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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
外章 天蓋の島

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外章 第5節 星海の鐶(第3項)

(わたし)一人(ひとり)(せん)()()ち、

アルを(かか)えて(とお)ざかる景色(けしき)(なが)めた。



「アルムデナ。」



(ぎん)()(しょく)(しょ)(くび)()にした

(くろ)(ねこ)(せい)(しき)()(まえ)()ぶと、

(つき)(おな)(いろ)()()じて(ほそ)

(わず)かに(くち)(ひら)いた。



(ひさ)(びさ)()(まえ)()ばれた(ため)に、

尻尾(しっぽ)(むち)みたいに(しな)らせて、(わたし)(うで)(なん)()(たた)く。



(よう)(さい)(まち)()()わせた、

()(だい)(しん)(せい)(おんな)()(まえ)



(たい)(りく)()(らい)()(まえ)のせいで、

(なん)()(なま)りのサンサは(はつ)(おん)できなかった。



その()(まえ)(いま)(さら)()(なお)()()く、

サンサの使(つか)っていた(りゃく)(しょう)(ほう)

アルには()()んでいる。



(ねこ)(こと)()()わせなくても、

ニースの(わたし)にはその(しょ)()だけで

(つね)にアルの()(こう)(ぼう)(だい)()(しき)が、

(ふん)(すい)のように()いて(そう)()たす。



アルに(たい)してニースを(もち)いれば、

()(とお)して(かんが)えが(つた)えられる。



ネルタの(かく)(めい)(みぎ)(うで)(うしな)ったサンサは

()()びた(もり)(なか)でアルと()()い、

ニースの()(じゅつ)()ると、()(うしな)った。



トリンに()された(わたし)も、(おな)じく()(うしな)った。



(わたし)(たち)()(うしな)ったことで

(えい)(えん)とも()べる()(かん)()られ、

(どう)()(なが)退(たい)(くつ)()ることになった。



これを()(だい)(ひと)(びと)()(ろう)()()()んだ。



(あたま)(なか)()かんだ()(もん)

ニースの()(じゅつ)ですぐに(かい)(しょう)され、

()えを(わす)れ、(きゅう)(そく)(ひつ)(よう)としない。



フルリーンに(かみ)(いろ)()めて(もら)わなくても、

サンサと(おな)じく(かん)(たん)()えられた。



(さい)(げん)なくニースを使(つか)えば

ゼオと(おな)じく(しん)(よう)(うしな)うので、

この()(じゅつ)()めておきたかった



()()(りん)(じん)や、(いぬ)(ねこ)といった(どう)(ぶつ)姿(すがた)

(せき)(ぞう)などの()()(ぶつ)()わることができても、

(ほん)(らい)(たましい)(うしな)ってしまう()がする。



サンサが(いく)(にん)もの(とう)(ぞく)(おそ)われても、

ユヴィルの(よう)(へい)(たち)(ふく)()()られても、

(かの)(じょ)()ぬことはなかった。



ニースの()(じゅつ)()(わたし)は、

ヘッペに(くび)()されても()ななかった。



(たましい)(うしな)っていない。



ゼズ(とう)(きん)(そく)()(かん)()(しゃ)()()では、

(らい)(てい)(はっ)(せい)させる(れっ)(ちゅう)

(にゅう)(しょく)(しゃ)(しん)(にゅう)(はば)む。



ソーマは()(そん)(のこ)した(のち)

(きん)(そく)()()かい、(らい)(てい)(じっ)(たい)(しょう)()した。



(もの)()しや(てん)(びん)(おもり)では(はか)れない、

(よう)(えん)(だい)という()()(うしな)われた

(ちょう)(えつ)した()(じゅつ)(そん)(ざい)した。



(ばん)(のう)(おも)えるニースであっても、

(かく)(とく)(しゃ)には(おお)くの(せい)(げん)(もう)けられていた。



(がい)(けん)がそのままでは(おも)さだけを()えられず、

(おお)きな(あい)()には(ちから)()けしてしまう。



(かい)(どう)(しゅん)(せつ)(かん)(とく)をしていた(おとこ)

(にく)(たい)(てい)(こう)するには、ニースを使(つか)って

(たい)(こう)しなければいけなかった。



(きょう)(りょく)(しゃ)()やして()(しき)(つく)ろうにも、

ニースの(かく)(とく)(しゃ)()やせない。



()(そん)(つく)ってもニースの(ふく)(せい)はできず、

(にく)(たい)(こう)(ちく)する(せっ)(けい)()(こと)なるので、

()まれ()わりを(つく)ることはできない。



ニースを(かく)(とく)した(もの)(ふく)(すう)()ても、

()(こう)(でん)(たつ)(えん)(きょ)()(おこな)えない。



(にん)(げん)(あた)えられたニースは、

(かく)(とく)した(もの)(どう)()(せっ)(しょく)させずに

()れの(なか)(きょう)(そう)(うなが)すものだった。



――(みつ)(あか)()には(どく)だね。



ニースで()(どう)(しゃ)()ばれたソーマは

(かみ)(がみ)のように()(ろう)()()()()みを()て、

(きん)(そく)()(らい)(てい)()けた。



この(えい)(えん)退(たい)(くつ)(なか)で、

サンサは(ふく)(しゅう)(けい)(しょう)という

(ふた)つの(もく)(てき)()()げた。



(けん)(げん)()つアルが()(にん)にニースを(あた)えれば、

(さき)のニース(かく)(とく)(しゃ)()()(もど)す。



(わたし)()()()れられなかった。



(わたし)がニースを()ると(どう)()

