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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
外章 天蓋の島

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外章 第4節 虚栄の器(第3項)

ドレンは(いか)りを(わす)れ、

(かべ)()()かると()(ろう)からか

(だま)って(わたし)(はなし)(みみ)(かたむ)(はじ)める。



「エルテル風邪(かぜ)(まん)(えん)する()(ぜん)

 メルセ(りょう)(しゅ)ペタリオの()

 リオンは(やまい)()んだ。


 (ふう)(ひょう)(おそ)れて

 ()(やまい)()(とく)したのは、

 ペタリオの()()だよ。」



「なぜ(どぶ)()のお(まえ)()っている?


 (りゅう)(げん)ではないのか?

 (こん)(きょ)(しめ)せ!」



ドレンの()(もん)に、(わたし)(うなず)いて(つづ)ける。



「ペタリオの(つま)息子(むすこ)リオンの()(なげ)いて、

 メーニェ()から()従姉妹(いとこ)のサテュラに

 ()(がみ)(つづ)ったんだよ。


 マルフの、(きゅう)メリエ(てい)()()(しょ)(しつ)には、

 (かの)(じょ)への()(がみ)()(かん)されているからね。


 (きん)(そく)()()くのなら、

 ドレンもその()()使(つか)って、

 ついでに()(とお)せばいい。


 息子(むすこ)リオンの()()

 (りょう)(しゅ)ペタリオは6(さい)()()

 ()(れい)だった(おうぎ)()ちを()(ぶん)(よう)()にした。


 その()()にヘッペを(かん)して

 ヘッペリオと()(まえ)()けた。」



「なんでヘッペだ?」



(たい)(りく)()()には(うと)いフルリーンが(たず)ねる。



(せん)()のペヌンと(おな)()(らい)だよ。


 (せん)()()られる(ほく)()(そう)

 (たい)(りく)()える(しょく)(ぶつ)()わりだった。


 ヘッペは『(だい)(ひょう)』って()()(ほか)にも、

 『(だい)(よう)(ひん)』って()()があるからね。


 (りょう)(しゅ)ペタリオはペタの(いん)(じゅん)(あらた)めず、

 息子(むすこ)(だい)(よう)(ひん)にヘッペリオの()(まえ)

 ()えることを(ゆる)さなかった。


 それでもヘッペは(どう)()

 (ほう)(とう)息子(むすこ)(えん)じてるのか、

 とても()(びろ)くやったみたいだね。」



(おや)(かね)(あそ)んでただけだろ?」



ゼオが(くち)(はさ)む。



「ヘッペこそ()んだペタリオの(かい)(らい)

 (あやつ)(にん)(ぎょう)だったのかもしれないよ。


 ()(さん)(がい)では()(ほう)(もの)にお(かね)(はら)って、

 (ほう)()()(けん)(なん)(けん)()こしていた。


 ヘッペは(かく)()(あそ)(ある)きながら、

 ()(ぶん)(しゅつ)()(けい)(せき)()そうとした。


 5(ねん)(まえ)にはヘッペの(しゅつ)()()っていた、

 (せん)(だい)(こう)(ちょう)のヴィット()(さい)(あん)(さつ)された。


 エルテル(せん)(だい)(りょう)(しゅ)のエリクも、

 (わか)いのに(びょう)()なんて(あや)しいよね。


 ドレンも(たい)調(ちょう)(かんば)しくないみたいだね。


 (まい)(にち)(しょく)()(どく)()られてない?


