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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第11章 天秤の貨(後)

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第11章 第5節 理外の柱(第3項)

(よく)(あさ)、オルデウスの(てん)(まく)

わたしは(ふたた)()()された。



カヴァの(なが)(ぐつ)()き、

()れない(もり)(なか)(ある)いていたせいで、

(そく)(てい)(かわ)()けてしまった。



(ひさ)(びさ)(きん)(にく)(つう)(あい)()って、

()って(ある)(たび)(ぜん)(しん)(いた)い。



(かん)()(しゃ)(そん)(ざい)()にした(とう)()(しゃ)(たち)

(うたげ)(とき)(おな)じく、オルデウスの(てん)(まく)

(あつ)まっている。



カヴァの(おう)、オルデウス。

エルテル(りょう)(あたら)しい(りょう)(しゅ)、タルヴォ。

オーブ(りょう)(りょう)(しゅ)メテオラ。



挿絵(By みてみん)



(まる)(にく)()きの()いメテオラは、

今日(きょう)(くろ)(しろ)(かっ)(しょく)(たい)(もう)()(いぬ)

(あし)(もと)(たい)()させている。



挿絵(By みてみん)



オーブの(ぶん)()(ぎん)(こう)()のマイダスと、

ペタの()(だい)(りょう)(しゅ)(かた)るヘッペも(あつ)められ、

(えん)(けい)(なら)んで(すわ)り、わたしを()る。



挿絵(By みてみん)



(ぶん)(すい)(がい)(そう)(とく)、マルフが(さき)

わたしの(となり)()()(すわ)った。



挿絵(By みてみん)



「サンサよ。

 (かん)()(しゃ)(たい)する、

 お(まえ)(けん)(かい)()かせてくれ。」



オルデウスの(ひく)(こえ)(てん)(まく)(ふる)わせる。



イオスを(かか)えたわたしに()(せん)(あつ)まる。



こんな()(はなし)をするのは(べん)(きょう)(かい)()(らい)になる。



(いぬ)(あたま)()した(つえ)()いだタルヴォから、

その(つえ)(さき)(ちゃく)()(うなが)された。



わたしにも()()(よう)()され、

(すわ)ってイオスを(ふと)(もも)()せた。



(こう)(えい)(おも)えよ。」()(かん)(けい)のヘッペが()う。



この(てい)()(あつか)いで

(とう)()(しゃ)(たち)(ひと)しい()()(あた)えられた、と

(おも)()がる(あさ)ましい(にん)(げん)ではない。



――(さい)(ばん)(しょ)のオルタに()たされた()(ぶん)ね。



頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)(かお)(かく)したまま、

わたしは(いき)()って(のど)(ひら)く。



「まずは(けい)()()(じつ)(せい)()しましょうか。


 ここの(ぜん)(いん)、サンスァラ(おう)(じょ)から

 ()(がみ)でネルタに()()されたのよね。


 マルフ(そう)(とく)(しょ)(めい)()きで。」



(とう)()(しゃ)(たち)(ねら)いを()(あく)する(ため)

まずは(ちか)くのマルフに(たず)ねる。



「ネルタへの(しゅう)(ゆう)(もく)(てき)で?」



(きん)(そく)()で20(ねん)(なが)きに(わた)(せん)(そう)だ。


 カヴァでなくとも(くう)(はく)()()ならば、

 (だれ)だって()にするだろう。」



「メテオラも?」



(つぎ)(たず)ねた(あい)()は、

(しろ)(はだ)(つや)()(なん)()(おとこ)



