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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第12章 赤土の丘

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第12章 第4節 偽の演戯(第3項)

(くろ)(ふく)()(つつ)

(なが)()(あし)(どう)()(たち)が、

(ひろ)()(たい)でも(きゅう)(くつ)そうに(ある)く。



(くろ)(かみ)のオーブの(おんな)(たち)

その()(がら)(たい)(かく)()かして、

身体(からだ)(かい)(てん)させて(うご)(まわ)ると

(そら)()ねるなどの(きょく)(げい)()(ろう)する。



(なか)から一人(ひとり)(おんな)()(たい)(ちゅう)(おう)()つ。



その(おんな)がサンサに(ふん)したサラシュだった。



(だん)(そう)をした(おんな)――オーブの(おとこ)(たち)(まえ)にして、

サラシュの(みぎ)()から(きん)()()ちると

(ふん)(すい)のように(きん)()()()させる。



(こう)()()(ぞう)(じゅう)(ざい)(にん)ね。」とサンサが(わら)う。



サラシュの(はい)()には

(きん)(ぞく)(くだ)(ふく)(すう)()るされ、

()らすと(たた)()(きん)(ぞく)(おん)が、

(こう)()(らっ)()(おん)()(ほう)している。



(きん)()()(つく)った(にせ)(もの)でも、

(こう)(おん)(みみ)(とど)けば

(はな)れた(きゃく)(せき)からは()()かれ(にく)い。



(ぜん)(れつ)(きゃく)(せき)でも()(まが)うひとも()た。



(きん)()(たし)かめようと()(すじ)()ばした(きゃく)は、

(ちか)(せき)()(えい)(おそ)れるので

(こん)(らん)()けられた。



サラシュは(つぎ)に、

(たお)れた(びょう)(にん)()のひらから

(こん)(じき)(つぶ)()()して()ませた。



(つぶ)(くち)にすると(びょう)()はすぐに(なお)り、

(びょう)(にん)(たち)(よろこ)び、()まって(おど)りだす。



「あ、ムネモスだわ。」



「ムネモス?」と、クイナ。



(となり)がベリー()(じん)ね。」



「あのひとがムネモスの?」



()(ぜん)のサンサの(よう)()になったひとで、

ムネモスの(はは)(せき)(ばら)いしながら

エリク(せん)(だい)(りょう)(しゅ)(やく)をやっている。



挿絵(By みてみん)



(ねこ)(しょく)(しょ)(あた)えた、

 なんて()ったひとよ。」



いまのサンサは()って(よろこ)んでいる。



(おう)()(やく)のムネモスは()っているだけなのに、

(きゃく)(せき)()()げて(かた)まっている。



「こちらまで(きん)(ちょう)しますね。」



「いまでも(やかた)(ふく)(おく)ってくれるし、

 ()(しょう)(きょう)(りょく)してもらったものね。


 あんな(やく)(とく)があっても()いでしょう。」



(こう)()(つく)り、(やまい)(なお)したこの(かつ)(やく)で、

(はな)やかなシルクの(ふく)()(つつ)んだ(りょう)(しゅ)(たち)

サンサを(えん)じるサラシュは(みと)められる。



(かの)(じょ)(おど)ってその()(かい)(てん)すると、

(ぎん)(いろ)のドレスが(くろ)のチュニックへと

(はや)(がわ)わりした。



その(いっ)(しゅん)()()(ごと)(きゃく)(せき)(こん)(らん)して、

シルクの(うつく)しさに(かん)(せい)()げた。



「ムネモス、()(れい)ですね。


 (むかし)()(おう)(じょ)(さま)みたいなのよ。」



クイナは(くち)()けたまま(かん)(たん)する。



「ムネモスも(もと)(りょう)(しゅ)のご(そく)(じょ)ですから。」



「サラは(おう)(じょ)(さま)よ。」と、サンサが()う。



「でも、でもっ!