 ()らなかったでは()まされないわね。」



(かべ)()げられて(ゆか)()ちた(ぎん)(ぱい)(ひろ)()げ、

(よご)れた(あん)(しょく)(そこ)()せるとドレンは(おび)えた。



「うぅあ…。」



身体(からだ)()調(ちょう)(おも)()たるのか、

(むね)()さえるドレンは(こと)()()み、

()(きょう)()()(みだ)して(てん)(じょう)(あお)()る。



ドレンの(きょ)(えい)()(はつ)(うし)ろに(はず)れて、

(かっ)(しょく)(まえ)(がみ)(あら)わになった。



――ドレンの()(あい)は、

  ただの()()ぎだよね。



――()(ぞく)(びょう)という()(まえ)の。



()(ぞく)(びょう)()(ぞく)()られる(けん)()だと

ドレンは(かん)(ちが)いしている。



風邪(かぜ)とは(ちが)い、

()(ぞく)(びょう)()(ぼう)(ちく)(せき)するだけで

(めい)(かく)(しょう)(じょう)()ない。



()(だい)(ぞう)()(せい)(じょう)()(のう)しなくなっても、

(おお)くのひとは(びょう)()(しん)(こう)()()けない。



ドレンは()(しょく)(げん)(いん)()(まん)(たい)だった。



(たい)(ない)(すい)(ぶん)(けっ)(かん)(がい)(ろう)(しゅつ)して()まり、

()(あし)(つな)がる(ほそ)(けっ)(かん)()(かい)されている。



(こわ)れた(けっ)(かん)(けつ)(りゅう)()()え、

身体(からだ)(うち)(がわ)から(くさ)っていく。



(かれ)()()(しば)られたも(どう)(ぜん)で、

(あま)()()くような()(はい)(しゅう)(はな)つ。



(あし)(ゆび)(あか)(むらさき)(こく)(へん)し、()()()えた。



「そんな身体(からだ)(きん)(そく)()(かい)(たく)なんて、

 (ゆう)(かん)ではなくて()(ぼう)っていうんだよ。


 お(さけ)(しお)()けの(ぎょ)(らん)ばかり

 ()べているからだね。


 あなたは(こう)(ちょう)なんだから、

 この(まち)(ある)いて()(まわ)ればいいわ。」



(なが)いあいだ()(せっ)(せい)(つづ)けたドレンが

(いま)(さら)(せい)(かつ)(かい)(ぜん)しても、

()(ろう)(ちょう)寿(じゅ)()られるとは(だん)(げん)できない。



()()けした(ほそ)身体(からだ)調(ちょう)()(いん)が、

()(まん)(たい)(うし)ろで(うなず)いている。



()(がみ)(つた)わっているとは(おも)うけど、

 昨日(きのう)(どう)(くつ)(こう)(がわ)(かん)()する()()

 (かの)(じょ)(たち)使()(しゃ)()(しゃ)(おそ)われた。


 (ぎょ)(しゃ)とメーニェの()(えい)(ころ)されてる。」



フレヤとレイヤ、

調(ちょう)()(いん)(わたし)()()わせて(あご)()いた。



()(しゃ)(おそ)った()()(ころ)したのも

 ヘッペなのかもね。」



()(しゃ)(どう)(くつ)(こう)(がわ)(おそ)ったのは、

 メーニェ(ほん)(ごく)(どう)(くつ)(こう)(かん)(けい)

 (わる)くさせることが(もく)(てき)か。」



ゼオの(けん)(かい)(わたし)(そう)(ぞう)(いっ)()する。



(さい)()(しん)(りょう)(しゃ)(そそのか)して、

 ドレンに(はい)(がい)()(しき)(たか)めさせる。」



()(りゃく)(せん)使(つか)った(たい)(りく)のソーンに、

 そんな(はなし)があったな。」



(たい)(りく)()(くわ)しいゼオが()(てき)をして(つづ)ける。



「だがこいつは、(しゅっ)(よく)(ふく)らませて、

 (もう)(そう)(えさ)()いついただけだろ。」



(しま)から(あつ)められる(みつ)(もの)(ろう)(どう)(しゃ)

 (たい)(りく)からの()(そう)された(めずら)しい(しな)(もの)

