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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第12章 赤土の丘

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第12章 第3節 想像の余地(第1項)

挿絵(By みてみん)



(なつ)(あつ)さも(なが)(あめ)(とも)()り、

()(かげ)(にわ)(てん)(がい)()(はず)された。



(くら)(にじ)(いろ)()()()(ほし)(どり)が、

ゼズ(さん)(みゃく)(てん)(がい)(さん)(えい)(そう)()から(まち)()て、

(にわ)(にぎ)やかにお(しゃべ)りをする。



挿絵(By みてみん)



(とき)(おり)(はい)()から()(いし)(こす)れる

心地(ここち)()(おと)(みみ)(うし)ろを(くすぐ)ってくる。



(にわ)()かれた(みどり)(いろ)()せつつあっても、

テーブルの(うえ)には(いろど)りが()える。



ムネモスがデーンに(つく)らせた(しん)(さく)は、

マリセスの()(じつ)のジャムで、

これは(かた)いパン()()(いっ)(しょ)()べて

()(とう)(しお)()(じゅう)(みず)(えん)()(うなが)す。



挿絵(By みてみん)



()()せて(ちょ)(ぞう)(しつ)(はい)って()

(なん)(じゅっ)()もある()(じつ)(かわ)()きを、

(せん)(こう)(かい)(えら)ばれたフランジは

(こん)(かい)(ろう)(どう)(たい)(けん)をさせられていた。



(はる)(おこな)った(こん)(さい)のポッポに(くら)べれば、

マリセスは()がないので(むずか)しくはなく、

()(もの)(あつか)いにだけ(ちゅう)()できる。



挿絵(By みてみん)



こうした(たん)(じゅん)()(ぎょう)であっても、

(やかた)()(だん)()(ごと)(けい)(けん)でき、

(じゅう)(ぎょう)(いん)(けい)()()つことにも(つな)がる。



ジャムという(ほう)(しゅう)もあり、

(はな)()みをさせるよりは()い。



(つく)ったジャムの(はん)(ぶん)(くれ)(あい)(やかた)(おく)られ、

レデとジールの()(まい)(しょう)()(たち)(あた)える。



()(そう)(にな)うミュパは(ぬす)()いをした(ため)

(ちゅう)(ぼう)でヤゴウの(つま)(たち)(さっ)(そく)(しか)られていた。



挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)



(きゃく)さんのマルフが(かえ)ったのを()て、

わたしはテーブルの(した)(あし)()ばした。



(ふと)(もも)(うえ)()ようとしていたイオスが

(きん)(にく)(きゅう)(うご)きに(あせ)って()()がり、

わたしに(こう)()()(せん)(おく)る。



()びにイオスの(せま)(ひたい)から

尻尾(しっぽ)まで()でると、(しろ)()()った。



今日(きょう)()いているソックスは

ファウナの(こう)(あん)した(あみ)()のもので、

(こし)まで()びて()(ゆう)(ひも)(つな)がって

この(うえ)(また)(ぬの)()く。



(ほそ)(なが)(ふくろ)(じょう)(あみ)(いと)(ふと)くて(ふし)(ひろ)(ため)

(つめ)たい(かぜ)をそのまま(とお)す。



(さかな)であっても(あみ)()けてしまう。



これを()かされてマルフに()せると

()(しゅつ)()(そむ)けられ、(ふう)()(みだ)すとして

(しょう)()(がい)(しゅつ)()(ちゃく)(よう)(きょ)()()りなかった。



これからの()(せつ)(さむ)くなるので、

(しょう)()でなくても(そと)()いたりはしない。



(なつ)(つく)ったチュール()()のソックスは、

ルービィが()()んだほどは()れなかった。



()()(りゅう)(よう)して(つく)った

(いち)()()ける(はだ)()(そう)(てい)(はん)し、

(しょう)()のみならず(ちゅう)(りゅう)(かい)(きゅう)にも(ひろ)()れた。



(やかた)(なか)でも()(まん)するドレイプのセセラや、

()った(はだ)()()()せるフランジの

ミニとアミの(ふた)()(はしゃ)いでいた。



挿絵(By みてみん)



この(あさ)ましい(おこな)いはファウナに()わって、

(わか)いムネモスが(ふた)()(あさ)む。



チュールの(はだ)()(てい)(れん)(ぼく)(よう)(そう)でも()れ、

ルービィの(こう)(じょう)(つく)った()(さく)(ひん)