(かれ)はフルリーンの(ちち)でも()(ひく)く、

(しょう)(しゅつ)(かの)(じょ)には(まった)()ていない。



(おもて)()きは…。」



メテオラがなにか(さぐ)って、

()(せん)()(ゆう)(うご)かす。



「この()(けん)()(ねら)っているのよね。」



(ほか)(だれ)かに(たず)ねるわけでもなく、

わたしの(こと)()(ぜん)(いん)(うなず)いた。



「…それよりよぉ、

 おれが()ってるサンサとは

 (べつ)(じん)()がするがぁ?」



サンスァラ(おう)(じょ)(そう)(てい)していた(とお)り、

(かれ)はわたしがサンサを()()っていることに

()(わく)をかけてきた。



(かれ)(むすめ)のフルリーンは、

オーブに(あらわ)れた(もり)(けん)(じょ)からか、

(せん)(せん)(だい)(りょう)(しゅ)よりサンサと()()けられていた。



()(ぜん)のサンサを()(しょう)(しん)(もの)のメテオラは、

()(むすめ)のわたしに(たい)して(つよ)()る。



「サーブラスッ。」



メテオラは(いぬ)()(まえ)(みじか)()び、

()(つえ)(つよ)(たた)いて()()がらせた。



「なんせ20(ねん)(まえ)のことで、

 (かお)なんざ(おぼ)えちゃいない。


 タルヴォはどうだ?


 この(おんな)ぁ、()()姪子(めい)だろ。」



「そんな(はなし)をしに()んだのではないぞ。」



「こんな()(しょ)(おんな)()()くつもりか?」



タルヴォを(からか)うメテオラに、

(となり)のマイダスが(くち)(はさ)む。



「メテオラは()っていて、

 ()(おく)にないのでしょ?


 ()()()いわね。


 わたしの(しん)(しつ)()()いした(あい)()は、

 あなたの(つま)だものね。


 あの()あなたが()(ぶん)(つま)

 なにをしたか、いえ

 なにをさせられたか。


 あの()()(ごと)

 (さい)(げん)して(つまび)らかにしたら、

 (いた)みと(とも)(おも)()すのかしら?」



メテオラは()()(ひら)くと、

(あせ)りを()せて(しゅう)()(はん)(のう)(うかが)う。



()(じょう)()るタルヴォが(わら)いを(こら)えて、

(うつむ)いたまま(つえ)()(めん)(たた)(つづ)けた。



(みな)(おし)えてやれよ、

 メテオラ。」



()(うち)(はじ)()るマイダスが(かれ)(あお)る。



()(むすめ)…いや(わか)(むすめ)(おどろ)くだろ?


 20(ねん)(まえ)()(とき)

 (かお)身体(からだ)()わってんだ。


 (にせ)(もの)でなければ

 お(まえ)(だれ)なんだよ。」



(めい)(かい)(ばん)(けん)(おな)()(まえ)(あた)えられた(いぬ)は、

メテオラに(つえ)でまた(でん)()(つよ)(たた)かれ、

()(こう)してわたしに(ちか)()く。



イオスが(おび)えて(ぜん)(しん)()(さか)()()(かく)した。



わたしはイオスを(かか)えて

(のぞ)(どお)()()がる。



(ぼく)もメテオラと(おな)()(けん)だ。」とヘッペ。



「お(まえ)()(けん)なんざ()いてねえ。

 (だま)って(すわ)ってろ。」



「マイダスも(どぶ)()がお()()てだろ?」



()(ぶん)(はじ)(そそ)(ため)に、

メテオラが(はな)(わら)って()せる。



(だま)っているオルデウスが(あし)()()らし、

(いら)()ちを(あら)わにする。



(やす)(けん)()()うつもりはないぞ。


 ()(りょ)(おう)()(ちが)って(おれ)(おんな)()()てで、

 こんな()()(あし)(はこ)びはしない。


 ()()はなかったが、こいつがな。」



メテオラやヘッペは

わたしに()(むすめ)のような(はん)(のう)(もと)めていた。



タルヴォやマイダスとは(かんが)えが(こと)なり、

(とう)()(しゃ)(たち)(ねら)いは(とう)(いつ)できていない。



(はなし)()れてるわね。


 メテオラの(しつ)(もん)(しつ)(もん)(かえ)すわね。


 あなたの(なか)でのわたし、

 サンサを(こう)(せい)する(よう)()はなに?


