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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
序章 婚星の路

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序章 第3節 伝道師の話(第1項)

挿絵(By みてみん)



(なな)めに()()けた()(ふた)(くみ)

(たが)いを(ささ)()うように()つ。



(ちょう)(てん)(よこ)()(つな)がれた()()(だい)が、

(そと)(ろう)()(すわ)るサンサの(よこ)()かれている。



()()(だい)(なが)(もく)(ざい)(よこ)()(うえ)()き、

(すい)(へい)(じょう)(たい)にして(のこぎり)()(ため)(だい)で、

(ほん)(らい)この(だい)は2(だい)()(じょう)(なら)べて使(つか)う。



グルグスが(かつ)いできた()()(だい)は1(だい)のみ。



ここには(のこぎり)もない。



「それでサンサはなにを()()ててるの?」



スーはアルを(あたま)()せたまま、

サンサの()(ぎょう)()()(そっ)(ちょく)(たず)ねた。



「オーブのおじいに(たの)んでいたものが、

 フルリーンなんて(めい)()られた

 ()らない(せい)(さく)(しゃ)から(おく)られてきたのよ。


 ()(らい)(どお)りに(つく)ってあるとは(おも)うわ。


 これが使(つか)いものになるか

 (たし)かめてみようと(おも)ってね。」



(せい)(さく)(しゃ)(めい)()られた(よこ)()(ゆび)(さき)()()く。



「またガラクタにお(かね)使(つか)ったんだね。

 オーナーに(しか)られるよ。」



「ガラクタではないわよ。

 (だい)(はつ)(めい)かもしれないのよ?」



スーに()われて(かん)(じょう)(てき)になるサンサは、

(がい)(けん)(そう)(おう)()(ども)っぽい。



()()(だい)(よこ)()から

(ほん)()(なな)(した)()び、

(せつ)(ごう)した(だい)(ちゅう)(しん)には

(じく)()さった()(ぐるま)がある。



()(ぐるま)(じく)からはさらに()(みょう)なことに、

(ほそ)()がった2(ほん)(あし)()びている。



――おかしな(むし)だわ…。



(きょ)(だい)(むし)にも()える(こう)(さく)(ぶつ)



「これは(うま)よ。」



(うま)?」わたしは(くび)(ひね)る。



(あたま)(かたむ)けても、

(さか)()ちしたって(うま)には()えない。



(たが)いを(ささ)()()(きゃく)()には、

(ぼう)(とお)せるほどの(まる)(あな)()いている。



――この(あな)って、

  ()(きょう)(ため)(ぼう)がある(ところ)よね?



(ぼう)(とお)せば(きゃく)()(どう)()を支え、

(かたち)()(てい)する()(きょう)になるけれど、

その(ぼう)がなぜか(けっ)(そん)している。



「オーブでは(うま)()んでたのよ。


 (なめ)した(かわ)(しわ)にならないように

 ()けて()(だい)使(つか)ってるの。


 (ほん)(らい)()()(だい)よ。


 (ふた)(なら)べてこの(うえ)(もく)(ざい)()いて

 (のこぎり)()るただの(だい)なのに、

 ()(あし)のものは(うま)って()ぶのよ。」



「1(だい)しかないのに。」



「これは1(だい)(じゅう)(ぶん)だもの。」



――これが(うま)…。

  ひとを()せるのかしら?



(よこ)()(はし)には、

(かん)()(いた)(ひと)つだけ()せられている。



サンサはこちらを『お(しり)』と()んだ。



「これで(じょう)()真似(まね)でもするの?」



「なかなか(さっ)しが()いわね。

 ニクスがそこに()るのよ。」



「わたし? なんで?」



(じっ)(けん)(たい)だね。」



「おかしな()(かた)しないでよ。」



スーが(わら)うので、サンサが(こう)()する。



「サンサが()るから()ってきたんだよね?」



わたしも(こう)()した。



「ニクス。

 これはフランジにとって、

 (かく)(めい)(てき)なお()(ごと)よ。」



()(だい)なる(はつ)(めい)って()うんだよね。」



「ひとの(かんが)えを()()かさないの。」



()(せい)(しゃ)()(ぶん)()(てい)してよ?」



この二人(ふたり)(あい)()に、

わたしの(こう)()(つう)じなかった。



(かた)(あし)()げて(よこ)()(また)ぐ。



身体(からだ)(いた)みと(どう)()に、

(また)()けそうで()(めい)()た。



(すそ)(みじか)いキャシュクを()て、

(あし)(ひら)いて(すわ)るのは(あさ)ましく(おも)える。



それに(おんな)のわたしには(じょう)()(けい)(けん)がない。



(ゆか)(あし)(とど)かなくて()ちかけ、

わたしは(きゃく)()(あし)(から)めて、

()(なか)(まる)めて(よこ)()(りょう)()(つか)む。



――ここは()(ぼね)って()うのかしら?