(ちゅう)(りゅう)(かい)(きゅう)にまで(ひろ)まった。



挿絵(By みてみん)



(きゅう)湿(しつ)()(おん)(すぐ)れた(よう)(もう)

(しょく)(しょ)(つく)(こう)(きゅう)なシルクよりも、

(ぼく)(よう)(そう)やさらに(しつ)(ひく)(なん)()(そう)でも

(なつ)(すず)しく、(かい)(てき)(すい)(みん)()られる。



挿絵(By みてみん)



(かざ)(ぬの)やソックスとは(ちが)い、

(おおやけ)()せられるものではない(はだ)()

(ざい)(しつ)(じゅう)(よう)でもなく、(ちゃく)(よう)(しゃ)()(せん)

()われることもない。



(くれ)(あい)(やかた)のミュパは(しつ)(わる)(はだ)()

(しょう)()(たち)()わりに()()せたことで、

(はだ)()れてわたしが西(にし)(がわ)(やかた)にまで

(しん)(りょう)()()された()もある。



こうしたミュパの()(びょう)

わたしを()(ため)(こう)(じつ)



ただの(はち)(みつ)(みつ)(ろう)()ぜた

(ぎょう)(にゅう)(ぶつ)(とく)(せい)(ひん)()ると、

ミュパの(はだ)(あか)みは(ぬぐ)()れる。



()(ろう)()()(くすり)とも()ばれた()(やく)



(しょう)()(たち)(はだ)()よりも

この()(やく)()しがった。



(にん)(げん)(よく)というのは()()(みず)とは(ちが)い、

(かん)(たん)()れることがない。



チュールの(はだ)()(りゅう)(こう)(げん)()()えて、

その()()でキャシュクも(つく)られると、

(ふう)()(みだ)れに()(かい)(ほん)(そう)するマルフは、

(あたま)(かか)えてわたしにまで(そう)(だん)してきた。



マルフは(はん)(らん)する()()(たい)して、

()(せい)(ため)(ぜい)(もう)けようと(かく)(さく)した。



わたしは(ぞう)(ぜい)()(てい)(てき)だったので、

(ほう)(あん)への(てい)(しゅつ)()(おく)らせた。



(やかた)(おとず)れる(ほか)()(いん)にも、

わたしは(おな)じことを(てい)(げん)する。



(うす)いだけの(ふく)()()(もろ)く、

(へん)(しょく)(しょう)じやすい。



(なつ)()われば、

それを()(がい)(しゅつ)するひとも()なくなる。



(よく)()けた(ふく)()

マルフの(ねら)いは(しっ)(ぱい)()わり、

()(かげ)(にわ)だけの(わら)(ばなし)()んだ。



マルフが()なくなれば、

今日(きょう)もムネモスはフランジを

()(かげ)(にわ)()びつけた。



ムネモスは(こわ)()(かの)(じょ)(たち)(くち)に、

ジャムをつけたパン()()()れる。



()ったまま()べる(こう)()(あさ)ましく、

()(ごと)(ちゅう)(かん)(しょく)(たい)()(つな)がって

(のぞ)ましくはない。



フランジや(じゅう)(ぎょう)(いん)()(きょ)