 それともおじいが()なくなって、

 また(あたら)しい(きん)()がお(のぞ)み?」



メテオラには(つう)()()(ぞう)(あん)()する。



わたしの(しつ)(もん)(どう)(よう)()せる(かれ)(となり)で、

タルヴォが(ふく)(わら)いをした。



メテオラに(けしか)けられたサーブラスは、

わたしという()(もの)(まえ)(きば)()せ、

まだ()いてはくれない。



(おう)(じょ)から(あず)かった(たん)(けん)(かばん)()れたままで、

(ちい)さなイオスがサーブラスに(たい)して

(とう)(そう)(しん)()せる。



(ちか)()かれたイオスがわたしの(かた)()り、

(まえ)(あし)頭巾(フード)(かか)えて()(かく)(つづ)ける。



わたしはキャシュクに(かく)れた

(むな)(もと)(かわ)(ぶくろ)()れていた。



ここには(おう)(じょ)(ゆび)()と、

(もり)(ひろ)ったセリーニの(かい)(けい)がある。



――()(かえ)すのは(さい)(しゅう)(しゅ)(だん)、ね。



わたしを(ため)(とう)()(しゃ)(たち)()(せん)(あつ)まる。



「サンサであることを(しょう)(めい)する(ため)に、

 またオーブでネルタの(にん)(げん)(ころ)して

 (はか)(あな)()るべきかしら。


 20(ねん)(まえ)のように。」



わたしが()えばオルデウスが(こた)えを(もと)め、

メテオラを(にら)む。



メテオラはわたしからも()()らし、

(くび)(よこ)()った。



(かれ)はわたしへの()(わく)(たい)して、

()(ぶん)(なか)(めい)(かく)(こた)えを

(よう)()していなかった。



メテオラの()る『(もり)(けん)(じょ)』こそ、

(かれ)(なか)にあるサンスァラ(おう)(じょ)であり、

(よう)()()(おさ)まる(てい)()(うす)(にん)(しき)だった。



「…その(ごう)(たん)(せい)(かく)(みと)めるさ。


 だがなんでこいつらも()んだ?」



(あせ)りを()せるメテオラは、

(しつ)()から()(べつ)(もん)(だい)へと()()える。



マイダスのオーネック()は、

オーブの(ぶん)()になる。



(とう)()(しゃ)(たち)(なか)()()(なら)べる(ぎん)(こう)()

()(さん)()のマイダスはまだ()いとして、

ペタの()(だい)(りょう)(しゅ)(かた)るヘッペなどは

(はじ)めから()ぶに(あたい)しない。



(ひん)(せい)()けた(もの)(しょう)(たい)すれば、

()んだ(もの)(ひん)(かく)()われる。



「メルセ(りょう)(しゅ)のペタリオ(きょう)

 (こう)(ちょう)のドレンを()んだはずで、

 ヘッペは()んでないわよね。」



「ペタだって(じょう)(やく)(かん)(けい)あるからさっ!


 (れき)()()(さい)される(かん)()(しゃ)は、

 (しま)()(はい)(しゃ)(どう)(ぜん)でしょうよ。


 (きょう)()()(がみ)(かた)

 (どぶ)()()ぎないこいつこそ、

 ()()すべきだっ!」



ヘッペはサンサを(きょう)()()(がみ)()んで(そし)る。



(かれ)便(べん)()(てき)(こと)()(なら)べ、

(いや)しい(かい)(きゅう)のわたしを(こう)(げき)してきた。



(おう)(じょ)(みぎ)()でサンサを()()るわたしには、

(とう)()(しゃ)(あつ)まるこの()()(そう)(おう)