(あし)には()(きょう)(ぼう)()(ため)に、

わたしの(おも)さで(うし)(あし)(すこ)(ひら)いて、

(うま)()(あん)(てい)()れる。



「スー。その(おうぎ)とって。」



「はい。」



スーが(どう)()(ばこ)から(よう)(へい)のついた(おうぎ)()(わた)し、

サンサはそれを(べつ)()(ぐるま)(じく)(しば)()けた。



ネルタでは()たことのない(おうぎ)は、

(しょく)(ぶつ)(ほう)(しゃ)(じょう)()(つく)った(かぜ)()(どう)()になる。



挿絵(By みてみん)



(うま)(むし)のお(なか)からは、

()()がった()(かい)(あし)()えた(おお)(がた)()(ぐるま)



その(あたま)か、(まえ)(あし)のあいだにある、

(べつ)()(がた)()(ぐるま)からは、(いっ)(ぽう)(なが)()びた

(じく)(おうぎ)()()けられた。



(うま)()から(ふた)つの()(ぐるま)()()ろすと、

(ひと)つの(はっ)(けん)があった。



(ふた)つの()(ぐるま)()には(たて)(みぞ)があって、

()になったロープが()(ぐるま)(おさ)まっている。



(みぞ)(はい)ったロープに()けられた(むす)()

(おお)(がた)()(ぐるま)()()わさると、

()(がた)()(ぐるま)(うご)かす()()みがわかる。



()いわね。」



サンサはお(なか)にある(おお)(がた)()(ぐるま)()れて、

()(がた)()(ぐるま)(じく)(しば)()けた(おうぎ)が、

(ぜん)(ぽう)への(かい)(てん)(かく)(にん)する。



(ふん)(すい)(てい)(えん)にハンドベルの(おと)(ひび)く。



「またなにかやってるわね。」



「ほぅ、またかい?」



(となり)部屋(へや)から()てきたドレイプと(きゃく)は、

(ちん)(みょう)(こう)(けい)()()(わら)う。


挿絵(By みてみん)



わたしは()ずかしさに(かお)(あつ)くなった。



「もう()りていい?」



「ダメよ。

 お(たの)しみはこれからなのよ。」



(くび)(もと)(くち)(ぬの)(はな)よりも(うえ)にして(かお)(かく)した。



「その『曲軸(クランク)』を(あし)()んで。」



曲軸(クランク)?」



(たい)(りく)()()(らい)だね。

 ()(げん)使(つか)われてる。」



(たん)()()()なんて使(つか)うひと()(だい)よ。」



「どういう()()があるの?」



「その()がった(かたち)から

 (あい)()(せい)(かく)(からか)(ため)に、

 (へん)(くつ)って()()使(つか)われるんだよ。」



「どうしてわたしを()たのかしら?


 いいから(はや)(うま)使(つか)ってみせて。」



(うま)()(せん)(もど)す。



(うま)()ばれた()()(だい)(ふく)()にある、

()(ぐるま)(じく)から()(ゆう)()びた(ぼう)

曲軸(クランク)()()する。



(むし)(あし)()える(ぼう)



「この(あし)?」



(かの)(じょ)曲軸(クランク)()んだ(ぼう)(あし)(さき)(さわ)る。



「そこに(あし)()せるの。」



()(ぐるま)(じく)から()(めん)(すい)(へい)()さった(ぼう)は、

(じょう)()(せい)(はん)(たい)()()がったかと(おも)えば、

また(もと)(かく)()(もど)っている。



(みぎ)(あし)(たか)く、(ひだり)(あし)(ひく)いので、

(あし)()()としては使(つか)いにくい。



(あし)()せた(ぼう)(てい)(ねい)(けん)()されていて、

(かど)のない(えん)(ちゅう)(そく)(てい)(かん)(しょく)だけで、

その(なめ)らかさが()かる。



(けん)(さく)(ばん)(みが)いてあるから、

 (すべ)りやすくなってるわよ。


 それとも(まわ)(ちから)()いのかしら…。」



(まわ)すって、こうなのかな?」



(まわ)すとなると、(あし)(うご)かし(かた)(むずか)しい。



(かた)(あし)ずつ(まえ)(した)にと(じゅん)()みつけ、

曲軸(クランク)(かい)(てん)させると()(ぐるま)(まわ)った。



()(ゆう)(りょう)(ほう)とも(べつ)(ほう)(こう)(くっ)(きょく)し、(へん)(かたち)でも

(ぼう)は『梃子(てこ)』の(げん)()()(よう)している。



(まえ)()(ちから)で、()(ぐるま)(かい)(てん)(うん)(どう)