(きび)しい()()けるムネモスでも、

(かの)(じょ)(たち)()(ごと)(よう)()()て、

(てき)()()()という(ほう)(しゅう)(きゅう)(そく)(あた)えている。



フランジはお()()()べた()(たん)に、

その(あま)()っぱさに(おどろ)きと(よろこ)びを(かく)そうと

わたしから()(そむ)ける。



それからムネモスは

(はち)(みつ)(つく)った(あめ)(あた)える。



(あめ)ならば()(しゃく)(ひつ)(よう)がなく、

()(ごと)(ちゅう)でも()べられて(くう)(ふく)(まぎ)らわせる。



()んだり()()んだりしてはダメよ。


 (のど)()まってしまうし、

 ()(れい)()(わる)くなってしまいます。」



ムネモスは(あさ)む。



(あと)()(みが)かない()は、

 サンサ(ねえ)(さま)(べっ)(しつ)(おく)られて

 (せっ)(かん)されますよ。


 ()(まえ)(かく)(にん)しますからね。」



ムネモスの(おど)(もん)()にわたしを(おそ)れ、

(しょう)(じょ)(たち)()(くち)(ふさ)いで

()(ごと)(もど)っていく。



(にわ)での(かい)(だん)にも()れてきたムネモスは、

(やかた)でフランジや(じゅう)(ぎょう)(いん)(しょ)()についての

()(どう)(おこな)っている。



ドレイプは(ひょう)(じょう)(くず)さず、

()()せることは(すい)(しょう)していない。



頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)をするドレイプは、

(あい)()()()(りょう)するものらしい。



ドレイプを()()すフランジは、

()(れい)(しろ)()であっても

()せないように(つと)めていた。



テーブルに(まえ)(あし)()けたイオスが、

わたしの(ふと)(もも)()ったまま

(うらや)ましがって()ていた。



(なつ)()ったイオスの(たい)(もう)

()(まえ)よりも()えて、(ふゆ)()けて

さらに(きょ)(だい)()(だま)へと(へん)(ぼう)する。



ブラシで()けた(なつ)()()(まる)め、

(たま)にした(もの)(つむ)(しょう)(ばい)(かんが)えてみる。



イオスが(ころ)がして(あそ)玩具(おもちゃ)()(がい)(よう)()は、

まだ()つかっていない。



()(きゅう)(たい)(ほう)()すれば(むし)()くので、

(おき)()(なか)()てて()やす。



「クイナも()()ばして(すわ)ってください。


 ファウナの真似(まね)でしょうか。」



西(にし)(がわ)()()(すわ)っている(しょう)(じょ)は、

(ひど)()(しゅく)しながらわたしを()(おび)える。



挿絵(By みてみん)



(ほか)のフランジに(くら)べて(いとけな)いクイナは、

(くら)(あか)(がみ)(あたま)()げて(だま)っていた。



(せっ)(かん)はムネモスの(じょう)(だん)よ、クイナ。」



()ってる…。」



(むかし)のわたしによく()()()()(へん)()をして、

クイナは()()わせもしない。



(なん)(にん)かのフランジを

(じゅん)(ばん)(にわ)での(かい)(だん)(どう)(せき)させていると、

(きん)(ちょう)()(しゅく)したり(へい)(せい)(うしな)()がいた。



(そう)(とく)のマルフを(まえ)にして

この(しょう)(じょ)(きん)(ちょう)(どう)(よう)()せなかったのに、

わたしに(たい)してはこんな(たい)()()る。



クイナは(いの)りの姿()(せい)

(むな)(もと)(りょう)()(にぎ)()めて、

キャシュクに(かく)れた(かわ)(ぶくろ)(つか)んでいた。



風邪(かぜ)でもないのよね?

 (げっ)(けい)は?」



()(だん)(よう)()がおかしいですね。


 サンサ(ねえ)(さま)がまた、なにか()ったんですか?」



「まだなにも()ってないわよ。」



「まだ、ですか?」ムネモスが(くび)(ひね)る。



(きょ)(ねん)(おう)(じょ)()()(いん)(せん)(こう)(かい)(おこな)った(さい)