わたしの()()(しょ)ではない。



ヘッペに()められたからと()って、

(しょう)(しん)(もの)のメテオラのように(どう)(よう)()せたり、

()(むすめ)のように()いて(どう)(じょう)()(ひつ)(よう)はない。



()()かりをつけるなっ。」



ヘッペを(しっ)(せき)したのは、

メルセ(りょう)(りん)(せつ)する

エルテル(りょう)(しゅ)のタルヴォだった。



オルデウスも(となり)のマルフも、

タルヴォの(はつ)(げん)(うなず)いた。



いまのわたしは

オルデウスの(てん)(まく)(まね)かれた(かれ)(ひん)(かく)で、

(ずい)(はん)(ぶん)(すい)(がい)(そう)(とく)のマルフになる。



「お(まえ)(そと)()たければ、

 いつ()()っても(かま)わんのだぞ。」



マルフが()うとオルデウスまでもが(うなず)く。



わたしを(てん)(まく)から()()したければ、

メテオラとヘッペは(とう)()(しゃ)(たち)

(せっ)(とく)しなければいけない。



わたしを(そし)れば、

(てん)(まく)(まね)いた(かれ)らを(おとし)める(はつ)(げん)(つな)がる。



メテオラとヘッペが()(ごろ)(こう)(どう)で、

(しん)(よう)()るには()(おく)れだった。



(とう)()(しゃ)(たち)(あい)()に、

いまさら(しん)(よう)()うことはできない。



(した)(まわ)(どぶ)()がっ――。」



タルヴォが(つえ)(さき)()(めん)()くと、

ヘッペ(たち)(かお)()()わせて(だま)ってくれた。



(しま)()(はい)(しゃ)か…。ケイロウも(むかし)

 そんなことを()っておったな。」



オルデウスが(ひげ)(ゆび)(さき)(ねじ)る。



わたしはサーブラスから()()らさず、

(いっ)()(まえ)へと()()した。



(なが)(こう)(ふん)(はな)(すじ)(ふか)(しわ)(きざ)み、

(ちゅう)(じつ)(いぬ)(ふと)(きば)()せて(きょ)(せい)(おど)す。



わたしはサンサを()()っているに()ぎない。



()(たい)()って()(むすめ)(やく)(えん)じてはいないし、

サンサを真似(まね)(いぬ)(おび)える(えん)()(ひつ)(よう)ない。



(かん)()(しゃ)(にん)(げん)ではないから、

 (しま)()(はい)なんてできないわよ。」



「あれを()(にん)(げん)だと(おも)(もの)()るか?」



「あれこそ(りゅう)()えるだろう。」とマルフ。



(りゅう)だと? (こと)()(つう)じやしなかったぞ。


 サンサよ。

 なんでお(まえ)(はな)しておった。」



(くち)(ぐち)()(けん)する(なか)で、

オルデウスがわたしに(たず)ねる。



(とう)()(しゃ)(たち)だけでは(はなし)がまとまらず、

(かん)()(しゃ)(かい)()(こころ)みたわたしが()ばれた。



わたしが(ある)いてサーブラスに(ちか)()くと、

(ひく)(にご)った(うな)(ごえ)(けい)(かい)(つづ)ける。



(かん)()(しゃ)という()(まえ)

 なにを(かん)()するのかしらね?


 (じん)(かく)(しめ)()(まえ)でもないわよね。」



(おう)(おう)()()るのと(おな)じではないのか?」



オルデウスの()(けん)

(ほか)(とう)()(しゃ)(たち)(どう)調(ちょう)する。



わたしも(うなず)いて()せる。



「つまりはただの(かた)()きよね。」



(しま)(けん)()(のぞ)(かれ)らの()てのない(がん)(ぼう)と、

わたしの(かん)(さつ)とでは(かい)(しゃく)(こと)なる。



「わたし(たち)()(かん)()(しゃ)というのは、

 (にん)(げん)ではないと(すい)(そく)するわね。


 (らい)(てい)()()して()こしたのであれば、

 (らい)()(きゅう)(でん)のような(げん)(しょう)(ちか)いのかな。


 もしくは、(こう)()(つく)った

 (きょう)(ぞう)なのかしらね。」



わたしはそんな(こと)()(なら)べる。



(きょう)(ぞう)…?