 ()(れい)(みなと)(あつ)まる()()だもんね。


 (どう)(くつ)(こう)(ほう)()するわけだから

 メーニェに(へつら)(ひつ)(よう)()くて、

 ()()として()(うん)(じょう)じることができる。


 ドレンはヘッペの(たくら)(どお)りに

 (うご)いてくれた。」



「これは、ワシの()()だ。」



(かい)(らい)のドレンは、(こう)()して(つば)()ばす。



「まだ()うかっ。」調(ちょう)()(いん)(しっ)(せき)する。



「メーニェ(ほん)(ごく)()(えん)(うしな)うんだ。


 メルセと(どう)(めい)()んだところで、

 (どう)(くつ)(こう)はゼズ(とう)(なか)でも()(りつ)して

 ネルタと(おな)(まつ)()辿(たど)るぞ。」



フルリーンがドレンに()って、()()く。



「いや、それがヘッペの(ねら)いか。」



(とう)()(しゃ)(たち)()(まえ)

 (よく)という()(えさ)()らして、

 ヘッペは(しゅつ)()(まっ)(しょう)する(ため)

 (しま)(ぜん)()()(めつ)(のぞ)んでる。


 もしくはメーニェの(おんな)(たち)()げられて

 (くつ)(じょく)だったのかな。


 ()(はい)(よく)、ただの(せい)(よく)かもね。


 (よる)(やかた)

 (だれ)にも()うことのできないドレイプから、

 ユイガス(きん)()(まい)()(はら)われた(おとこ)

 だから――。」



ドレンの()(せん)(はなし)(つづ)けている(わたし)ではなく、

()(ぐち)(そば)()(わたし)の、(はい)()()た。



(した)(まわ)(どぶ)()がっ。」



(はい)()から(ささや)かれ、

(こえ)(ほう)(がく)()()くより(まえ)に、

(わたし)(のど)(たん)(けん)()()てられた。



()(はだ)(くら)(へき)(しょく)(ひとみ)

(つよ)(くせ)のある(にご)った(きん)(ぱつ)()(なか)から()けた

(そう)(しん)(おとこ)(わたし)(となり)(あらわ)れた。



挿絵(By みてみん)



(かれ)()()せて(わら)う。



――ヘッペ…。



宝飾巾(ヴェール)()しに(たん)(けん)()され、

ヘッペの()(ちから)()けて()された(わたし)は、

(ちから)(うしな)(かべ)()()かる。



頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)()ちて、

(くろ)(まだら)()まった(かみ)(あら)わになった。



(いもうと)のレイヤが()(おお)って()(めい)(はな)ち、

(あね)のフレヤが(わたし)から(かお)(そむ)ける。



(ゆか)(たお)れる(わたし)身体(からだ)を、

フルリーンが(ささ)えてくれた。



アルは身体(からだ)(ひね)って(ゆか)()く。



(のど)()()き、

(どう)()(あじ)がまた(くち)(ひろ)がる。



「…()(せん)()(よご)れたぞ。


 (ぼく)()をこれ()(じょう)

 (よご)させないでくれよ。」



ヘッペは(わたし)(かえ)()()れた(ゆび)

(あか)()のように()い、(まん)(ぞく)そうに(くちびる)()めた。



(かれ)(むな)(もと)の、

(きん)(くさり)()えた(しょく)(しょ)(にぶ)(はん)(しゃ)する。



――…(あさ)ましい。



()(まい)()(じょう)にシドレが(おどろ)き、(あと)退(ずさ)りして、

(あぶら)(かたまり)(ささ)えられずに(おも)いお(しり)から(たお)れた。



(りゅう)(げん)(そそのか)されては(こま)るぞ、ドレン。」



「ヘッペリオッ! なにをしているっ!

