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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第3章 花弁の湯

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第3章 第3節 労働の日(第2項)

(つぎ)は、はぁ、(すす)()めに、

 ()きましょう…。」



あとの(せん)(たく)(ほか)のフランジに(まか)せ、

(たま)(いし)(あし)(もつ)れさせるレナタは

わたしの(うで)()()せて(すす)()めに()く。



「『(すす)()め』っていうのは

 どんな()(ごと)?」



――(だい)(じょう)()かしら。



レナタの(しん)(ぱい)をしつつ(たず)ねたけれど、

ボイラー(しつ)でフランジの(さけ)(ごえ)

()こえるので、すでに(そう)(ぞう)はつく。



挿絵(By みてみん)



「あのボイラー(しつ)と、

 (ちゅう)(ぼう)の、(えん)(とつ)(そう)()です。」



(たま)(いし)(にわ)(みなみ)()つボイラー(しつ)には、

(ぼう)()った()(がら)(おんな)とフランジが、

頭巾(フード)(くち)(ぬの)をして(ぜん)(しん)(まっ)(くろ)になっている。



(えん)(とつ)(すす)()としね。」



(くろ)のキャシュクにスラックスを()いた、

オーブ(ふう)(くろ)(しょう)(ぞく)姿(すがた)をした()(がら)(おんな)

(えん)(とつ)(そう)()(ぎょう)(しゃ)だった。



挿絵(By みてみん)



(えん)(とつ)(うち)(がわ)()りついた、

 (すす)乾留液(タール)(じょ)(きょ)だよ。


 ニクスはこれやったことある?」



スーの(しつ)(もん)には(とう)(ぜん)(くび)(よこ)()った。



ネルタで(えん)(とつ)(そう)()(した)(ばたら)きの(なか)でも、

(くち)()らしの()(ども)(おこな)()(ごと)になる。



()(ぶと)りの大人(おとな)()れられた(だん)()(たち)が、

(かく)(いえ)(まわ)姿(すがた)(とう)から()つけたことがある。



(かれ)らは(そろ)って

(すす)(まみ)れた(まっ)(くろ)姿(すがた)をしていた。



(えん)(とつ)(そう)()によって(すす)(よご)れる()(ども)(たち)は、

その姿(すがた)からオーブ(りょう)()(れい)(あざけ)られ、

(いし)()げられる(こう)(けい)()た。



これは()()(おこな)()(ごと)だった。



()()になったわたしは

スーの()(くち)(ぬの)がされ、

(ぼう)(たば)(あた)えられた。



(ぼう)(たば)は3(ほん)(ひと)つになっていて、

(ちょう)(つがい)(ぼう)(つな)がっている。



「ここの(つめ)()したり()いたりして、

 (えん)(とつ)()()いた(すす)(けず)ります。」



(ぼう)(さき)には(つめ)()ばれる

(てつ)(せい)(いた)(すい)(ちょく)()いている。



(つめ)にある(くろ)(あぶら)(かたまり)乾留液(タール)

(さわ)ると(ねん)(ちゃく)(しつ)()(かん)(しょく)(のこ)る。



(えん)(とつ)(そう)()()られる乾留液(タール)を、

ニスに()ぜて(もく)(ざい)(ひょう)(めん)()ることで、

(たて)(もの)(あめ)による()(しょく)から()()できる。



「ボイラー(しつ)(かの)(じょ)(たち)(まか)せて、

 (ちゅう)(ぼう)()きましょう。」



(ちゅう)(ぼう)には(かっ)(しょく)(かみ)のヤゴウが、

(かま)(はい)()びて(かお)まで(しろ)くなっていた。



挿絵(By みてみん)



二人(ふたり)(つま)、ミョーンとラッタマも

(くち)(ぬの)をして(いそが)しくしていても、

(はい)まみれのヤゴウを()(わら)っている。



挿絵(By みてみん)



(ちゅう)(ぼう)()っていた(した)(ばたら)きの(しょう)(じょ)

