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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第11章 天秤の貨(後)

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第11章 第6節 白金の鍍(第1項)

(たび)()()はわたしにとって、

()()(かん)(そう)()(かん)になった。



(たん)調(ちょう)(しょく)()()(なが)()み、

()()(がかり)のマリオンから()らした(ぬの)

(かみ)身体(からだ)(かる)()かれた。



(はだ)()()えて、()わらない景色(けしき)(なが)め、

(もく)(てき)()()くまで()(しゃ)()られる。



(かんが)えることは(おお)くあっても、

(まど)から(そと)景色(けしき)(なが)める()(がい)

なにもできることはなかった。



()(しゃ)(なか)では(すい)(ろん)()(せつ)ばかりで、

なに(ひと)(けん)(しょう)(けっ)()()られない。



()(かん)()つほど、

ヘッペを(きん)(そく)()()()れておけば

という(こう)(かい)(のこ)る。



(こう)(りょう)(つづ)(ゆき)景色(げしき)()きれば、

(かみ)(たば)(なが)める。



挿絵(By みてみん)



スーのベッドに()まれていた(よう)()()は、

(たい)(りく)()()かれた()()(しい)()(だん)(ぺん)



エンカー()(どく)(とく)()(まわ)しや、

(ほか)(たい)(りく)()もいまでは()めるようになった。



それを(つた)えられる(あい)()()ない。



(かみ)(うえ)にはスーの(あか)(ぐろ)()(あと)があって、

わたしは(かみ)(はし)(つよ)(つま)んだ。



この()(しゃ)(かの)(じょ)(たち)()って()ない。



(とう)()(しゃ)(たち)(わか)れてネルタを()ち、

(にち)()(あさ)(じょう)(すい)(じょう)宿(しゅく)(しゃ)()る。



(ひる)()ぎには(ぶん)(すい)(がい)()き、(なが)(たび)()えた。



(あか)(つち)(おか)まで(おく)ろう。」



欠伸(あくび)(こら)えるハーフガンを()て、

わたしはマルフの(てい)(あん)()()れた。



「お(まえ)(よる)(やかた)()(とき)

 わしがサンサ、あの(おう)(じょ)からの()(がみ)

 (やかた)()()されたのは(おぼ)えとるか。」



「えぇ。

 昨日(きのう)のことみたいにね。


 ()(どう)していただいたわ。」



()(どう)ではないぞ。

 (とし)()りが(いっ)(ぽう)(てき)()めたに()ぎん。」



(かれ)()()()じて(まる)(あたま)()いた。



(きょう)()(ぶか)()(ども)(やかた)()たから

 ()()いと()(がみ)にあった。」



(げき)(じょう)(けん)()()しさに?」



「それもある…が。


 なんとも()えない(むすめ)(ひろ)って()たと

 (おも)ったものだ。」



(おう)(じょ)やスーに(くら)べれば、

(かれ)からの(そっ)(ちょく)(ひょう)()()(まん)はない。



(はい)(すい)(こう)()ちた()(ねこ)

 なんて()われたわ。」



マルフは(わら)いを(こら)えて(そで)(くち)(おお)った。



ハーフガンまで(かべ)()かって(わら)っている。



「ぐふっ。

 そんな(むすめ)が、(りょう)(しゅ)(たち)(かこ)われても

 (おく)すことなく()(けん)()べるとはな。」



(そう)(とく)がくれたコートを()てたから、

 あなたが()(なか)()してくれたのよ。」



「ぶははっ。

 (こう)(げん)(おう)(じょ)から(なら)ったのか。」



マルフが(わら)ってくれたので、

わたしも(くち)(もと)(かく)して(わら)う。



(かえ)さなくて()いのか。こいつ。」



マルフの(となり)のハーフガンが(あし)(もと)()()う。



オーブ(りょう)(しゅ)のメテオラが()れていた(いぬ)