 ワシの、(やかた)でっ! (ころ)しおってっ!」



(どぶ)()一人(ひとり)(ころ)した(てい)()(わめ)くな。


 ドレンは()(てい)(どお)り、(みなと)(へい)()するんだ。」



「ヘッペリオッ! (もう)(どう)()こしたなっ。」



調(ちょう)()(いん)(しっ)(せき)する。



「エイワズの(いぬ)(だま)って(したが)え。


 (ふる)(くさ)(れん)(ちゅう)など(あい)()にせず、

 (ぼく)について()い。


 こんな(へき)()(くすぶ)らずに()むぞ。」



「あんたは(おれ)(やと)(ぬし)でも(うわ)(やく)でもない。」



ヘッペに()さぶられるドレンに(くら)べれば、

調(ちょう)()(いん)(かれ)(ほう)(いっ)(かん)(せい)がある。



(わたし)(ばい)(しゅう)した(あと)とはいえ、

調(ちょう)()(いん)(じょう)(きょう)(ゆう)(せん)()()(かい)していた。



(ぼく)がメルセの(りょう)(しゅ)となれば、

 お(まえ)(たち)()(まえ)(こう)(せい)(のこ)るだろう。」



(おうぎ)()ちよ。」



(わたし)()()わせたゼオが、

ヘッペを(ちょう)(はつ)する。



「ペタの()(だい)(りょう)(しゅ)(かた)るのは()めたのか?



(かた)るもなにもないだろっ!

 (ぼく)こそがメルセの(せい)(とう)(こう)(けい)(しゃ)だっ!


 (うす)(ぎたな)(どぶ)()(くち)(はさ)むなっ!」



ヘッペは(かん)(じょう)()()たせ、()(じょく)し、

()(ぐき)()()しにする。



()(かげ)(にわ)でも()せたことのない(かお)



(あぶら)()のドレンよりも、

 (りょう)(しゅ)(せん)(しょう)する(どう)()のお(まえ)(ほう)

 (こう)(しゅ)(だい)()()うぜ。」



(あい)()()(じょく)など()にせず、

ゼオは()()してヘッペを(あお)る。



(はら)()たしいよ…。


 マイダスといい…あの(どぶ)()…、

 (きょう)()()(がみ)(かた)った(きん)(あか)(いろ)(にせ)(もの)といい。


 みんなで(ぼく)(ちょう)(しょう)して…。


 (だま)って(ぼく)(めい)(れい)(したが)えば()いんだ。


 お(まえ)(のぞ)(どお)り、

 ()(ざわ)りな()(ぞく)(ども)(あい)()をさせてやるよ。


 (ぼく)(こう)(けん)できることを(かん)(しゃ)しろ。」



ゼオ(あい)()(いきどお)るヘッペに、

(こん)()はラッガが(くち)(はさ)む。



「お(まえ)(がい)(しょう)(そそのか)して、

 (ころ)しを(めい)じたのか。」



(がく)のないやつは(きら)いだね。


 (おんな)なんて()(もの)は、()(だい)から

 (おとこ)にその()(ささ)げる(ため)()まれたんだ。


 (うん)(めい)(おんな)としての

 使()(めい)(あた)えてやっただけさ。


 (かんが)える(あたま)()いから(かん)(しゃ)すらしない(けもの)だ。


 だから(ぼく)(しつ)けてやってるんだ。」



ニクスを(かん)(きん)したビンスの(あん)(さつ)にも、

ヘッペが(かか)わっていることが()かった。



「あぁ、メーニェのお(ひめ)(さま)(がた)

 二人(ふたり)なら(かん)(げい)するよ。


 ヴィット()やヒュルゲン()

