう)もない。



「しかし(よく)(とし)(かわ)()れ、

 また(むら)(りん)(ごく)(でん)(どう)()がやってきました。


 (むら)(もの)(たち)(ひと)()御供(ごくう)(つづ)け、

 (かみ)から(みず)(とみ)()ようとしました。


 (かわ)()れたままでは、

 (ひら)いた(はたけ)(みず)()けません。」



「なぜかしらね。」



(ふと)(もも)()(ぶん)のものとは

(おも)えないほど(おも)たくて、

()(きゅう)もつらく、(かんが)えられない。



(おんな)(ささ)げて()(えき)(もと)めた

 (むら)(もの)(たち)(たい)して(かみ)(おこ)ったのです。


 (でん)(どう)()であっても(かみ)()(げん)()れません。


 (むら)(もの)(たち)(おんな)(いく)(にん)(あつ)め、

 すぐに(かの)(じょ)(たち)(かみ)へと貢ぎました。


 こうして(みつ)(もの)(ささ)(つづ)けた(むら)は、

 (かん)(がい)()うことはありませんでした。


 ですが、(むら)にはついに(わか)(もの)()なくなり、

 (むら)(ほろ)んでしまいました。」



「ダメぇ、もう、()()ぃ…。」



(むら)(ほろ)んだので(はなし)()わりと(おも)って、

曲軸(クランク)(まわ)(あし)()めようとした。



もう(ちから)(はい)らない。



「あーニクス!

 (あし)(ゆる)めて()めて。」



(おお)(がた)()(ぐるま)(おも)さで(かん)(せい)(はたら)き、

曲軸(クランク)(とも)(まわ)(つづ)ける。



(かい)(てん)する曲軸(クランク)が、

(あし)()たってとても(いた)い。



ロープで(つな)がれた()(がた)()(ぐるま)は、

(おうぎ)(ゆか)(なん)()(こす)(とき)(てい)(こう)

(かい)(てん)()まってくれた。



(うま)()りたら()てずに(ひざまず)き、

()って(かべ)()にして(すわ)ると、

()ばした(あし)(ふる)えていた。



部屋(へや)、は、(かわ)いた?」



(なが)()()(おうぎ)はコンクリートに()たり、

(くだ)けて()れて(ゆか)()()らしている。



「それなんだけど…、

 (さき)にガラス(まど)()けて、

 (かぜ)(とお)しを()くするべきだったね。


 カーテンを()けるだけで(わす)れてたよ。」



「そんな、いま、さら…。」



(せん)(ぷう)()()(ろう)してあおぎ、

(そと)(くう)()部屋(へや)()けても、

部屋(へや)(なか)(くう)()()(かえ)されていた。



(くう)()(ちゅう)(すい)(ぶん)()()らせる(ため)に、

(まど)()けてから(かん)(そう)した(かぜ)(おく)って、

(くう)()(じゅん)(かん)する(かん)(きょう)にしないといけない。



(とう)()()(たち)()(ごろ)からやっていた(こう)(どう)も、

(ほん)()んで()っている()(しき)であっても、

()(ぶん)がやる(たち)()になると(わす)れてしまう。



わたしの(しゅう)(たい)()()ね、

アルが()いて(ふと)(もも)()ろうとする。



サンサがそれを(せい)()して、

アルを()()げた。



「あなた、また。

 ()(けい)なことしないの。


 ()(かた)がないわね。

 スーは()(ぱら)いを()れてきて。」



「はぁい。」



スーは()(ぱら)いという(おとこ)()びに、

(かい)(だん)()りて()ってしまう。



「それで…あれ? なんの、(はなし)だっけ?」



(でん)(どう)()(むら)(びと)(たち)(だま)して、

 (かわ)()()めていたのよ。」



(うし)をくれたのに?」



「ご(ほう)()という()(かえ)りを(あた)えれば、

 (むら)(びと)(たち)(しん)じるでしょ。


 (かっ)(すい)(むら)(びと)(ぜん)(いん)()えるのなら、

 (むすめ)一人(ひとり)くらい()(はら)うものよ。」



「それでひとが()なくなって(むら)(ほろ)んだら、

 ()()()わるよね。


 (すい)(げん)(たし)かめたり、(でん)(どう)()(うたが)えば。」



(よく)()(こう)()めてしまうのよ。


 それに(となり)(くに)は、(ぜい)(おさ)めなかった(むら)