サーブラスが(ゆか)()ている。



おかげで(すき)()(かぜ)()にならないほど

(あし)(もと)(あたた)かい。



「しばらくのあいだ(あず)かるだけよ。


 わたしから(はな)れたがらないのよ。」



サーブラスのお(なか)()るイオスが、

(まえ)(あし)(なん)()身体(からだ)()んで(あん)()をしている。



()()(しゃ)(ない)で、

(ひき)はずっとこの(じょう)(たい)だった。



サーブラスは(てん)(まく)での(かい)(だん)()(らい)

わたしから(はな)れようとはせず、

(ぎゃく)にメテオラに(きば)()ようになった。



(めい)(れい)(したが)わないサーブラスに

メテオラは()じて(いら)()ち、

()りつけようとするので()め、

わたしがこの(いぬ)(あず)かることになった。



(いぬ)()(がら)(しゅう)()(かか)げる

エルテル(りょう)(しゅ)のタルヴォが、

メテオラを(せっ)(とく)して()(おさ)めてくれた。



「でもこれで、(かれ)がわたしに

 ()(がみ)(おく)ってくる(こう)(じつ)になるわ。」



「あいつが(やかた)()るようになるぞ。」



(しょう)(しん)(もの)のヤツにできるか(あや)しいな。」



「オーブもカヴァもこの(まち)(つう)じて

 (こう)(りゅう)()えるのは()いことだわ。


 (やかた)にお(かね)()んでくれたのなら、

 サーブラスに(えさ)(あた)えられるかしら。」



()(まえ)()ばれたサーブラスが(かお)()げると、

(きゅう)(うご)きに(おどろ)いたイオスが

(まえ)(あし)(あたま)(かる)(たた)いた。



(わか)(ねこ)(あい)()(しか)られて、

(いぬ)(こう)(ふん)から(みじか)()(めい)()らした。



「しかし…だ。


 あの(かん)()(しゃ)

 (きん)(そく)()から(ほん)(とう)()てこないのか?」



(ぶん)(すい)(がい)(かわ)沿()いの(みち)(きた)へと(くだ)り、

まだ()(あん)(いだ)くマルフが(たず)ねてくる。



(れき)()(しょ)(しる)された(とお)り、

 (にゅう)(しょく)()(ぜん)から(そん)(ざい)するのなら、

 (あい)()はなにもしてこないわ。


 (かん)()(しゃ)(おり)(やぶ)()(のう)(せい)もあるから、

 (ぜっ)(たい)(えい)(えん)とは()えないけれどね。」



「なぜなにもしない。」



マルフが()(もん)(おも)うのも()()はない。



――()われる(まえ)(こう)(どう)しろ。かしら?



()(ぜん)()(かげ)(にわ)()っていたわたしは、

マルフからこのような()(どう)(しっ)(せき)()けた。



(にん)(げん)(おな)じく(ざい)(もと)めてたり、

 ()()(めい)()って(よく)がないのね。」



「ふぅん。(にん)(げん)らしさはないな。


 (がい)(けん)からして、(どう)(ぶつ)だとしても。」



わたしは(くび)(たて)()る。



(はん)(しょく)(もく)(てき)でもないわね。


 それになにかできるのなら、

 (すで)(こう)(どう)しているはずだわ。


 (かん)()(しゃ)(とう)(そう)(こう)(てい)して、()(てい)したの。


 (かん)()(しゃ)であれば(しま)(けん)()(しゅ)(ちょう)して、

 (ちから)(しめ)すだけで(こん)(らん)(よく)(ぼう)(あた)え、

 (せん)(そう)()こさせることもできるわね。」



「あれを(そう)(ぞう)しただけで(おそ)ろしいわい。」



(かん)()(しゃ)(みじか)()(おお)われ、

(きん)(にく)(しつ)(きょ)(たい)(うし)(あたま)

(ひつじ)(つの)()っていた。



かと(おも)えば、(つぎ)には

(せん)(ほそ)(しょう)(じょ)身体(からだ)

(くろ)(ねこ)(あたま)()(ぎょう)()わり、

わたし(たち)(かい)()をした。



この()()(かい)(そん)(ざい)