 メリエ()にやった(どぶ)()(たち)より

 (たい)(せつ)使(つか)ってやるさ。」



(くちびる)()めて(さそ)うヘッペから()()らして、

(きょ)(ぜつ)する()(まい)、フレヤが(わたし)()た。



(わたし)()わってフルリーンの(うで)(なか)で、

(くち)()けて()せたアル。



退(たい)(くつ)(えん)(ぜつ)で、欠伸(あくび)()るね。」



ヘッペの(しゅ)(ちょう)(わたし)(くち)(はさ)んだ。



(ほん)(とう)(あさ)ましいよ。」



ヘッペは(わたし)()()けに()(かえ)り、

(しょう)(げき)(おどろ)き、()(せん)(じょう)()させて(こん)(らん)する。



(わたし)(のど)()さった(たん)(けん)()き、

(りょう)()()(かた)(にぎ)ってから

(わき)()じて(ひじ)(たい)(じゅう)()ける。



ヘッペの(みぎ)(わき)(ばら)()けて

(たん)(けん)(ふか)(ねじ)()み、

(かれ)身体(からだ)(わず)かに()()げた。



――(ふく)(しゅう)(いか)りという(かん)(じょう)(ひつ)(よう)ない。



(じん)(たい)()(かい)する(かん)(しょく)が、

()(つう)じて(みみ)にまで(つた)わる。



()(しゅう)()()(とも)(うしな)われる(ねつ)が、

(くう)()()ざって()(くう)(うず)()く。



(しょう)()()された()(ぶん)はいかがかしら?」



ヘッペは(しょう)()(そそのか)し、

(げき)(じょう)()()()(ころ)し、

(わたし)(たち)()(てい)(たく)(とう)(ぞく)(おそ)わせた。



ヘッペは(いた)みに(あせ)(にじ)ませ(わたし)()し、

()れた姿(すがた)()(うつ)(ゆが)んだ()(ぶん)()

(ぜっ)(きょう)した。



(かれ)(かまびす)しい(こえ)(やかた)雄鶏(おんどり)(おも)()させる。



ヘッペが(さけ)()えると(ひざまず)き、

(ちから)()()(めん)(たお)れた。



ヘッペは()(ぶん)(わき)(ばら)()さった

(たん)(けん)()(ゆび)(さき)()れたけど、

(いた)みと()への(きょう)()(こん)(らん)でなにもできない。



()(むね)にして(ちから)()めて(いの)っていると、

鍍金(めっき)した(くさり)(もろ)()()()れた。



「けろ…(たす)け、ろっ!」



「スー…、(かみ)が…(きず)も。」



フルリーンが(くろ)()めた(わたし)(かみ)

ゼラチンが()がれ()ちて、

(もと)(きん)(ぱつ)(もど)っていく。



『ニース』の()(のう)

()された(くび)(きず)(ふさ)がっている。



()(まえ)(がい)(けん)(いつわ)るにしても、

 (とう)(はつ)(てい)()(とど)めておかないと

 (しん)(よう)(そこ)ねるんだよね。」



(ほう)けるフルリーンの(うで)(なか)でアルが()く。



(くび)()されて()んだ(わたし)は、

身体(からだ)()(のう)()(もど)す。



サンサはこの(とく)()()(じゅつ)(もち)いて、

(かみ)だけを(くろ)()めて(へん)(そう)していた。



ニースにあるこの()(じゅつ)()っていれば、

(だれ)にでも()()わることができた。



(わたし)だけではなく、(だれ)もが(よう)姿()

()(ゆう)()(ざい)()えることができれば

いまの(しゃ)(かい)(おお)きく()わる。



(とっ)(しゅつ)した()(じゅつ)は、

(かなら)ずしも(のぞ)(ほう)(こう)()かうとは(かぎ)らない。



(よう)(えん)(だい)から(はっ)(てん)()げた(すえ)のように、

(ぶん)(めい)(しん)退(たい)()(かえ)()(のう)(せい)もある。



(にん)(げん)(しゃ)(かい)はひとが(ただ)しくある(ぜん)(てい)

