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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第12章 赤土の丘

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第12章 第2節 意思の源(第2項)

ハーフガンを(おとり)にして()(だま)(たち)とは(にわ)(わか)れ、

ドロシアに(おく)(おう)(せつ)(しつ)へと(あん)(ない)された。



()(いぬ)(たち)(ほそ)(とお)()えと、

それを(しつ)ける(おとこ)(ふと)(こえ)(かす)かに()こえる。



(れん)()(だん)()(うえ)(しょく)(だい)(とも)り、

(はん)(たい)(がわ)(かべ)には姿(すがた)()(そな)()けられている。



(やかた)(しょ)(しつ)には()(けい)(ざい)(きん)(ゆう)(せん)(もん)(しょ)

(たな)から(あふ)れていた。



テーブルの(うえ)の、

ガラスの(うつわ)()まれている

(うす)()(いろ)のダギラを()つけた。



挿絵(By みてみん)



(こぶし)よりも(おお)きく(まる)いその()は、

(たん)(ぱく)(あじ)()わった(しょっ)(かん)(とく)(ちょう)で、

わたしだけでなくイオスも(こう)(ぶつ)にしている。



イオスはテーブルに()()って

()(じつ)(ほお)()()けると、

わたしに()かって()(だん)使(つか)わない

(たか)(こえ)()いて(こび)びてみせる。



(あさ)ましいわよ、イオス。サーブラスも。」



サーブラスが(まえ)(あし)()()らし、

尻尾(しっぽ)()って()()きなく()()げている。



わたしがイオスから()(はな)したせいで、

(うつわ)から(こぼ)れてテーブルを()ちたダギラが

サーブラスの(あたま)()たった。



(ゆか)()ちた()(じつ)にサーブラスが(かじ)()くと、

イオスはテーブルを()()り、(いか)り、(たた)き、

()(つづ)けるので()いて()(はな)す。



「こら。」



サーブラスは、その(ふと)(きば)()(にく)()り、

(あら)(あら)しい(おと)()(しゃく)し、(みず)(みず)しい()(じゅう)

()(えき)(ゆか)()らす。



「サーブラスまで…。


 ドロシア、ごめんなさい。」



「いいわよ。それくらい。


 ニクスも()べたければ、

 そこのナイフを使(つか)って。


 ルービィッ! メノー。

 お(きゃく)さんが()たわよぉ。


 ニクス、(たい)(へん)だから(あと)(たの)むわね。」



「えぇ…?」



ドロシアは二人(ふたり)()()し、

わたしを()いて(ちゅう)(ぼう)()った。



()ばれて(おう)(せつ)(しつ)のさらに(おく)から、

()()(まなこ)のメノーとルービィ、

(あか)()のミティスが(はは)()かれてやってきた。



挿絵(By みてみん)



二人(ふたり)()()きのせいか

(かた)(ひざ)(ちから)()く、

(うつ)ろな()でわたしを()る。



「…二人(ふたり)(とも)(だい)(じょう)()?」



「ミティスがあなたに()