 (しゅう)()への()せしめにする(ひつ)(よう)あった。」



「それ、だけで?」



(みん)(しゅう)とは(こっ)()(ため)(そん)(ざい)する、

 と(かんが)えるのはどこの(とう)()(しゃ)(おな)じね。


 ()()(すい)(げん)(けん)()(しゅ)(ちょう)し、

 (ぜい)(おさ)めなければ()()(うば)い、

 (かわ)にはダムが(もう)けられる。


 ()(はん)()()ごした(くに)は、

 (ばん)(ぞく)から()()(みん)(しゅう)(まも)れなくなるわ。」



(くに)…。」



わたしは()(きょう)(くに)(おも)()かべた。



(とお)くに()える(みずうみ)(かがや)きを。



「スーには(わる)いけれど、

 この(はなし)には(つづ)きがあるのよ。」



(かお)()()げたわたしに、

サンサは(こう)(かく)()げて()(しょう)()かべる。



(でん)(どう)()()()ったその()()()は、

 ()(くせ)(わる)くて(ぬす)みを(はたら)いたのよ。


 (こく)(ほう)(かがみ)(ぬす)んだことで(くに)()われ、

 ()()びた(さき)では(らく)(らい)()けて、

 ()()()(さい)()(むか)えるの。


 (ぬす)み、(だま)せば(むく)いを()ける。


 という(きょう)(くん)よね。」



「おい、なんの(よう)だ。」



(あら)(あら)しい(こえ)(はな)ってやってきたのは、

()(はだ)()(まゆ)(くろ)(かみ)(くろ)(ひげ)(おとこ)



挿絵(By みてみん)



この(かん)(ない)(けん)()いていられる(じん)(ぶつ)

なぜかこの(おとこ)(かぎ)られる。



(ゆか)(あし)()ばして(やす)んでいたわたしを、

(あい)(いろ)の淀んだ目で(にら)みつける。



グルグスのような(おお)(おとこ)とは(ちが)い、

()はそれほど(たか)くはない。



(ひん)(じゃく)なわたしからすれば、

サンサ()(がい)大人(おとな)はみんな(おお)きく()える。



()たわね、()(ぱら)い。」サンサが()う。



(てい)(せい)しろ!


 (おれ)今日(きょう)()んでないぞっ。」



()んでた(ころ)のあなたは、

 いつもわたしに(おな)じことを()ってたわよ。


 ()っていて(おぼ)えてないでしょ。


 あなたの(こと)()には

 それだけ(しん)(よう)がないのよ。」



()いたい(ほう)(だい)()ってくれる…。」



しかし(かれ)()(かえ)せない。



(かれ)(うし)ろからスーも(もど)ってきた。



(かの)(じょ)(ちゅう)(ぼう)から(みず)()ってきてくれた。



「サンサ。


 (あい)()がいくら()()でも、

 ()(じつ)()(てき)すれば(きず)つくような

 (せん)(さい)なひとも()るんだよ。」



()ってるわよ。

 だからお(さけ)()げたのよ。


 ニクスも(おぼ)えておきなさい。」



グルグスのように(かん)(たん)には

(あたま)()げないハーフガンだけれども、

サンサを(あい)()(あたま)()がらずにいる。



そして(たち)()(よわ)いわたしが(にら)まれた。



「ちょっと、それに()って。


 (あし)(もと)(ぼう)()んで(まわ)して。

 (あせ)らないでよ。」



「なんだ、これは。」



「いいから()(とお)りにしないと、

 エリクに()いつけるわよ。」



「いつまでもそれで

 (きょう)(よう)できると(おも)うなよ。」



()いながらも(かれ)(うま)()(すわ)り、

(きん)(にく)(しつ)(ふと)(あし)曲軸(クランク)()()った。



(ちから)(づよ)く――。



(やかた)(にわ)(かわ)いた(おと)(ひび)かせる。



(おお)(がた)()(ぐるま)から()びた()(ゆう)曲軸(クランク)は、

(かい)(てん)せずに()れてしまった。



「あぁっ! ちゃんと(せつ)(めい)()きなさいよ!