(こう)(りつ)よく(でん)(たつ)する(どう)()だった。



この()()みを使(つか)った(どう)()を、

(ほん)()んだ()(おく)がある。



(うご)いたっ!」



スーの(かん)(せい)(とも)に、()(じょう)のアルは

(かの)(じょ)(まえ)(あし)()()げられて

また(こう)()()いた。



曲軸(クランク)()()けられた()(ぐるま)(まわ)ると、

(みぞ)(なか)()になったロープの(むす)()

()()かり、()(ぐるま)がロープを()()る。



()()られたロープの(むす)()が、

(おな)()()みでもう(ひと)つの

()(がた)()(ぐるま)(まわ)す。



()(がた)()(ぐるま)の、

(なが)(じく)(さき)()けられた(おうぎ)(かい)(てん)(はじ)めた。



()(ぐるま)(じく)(とも)(かい)(てん)したものの、

(そと)(ろう)()(ゆか)()たり(おうぎ)(よう)(へい)()れ、

(こす)れて(なが)()(けず)れ、()っていく。



(すな)(ぼこり)()っている。



(いた)っ!」



わたしは(けん)()された曲軸(クランク)()(はず)し、

(すね)()()った。



(だい)(じょう)()?」



スーが()れた()(ちょう)(おうぎ)かわたしの、

どちらかを(しん)(ぱい)していた。



(あし)(いた)くて(うま)()(つよ)(にぎ)る。



「ニクス、もっと(まわ)して。」



(おうぎ)(さん)(じょう)()にもせず、

サンサは(こえ)(はず)ませた。



曲軸(クランク)()(はず)しても、

(いち)()(いきお)いの()いた()(ぐるま)(かい)(てん)

すぐには()むことはなく、(あし)(いそが)しい。



(みぎ)(あし)(まえ)()()ると、(つぎ)(ひだり)(あし)



(あたま)では()かっていても身体(からだ)(うご)かない。



()(ぐるま)(まわ)(そく)()()わせ、

()(ゆう)(あし)(まえ)(うし)ろへ、

(うえ)(した)へと(まわ)(つづ)ける。



(そと)(かわ)いた(くう)()をこうして部屋(へや)(おく)れば、

 湿(しめ)った部屋(へや)(かん)(そう)しやすくなるのよ。


 湿(しっ)()部屋(へや)(のこ)したままにすると、

 (はい)(びょう)()(げん)(いん)にもなるからね。


 これを(せん)(ぷう)()()ぼうかしら。」



湿(しっ)()によって()(もの)(いた)みやすく、

(きん)(ぞく)(さび)()き、()(しょく)する。



「ねぇ、それで、いつまで、

 (まわ)せば、いいの? これ。」



(まわ)(つづ)けると、身体(からだ)(よう)(りょう)()(かい)してきた。



(いた)()いた(あし)()()(いた)く、

(そく)(てい)()(さつ)(あつ)くなる。



(うま)()(つか)(ゆび)も、

(じょう)(たい)(ささ)える(うで)(ふる)えだした。



曲軸(クランク)()(まわ)せば、

(うま)(つね)(じょう)()()れて(きし)む。



「これはニクスの(たい)(りょく)(づく)りも()ねているし、

 スーの()(ばなし)()われば()めていいわよ。」



「えっ?」(とう)(ぜん)、スーは(こん)(わく)した。



(たい)(りく)()()()(はなし)をして。」



「それ、()(へん)(はたら)いた(でん)(どう)()(はなし)だよね。


 なんで(さき)(けつ)(まつ)()うかなぁ。」



「いいから、(はや)、くし、てぇ…。」



()(ぐるま)(まわ)すだけで(せい)(れい)しているわたしに、

スーは()(しょう)して(ゆる)やかな()調(ちょう)(はなし)(はじ)めた。




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