わたしを(あね)のラミーと()()(ちが)えて

このクイナが(こえ)()けてきた。



――(きょう)()というより、()(けい)という(かん)じね。



(かん)(さつ)して(おも)っていたところで、

わたしからムネモスに(つた)えることはしない。



クイナが(かん)じている(おそ)れは、

(しょく)(りょう)(ちょ)(ぞう)(しつ)(あね)(ぼう)(りょく)(おび)えた

()(じょ)(たち)(ちか)いものがある。



「わたしのフランジになるのが

 (いや)なだけかしらね。」



「あの…どうしてわたしが、

 サンサのフランジなの…?」



クイナは(とう)(ぜん)()(もん)をわたしに(たず)ねる。



今年(ことし)(はる)にもわたしは()()(いん)(かお)()し、

ルービィと(めん)(だん)(おこな)った。



クイナは(おさな)(ころ)にネルタの(しろ)(はたら)いていた。



(ねん)(まえ)のネルタでは(ちち)、ケイロウが

(せん)(おう)(しい)(ぎゃく)して(だい)()(かく)(めい)()きる。



()(しょ)のナルキック・ゴレムが()ぬと、

クイナの()(ぞく)()()()て、

ナルキック(ぞく)(しゅ)(たい)(とう)(ぞく)(だん)(くわ)わる。



(とう)(ぞく)(だん)(ぶん)(すい)(がい)(がわ)(へい)()(つか)まり、

クイナはトリンと(とも)()()(いん)(しゅう)(よう)された。



わたしはその(さい)(ばん)()(ろく)()んで()っている。



クイナをフランジにする(えら)んだ()(ゆう)は、

(かの)(じょ)がネルタ(しゅっ)(しん)だからでもない。



「クイナが()(りょ)(ぶか)く、(そう)(めい)()だからよ。」



「なんなのよ、それ…。」



()(まん)()せるクイナに、

()われた(けい)(けん)のあるわたしも

(せつ)(めい)しようがない。



「サンサ(ねえ)(さま)(となり)(なら)んで()つくらいには、

 クイナはお(じょう)(ひん)なのよね。ふふっ。」



()()(はなし)で、

ムネモスがクイナを(からか)って(なご)ませた。



そんな(はなし)(ひろ)めたのはファウナで、

(きょ)(ねん)(せん)(こう)(かい)でのクイナの(こう)(どう)には

わたしも(わら)いが()()げてしまう。



(とう)(ぞく)(だん)()たせいか、(しょう)()()(なん)(じょ)

()()(いん)(べっ)(かん)()んでいたクイナ。



(かの)(じょ)はまだ、フランジとの(きょう)(どう)(せい)(かつ)

()()めていない。



()(りつ)するクイナは、

(ほか)のフランジが(こわ)がる(しょ)(しつ)(はい)って、

(かい)(ぼう)(がく)(ほん)(すこ)しずつ()んでいる。



()(しき)(たい)する(よく)(たん)(りょく)があった。



(かの)(じょ)をドレイプの手伝(てつだ)(やく)

(せい)(ねん)まで5(ねん)(かん)()ごさせるよりも、

()(かげ)(にわ)での(かい)(だん)(どう)(せき)させて

(しゃ)(こう)(けい)(けん)(おお)()ませたかった。



(した)(ばたら)きが()きって

 わけでもないのよね。


 あなたは姿()(せい)()くて、

 ()()きも(たい)(りゃく)はできるでしょう?」



(べん)(きょう)は、()きではないのよ…。」



(がっ)(こう)(かよ)うよりも(よる)(やかた)(えら)んだのは、

 ドレイプを()()してのことでしょう?」



ムネモスが(たず)ねても、

クイナは(した)()く。



ルービィに(たの)んでいた(がっ)(こう)は、

(らい)(ねん)(かい)(こう)()けて(じゅん)()(すす)めていた。



この(まち)(がっ)(こう)

(へい)(がく)()(じゅつ)(なら)わせる(ため)に、

(じょう)(りゅう)(かい)(きゅう)()(ぞく)(おとこ)しか(かよ)えない。



()(ぞく)(むすめ)であれば()(てい)(きょう)()(やと)

(きょう)(よう)()()けられるけれど、

(おんな)(かよ)える(がっ)(こう)はこの(まち)には(そん)(ざい)しない。



(しん)(せつ)する(がっ)(こう)はすでに(てい)(いん)(たっ)してしまい、

(ほか)()()(いん)()(ども)(たち)(せき)()まっている。



()()(いん)からはノーラというひとに(あこが)れて、

 (よる)(やかた)()()がほとんどですよね。」



ムネモスの(こと)()にわたしも(くび)(たて)()った。



「ドレイプにはなりたくない…。


 ()(ぼう)(えい)()もわたしには()いし…。」



()(ぼう)(えい)()(ひつ)(よう)ないわよ。」



(ねえ)(さま)がそれを()いますか?」



()(もん)(くち)にしたムネモスに、

わたしとクイナは(こと)なる(かんが)えで(しゅ)(こう)すると

ムネモスはえくぼを(つく)った。



「それでも()()(いん)()たかったのよ。」



(うそ)をつかないのは

 フランジの(いまし)めですね。」



「クイナは()(なお)でいいわね。


 そんなことで(やかた)

 ()()したりはしないから、

 ()(あん)がらなくてもいいわよ。


 それにムネモスだって

 ドレイプにはならないのよ。」



(ねえ)(さま)もですよね。」



わたしは(くび)(たて)()る。



「わたしはもうドレイプよ?