デーンの姿(すがた)()えない。



(すす)()めは(てい)()(てき)にしないと、

 ()(さい)()きてしまいます。


 (さい)(きん)()(さい)(おお)いそうですから、

 ニクスも()(あつか)いには

 ()をつけてくださいね。」



()()()みは()いわねぇ。」



とラッタマが()う。



(せい)(れい)してね。」



とミョーンが()(しょう)する。



(くち)(ぬの)(うえ)にさらに(くち)(ぬの)()いて、

(はな)(かお)(すき)()にはコットンを()めていく。



(あつ)(おお)きなサンダルを()いたレナタが、

(ぼう)()って(はい)(もく)(たん)(そう)()()んだ

(かま)(なか)(はい)っていく。



わたしも(おな)じサンダルを()き、

(かの)(じょ)(つづ)いた。



(かま)(おく)(ふか)く、(えん)(とつ)(さき)(たか)(とお)い。



(ない)()(くう)()(あつ)くて、

(のど)()けるみたいに(いき)(ぐる)しい。



(あし)(もと)()たまま()()じてください。


 (そう)()をしている(さい)(ちゅう)(ぜっ)(たい)に、

 ()()けてはダメですよ。」



(かま)(なか)ではレナタの(たか)(こえ)がよく(ひび)く。



二人(ふたり)(はい)れば(せま)(かま)(なか)(えん)(とつ)()け、

(へき)(めん)(てつ)(つめ)()てて(ぼう)()ばしていく。



(ぼう)()って(つめ)(うえ)へと()ばす(たび)に、

乾留液(タール)(かたまり)()()かり(おと)(ひび)く。



(はが)れた(すす)()ちて、

(あたま)(くび)(もと)(なん)()()たった。



(つま)(さき)(てい)()(かたまり)でも()たると(いた)い。



(ぼう)(さき)(つめ)が、()(もと)(もど)ってきたら、

 (ひだり)(がわ)(いっ)(そく)(ぶん)()(どう)して、

 また(けず)ります。


 これを二人(ふたり)で、(ひだり)から(みぎ)に、

 (はん)(しゅう)()(かえ)します。」



レナタの(こと)()(したが)

()()じて(まっ)(くら)(なか)で、

()(みみ)(かん)(かく)(たよ)りに

(ぼう)(じょう)()()(どう)させて(すす)()とす。



()(ねつ)(せま)(かま)(なか)

二人(ふたり)()(ぎょう)をしていると、

(わず)かな()(かん)でも()(なか)(うで)(あせ)(にじ)む。



(えん)(とつ)(なか)をなんとか(はん)(しゅう)してから、

レナタの(あい)()(ふく)()()られ、

(かま)から()()せた。



(はい)(りゅう)()がわたしの()()き、

(いた)くて()けられず、(なみだ)(こぼ)れる。



「まず(かお)(あら)え。」ヤゴウが()った。



()()られた()がタライの(みず)()けられ、

(あたま)()()して(かお)についた(すす)(あら)()とす。



挿絵(By みてみん)



()()(みず)(つめ)たくて()()ちがいい。



()()けると、

()(しょく)(とう)(めい)なはずの()()(みず)(くろ)(よご)れていた。



「レナタ…?」



(となり)(かお)(あら)っているのは(くろ)(かみ)(しょう)(じょ)



(かが)(よう)(もう)のような(ぎん)(ぱつ)のレナタが

(すす)(かぶ)って、サンサみたいな

(まっ)(くろ)(かみ)へと()わってしまった。



(あぶら)(えい)(きょう)で、

 すぐには()ちないんですよね。」



「そんなこともあろうと(おも)って、

 こんなのを(よう)()してみたよ。」



スーが、()(さい)(あら)うタライに()れた

(しょう)(りょう)(うす)()(いろ)(えき)(たい)()せてきた。



「なんです、これ。」



「クァンを()して(つく)った()(じゅう)だよ。


 サンサは、これで(よご)れが()ちる

 って()ってたから(ため)してみよう。」



「サンサって…ねぇ、スー。


 もう(いや)()(かん)しかしませんが…。」



()(あん)がるレナタに(どう)()して、

わたしも(だま)って(うなず)いた。



スーは(ぬの)()(じゅう)()()ませ、

(すす)(よご)れたレナタの(かみ)()む。



()ってスー! (いた)っぁ!

 あっあぁー()に、(はい)ったぁ!」



レナタが()(めい)(はな)ち、

(えき)(たい)(いた)みに(なみだ)(こぼ)す。



(かみ)()()いた(すす)()(じゅう)(ぬぐ)っても、

スーが(おも)ったほど(よご)れを()とす(こう)()はない。



「もっと()くしないとかな。」



(しょく)(ざい)()(まつ)にするな。」



ヤゴウが(しず)かに(こう)()する。



「はい。ごめんなさい。


 (かみ)(すす)()とすのは(むずか)しいけど、

 (なべ)(あら)いには使(つか)えると(おも)うよ。


 あ、ねえ、()てっ。

 ここ、()(れい)になったよね。」



スーが()(ぢか)(なべ)()にして、

()(じゅう)(ひた)したブラシで(こす)って()せた。



「スーはもぉ! (へん)なことしないで!

 ちゃんと手伝(てつだ)ってってばぁ!」



レナタは()(さけ)びながら、

()(あか)(じゅう)(けつ)させた。



わたし(たち)についた(すす)

ミョーンとラッタマの二人(ふたり)()により、

(かみ)()()()(いきお)いで()かれた。



()れた(かお)()いていると、

(ちゅう)(ぼう)(はい)ってきた(した)(ばたら)きの(しょう)(じょ)

デーンが()()から(みず)(あら)たに()んで()た。



「あのさ、頭巾(フード)をさせなかったの?」



と、デーンが()った。



頭巾(フード)?」わたしは(かの)(じょ)(たず)ねた。



(しょう)(じょ)(けん)のある(かお)つきで、

(しか)っているようにも()こえる。



ヤゴウの(つま)(たち)(かお)()()わせて()(しょう)する。



「だって、()()()んでたんだもの。」



「ねぇ。ふふっ。」



ミョーンとラッタマが(そろ)って(わら)う。



「すみません。


 頭巾(フード)をすれば()かったんですが、

 わたしが()(じゅん)()かしたばかりに、

 ニクスまで(まっ)(くろ)にさせてしまって…。」



(いき)(あら)くして()(みだ)していたレナタは

ようやく()()いたのか、

わたしに()かって律儀(りちぎ)(あやま)った。



ミョーンとラッタマの()(わら)っていたのは、

この(しっ)(ぱい)()(そく)していたからだった。




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