(せい)(りつ)していて、(とう)(ぞく)(かい)(ぞく)のように

(りゃく)(だつ)()(へん)(おう)(こう)すると(しゃ)(かい)(せい)(りつ)しない。



(かん)(たん)()(にん)()()わり、(いつわ)り、()なず、

(なん)()(よう)姿()()えてしまうと、(しん)(よう)(うしな)う。



サンサは(だれ)にも()()わらず、

この()(じゅつ)(みずか)(せい)(やく)(もう)けていた。



フルリーンの(うで)(なか)から()()して、

(あし)(もと)でアルが()き、(わたし)()()けた。



「ダメだよ。アル。」



「お(まえ)、お(じょう)の…

 (だま)、したな…。


 (かえ)せ、(ぼく)の…。

 (ぼく)の、(きん)()…。」



ヘッペは(つめ)たく(かた)(ゆか)(はだ)(かさ)ねたまま、

()()()(えき)()めて(わたし)()ていた。



わたし()()けたあのユイガス(きん)()は、

 サンサが(つく)った鍍金(めっき)()()だよ。」



(わたし)(こと)()は、ヘッペの(みみ)には(とど)かない。



(たい)(りく)(ほっ)(ぽう)(たい)(こく)

ソーンの(あん)()、ユイガス(おう)




(ほう)(しょく)(ひん)()(そう)()()(きず)から(まも)

ただの(ぬの)()れを、(しょう)(にん)(だま)されて

()(こう)(おお)宝飾巾(ヴェール)として()った(おろ)かな(おう)



ソーンはメーニェ(とう)(かい)(せん)(たい)(はい)し、

(かれ)(しょう)(ぞう)(はい)った(きん)()()()(うしな)

()(なお)された。



この(しま)()(ちょう)とされるユイガス(きん)()も、

ソーンでの()()()いに(ひと)しい。



()()()れなさい。」



()()ろした()(たい)()げた。



「メルセの、(つぎ)(りょう)(しゅ)だぞ…。

 おいっ…、なんてことを…。」



ドレンが(ゆか)(すわ)ったまま、

ペタの()(だい)(りょう)(しゅ)()(しょう)した(おとこ)の、

()(たい)()つめて(つぶや)いた。



(もと)から(よう)()(りょう)(しゅ)にはなれないんだよね。


 だからヘッペは(りょう)()のメルセではなくて、

 (しろ)のあるペタの()(まえ)使(つか)って

 ()(だい)(りょう)(しゅ)(かた)ってたんだよね。


 (せい)(とう)(こう)(けい)(しゃ)()るメルセ(りょう)は、

 ヘッペに(くび)()をせずに()(ゆう)にさせていた。


 ()(はな)したというべきかな?

 蜥蜴(とかげ)尻尾(しっぽ)のように。


 こんな()()でドレンを(そそのか)したってことは、

 (りょう)(しゅ)(こう)()にヘッペの()(まえ)

 ()がらかったみたいだね。」



エリクの(よう)()だったサンサも、

エルテル(りょう)(りょう)(しゅ)にはなれない。



(どう)(くつ)(こう)はメルセ(りょう)(よう)()が、

 メーニェの使()(しゃ)(たち)()()(しゃ)

 (おそ)った()(けん)(もん)(だい)にすべきだね。


 さて、ドレン。


 ()(せき)(にん)なこの()(たい)(たぶら)かされても、

 まだ(どう)(くつ)(こう)(へい)()をするつもりかな?」



()(だい)(りょう)(しゅ)(かた)()()()(ころ)しただけだ。


 (めい)(わく)()(もの)をメルセの()わりに

 (そう)()してやったんだから、

 (れん)(ちゅう)(かん)(しゃ)はされても

 (こうべ)()れる()(ゆう)()いだろ。」



フルリーンが(よう)(やく)して(せつ)(めい)してくれ、

(わたし)やゼオ、ラッガさえも(うなず)いた。



「この(あぶら)(かたまり)(きょう)(はん)(しゃ)として

 メルセに()()すべきだろ。」



ラッガの()(けん)はさらに(きび)しいものだった。



「ドレンも(いのち)()いをするのなら、

 調(ちょう)()(いん)(たの)んでみては?」



ドレンは調(ちょう)()(いん)(かお)()()げるも、

(ばい)(しゅう)()みの(かれ)(だま)って(くび)(よこ)()る。



ヘッペという()(どう)(しゃ)(うしな)った(あぶら)(かたまり)は、

()(こう)(ほう)()してしまった。



(せい)(ぶつ)(のう)