 おれが()ていたものが(かがみ)だと()うのか?」



(かん)(さつ)から()(すい)(ろん)

 ()(せつ)()てただけよ。


 (きん)(そく)()(はしら)

 (れっ)(ちゅう)からこちら(がわ)には()てこなかった。


 ()(りき)なわたし(たち)(おそ)わないのは、

 なにかしらの()(ゆう)があるはずよね。」



「スァラに()()いたからか?」



(はじ)めて()ったと()っていたぞ。」



オルデウスとマルフが

(おぼろ)()()(おく)()らし()わせる。



(せい)(ぶつ)()(まも)り、(がい)(てき)()(かく)する(もく)(てき)で、

 身体(からだ)(おお)きく()せることはあっても、

 (かたち)(こっ)(かく)()えるなんてできないもの。


 (きり)(なか)(たい)(よう)()らされたひとの(かげ)が、

 (おお)きく()える(げん)(しょう)もあるわよね。」



(かん)()(しゃ)(りゅう)()ばれた()(ぎょう)から、

(ねこ)(あたま)をした(しょう)(じょ)身体(からだ)()わっていた。



その(げん)()はこの()(だれ)にも(せつ)(めい)できない。



(きょう)(ぞう)(げん)(しょう)でなければ(えき)(たい)かしら。


 (さい)()(あわ)になって()えた。


 ()(たい)だった(ゆき)(みず)という(えき)(たい)()わり、

 (ふっ)(とう)して()(たい)へと(へん)()するようにね。


 (きん)(そく)()という(きょ)(だい)(おり)(すい)(そう)(はい)った

 (しん)()()(だい)(せい)(ぶつ)かもしれないわね?


 (かん)()(しゃ)はあの()()から()られないのよ。


 ()かったことと()からないことは、

 ()(べつ)して(かんが)えるべきね。」



わたしがまた(いっ)()(まえ)()ると、

サーブラスはさらに(うし)ろに()がる。



()(かく)(うな)(ごえ)()み、

サーブラスはわたしと(はい)()のメテオラを

()(かえ)って(こう)()()つめる。



「あれこそオーブの(かみ)ではないのか?」



「あんな(おぞ)ましいものを、

 おまえ(たち)(かみ)だというのか。」



(おび)えるメテオラの(はつ)(げん)に、

オルデウスは(はん)(ばく)して(こう)(ふん)する。



()って二人(ふたり)(とも)

 ()(じつ)(せい)()するだけよ。


 (あい)(まい)(てい)()(そう)(ぞう)()(やく)するのよ。」



()()け、メテオラ。

 オレ(たち)はこいつの(けん)(かい)()いてる(さい)(ちゅう)だ。


 (りょう)(しゅ)()(みだ)してどうする。」



「オルデウスよ。


 ここはお(まえ)(てん)(まく)だが、

 ()()(おう)()ではないぞ。」



この(なか)では()(かく)(てき)(れい)(せい)

マイダスとタルヴォに(たす)けられる。



(つづ)けてくれ。」



マルフがわたしを(うなが)した。



(かみ)って(そん)(ざい)は、

 (りゅう)(おな)じで()(だい)(こと)()(あそ)びよね。


 (しん)()(せい)()は、ただの(れき)()(みち)(しるべ)


 ()(ぶん)(たち)()(せん)()(だい)(よう)(えん)(だい)