サンサのニースは(いっ)(しゅつ)し、

()(ろう)()()(うしな)った(かの)(じょ)()()(もど)す。



そのことを()ったのは、

(わたし)がニースを(かく)(とく)した(あと)だった。



サンサにニースを(かえ)すことは()()(のう)で、

(わたし)への(けい)(しょう)(もと)から(かの)(じょ)(ねら)いでもあった。



(こう)(かい)はあっても、

そのおかげで(かく)()()まった。



(よる)(やかた)()られた()()で、

いつまでも(しゅん)(じゅん)していた(わたし)()(なか)

サンサが()した。



まるでニクスみたいな便(べん)()(てき)(かい)(しゃく)だった。



メリエ()(むすめ)()(そん)(つく)り、

()(めい)()(さん)(まも)(ため)(そだ)てられた。



(むすめ)でしかない(わたし)は、

()()から(むすめ)としての(やく)(わり)()(がい)

なにも(のぞ)まれなかった。



そのせいか、(わたし)()(てい)(きょう)()のサンサから

(たい)(りく)から(はい)ってくる(ぞく)(ほん)(おそ)わった。



()()になって(よる)(やかた)()われてからも、

(たい)(りく)(かん)(しょう)(ざい)にされる(よう)()()(あつ)めた。



(わたし)(しょう)()にも(ふくろ)()えただけの

ドレイプになるつもりもない。



フランジになってスースと()(まえ)()えても、

メリエ()(のろ)いは()()(こう)(けい)(しゃ)だった

(おさな)いニコラの()()でも(つづ)いた。



挿絵(By みてみん)



(わたし)()(しん)(へん)()()かった。



(ほん)(なか)だけでしか()らない

(たい)(りく)への(あこが)れはあっても、

(もく)(てき)(しゅ)(たい)(せい)()かった。



ニコラと(おな)(どし)だったレナタは

やりたいことをしていて、

()がつけば()(こう)になって

(わたし)より(はる)かに(さき)(ある)いていた。



(かい)(せん)()って(けい)(けん)してみたらいいわ。


 (たい)(りく)はスーの()ってみたい

 ところなんでしょ?』



サンサが(わたし)(からか)った。



このニースの()(じゅつ)があれば

(たい)(りく)まで一人(ひとり)(およ)いでだって――、

たとえ(およ)げなかったとして

(かい)(てい)(ある)いて()ける。



()()()んだ(むな)しい(もう)(そう)だった。



ソーマが(ある)いてきた(みち)(なぞら)えたり、

()(ろう)()()身体(からだ)使(つか)って(たい)(りく)(しゅう)(ゆう)しても、

(えい)(えん)退(たい)(くつ)(かい)(しょう)されはしない。



(わたし)はサンサが(しゅう)(しゅう)(さい)()けて()いた

()(どう)(しゃ)ソーマの()(きょく)(おも)()し、

(かれ)辿(たど)()けなかったゼズ(とう)

(みなみ)(がわ)(かい)(たく)(おこな)うことを(かんが)えた。



(きょう)(りょく)(しゃ)(つの)って、

(たい)(りく)(よう)(さい)()()エンカーから

ゼズ(とう)(なん)()(かい)(たく)()()す。



(かん)()(しゃ)()()が、

(わたし)(こう)(どう)させるのかもしれない。



そうであってもラッガやゼオ、

フルリーン(たち)(きょう)(りょく)()かせない。



()(まぐ)れな(どう)(ぶつ)(たち)(せい)(やく)で、

(わたし)()(ゆう)にニースを()やすことはできない。



(わたし)はゼズ(とう)()(みなみ)(がわ)()(ため)に、

メーニェの()(まい)(つう)じて

エンカー(はん)(とう)(たい)(りく)(つう)()()(ぞう)する。



(かん)()(しゃ)(たくら)(どお)り、

(たい)(りく)のソーンとクレワを(あらそ)わせる。



(かん)()(しゃ)はあの(しま)(うし)(ひつじ)