()()たりにした(とう)()(しゃ)(たち)は、

()(かい)(きょ)()してしまう。



――(けもの)(あたま)…。



わたしの(なか)にある(じん)(ぶつ)(かお)(おも)()かんだ。



「マルフ(そう)(とく)は、

 ラッガという(おとこ)(ぞん)()かしら?」



「ラッガ?」マルフが(まゆ)()()せる。



(りゃく)(しょう)(せい)(しき)()(まえ)ではないと(おも)うわ。


 (あか)(かみ)をした(くろ)(しょう)(ぞく)姿(すがた)(おとこ)よ。


 (おう)(じょ)(ちか)しい(じん)(ぶつ)なら、

 (こん)(かい)(けん)でなにか()ってるかも。」



「そいつならガキの(ころ)から

 あいつの(まわ)りを(うご)(まわ)っているな。


 (ひろ)()らしいが(しゅつ)()()らん。」



ハーフガンのその(こと)()で、

わたしは(ひと)つの(つな)がりが()えてきた。



()(まえ)()らん(くろ)(しょう)(ぞく)ならば、

 わしの(じゅう)(ぎょう)(いん)でも()いな。


 (いち)()()るオーブの(どう)()かもしれん。


 (ぎん)(こう)()()いて調(しら)べさせてみるか。」



「オーブ(りょう)(しゅ)の、(そく)(じょ)()()いにも

 (おな)()(まえ)(わか)(おとこ)()たわ。


 (べつ)(じん)かもしれないけれど、

 マイダスには()(みつ)

 そちらも調(しら)べられる?」



()(みょう)(はなし)だ。


 ()(しょう)(かね)()かるが

 できないことはない。


 ラッガという(おとこ)(なん)(にん)()るんだ?」



()からないわ。


 オーブの(たか)とも

 (しん)(ぽう)(しゃ)とも()われてたみたい。」



わたしの()たラッガは二人(ふたり)



一人(ひとり)はわたしを(やかた)()れてきた(けもの)(おとこ)



もう一人(ひとり)はフルリーンに(したが)った、

(かみ)()(そろ)えた(わか)(おとこ)姿(すがた)



(しん)(ぽう)(しゃ)()んでいた(じん)(ぶつ)にも

(こころ)()たりはない。



(むかし)(とし)(はな)れた(おとうと)()ると()いたが。」



(おとうと)はオランゼオルというひとで、

 ラッガとは(べつ)(じん)()ってたわ。


 (ぶん)(すい)(がい)()るらしくて(どう)(らく)(もの)――

 って、()()(かた)ではないわね。


 (かれ)()ってるひとって(だれ)かしら?


 オルドラスは()らないみたいだし。」



オルドラスとは(きょう)(てい)(きょう)(ぼう)しただけで、

わたしとは()(ぶん)()()(こと)なるので

()(がみ)(とど)くはずもない。



マルフが()のひらで(ひざ)(たた)く。



()ってるかどうかは()からんが、

 ルービィに()いてみるのが(はや)い。」



ハーフガンも(うなず)いていた。



「あっ、ルービィが()たわね。」



(よる)(やかた)のオーナー、ルービィは

(おう)(じょ)(ぶん)(すい)(がい)()た10(ねん)(まえ)から、

(とも)(しょう)(かん)などの()(ぎょう)(いとな)んでいる。



()()(いん)(せん)(こう)(かい)(あい)(さつ)したきりで、

ユヴィルの(しょう)(かん)(くれ)(あい)(やかた)(けん)でも

(けん)()()(つづ)きに()(ぼう)(かの)(じょ)

(はなし)をする()(かい)には(めぐ)まれなかった。



()(けん)(つづ)きでわたしの()(しき)から

(かん)(ぜん)()()ちていた。



(あか)(つち)(おか)()いた()(しゃ)()まる。



「やっと()いたか。」



「なにからなにまでありがと。

 マルフ(そう)(とく)。」



わたしはイオスを(かか)えたまま、

(ふか)(あたま)()げる。



イオスも()いて(れい)()う。



サーブラスが

(かお)()げて()えようとするので、

(はな)(さき)()れてそれを()めた。



()のひらが()められる。



(ぎょ)(しゃ)(だい)(つか)れているマリオンには

(あく)(しゅ)(かわ)わそうとして(いや)がられた。



(もら)ってばかりのわしが

 してやれることはせいぜいこの(てい)()だ。


 わしなんぞの(うつわ)で、

 お(まえ)(たす)けられるか()からんがな。


 (こま)ったことがあれば、

 (だれ)でもいいから(たよ)ればよい。


 (まえ)のサンサも

 (おな)じようにしてきたのだろう。」



マルフは(かお)(しわ)(つく)って(わら)う。



(かれ)には(げん)(かん)(はい)るまで()(おく)られ、

わたしは(あし)()めて(ふか)(あたま)()げた。




 ◆




(ひさ)しぶりになる(よる)(やかた)