 (だれ)にも()うことのできないドレイプ。


 ムネモスは(だれ)にも()うことのできない

 フランジだもの、(かた)()きも(ちが)うわね。」



()(てい)するんでしたら、

 どうして(うなず)くのでしょうか。」



(べん)(きょう)(かい)(おう)(じょ)がしたことを真似(まね)すると、

ムネモスに()(てき)されて(わら)ってしまった。





 ◆




「でも、わたしが(いち)(ばん)(おさな)いのよ。」



「クイナがドレイプになるのは、

 (ほう)(りつ)(じょう)(ねん)(さき)(はなし)よ。


 ()(かん)()えて(とし)(うえ)にはなれないし、

 (はだ)(かさ)ねる(あい)()ができなくて

 (いま)から(なや)んでも()(かた)がないことよね。」



(ちが)うのよ。」



(くび)(よこ)()って(あか)(かみ)()(まわ)す。



「ドレイプは16(さい)でなければ

 ドレイプにはなれないけれど、

 フランジの(ねん)(れい)(せい)(げん)はないもの。


 レナは10(さい)まで(やかた)()て、

 ドレイプとしてずっと(はたら)いていたのよ?


 (せん)(こう)(かい)でクイナを(えら)んだ(とき)は、

 ルービィも()(まん)()せてたわ。」



「どのように(せっ)(とく)なさったのですか?」



フランジにするには(しん)(たい)(てき)(おさな)く、

クイナの(せん)(こう)(はる)ではなく

(いま)()()になったのには()(じょう)がある。



(きょ)(ねん)(はる)(せん)(こう)(かい)(さん)()して

(がん)(しき)(いっ)(てい)(ひょう)()()たことで、

ルービィからの(しん)(よう)(しん)(らい)(つな)がった。



(ねん)(れい)()(ゆう)(かしこ)()(あと)(まわ)しにしたら、

 (ぎん)(こう)()(さき)()()くのよ。


 ルービィはマイダスに

 (たい)(こう)(しん)(いだ)いてるもの。」



ルービィにとっては、

それがなにより(ゆる)せないらしい。



(ねえ)(さま)はファウナが()っていた(とお)

 (ひと)(たら)しですね。」



(ひと)()きが(わる)いわね。」



それを()いてクイナが(わら)いを(こら)えていた。



「クイナはなにか(もく)(ひょう)がありますか?


 (けい)()(じょう)()(しゅ)になりたいとか?」



「それはムネモスが

 やってみたいことでしょ?」



「ふふふ…。

 (ねえ)(さま)はわたしのことを、

 なんでもお()(とお)しなんですね…。」



ムネモスは(うま)のことばかり()い、

部屋(へや)(いっ)(しょ)()ごしている(ため)

(かんが)えが()みやすい。



「レナみたいに(おさな)(ころ)から

 ドレイプや()(こう)という(もく)(ひょう)(さだ)めて、

 (こう)(どう)できる()(ほう)(めずら)しいわよ。


 (てん)(びん)(けい)(ちょう)(くら)べて()()しても、

 ()られるものはないわ。」



()(にん)(きず)つけて()(まえ)(うば)ったところで、

 ()(にん)にはなれませんからね。」



ムネモスの(こと)()に、トリンを(おも)()す。



ネルタの(おう)(じょ)()()わろうとしたトリンは

(うば)()(がい)(しゅ)(だん)(えら)ばなかった。



――クイナはどう(かんが)えているのかしら。



(きょ)(ねん)(えら)ばれたはずの、

トリンの()なくなった(しょう)(かん)