(うま)(うさぎ)などの(どう)(ぶつ)(あた)え、

ひとの(ため)()(たい)(よう)()した。



(にく)(たい)(ろう)(どう)(しゃ)のソーマの(よく)()(よう)して、

(ひと)(びと)(きょう)(そう)(もと)めた。



サンサの(ふく)(しゅう)(しん)()(よう)して、

カヴァとネルタを(あらそ)わせた。



オーブ(りょう)(つう)()()(ぞう)し、

(よう)(えん)(だい)(たい)(りく)(うしな)われた

シルクの(せい)(ほう)(あた)えた。



(たい)(りく)の2(こく)()()(まど)わせれば、

ゼズ(とう)(たい)(りく)(ねら)われる()(のう)(せい)()り、

(しま)はそのあいだに(たい)(りく)(たたか)(じゅん)()もできる。



――(かん)(ねい)(じゃ)()ってこのことだね。



サンサみたいな(わる)(だく)みに、

()(ぎゃく)して(はな)(わら)ってしまう。



――(かん)()(しゃ)(ひと)(びと)(はん)(えい)(きょう)(そう)(もと)め、

  (いっ)(ぽう)(あい)(はん)するものを(もと)めている。



(にゅう)(しょく)した(ひと)(びと)(はん)(しょく)させて(あらそ)わせ、

(だい)(すい)(がい)(あた)えて(たい)()(あん)(ねい)()(かい)した。



(ぜん)()(もと)(もど)(ため)に。



ニースの()(しき)があったところで、

(よう)(えん)(だい)()(じゅつ)()(もど)すには

(なん)(びゃく)(ねん)()かってしまう。



(ざい)(りょう)(さい)(しゅう)(りょう)(さん)には(じゅ)(きゅう)(じゅう)(よう)で、

()(こう)()(かえ)し、()(じゅつ)(はっ)(てん)には

(なん)(じゅう)(おく)もの(にん)(げん)(はん)(えい)(ひつ)(よう)になる。



(たい)(りく)という(わず)かな(だい)()しか()たず、

(うば)()いに()()れる(じん)(るい)には(むずか)しい。



(かん)()(しゃ)()()(ほし)(ぞら)への()(かん)(もく)(てき)にして、

この(ほし)()()びた(にん)(げん)(みち)(しるべ)(あた)えた。



(なが)(ぼし)(ゆめ)(かな)わない(よく)(ぼう)



()(そう)()(みどり)(うえ)でサンサが(わたし)(たち)にした、

(せい)()になれなかった(ほし)(どり)(つく)(ばなし)



(ほし)(つか)むには、

あまりに()(えん)(けい)(かく)()える。



――(かん)(ぜん)なる(かん)(げん)



(なん)(びゃく)(ねん)()かる(ほし)(どり)(けい)(かく)とは(べつ)に、

(かん)()(しゃ)()(たい)(ぐん)(たい)(はん)した()()()ち、

この()(じゅつ)(ふく)(げん)(のぞ)まない。



()(たい)はいまも(ぐん)(たい)()(さと)している。



――()()()れなさい。だね…。



オーブ(りょう)(せん)(せん)(だい)(りょう)(しゅ)、グレイ(ろう)(こと)()



(きん)(そく)()からオーブ(りょう)(あらわ)れた(もり)(けん)(じょ)

サンサの(きょう)(りょく)(しゃ)になった(かれ)もまた、

(ふる)くにニースを()ていた一人(ひとり)だった。



(くろ)(たい)(もう)(おお)われた

(こん)(じき)(ひとみ)(わたし)()つめ、

(こえ)()()()ける。



(ふね)()(あお)(うみ)()()け、

(なみ)(しろ)(こう)(せき)(えが)く。



(あわ)()()(こう)(せき)は、

ひとの(そく)(せき)よりも(はや)()えてしまう。



――(てつ)(ふね)、か。



(こう)(せき)(さき)には(たね)()せた(きょ)(だい)(ふね)が、

()てのない(うみ)姿(すがた)()かべている。



いつだかサンサが(ふね)(てい)()(わたし)(たち)(たず)ねた。



(えい)(えん)とも()べる(いっ)(しゅん)が、あの()(しょ)にあった。



(ゆう)()がゼズ(とう)(ぜん)(たい)(きん)(あか)(いろ)()め、

(しま)にはやがて(よる)(おとず)れる。



「あれがあなた(たち)(ふね)なんだね。」



(きん)()をした(どう)(ぶつ)尻尾(しっぽ)(わたし)(うで)(たた)く。



(かん)()(しゃ)()(たい)()()により、

()てのない(うみ)(きょ)(だい)(しま)(あらわ)れた。



(かの)(じょ)(もと)めた、(かん)(ぜん)なる(かん)(げん)(ため)に。



(てん)(がい)(さん)(つね)(じょう)()()げて(みず)()み、

セリーニの(かい)(けい)()(はい)して(ほう)(じょう)(あた)える。



()(たい)した(どう)(しょく)(ぶつ)(せい)(そく)する、

(しま)()(たい)した(ほし)(ぞら)(ふね)



「また()いましょう。(きん)(あか)(いろ)のサンサ。」



(こう)(せい)()(まえ)(わか)れを()げると、

(わたし)(むな)(もと)(くろ)(ねこ)のアルがミャオと()いた。




 ◆ (がい)(しょう) 『(てん)(がい)(しま)』 おわり

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