 いつもと(ちが)うから。」



(たし)かに()(たい)(よう)()()(しょう)もして、

今日(きょう)のムネモスは大人(おとな)()える。



挿絵(By みてみん)



「ファウナでも(もと)

 (どう)(くつ)(こう)(せん)(だい)(こう)(ちょう)(むすめ)ということを、

 クイナは()ってて()ってるの?」



「…あのファウナが?」



サンサの(かお)()(ため)

クイナはさらに(けい)(かい)する。



「ファウナが()(しょう)しているのに、

 あなたは()いていなかったのね。


 (かの)(じょ)(かん)して()えば()(ごろ)(げん)(どう)から、

 クイナが(しん)じられなくなるのも

 ()(かた)がないわね…。」



ヴィット・ハス・ファウナと()()るの(かの)(じょ)

(たい)(りく)()(ほく)()(ぶん)()に詳しくても、

その(せい)(かく)(しん)(よう)(うしな)っていた。



ファウナに(かん)して

(うたが)いの()()けるクイナに、

わたしも(だま)って(うなず)くだけで(せっ)(とく)できない。



「サンサはまた(だま)そうとしてるの?」



「またって…(まえ)(だま)したんですか?」



(あま)いスープだって(うそ)ついて、

 (から)いの()べさせたのよ。」



(だま)してなんていないわよ。


 そんなに(から)くないって()ったわよね。」



わたしも(おな)じような(けい)(けん)があった。



(えん)(そう)(はい)るから、

 お()()()べてもいいわよ。」



(よる)(やかた)のドレイプと(くれ)(あい)(やかた)(しょう)()(たち)が、

(おの)(おの)(とく)()(がっ)()()って()(たい)()ち、

(えん)(そう)(おど)りを()(ろう)する。



頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)もアームカバーもせずに、

(はだ)()姿(すがた)(ちか)(ふく)(そう)(おど)っている。



「あんなに(はだ)()せてもいいんですか?」



「いまの(かの)(じょ)(たち)は、

 (しょう)()ではなく()(たい)(やく)(しゃ)だもの。


 (ふく)(そう)()(てい)(まも)ってるし、

 ()(だん)(はだ)(かさ)ねる(はだか)(どう)(ぜん)のドレイプが、

 (ふく)()ていた(ほう)(せん)(じょう)(てき)かも

 しれないわね。」



「ニースだわ。」とクイナが(つぶや)いた。



「ニースね。」とサンサが()(しょう)する。



二人(ふたり)()(みょう)(どう)調(ちょう)する。



(きゃく)(せき)(なか)には(やかた)のお(きゃく)さんも()て、

ドレイプや(しょう)()(たち)()(まえ)(さけ)んで

(せい)(えん)(おく)った。



(かれ)らの(こえ)(おお)きければ(おお)きいほど

(かの)(じょ)(たち)()(ぶん)(にん)()(くら)べることができ、

(たか)()のついた(せき)()れる()(ゆう)(なっ)(とく)できた。



(えん)(そう)(みみ)にしながら、お(さけ)(かお)りがする

()っぱで(つつ)んだお()()()けた。



(なか)から(りっ)(ぽう)(たい)(しろ)(あか)(ぐろ)(いろ)をした、

()のゼラチン(かい)(あらわ)れた。



挿絵(By みてみん)