(ためら)いがちに(げん)(かん)(はい)ると、

レナタが(うす)(じろ)(かお)

わたしの(むね)(たい)()たりした。



「ひぅっ!」



()(へそ)(うえ)の、(しん)()()()たって(こえ)()た。



(むな)(もと)のイオスが(かた)()()ると、

(うずくま)るわたしの()(なか)()って(ゆか)()りた。



サーブラスが()える。



挿絵(By みてみん)



「あっ! (たい)(へん)! ニクス!

 メノーがっ、()まれるって!」



(はや)かったわね。

 もう()(すい)はしたのかしら?」



「え? ()かりません…。


 でもずっとお(なか)(いた)いから

 ()まれるかもって…。


 (ちゅう)(ぼう)にはヤゴウも

 ミョーン(たち)()なくて――。」



「ハーフガンッ!」



わたしは(そと)(かお)()し、

(のど)(ひら)いて(かれ)()ぶ。



「ミョーン(たち)(いち)()()()(あい)

 (にち)(ぼつ)(まえ)には(もど)ってくるはずよ。


 (さき)にルービィの(てい)(たく)()って。


 ()(しゃ)使(つか)うのなら、

 (げん)(かん)よりも()(ぐち)(ほう)(きゅう)(しゃ)(ちか)いわ。



 (くれ)(あい)(やかた)(びょう)(いん)まで()って(さが)すのは、

 ()(すき)()(えい)(まか)せましょう。」



レナタを(せっ)(とく)しながら、

ハーフガンに(せつ)(めい)する。



二人(ふたり)(どう)()(うなず)く。



「ルービィが(てい)(たく)()なくても、

 (ぎん)(こう)()ってるのなら(むか)えに()かず、

 (もど)ってくるのを()った(ほう)()いわ。


 ()(ちが)いになるものね。


 (さき)(あか)(つち)(おか)(もど)るのなら、

 (でん)(ごん)(のこ)しておくのもいいわね。


 (うい)(ざん)()(あい)

 すぐには()まれないと(おも)うから、

 レナもルービィに()った(とき)には

 そう(つた)えて(かの)(じょ)()()かせてね。」



レナタの(かた)()せ、

(かの)(じょ)身体(からだ)(つよ)()いた。



「ぁ、()か、りました。」



レナタの(せっ)(けん)(かお)りに()じった、

わたしの(たい)(しゅう)()になった。



(とびら)()けて()れた(やかた)(こん)(らん)(そう)(ぞう)する。



(やかた)(はい)ると()()ける(まえ)(ほう)()されていた

カミーリャの(はな)(くび)()く、

(ほそ)(なが)()びた(ほく)()(そう)()かれていた。



(げん)(かん)(つづ)くコンクリートの(ゆか)は、

ブラシで()(れい)(そう)()されている。



(にわ)では()()きのない(じゅう)(ぎょう)(いん)

キーア、ナディ、メグに(くわ)えて、

ヤゴウの(むすめ)のデーンが

なにか(そう)(だん)していた。



挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)



「あれ、ニクス…

 じゃなかったサンサだっ!


 …(ひさ)しぶりに()()がする。」



「あ、(ほん)(とう)だ。

 おかえりなさい…?


 こんな(とき)まで、どこ()ってたのよ?」



「さっきメノーが?