 (かっ)()()ままなせいよ。」



「おばあに()(がん)()なのよ。ねぇ。」



「それならドロシアのせいにしなさいよ。」



(たが)いの(けっ)(てん)(あげつら)うも、

()(あらそ)()(りょく)()(かつ)していて、

二人(ふたり)はそれぞれ(かわ)のソファで(おう)()する。



「ニクス。ちょっとお(ねが)い。」



()って。」



(かばん)とイオスを(ゆか)()き、

(うす)()のチュニックを()たミティスを

(よこ)()きにする。



イオスはサーブラスの(こう)(ふん)(たた)くと、

(うな)(ごえ)(はな)ってダギラに()みつきはじめた。



ダギラを(うば)われたサーブラスが、

()(まん)()(うった)えてきた。



――わたしはいま、それどころではないの。



(うで)(なか)のミティスの(おも)さや(おお)きさは、

もうイオスを()えていた。



(あたま)には(あか)(かみ)(はん)()し、

(くろ)()でわたしを()てくる。



(くび)()わっていて、

()()てて()いても

()()げた(とき)ほどの(あや)うさは(かん)じない。



()(なか)(ささ)える()(いっ)(しゅん)だけ(ゆる)めると、

ミティスは(うし)ろに(たお)れかける。



すると(はん)(しゃ)(てき)(りょう)()(ひろ)げ、

身体(からだ)()(ぶん)()(けん)(かん)()して()(ひら)いた。



(くちびる)(はず)ませ、()(あし)(もど)かしく(うご)かす。



まだ()(りょく)(よわ)いミティスが、

わたしの(むね)(たた)いたり()ることで、

(かん)(しょく)(はん)(のう)から(あい)()(たし)かめている。



身体(からだ)()()せれば、()()きを()せた。



ミティスから(やわ)らかな(にお)いに、

(あせ)(はな)(かお)りが()ざる。



ミティスの(むね)(みみ)()て、

()(きゅう)(しん)(おん)()く。



(ちから)(づよ)(はく)(どう)()になる(もん)(だい)()く、

わたしの(かみ)()れて(たわむ)れている。



(ひさ)しぶり。(げん)()そうね。ミティス。」



ミティスに()かい、

(たん)()()()って(はな)()ける。



「わたしのこと、(おぼ)えてるかしら。」



わたしが(こえ)()けると、()()(ひら)き、

メノー(たち)()(ぞく)との()(にん)(しき)する。



()いてあげないと(むずか)るのよ。」



(むかし)使(つか)ってた()(かご)()したのにねぇ。」



「わたしちょっと()るねぇ。」



「いまはメノーの(ばん)でしょ?」



「わたしが(さき)にニクスを()んだんでしょ。」



(かっ)()()ままよねぇ。」



ソファで(おう)()したままのルービィが、

ミティスに()()けるみたいに

(こえ)(たか)くして()う。



(あか)()()ない()(かご)が、

ルービィの()(むな)しく()らされる。



(びょう)(いん)はどう?」と、メノーが(たず)ねる。



風邪(かぜ)はもう()()いてるわ。


 でも(しょく)(ちゅう)(どく)()えているの。

 (あつ)くなってきたから。」



メノーが(しょ)(ゆう)している(びょう)(いん)()(せつ)は、

(かの)(じょ)(いく)()()()むあいだ

わたしが(だい)()(まか)されていた。



(しょく)(ざい)(くさ)りやすい()()だもの。


 (くち)(ぬの)(せん)(じょう)(かく)()(わす)れずにねぇ。」



(てっ)(てい)しているわよ。


 (びょう)(いん)()て、

 (やかた)()(ごと)(たい)(へん)さを(あらた)めて(じっ)(かん)したわ。


 (せん)(じょう)(かん)(そう)(じゅう)(よう)になるから、

 フルリーンの()(こう)(ぼう)

 ()(かい)(そう)(だん)してみようかと(おも)うの。」



わたしは(げき)(じょう)(おこな)()(きょく)()(かたわ)ら、

(あたま)(なか)(せん)(ぷう)()(かい)(りょう)()(かえ)している。



――(くう)()(じゅん)(かん)させるだけの

  (かい)(てん)(うん)(どう)だけなら、

  (けん)(さく)(ばん)でも()いかもしれない。



(やかた)(こう)(ぼう)にする()


 あなたまであの()みたいに、

 おかしなことに(けい)(とう)しないでよ。」



(かい)(ぜん)できる()(しょ)は、

 すぐに()()んでいいわよ。


 お(かね)(ひつ)(よう)なら、

 わたしの(こう)()使(つか)って。」



「わたしを(たよ)りなさいよ。」



「えぇ~? だってぇ(しゅっ)()(しゃ)って、

 (ぜっ)(たい)(くち)(はさ)んでくるんだもの。」



メノー(たち)がそんな(はなし)をしていると

ミティスが(いっ)(しゅん)(うご)きを()めて

(さえず)りもせずに(てん)(じょう)()つめる。



わたしも(てん)(じょう)()(はな)()げると、

ミティスから(ほの)かな(しゅう)()(はな)たれる。



「あっ、ミティスが()(そう)してるわ。」



「あら? さっき()えたばかりよ?」



ルービィが(こえ)(はな)ち、

(かか)えるミティスの(でん)()

(はな)(ちか)()けてそれを(みと)めた。



「よく()()いたわねぇ。メノーの(ばん)よ。」



ルービィが()()(わる)()(がお)()せる。



「またわたしぃ?