「これ、(しろ)(ほう)ってもしかして(から)いやつ?」



()(たい)するほど(あま)くはないわよ。」



(しょう)(じき)()ってよ。」



いまのサンサがなにを()っても、

(うたが)って()べてもいないクイナに

(あじ)(つた)わるはずはない。



「これ、わたしは()きですよ。」



「この(げき)(むす)びつけて、

 (けん)(しん)(おう)(じょ)なんて()()けたら

 ()れると(おも)うの。」



「それでこの2(しょく)なんですね。」



「このお()()(にかわ)から(つく)ってるの。

 クイナは()ってる?」



(にかわ)って…それ(せっ)(ちゃく)(ざい)なのよ?」



(にかわ)ではなく、ゼラチンですよ。」



(みずうみ)(ほく)()(つく)られてきた

ゼラチンを使(つか)ったこのお()()を、

(なん)()(しゅっ)(しん)のサンサやクイナは()らない。



クイナは(はな)(ちか)()けたけれど、

(さけ)(かお)りがすると()かると

(かお)(ちから)()れて(めずら)しい(ひょう)(じょう)()せる。



わたしが(さき)にお()()(くち)にする。



ゼラチンの(つめ)たいお()()は、

(くち)(なか)()けて(やさ)しい(あま)さが(ひろ)がった。



「ほら、クイナも。」



()()がクイナの(くち)(はこ)ばれる。



サンサはイオスを()いて

(あたま)()さえつけていた。



(あま)くな…(あま)い。」



「これ、()(ぼく)なんですね。」



「それなら()して()べられるし、

 (くち)(なお)しもできるものね。


 もうセセラの()(ばん)だわ。」



()(たい)(ちゅう)(おう)にセセラが()つと、

(おお)きな(おと)(なみ)になって()(なか)()たった。



(きゃく)(せき)からは(いっ)(せい)にセセラの()(まえ)(さけ)ばれる。



「セセラの(にん)()(ほん)(もの)ですね。」



「メノーだって()(りょう)()()うだけの(にん)()が、

 セセラと(おな)じくらいあったわよ。」



(おさな)(ころ)からメノーを()(ぢか)()てきた(ため)に、

サンサの(こと)()(なっ)(とく)しにくい。



「クイナは、もう()べたの?」



「だって…(しゅう)(ちゅう)して()たいもの。」



()(たい)()つセセラは、

(くち)(もと)(ゆび)()てて(きゃく)(せき)(せい)(じゃく)(もと)める。



(きゃく)(せき)(こう)(ふん)()()くとセセラは(すわ)り、

()っていた(がっ)()(げん)(はじ)けば、

(うつく)しい()(いろ)(げき)(じょう)(ひび)かせた。



(ほか)のドレイプや(しょう)()(たち)も、

セセラの(えん)(そう)()わせて(がっ)()(かな)でた。



(おだ)やかな(かわ)のように(おと)(かさ)ね、

(すい)(ちょう)(たち)()()つように(ゆう)()(おど)る。



その(えん)(そう)()くひとは

()(ぶん)()()(かい)(きゅう)(かん)(けい)なくなり、

セセラ(たち)(えん)(そう)(すべ)ての(きゃく)()(りょう)した。



ただ()(もん)なのは――セセラはなぜか

()つん()いになった(じょう)()(おとこ)()(すわ)って、

ずっと(えん)(そう)していたことだった。



(えん)(そう)()わりかけた(ころ)

(しろ)(しょう)(ぞく)(しゅう)(だん)がやってくる。



(えん)(そう)()ざって

()(だい)(つよ)くなる(おお)(だい)()(おと)が、

(ふく)()(たた)くようで(きゃく)()(あん)(あお)る。



(えん)(そう)のあいだ()()()(くつろ)いでいたサラシュを

(しろ)(しょう)(ぞく)(しゅう)(だん)(はさ)み、(かの)(じょ)身体(からだ)(うで)ごと

ロープで()かれてしまった。



ロープを()()られて(れん)(こう)されるサラシュ。



そんな(かの)(じょ)(きゃく)(せき)()いて()()まった。



(しゅう)(だん)()によって(りょう)(たん)から()かれた(しゅん)(かん)

(かの)(じょ)身体(からだ)()()けられるどころか、

ロープは(ほど)けて(ゆか)()ちると()(ゆう)になった。



(しゅう)(だん)(かの)(じょ)()()さえようとしても、

()()かぶ(はな)びらのように

(ちか)()けば(はな)れてしまう()(がる)さ。



(おど)(かの)(じょ)(ちから)()くで(つか)まえようとすれば、

(しゅう)(だん)(はげ)しい(おお)(だい)()(おと)()わせて

(みずか)()(めん)(たお)れていった。



(かの)(じょ)(おど)()わると、(しろ)(ひげ)(なが)(おう)(かん)

(くろ)(いろ)のコートを()(おう)(ふたた)()(たい)()つ。



(おう)(かた)()(おう)(かん)()にする。



(おう)(まえ)には(ぎん)(きょう)(こう)()けた(おう)()(ひざまず)く。



(こうべ)()れる(おう)()

(たい)(かん)(おこな)うと()せかけて、

(おう)(たん)(けん)(かれ)(うし)(くび)(ねら)った。



(きゃく)(せき)から()(めい)(はな)たれ、

(だれ)かが『(うえ)だ、(うえ)っ!』と(さけ)ぶ。



(なか)にはオルドラス(ほん)(にん)(こえ)()こえる。



その(とき)(おお)(だい)()(たた)かれ、

サラシュが(しろ)(しょう)(ぞく)(しゅう)(だん)

()()れて(あらわ)れた。



(りょう)()(くび)をロープで(しば)られた(しゅう)(だん)