 ()(ぱら)いっ! (こん)(じょう)()しぃ!」



()われた(とお)りやっただろっ!


 そこまで()うなら()(ぶん)でやれっ!


 (あし)はまだ2(ほん)あるんだろ!」



(やと)(ぬし)(ひど)いわね!


 その()()ってない(ひげ)

 さっさと()りなさい。」



()()ってるだろ!

 (ぜっ)(たい)()()ってる!」



二人(ふたり)っていつもこんな(かん)じなんだよ。」



(あき)れた(よう)()でスーが()った。



(なか)()しなんだね。」とわたしが(つぶや)く。



サンサは(ねん)(れい)()(そう)(おう)(わか)()えるし、

ハーフガンの(ごう)(じょう)()(かた)()(ども)っぽい。



(となり)部屋(へや)のフランジはといえば、

(ろう)()()って(ゆう)()(おうぎ)をあおいでいる。



挿絵(By みてみん)



わたしより(はや)(はい)った(しん)()りの()で、

こちらと()()うと()()ってくる。



スーが()()いて()()(かえ)した。



わたしも(あご)()いて、

(あたま)()げる()()りをした。



それからサンサに、わたしの(かんが)えを()った。



(あし)使(つか)って部屋(へや)をあおぐだけなら、

 こんな(おお)()かりな()(ざい)(ひつ)(よう)ないよね。」



(ほん)(らい)ならばフランジのように、

()使(つか)って(おうぎ)をあおげば()()(ごと)だった。



(きょ)(だい)(むし)()(ぐるま)やロープを(もち)いずとも、

(いと)(ぐるま)(うす)(いた)()()けるなど、

(けい)(りょう)(どう)()はいくらでも(かんが)えつく。



()()(だい)()(ぐるま)()()むだけで(じゅう)(りょう)(かさ)み、

()(どう)()(たん)()える。



(かん)(たん)()()れできないもんね。」



(こわ)れた(おうぎ)()(はず)して(どう)()してくれるスー。



この(うま)()(たい)(はこ)ぶのに、

グルグスといった()(にん)(ちから)(ひつ)(よう)になる。



「もしかしてこれって、

 ()(ぐるま)(しゃ)(りん)(うご)かす(どう)()だったとか?」



「よく()()いたわね。」



()()(だい)(きゃく)()()いた(まる)(あな)は、

(しゃ)(りん)(ため)(しゃ)(じく)(とお)すこともできる。



退(たい)()()(がく)(ろん)という(ほん)には、

(ぜん)()(なら)んだ(ふた)つの(しゃ)(りん)しかない(しゃ)(りょう)が、

一人(ひとり)(よう)()(みょう)()(もの)として()かれていた。



一人(ひとり)()(どう)するだけならば

()()(だい)()らずとも、(ほん)(もの)(うま)()れば

曲軸(クランク)()(まわ)(ひつ)(よう)もなくなる。



()(ぐるま)(しゃ)(りん)(うご)かせても

その(ざい)(りょう)(ぶん)だけ(おも)くなり、

曲軸(クランク)()(まわ)(にく)(たい)(ろう)(どう)になる。



(じゅう)(りょう)があるので

()(そう)()(どう)(こん)(なん)な、

ガラクタの()わり()てた姿(すがた)



(もと)(しっ)(ぱい)(さく)(りゅう)(よう)(もく)(てき)にしたから、

 ()(ちが)えた()(ざい)になったんだね。」



わたしの(つぶや)きによって、

(せき)(にん)(まな)()しがサンサにまた(あつ)まった。



サンサは(かた)()げて(ふか)()(いき)()くと、

こう()った。



()(だい)なる(はつ)(めい)に、(しっ)(ぱい)()(もの)よね。」



(あき)れて(だれ)もなにも()わなくなると、

サンサに(かか)えられたアルがミャオと()いた。




 ▶

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