 ()()(かみ)ではなくて、

 (ほう)(じょう)(かみ)かもしれないわ。


 ニクス、おむつ()えてぇ。」



(あさ)ましいこと()ってないで、

 (はや)()えてきなさい。」



(やかた)でも()たことないくらい

 (つか)れてるわね。」



メノーがミティスを(かか)えて

(おく)部屋(へや)()った。



ミティスがベッドに()ろされた(ため)

(おお)(ごえ)()きだした。



サーブラスが(たい)(こう)して()こうとしたので、

わたしは(こう)(ふん)(おさ)えた。



ダギラに()(ちゅう)のイオスは

(みみ)(たお)して(うな)っている。




 ◆




(げん)()ねぇ。」



部屋(へや)(はい)ってきたドロシアが、

トレイにジュースとお()()()せて()った。



わたしはナイフでダギラの(かわ)()き、

イオスとサーブラスの(じゅん)(あた)える。



イオスは(じょ)(れつ)さえ(まも)れば、

サーブラスを()いて(たた)いたりはしない。



(さわ)がしいでしょう?」



()(とり)(たち)(さえず)らない(ぶん)

 (やかた)(くら)べたら(しず)かで心地(ここち)()いくらいよ。」



「それなら()()りでもしてみる?


 ルービィ、

 ミティスを(やかた)(あず)けてみたら?」



(まな)びの()(かい)になるわね。」



わたしも(よろこ)んでみせた。



「ミティスは(きょう)(ざい)ではないわっ。


 レナタの(ころ)でもないのだから

 そんなことさせないわよ。」



テーブルに()わったお()()()かれた。



挿絵(By みてみん)



(しろ)(いろ)とやや(あか)(ぐろ)(つや)のある、

(しっ)()(ふた)つの(りっ)(ぽう)(たい)



「ゼラチンかしら。


 ()たことのないお()()だわ。」



「ゼラチンを(ねっ)(とう)()かして、

 (まめ)()(とう)(いっ)(しょ)(おき)()で煮てから、

 ()して(かた)めたお()()よ。


 ()()(すい)()やせば(かん)(せい)


 (むかし)(なん)()で、(ふゆ)()(ぞん)(しょく)として

 (つく)られてたものみたいよ。」



「これって(なん)()のお()()なのね。

 (つめ)た…(あま)い。」



(ひと)(くち)(だい)(あか)(ぐろ)いゼラチン(かい)を、

さらにスプーンで()って(くち)()れる。



(つめ)たさと(なめ)らかさの(あと)に、

()めば(した)(うえ)()けて

(ねん)(せい)のある(のう)(こう)(あま)さが(ほお)(ひろ)がった。



(まえ)にアイリアの(よう)()してくれた、

ダギラをゼラチンで(つつ)んだお()()とは(ちが)い、

()(とう)(かん)()(くち)(なか)にしばらく(のこ)る。



イオスがピンクの(はな)(ちか)()けて(ねら)いを(さだ)め、

わたしはそれを()のひらで()(もど)した。



(こう)(ぶつ)のダギラのお()()(かん)(ちが)いしている。



(しろ)いゼラチン(かい)(ほう)(ねん)(せい)()()(すく)なく、

(あま)さも(ひか)えめで(ちが)いが(たの)しめる。



(なつ)()()(すい)()やすと、

 ()()()とおいしいのよねぇ。


 (あつ)くて(しょく)(よく)がなくても、

 これだけは(のど)(とお)るわ。」



「サンサが()るからって、

 ルービィが(たの)んできたのよ。


 これ(つく)るの(たい)(へん)なのよぉ。」



「ありがと、ドロシア。ルービィ。」



わたしは二人(ふたり)(かん)(しゃ)し、(あたま)()げた。



「とても(ふか)みがあっておいしいわ。


 (あと)でレシピを(おし)えて()しいくらいよ。


 お()()(たい)(ぜん)には()ってないから、

 ムネモスとデーンも(つく)りたがるわね。」



「ええ。いいわよ。

 おいしく()べてくれたなら、

 わたしの()(ろう)も報われるわねぇ。


 でもこれは

 (やかた)()には(あた)えてはいけないのよ。


 ねぇ、ルービィ。」



ドロシアの(こと)()(うなず)くルービィ。



()(とう)(くち)(のこ)って、

 ()(みが)きしないといけないものね。」



「メノーにもあげてくるわねぇ。」



「ミティスには()べさせないでよ。」



()かってるわよ。」



ドロシアは()()り、

(おく)部屋(へや)(はい)っていった。



「わたしの(やかた)は、

 また()れたりしていないかしら?」



(もん)(だい)ないわよ。


 (わる)(むし)()()かなくなったもの。」



(わる)(むし)?」



ルービィの(ふく)(しょう)にわたしは(くび)(たて)()る。



メルセの(りょう)(しゅ)、ペタリオが(はる)(きゅう)(せい)し、

(どう)(くつ)(こう)では(こう)(ちょう)のドレンが(びょう)()するなど、

(しま)(ほく)()では(わる)(むし)(うごめ)いていた。



(よる)(やかた)はムネモスが

 (きび)しく()()けてるわ。


 エリク(きょう)(むすめ)