 さらに()(だい)()(じん)にまで(さかのぼ)るわ。


 (たい)(りく)(とう)()(しゃ)(たち)(むかし)から

 (かみ)という(かた)()きを(この)んで(もち)いたわね。


 『わたし(たち)はどこから()て、

  (なに)(もの)で、どこへ()くのか。』


 退(たい)(くつ)()(あま)した(ひと)(びと)は、

 ()(そう)という(こた)えのない(なぞ)()きが

 ()きみたい。


 (かん)()(しゃ)がこの(しま)(かみ)(かみ)でないか

 なんて(てい)()鍍金(めっき)をしたところで、

 その(なぞ)()きに(こた)えはあるのかしら。」



()(そう)(しゅ)(ちょう)(けん)()()ける(どう)()になる。



わたしの(せつ)(めい)に、

オルデウスがメテオラを(だま)って

(にら)んでいるせいで(かれ)(おび)えている。



(かみ)、ではないとしてもだ。


 あの(かみなり)は、まるで

 ソーマを(ころ)した(らい)(てい)ではないか。」



タルヴォが(たず)ねる。



「ソーマを(ころ)したのは(かん)()(しゃ)か?」



(かみ)(つぎ)はゼズ(とう)(ぼう)(けん)()(はなし)かい。

 ぐぉっ!」



ヘッペがタルヴォを(からか)うと、

(となり)のマイダスが(かれ)のお(なか)(なぐ)って(だま)らせた。



()()ろせば、

サーブラスは尻尾(しっぽ)(また)(した)(かく)し、

(はな)(さき)()らしてわたしの(よう)()(うかが)っている。



「ソーマというのは()っての(とお)り、

 (ふく)(すう)(にん)(げん)(もと)にした(そう)(ぞう)(じん)(ぶつ)よ。


 (かん)()(しゃ)という(りゅう)は、

 ソーマの(でん)(せつ)のように

 (とう)(ばつ)できる(あい)()ではなかったわね。


 ソーマを()るなら、()(こう)アイリアの

 (にゅう)(しょく)(じゅう)()()をご(らん)になるといいわね。


 (ぶん)(すい)(がい)のマルフ(そう)(とく)(やかた)にあって、

 ()(こう)(かれ)(こん)(いん)(しゃ)よ。



 (ぶん)(すい)(がい)()(ほう)だものね。」



(しょう)(かい)()けてマルフは()れている。



「さて、タルヴォ(きょう)()(もん)

 (おう)(じょ)()(めい)(りょう)(ねら)いによるものよね。


 サンスァラ(おう)(じょ)はどうして(きん)(そく)()

 あの(れっ)(ちゅう)()こう(がわ)()って

 (らい)(てい)()けたのかしら。


 (かの)(じょ)(まえ)もって(かん)(げん)してたから、

 (だれ)(はしら)()こうには()かなかった。」



()(じつ)と、(おう)(じょ)()()(かい)(こう)(どう)