(おう)(うら)()り、(おう)(ゆび)(さき)()ける。



(おう)()(あわ)てて()()がった。



(しゅう)(だん)(つか)まえて(したが)える(おう)(じょ)のサラシュと、

(たん)(けん)()(おう)(こう)()()(こん)(わく)する。



(おう)(べつ)(しゅう)(だん)(めい)じて(おう)()(おそ)わせて

二人(ふたり)()(はな)そうとした。



(おう)()(かく)()()めて(けん)()き、

(しゅう)(だん)()(たお)すとその(けん)(さき)(おう)()ける。



こうなると(おう)はようやく(あきら)めて、

(しろ)(しょう)(ぞく)(しゅう)(だん)(なか)から()ねて(あらわ)れた一人(ひとり)

(しば)()げられた。



その(ちん)(みょう)(うご)きにわたしは()(おぼ)えがある。



(おう)()(おう)(じょ)()っていたペンダントを

()()して、(もと)()(ぬし)(くび)()ける。



(となり)のクイナが(うなず)いている。



(おう)(じょ)のペンダントを()ってきたのが、

(おう)だったことにクイナも()()いていた。



(おう)()(ゆか)()ちた(おう)(かん)(ひろ)いもせず、

(おう)()(なか)()けてサラシュを()きしめる。



(きゃく)(せき)から(ばん)(らい)(はく)(しゅ)(おく)られる(なか)で、

(げん)(がっ)()(けい)(みょう)(えん)(そう)(はじ)まる。



(えん)(そう)(なか)(しょう)()(だん)(ふたた)(あらわ)れて、

(しろ)(しょう)(ぞく)(しゅう)(だん)(とも)二人(ふたり)(しゅく)(ふく)する。



「やっぱりミュパも()たんですね…。」



(しろ)(しょう)(ぞく)(しゅう)(だん)(なか)から

頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)()()てて、

()(はだ)(きん)(かみ)(おど)(かの)(じょ)姿(すがた)があった。



挿絵(By みてみん)



(くれ)(あい)(やかた)()ったミュパでも、

(かの)(じょ)()(まえ)()かない()はなかった。



(やく)(しゃ)には()()きよねぇ。

 ミュパって。」



「ミュパですからね。」



ミュパが(おう)(じょ)(おう)()、サラシュとレデの

二人(ふたり)のあいだに(はい)って()()(かか)げると、

(きゃく)(せき)から(しょう)(さん)(こえ)()びた。



(しょう)()(だん)()(たい)()がり、

(にん)(かこ)むと(はな)びらを()いて(しゅく)(ふく)する。



ミュパによって

ロープで(しば)られたジールも()れてこられた。



クイナは(ぼう)(ぜん)(はく)(しゅ)をしている。



(はん)(ぼう)()にこんなに(おお)(ぜい)のドレイプと、

 (くれ)(あい)(やかた)(しょう)()(だん)をまとめたのは

 ミュパの(じん)(ぼう)のおかげよ。」



(あつ)まると(そう)(かん)ですね。」



「ミュパは(いん)退(たい)(まえ)に、

 とても()()(ごと)をしてくれたわ。」



(くれ)(あい)(やかた)()(どう)(やく)をしていたミュパも

(やかた)()ることが()まった。



ミュパを(かこ)むレデとジールが

(なみだ)()めている。



ミュパは(にん)(しん)していて、

(ちゅう)(ぼう)(ちょう)ヤゴウの4(にん)()(つま)になる。



挿絵(By みてみん)



ヤゴウの(むすめ)のデーンは

それを()らされて(なみだ)していた。



挿絵(By みてみん)



(もも)()ちてきた(はな)びらを、

(つま)んでみると(ぬの)()(はし)だった。



(ほん)(もの)(はな)びらかと(おも)えば

 これ、(ぬの)なんですね。」



「ミュームが()くのはまだ(さき)だもの。


 ()てられたソックスを()って

 (さい)()(よう)したのよ。」



(だれ)かが()てるものにも()()はある、

 という(はなし)ですね。」



サンサは(つま)んだ(はな)びらを、

イオスの(はな)(うえ)に置いてくしゃみを(あた)えた。



「ふふっ。

 (ねこ)みたいなくしゃみだわ。」



(おな)じことを()ってサンサは(わら)った。




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