 フランジの()(はん)になって、

 (やかた)をまとめてくれているわ。」



わたしを(やかた)()させてくれたルービィには

いくつも(れい)がある。



(れい)の、わたしが(てい)(あん)した(けん)

 (きょ)()してくれてありがと。


 ()(こう)のニクスはもう()()んでるのよ。」



レナタはいま、

(よる)(やかた)(かざ)(へき)()(つく)っている。



わたしはレナタに()(まえ)(ゆず)り、

(かの)(じょ)(めい)をニクスにして

()(こう)としての(かつ)(どう)(はじ)めた。



(まえ)のサンサもねぇ、

 (おな)(てい)(あん)をしてきたのよ。」



「えぇ。

 あれは(もと)はスーが(じょう)(だん)()ったのよ。」



(なつ)かしいわねぇ、スー。


 いまごろなにをしているのかしら。


 ノーラと(おな)じで(たか)かったのよ、

 あの()も。」



(しゅう)(かく)(さい)()(かん)(げき)をして、

(つき)()かりの(まぶ)しかった(よる)

スーは(やかた)()った。



わたしは(いち)()(まばた)きをし、

ルービィへの(ほう)(こく)(つづ)けた。



(くれ)(あい)(やかた)も、レデとジールの()(まい)

 ()(どう)してくれてるから(あん)(しん)よ。


 (いまし)めのミュパは(べつ)にして。」



そんな(ほう)(こく)にルービィが(わら)った。



「あははっ。(ちが)うわよ。


 あの()(まい)二人(ふたり)は、

 ()(にん)(きび)しいからミュパが()るのよ。」



「…そんな(ねら)いがあったの?」



ルービィは(ふか)(うなず)く。



(むかし)の…わたしとサンサみたいにねぇ。」



「サンサはあれで、(なま)(もの)なのよね。」



(そう)()()した(ころ)(しょ)(しつ)(ぜん)(れい)があっても、

わたしの(こと)()にルービィは(くび)(よこ)()った。



(ぎゃく)よ、(ぎゃく)


 わたしはとても(なま)(もの)だったのよねぇ。


 サンサがミュパに『(いまし)め』

 なんて(ふた)()()けたのは、

 わたしへの()てつけなのよ。


 サンサはとても(きび)しくドレイプ、

 その(ころ)(しょう)()ねぇ。


 (かの)(じょ)(たち)(きょう)(いく)してたわ。


 そのおかげか、(やかた)(はたら)()(たち)はみんな

 わたしを(ささ)えてくれたのかもねぇ。


 わたしはいつも

 あの()(しか)られてたのよ。」



「それは、(そう)(ぞう)がつかないわ。」



ルービィは(にが)(わら)いを()かべた。



(おう)(じょ)についてのルービィの(にん)(しき)が、

ムネモスとサラシュの(とき)(おな)じく

わたしとはまるで(ちが)った。



「わたしも()われ(ほう)(だい)だったから、

 サンサには(ちゅう)(ぼう)への()()りを

 (きん)()したのよ。


 あの()(あさ)から(みょう)なものを

 ()べられないくらい(つく)らせて、

 ドレイプを(ふと)らせてしまうもの。」



「その()(せい)(しゃ)がヤゴウなのね。


 (ほか)には、なにをやらかしたの?」



(とう)()(そう)(とく)()()って、

 (しょう)()ではなくドレイプを()()(はじ)めたわ。


 あの()(まち)()(がく)(ぜい)(おさ)めたのよ。


 (しょう)()(たち)()(ぶん)(しょう)

