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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第10章 怨讐の環

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第10章 第4節 銀色の冠(第3項)

昨日(きのう)(あつ)(くも)(きり)のように()()り、

(そら)(うす)(あお)(ひろ)がっていた。



(きた)のゼズ(さん)(みゃく)(いただき)に、(ゆき)(しろ)(かん)(そく)できる。



(さく)()ニースと()()った(しょう)()(よう)()してくれた

()()()(ほう)()されていた。



()()()(すこ)湿(しめ)っていたけれど、

わたしは(すわ)って(そら)()たまま

(ふと)(もも)()るイオスを()でて、

(かんが)(ごと)をしていた。



頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)(した)欠伸(あくび)()た。



()がつけばサンスァラ(おう)(じょ)が、

わたしの(となり)(すわ)って(しつ)(もん)をする。



「ここに(なん)(にん)いると(おも)う?」



(おう)(じょ)(にび)(いろ)(かみ)()(ひかり)()たると、

シルクの(おり)(もの)のような(ぎん)(かがや)きを(はな)つ。



その(まぶ)しさにわたしは()(ほそ)め、

頭巾(フード)()(ぶか)(かぶ)った。



()(えい)(やく)のハーフガンも(ちか)くにやってきた。



「ネルタの(しん)(こう)()(おな)じくらいかな。


 ()(とき)()()()で800か、

 (おお)くて1,000(にん)くらい?


 でも()(きゅう)(こう)(へい)()(たい)姿(すがた)()いよね。」



(かの)(じょ)に2(しん)(ほう)(ひだり)()(ひろ)げて()せた。



()(へい)(はん)は8(にん)(ひと)つの(たん)()



()(へい)(はん)(ふた)(あつ)めた(ぶん)(たい)は16(にん)



(ぶん)(たい)(ばい)(しょう)(たい)(ばい)(ちゅう)(たい)。その(ばい)(だい)(たい)



(しょう)()(だん)(だい)()()で、(だい)(たい)(ひと)(ぶん)もあった。



(しょく)()(よう)()する(かの)(じょ)(たち)は、

(ぐん)(うん)(えい)(じゅう)(よう)(やく)(わり)(にな)っている。



(せん)(とう)(くわ)わらない(しょく)(にん)

()(ども)(だん)()(しょう)()(だん)(ふく)まれて、

(どう)()()()れや()(あら)(じょ)(あな)()りを(おこな)う。



(へい)()()(ぞく)もこの(しょう)()(だん)(ふく)まれ、

()(どう)する(きょう)(どう)(たい)という()(かた)がある。



この(だい)(たい)(かたまり)をおよそ8()(かく)(にん)できた。



「この(にん)(ずう)(ぶん)(すい)(がい)()めるにしても、

 (あい)()(ひく)()()もってるわ。


 オルドラスは(へい)(りょく)()りないのを知って、

 こんな()(しょ)(ちゅう)(りゅう)して()(たい)(かく)した。


 ()(さつ)にしては()(じょう)だけれど、

 ()(かく)にもならない(かず)(おび)える

 (ぶん)(すい)(がい)にも(もん)(だい)があるわね。」



(しょう)()(だん)(ふく)めても

(わず)か1,000(にん)()()のカヴァの(ぐん)は、

(ひる)(ちか)くになって(ぜん)(いん)(いっ)()(しょ)(あつ)められた。



(ぶん)(すい)(がい)という(よう)(さい)()()()めようにも、

(せん)(とう)(すい)(こう)するにはカヴァの(ちから)()りない。



これだけでカヴァという(くに)が、

(なが)(ねん)(せん)(そう)()(へい)したことがわかる。



(てん)(まく)(かず)が10もあれば、1,000(にん)()()ね。


 あなたもしかして(すべ)て、(かぞ)えてたの?」



「…(へい)(がく)(ほん)()んだから

 (かぞ)えてみたくもなるよ。」



(かの)(じょ)()(てき)する(とお)り、

(ぶん)(せき)(ひつ)(よう)はなく()(めい)だった。



「こんな()()では(けん)()にもならないわ。


 (せん)()だけで()てたら()(ろう)しないわね。」



「ネルタを()とせたからって、

 (きょう)(こう)()というひと(たち)(よく)

 ()(こう)()めてしまったのね。」



()(きょう)(うしな)ったわたしの(けい)(はく)()(かた)に、

サンスァラ(おう)(じょ)()(ぎゃく)(よろこ)ぶこともなく

(あわ)れみの(ひょう)(じょう)(のぞ)かせる。



(せん)(じょう)(そと)(がわ)()(ろう)(じん)(たち)にとっては、

 ()つことだけが(しょう)()ではないわ。」



カヴァの(げん)(ろう)(いん)(のぞ)むものが、

ドラスの()(あら)たな(おう)(たん)(じょう)

(おう)(じょ)()っていた。



西(さい)(もん)()めるのなら、

 (さい)(てい)でもこの10(ばい)(ひつ)(よう)になるわね。」



サンスァラ(おう)(じょ)(はなし)()きながら、

あまりの(ねむ)()宝飾巾(ヴェール)(した)