(ぜん)(いん)(おな)()(せつ)(おも)()かべて、

(ちん)(もく)(てん)(まく)()(はい)する。



わたしはその()(せつ)(くち)()した。



「サンスァラ(おう)(じょ)(こう)(どう)を、

 ()(さつ)(とら)えるのが(ただ)しいのかしら?」



「そんなことがあってなるものかっ!」



オルデウスが(こん)(きょ)もなく、

(かん)(じょう)()()たせる。



わたしは(かれ)()(けん)(こう)()しない。



(とう)()(しゃ)(たち)(なら)(えん)(ちゅう)(しん)()つと、

サーブラスは(あたま)()げて(ふる)え、

(うわ)()(づか)いで(あし)(もと)(かお)りを()ぐ。



(みぎ)()(かる)(にぎ)って(はな)(さき)()ければ、

(おう)()して(おお)きなお(なか)()せてくれた。



(かの)(じょ)(かん)()(しゃ)(らい)(てい)()せたかった。


 それを()(がみ)(しる)しても、

 ニースは(だれ)にも()(かい)できないものね。」



「ニース…?」オルデウスが(つぶや)く。



「この(なか)(だれ)か、あの()(もど)って

 (かの)(じょ)()んだのを(かく)(にん)したのかしら?」



「いや…。

 もう(ちか)()りたくはないな。」



(しょう)(しん)(もの)め。」



(おび)えるメテオラをオルデウスが()(とう)する。



「オルデウス(おう)も、

 (ゆう)(かん)()(ぼう)(べつ)ということは、

 ()っているはずよね。」



「むぅ…。」



オルデウスがそれを(しん)()(かい)していれば

1,000(にん)()()(えん)(せい)で、(ぶん)(すい)(がい)()とせと

()(ぶん)息子(むすこ)(めい)じたりはしない。



(ふく)(じゅう)姿()(せい)()せたサーブラスの

(なか)()()めても()きてくれない。



(おお)きなお(なか)のこの(いぬ)は、

イオスのようには(かか)えられない。



イオスが(まえ)(あし)(たた)こうとするので、

(かお)(いき)()きかけて(しか)る。



(らい)(てい)(たお)れたサンスァラ(おう)(じょ)()た。

 その()身体(からだ)()くなっていた。


 (かん)()(しゃ)はなんて()っていたかしら。」



(のぞ)みを(あた)える、とか?


 (かの)(じょ)(のぞ)みってなんだい?」



(はなし)()れとる。」(しっ)(せき)するマルフ。



サンサの(くち)(ぐせ)(だい)(べん)したみたいで、

わたしは(うれ)しくなった。



(よく)がヘッペの()(こう)()めたのね。」



(じっ)(たい)(うしな)う、と()ったな。」



(にく)(たい)…とは(ちが)うのか?」



タルヴォの(こと)()をオルデウスが(かく)(にん)する。



「どうなのかしらね。


 わたし(たち)(てい)()する()(がい)(ねん)が、

 (かん)()(しゃ)とは(ちが)うのかしらね。」



「つまり? …どういうことだい?」



ヘッペが(からか)い、(たず)ねる。



「スァラは()きている、

 ということか?」



()(かく)(にん)できない()(じょう)

 (かの)(じょ)()きているとも()んでいるとも

 (だん)(てい)できない(じょう)(たい)よね。」



「そりゃただの(こと)()(あそ)びじゃないか。」



(こと)()なんてただの(ひょう)(げん)だから(とう)(ぜん)よ。


 それならこれから(きん)(そく)()()って、

 ヘッペを()()れて(けん)(しょう)しましょうか。」



「ふっ、そりゃいい。


 よし、()れて()くか。」



(はな)(わら)って(きょう)()(しめ)したマイダスが、

ヘッペの脹脛(ふくらはぎ)()って(かれ)(ひざまず)かせた。



()ってくれっ。


 (ぼく)ぁはまだ()にたくないっ!」



(こと)()(あそ)びかどうか、(かく)(にん)するだけだ。


 お(まえ)(おれ)(こう)(けん)できることを(かん)(しゃ)しろ。」



「ペタリオ(きょう)には、

 ワシから(じき)(じき)(ちょう)()(おく)ってやろう。」



ヘッペ(あい)()(しん)(らつ)なマイダスと、

(しぶ)(がお)のタルヴォまでもが(どう)調(ちょう)する。



「じょっ(じょう)(だん)じゃないぞ!」



ヘッペリオは()(めん)()いながら、

(てん)(まく)から()()った。



オルデウスは(かれ)姿(すがた)()(こう)(しょう)した。



()()かなくて()いのか?」



マルフがわたしに(たず)ね、(うなが)してきた。



()いのよ。」



わたしは宝飾巾(ヴェール)(おく)で、

(ふる)える(くちびる)()んで(こた)えるしかない。



『かれらは()ることを(おそ)れた。』



()()(しん)(じょう)(やく)()()めて、

ネルタを(きん)(そく)()にした()(せん)()けて(はな)った、

サンスァラ(おう)(じょ)(こと)()(おも)(かえ)した。




 ▶

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