 (とく)(べつ)(かい)(きゅう)(あた)える(ため)だけに。


 (がい)(しょう)との()(べつ)()ができて、

 (けっ)()としてはそれが()かったのねぇ。


 ゴミ()…あぁ、マルフのような

 ()(さん)(がい)(ひも)()しも(かい)(じゅう)したわね。


 エルテルのベリー()(じん)(たの)んで、

 (しょう)()なんかが(しょう)(がい)()られるはずのない、

 (しつ)()(ふく)まで(よう)()していたわね。


 (しょう)()(ふく)なんてとは(おも)ったけれど、

 みんなとても(よろこ)んでいたわ。


 サンサはそれをいつも(しず)かに()てるの。


 (せま)(しょう)(かん)での()らしなんて、

 あの()にとっては退(たい)(くつ)だったんでしょう。


 ()()(いん)でも(べん)(きょう)(かい)(ひら)いていたわ。


 (くれ)(あい)(やかた)(ころ)ね。」



(あか)(つち)(おか)に、この(やかた)()(まえ)(しょう)(かん)ね。」



()()(いん)(べん)(きょう)(かい)(はなし)で、

さらに(ひと)(れい)()わなければいけない。



(がっ)(こう)(けん)も、ありがとう。」



「そんなに(たい)したことではないわよ。


 いまの(くれ)(あい)(やかた)や、

 (ほん)(しゅう)(えき)(ぜい)(きん)(たい)(さく)になったもの。


 おかげで(とく)()()なんて

 ()ばれてしまったわねぇ。」



「でも、わたしのお(きゅう)(きん)から、

 (がっ)(こう)()(よう)()てる()(てい)だったわよね?」



「お(きゃく)さんの()れないあなたで(まかな)えるほど、

 (がっ)(こう)(せつ)(りつ)(やす)()(よう)でもないわよ。」



(けん)(せつ)()(よう)(うん)(えい)()()()(かんが)えれば

わたしはもっと(げん)(ろう)(いん)()(いん)(たち)との

(かい)(だん)()(かい)()やさなければいけない。



()(まん)があるのなら

 (ぎん)(こう)()でも()(ちょう)でもいいから、

 (しぼ)れるだけ(しぼ)()ってから()いなさい。」



オーナーだけあって()(きび)しい。



(ぎん)(こう)()のミカはまだ()(ども)なので、

わたしのお(きゃく)さんに(くわ)えることもできない。



(まえ)()(ちょう)のエイワズは(むずか)しいわね。


 ()(きゃく)(かい)(たく)

 またサラにでも(たの)もうかしら。」



「サラシュ(おう)(じょ)がソックスを

 (りゅう)(こう)させたから(こう)(じょう)(おお)(いそが)しよ。」



(まち)(ある)(わか)(おんな)(たち)は、

サラシュを()()してソックスを()(はじ)めた。



(すそ)(なが)いキャシュクは


()(ぞく)のあいだで(ひろ)まっていたもので、

ソフィやサラシュはこれで(きゃく)(せん)()せる。



いまは(ちゅう)(りゅう)(かい)(きゅう)にも(てい)(ちゃく)していても、

()(はだ)のままの(ひざ)(ふと)(もも)

()(しゅつ)するのは(てい)(こう)があった。



すると(だい)(たん)(わか)(おんな)(たち)

(ねん)(ちょう)(しゃ)(たち)から()(べつ)()(はか)(ため)

(すそ)(みじか)いキャシュクを()(はじ)めた。



()(ぶん)(きゃく)(せん)(うつく)しさを()(ろう)して

()(にん)との()(べつ)()(はか)り、(おとこ)()(りょう)する(ため)に。



(あし)()しつつ()(しゅつ)(ひか)えられる、

ソックスが(ちゅう)(もく)()び、

(じゅ)(よう)(きゅう)(そく)(たか)まった。



(しん)()(せい)()()れられ、

(せい)(さん)()いつかないほどだった。



(しょう)()のような(かっ)(こう)でも()にしない、

(わか)(おんな)(たち)(かんが)えと(こう)(どう)()(かい)できない。



サンスァラ(おう)(じょ)()った(とお)り、

(ぐん)(しゅう)(こう)(どう)(だれ)にも()からなかった。



()()(しゃっ)(きん)()()わせて、

 (がっ)(こう)(かよ)わせるなんて(わる)(がしこ)いこと

 よく(かんが)えついたものね。」



(しゃっ)(きん)はものの(たと)えよ。


 ()()(いん)への(えん)(じょ)(きん)(かんが)えは(おな)じ。


 (しゅっ)()したお(かね)(ぶん)が、

 (かの)(じょ)(たち)()()(あた)えるのよ。」



わたしはそれに()(くわ)える。



(かの)(じょ)(たち)(しゅっ)()した(きん)(がく)は、

 (めい)(かく)()(ひょう)にもなるわ。


 ()()()()きや(けい)(さん)くらいは

 ()()けて()しいから。


 これからは()(ぶん)(かい)(きゅう)(かん)(けい)なく、

 ()(じん)(しゅう)(だん)(のう)(りょく)(ひょう)()される()(だい)