(たん)(ぱく)(しつ)(あぶら)(かたまり)()()ている()(じつ)は、

()()(がた)いものがある。



『おい、なんで、()きてる?』



キャシュクの(くび)(もと)

()真赤(まっか)()めた(わたし)()て、

フレヤが(いもうと)のレイヤを()いて(ふる)える。



真似(まね)したらダメだよ。』



(かわ)きはじめた(くび)(まわ)りの()を、

(つめ)()くと(かん)(たん)()がれていく。



「ラッガも(むかし)に、()たことあるよね。


 サンサに(たす)けられた(とき)に。」



(わたし)とラッガはそれぞれ(べつ)()()

(ぞく)(おそ)われて()(ぞく)(うしな)い、

サンサに(たす)けられた。



ユヴィルの(よう)(へい)(おそ)われたニクスも、

サンサに(たす)けられて(おな)(こう)(けい)()ている。



(むかし)のことだがな。」



「スー、…まるでニースだな。」



(わたし)姿(すがた)()たフルリーンが(つぶや)く。



(かの)(じょ)()まれ(そだ)ったオーブ(りょう)では、

(しま)(かん)()(しゃ)使(つか)った『ニース』を

(かみ)のような()()(とら)えている。



『ニース?』



(あね)のフレヤが(たず)ねてきたので、

(わたし)(たい)(りく)()(しつ)(もん)(こた)える。



『ニースは()(じゅつ)(しめ)(たん)()なの。


 (よう)(えん)(だい)では(あい)()(たい)して、

 「(よろこ)び」の(かん)(じょう)(つた)える(とき)

 「(すぐ)れている」なんて(ひょう)()で、

 (こう)()(てき)使(つか)われてた(こと)()だよ。


 ()(だい)(あく)()使(つか)われてたのに、

 ()()(ぎゃく)(てん)した(だい)(ひょう)(てき)(たん)()だね。


 「(おろ)か」とか「(もろ)い」

 って()()だったんだよ。』



『どうしてそんな、

 おかしなことになったんだ?』



フレヤはまだ(こん)(らん)している。



(からか)うつもりで使(つか)った(こと)()も、

 (あい)()()(こう)()()らなければ

 ()()があったところで(つう)じないんだよ。


 (こと)()(もと)(もと)ただの()(ごう)だからだね。


 (ただ)しい(こと)()というものがあったら、

 (げん)()(とう)(いつ)されてるはずだもんね。


 (よう)(えん)(だい)(たい)(りく)(うしな)われていたニースも、

 (しま)では()(げん)使(つか)われているんだよ。


 「()からないもの」って()()でね。』



フレヤは(りょう)(くちびる)()んで()()らす。



(わたし)はニースと()ばれる

 ()からないものの()(じゅつ)

 ()ななくなった。』



『ニースとは、()(うしな)うのか…?』



(かの)(じょ)(ちょっ)(かん)(てき)(かい)(しゃく)に、

(わたし)(あご)()いて()()わせた。



『ニースは(もの)()しや(てん)(びん)では

 (はか)ることのできない()(じゅつ)


 (じん)(るい)はまだ(めい)(しん)()れる(ふね)(うえ)()る。』



()(めい)(りょう)(わたし)(せつ)(めい)に、

フレヤは()(けん)(ちから)()れて(いぶか)しんだ。



(わたし)()らないことを()ってる。』




 ▶

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