わたしはトリンに(こん)(らん)(よく)(ぼう)(あた)え、

(かの)(じょ)(やかた)()ることになった。



(さと)いクイナであれば、()らないはずはない。



――クイナを(やかた)()れたのは、

  トリンに(たい)する(つぐな)いなのかしら…。



(かの)(じょ)をフランジにしたことで、

サンスァラ(おう)(じょ)(こう)(どう)(かんが)えさせられた。



「わたしはなにをすればいいの?」



「それは(むずか)しい(しつ)(もん)ですね。」



「クイナの()(もん)はクイナが()(ぶん)で、

 (しょう)(がい)()けて(こた)えを()(さく)するものよ。」



(わたし)もまだ()つけられません。


 (ねえ)(さま)()つけたのですか?」



ムネモスが(たず)ねることでクイナを(たす)ける。



わたしもその(こた)えに(いた)ってはいない。



(しゅう)()()いところを()(まな)び、

 ()(ぶん)()()れるのよ。


 (だれ)かの()(ほう)でもいいし、

 わたしを(いまし)めにするのもいいわね。


 明日(あした)()(ぶん)(そう)(ぞう)して、

 今日(きょう)()(ぶん)(ほこ)れる(こう)(どう)をするの。」



()(ぜん)(おう)(じょ)使(つか)った()(にん)(こと)()でも、

クイナはわたしの()()(うなず)いた。



「それにここの(べん)(きょう)(かい)は、

 (がっ)(こう)みたいに(まな)ばせる(もく)(てき)ではなくて、

 (えら)べるようにする(もく)(てき)(おし)えてるの。」



(えら)ぶ…?」



()(しゅ)(せい)(いく)(せい)ですね。」



(べん)(きょう)(かい)(おし)える(たち)()のムネモスが、

より(むずか)しい(こと)()使(つか)って(こん)(らん)させる。



(たい)(りく)()()めなければ、

 (たい)(りく)(ほん)()にしないでしょう。


 それは(えら)べないのと(おな)じ。」



(たい)(りく)()(ほん)()めるクイナは、

(たと)(ばなし)でも()(てい)はしない。



(たい)(りく)(げん)()(ひと)つだけではない。



ドレイプやフランジの(なか)には

(しま)()()(ちか)い、エンカー()さえ

()めないひとも(おお)くいる。



「わたしはムネモスやクイナに、

 (えら)べることが()(つう)なんだって

 ()って()しいの。」



カヴァのオルドラスとの(かい)(だん)(つう)じ、

わたしが()(かい)したこと。



サンスァラ(おう)(じょ)がわたしに(おし)えてくれた。



()(しき)()ければ、

 ()べられる(しょく)(ざい)かどうかも

 ()かりませんものね。」



「お(りょう)()がどうやって(つく)られるか、

 クイナは(めい)(かく)(こた)えられるかしら?


 ムネモスは()えるわよね。」



クイナが(くび)(ひね)って、

()(ごん)のままムネモスに(たず)ねた。



「まずは(しょく)(ざい)調(ちょう)(たつ)をして、

 (した)(じゅん)()(たい)(せつ)ですね。


 (しょく)(ざい)(あつか)うひともお(りょう)()()べるひとも、

 どちらも(かなら)()(あら)いましょうね。


 ()(さい)(どろ)(せい)(けつ)(みず)(あら)()とします。


 ()べるひとの(りょう)(けい)(さん)してから

 (しょく)(ざい)(よう)()しましょう。


 ()()(げん)(じゅう)(よう)ですね。


 お(にく)(なま)()え・(なま)()けは

 (しょく)(ちゅう)(どく)(げん)(いん)になります。


 調(ちょう)()(りょう)(かん)(かく)(けい)(けん)(たい)(せつ)ですよ。


 それから(あじ)()け、(あじ)調(ちょう)(せい)(おこな)います。


 (あじ)()はお(りょう)()には()かせません。

 (あじ)()をして、(もん)(だい)がなければ(かん)(せい)です。


 お(あじ)はいかがですか?」



テーブルに()かって(りょう)()(ひろ)げて()せる

ムネモスの(まえ)には、ジャムとお()()しか

()かれていない。



――こうして(やかた)()るわたしは、

  お(りょう)()(あじ)()(やく)になるのね。



()(かく)(つちか)い、(ひょう)(じゅん)()つ。


 いまのは()(がく)の5(だん)(かい)(ほう)(おな)じね。


 ()て、()(そう)して、()(てい)()き、

 (しょう)()()て、その()(じつ)(しめ)す。」



(みぎ)()(ちゅう)()()()()てて(しめ)す。



(じん)(るい)()(がく)(げん)(てん)は、

 お(りょう)()にあるのよ。」



(はじ)めて()きました。」



クイナに(つた)える(ため)()かりやすく、

(もっと)もらしい(こと)()(なら)べてみると、

(おどろ)いたのはムネモスの(ほう)だった。



「…その調(しら)べる(ちから)

 この(やかた)()()けるの。


 (べん)(きょう)(こた)えを()ることが(じゅう)(よう)ではなくて、

 (こた)えを(みちび)()(ほう)(ほう)()(ため)ね。」



わたしはそれをこの(やかた)(おそ)わった。



(おそ)わった()(かん)はとても(みじか)かった。



「わたし(たち)は、

 まだ()らないことが(おお)くあるもの。」



クイナはまた(うつむ)いて、(だま)ったまま(うなず)いた。



挿絵(By みてみん)




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