 なってくるわ。」



ルービィが(なん)()(うなず)く。



なにも()たず、()らずに()きてきたひとは、

この(まち)では(ちから)(よく)だけが(ひょう)()(ひょう)(じゅん)になり、

ユヴィルのような(れん)(ちゅう)()(よう)されてしまう。



(おとこ)(こと)なって(たい)(りょく)()()すら()てない(おんな)は、

()(しき)()ければ(えら)べる()(ふだ)(げん)(てい)される。



(ぎん)(こう)()よりも(さき)()()けられるものねぇ。


 サンサが(むかし)(おんな)(がっ)(こう)(つく)

 なんて()ってたわ。


 (とう)()はサンサ()(がい)(だれ)(おし)えられなくて、

 お(かね)()(しょ)()いから(あきら)めたのよねぇ。」



(おう)(じょ)(むずか)しい(こと)()(えら)ぶものね。」



「サンサの(べん)(きょう)(かい)なんて、

 いつも(ほん)()んで()わりよ。」



ミティスを()いたメノーが

部屋(へや)(もど)ってきた。



(ちい)さな()(なか)(こし)から(かた)へと()で、

げっぷを(うなが)している。



ドロシアは(ふか)(あたま)()げ、

使()(よう)(にん)真似(まね)(しず)かに(おう)(せつ)(しつ)()る。



(かの)(じょ)()()した(あし)(もと)では、

ダギラを()()えたサーブラスが、

(だん)()(まえ)(まる)くなって()(たい)(せい)()る。



イオスがその(うえ)(すわ)り、

(まえ)(あし)(なん)()もお(なか)()んで()(はじ)た。



わたしはサンスァラ(おう)(じょ)(べん)(きょう)(かい)を、

()たことがないので()()()(おも)った。



(おう)(じょ)(べん)(きょう)(かい)って、そんなに(てき)(とう)なの?」



(べん)(きょう)()(じん)(せい)(れい)()(だい)だもの。


 ()()()()れば、

 (べん)(きょう)しない()()たわねぇ。


 ()(とく)()()(かく)しているミュパはあれで、

 レデやジールに()けないくらいに

 (べん)(きょう)(ねっ)(しん)なのよ。


 ()からない()(ぶん)があれば、

 あのひとは(ちゅう)()()わず(おし)えてくれたわ。


 それで(みんな)()(ぶん)から

 (べん)(きょう)するようになったのよねぇ。」



ルービィもまた(ふか)(うなず)く。



(とう)()(そう)(とく)がその(ひょう)(ばん)()きつけたから、

 あれでスーの()(てい)(きょう)()もやってたのよ。」



「あぁ、()ってたわね。

 でも――。」



「せっかくの(しょ)(しつ)を、

 ガラクタばかりの(そう)()にする

 (もの)()きだものねぇ。」



メノーもソファに(あお)()けの(じょう)(たい)()て、

(あさ)(ねむ)りに(はい)るミティスを()いている。



「レデやジールより、もっと(まえ)の…

 ノーラの(ころ)からあんな(かん)じねぇ。


 ノーラは()った(とき)から(ゆう)(しゅう)で、

 (ほか)()()(はん)になったわ。


 ひとを()()はあるのよねぇ。」



ルービィはわたしを()()う。



「あなたを(ひろ)ってきた(とき)は、

 サンサは(こま)ってたわねぇ。


 あなたの(あつか)いに(なや)んでいたのよ。


 そしたら(やかた)()()して、

 そこの(かど)でユヴィルの(よう)(へい)

 (そう)(どう)()こしてるのだもの。」



「ふふっ。」()()じたままメノーも(わら)う。



「スーより(あや)うい()(おも)ったら、

 (かの)(じょ)()ではないわねぇ。」



「えぇ?


 スーほどではないわよ?

 …ないわよね?」



(けん)(そん)してみたものの、

(くら)べられて(うれ)しいものでもなかった。




 ▶

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