 レナタがっ――。(いぬ)っ?」



わたしの(となり)()

レナタとサーブラスを()て、

メグは(こん)(らん)している。



「レナから(はなし)()いたわ。」



レナタは(みんな)(あたま)()げてから、

()(しゃ)()()(ぐち)()かう。



「それよりお()()(よう)()はあるかしら。


 まず身体(からだ)()(れい)にしたいのよ。」



「え? ええ。今日(きょう)(きゅう)(よう)()だもの、

 (よく)(じょう)ならお()()()えたばかりよ。」



(いぬ)をお()()()れるの?」



「ここでデーンを()()っても

 なにも(かい)(けつ)しないわよ。」



(ちゅう)(ぼう)のミョーンやラッタマ(たち)

ヤゴウと(いち)()()()しをしており、

(やかた)には(しゅっ)(さん)(けい)(けん)(しゃ)()(ざい)となっている。



それでヤゴウの(むすめ)のデーンが、

()()(いん)(しゅっ)(しん)のキーア(たち)()められていた。



()()いている()

 タオルを(あつ)めて(よう)()して。


 (しゃ)(ふつ)()みの(せい)(けつ)なものね。


 (ねこ)(いぬ)はメノーの部屋(へや)

 ()れてはダメよ。」



(にん)(かお)()()わせて(うなず)く。



イオスが()くとサーブラスも()いた。



「デーンはお(なべ)()()けした

 お()(たい)(りょう)(つく)って。


 (おき)()()れてお()()かして、

 ()()部屋(へや)(あたた)めてね。


 (ちゅう)(ぼう)でも(つく)って火傷(やけど)には()をつけて、

 ()から(はな)れられないわよね。


 (はこ)ぶのはフランジに(たの)めばいいわ。

 (かか)わりたがるものだから。


 (あわ)てる(ひつ)(よう)はないわ。


 お()(しゃ)(ふつ)(ため)だから、

 (せい)(けつ)なタオルを()けたり、

 (ひと)(はだ)くらいに()まして(あと)使(つか)うの。


 (べん)(きょう)(かい)でも(おし)えた(とお)り、

 (おうぎ)使(つか)って(かん)()(わす)れないでね。


 (ちゅう)(ぼう)(ちょう)()ないのなら、()(もと)(せき)(にん)

 わたしに(なす)()けて()いわよ。


 ヤゴウやミョーン(たち)()なくても、

 あなたにできる(はん)()()(ごと)

 (しん)()にやればいいわ。」



()ってよ。


 なんでサンサはこんな(とき)に、

 (いぬ)をお()()()れるの?」



(こん)(らん)しているデーンがわたしに(たず)ねる。



「だって(くさ)いもの。」と、キーア。



(きたな)いのよ。」ナディが(つづ)く。



メグもなにか()いかけている。



わたしに()っているのか、

サーブラスに()っているのか。



(ゆき)(よご)れたイオスを()ると

(ぜん)(いん)かもしれない。



「お()()(はい)るのは

 わたしがこれから(しゅっ)(さん)手伝(てつだ)うからよ。


 この(いぬ)はオーブ(りょう)(しゅ)から(あず)かっているの。

 ()(まえ)はサーブラスよ。


 こんな()(まえ)でも(めす)だけれど、

 いまはイオスに(まか)せるわね。」



イオスが(みじか)()いて(へん)()をした。



それに(つづ)いてサーブラスが()(まえ)に、

わたしは(はな)(さき)()(おさ)えた。



(くう)()(なが)(こう)(ふん)から()()る。



「メグはデーンの()(ごと)手伝(てつだ)って。


 それから(よく)(じょう)(せい)(けつ)(ふく)(よう)()して。


 (なが)()()けていたから、

 (せい)(けつ)(はだ)()がもう()いのよ。」



()(ゆう)(はぶ)いたせいで、(おな)(せつ)(めい)をしていた。



(しゅっ)(さん)手伝(てつだ)いって…。

 (じょ)(さん)()のお()(ごと)でしょ?


 ニクスって、そんなのできるの?」



メグが()(もん)()げかける。



(かの)(じょ)(たち)(いま)だにわたしを

(ひめ)(さま)(かん)(ちが)いしている。



「わたしは(なん)()も、

 (あか)()()()げたことがあるのよ。」



()(あん)がる(かの)(じょ)(たち)(まえ)に、

わたしは(つよ)(くび)(たて)()って()せた。




 ▶

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