また欠伸(あくび)()てしまう。




(へい)()(たち)(せん)(りゃく)(もく)(ひょう)(ぶん)(すい)(がい)()(まえ)にして

ただ(めい)(れい)()つ。



(かれ)らはサンスァラ(おう)(じょ)ほど

(きん)(ちょう)()けたりはしない。



(しゅう)()には(つね)(しょう)(へい)()て、

身体(からだ)()き、(ひげ)()り、(ふく)(そう)(ととの)え、

(きょう)(こう)(みが)いて(あぶら)()る。



()(へい)(せん)(じょう)(とも)になる(うま)にも(えさ)(みず)(あた)え、

(さい)()になるかもしれないブラシを()ける。



(げん)(かん)()という(きび)しい(さむ)さに()える

カヴァ()(ゆう)()(がた)(うま)姿(すがた)もあり、

(へい)()(はな)()()けて(あま)えて(たわむ)れる。



挿絵(By みてみん)



(へい)()(たち)(ぶん)(すい)(がい)からやってきた

(しょう)()姿(すがた)のわたしを(けい)(かい)していた。



わたしは(あさ)から(しょう)()(だん)

(わか)(おんな)(たち)から(しつ)(もん)()めを()けた。



(だん)(ちょう)()ばれる(ねん)(ちょう)(しゃ)(かの)(じょ)らを(しか)りつけ、

(かい)(さん)させたので(いち)(おう)()(りつ)(まも)られている。



(ぐん)(こう)(えい)(たい)()するクロノは、

ずっとムネモスに(まと)わり()いていた。



(かれ)はオルドラスの()

オランドルに()かれて(しっ)(せき)()けると、

ムネモスが(もど)ってきて()(がお)()せた。



オランドルは叔母(おば)()つけると、

(こぶし)(むね)()てて(けい)(れい)をする。



サンスァラ(おう)(じょ)がわたしの(みぎ)()()って、

(かる)()ったせいで(いた)みで()()めた。



(へい)()(たち)(しょう)()(だん)との(きょ)()()き、

(たい)(れつ)(つく)(はじ)める。



「クロノは(あい)()わらずでした。」



(かれ)(いっ)(しょ)()なくていいの?」



ムネモスが(さび)しさを()せて(うなず)く。



「ここは(わたし)()()(しょ)ではありませんもの。」



――ムネモスはもう(しん)(ぱい)いらないわね。



わたしは宝飾巾(ヴェール)をしたままの姿(すがた)

欠伸(あくび)(こら)えた。



()(そそ)()()しが()(いた)く、

頭巾(フード)()(ぶか)(かぶ)った。



「クロノはこれからすぐに(おお)きくなるわよ。


 ()(ひげ)()やして、

 イオスくらい()だらけになるのよ。」



わたしの(ふと)(もも)(うえ)で、

(おう)(じょ)()(まわ)されるイオスが

()(てい)(てき)(みじか)()く。



(そう)(ぞう)できません。」



14(さい)のムネモスは、

『すぐ』と()えるほど(なが)()(かん)

まだ()きてはいない。



(とお)()でクロノを()つめる(かの)(じょ)

わたしは()った。



「ヤゴウみたいに

 お(なか)まで(おお)きくならないから、

 そんな(しん)(ぱい)いらないわよ。」



「あははっ。それ、おかしいっ。」



(てっ)退(たい)ですとっ?」



ムネモスの(わら)(ごえ)(あと)で、

カーゼルが()()(ぜん)(いん)()こえるように

(おお)(ごえ)()(ちょう)して(さけ)ぶ。



(おか)(うえ)(だい)(うえ)

オルドラスとカーゼルが()つ。



(となり)には(しょ)()(かん)姿(すがた)がある。



挿絵(By みてみん)



オルドラスの(ぎん)(かみ)

(みが)かれた(きょう)(こう)(とも)(かがや)いて()え、

(あか)いコートが(とお)()でも(きわ)()つ。



(また)(ひろ)げて()(ぶん)(すい)(がい)()(まえ)にして、

 (へい)()はあの(しょう)()(たぶら)かされたのだ!」



カーゼルの()(けい)(はつ)(げん)にも、

わたし(たち)(ちか)くに()(わか)(へい)()(たち)(わら)った。



オルドラスがカーゼルの脹脛(ふくらはぎ)()り、

(ひざまず)かせると()(ばや)(かれ)(くび)

ナイフを()()けた。



(わら)っていたはずの(へい)()や、

(しょう)()(たち)から()(めい)()がる。



()(じょく)してくれるなよ、(ぐん)()(れい)(かん)


 (かの)(じょ)(ぶん)(すい)(がい)(そう)(とく)、マルフの使()(しゃ)だ。


 その(しょう)()でもわかる(たん)(じゅん)なことを、

 山間(やまあい)田舎(いなか)(もの)(おし)えてやろう。」



()(ばん)ですね。」



「あのくらいやってくれた(ほう)がいいわよ。


 ()(きょく)なのだもの。」



()(きょく)…?」



(さく)(ばん)はあれから(べつ)(てん)(まく)(おく)られて

ずっと()ていたムネモスが(くび)(ひね)る。



(あさ)まで()()わされたわたしは()()(そく)

また欠伸(あくび)(こら)えた。



「おれ(たち)(もく)(てき)はなんだ!


 (ぶん)(すい)(がい)での(りゃく)(だつ)か! (しん)(りゃく)か!


 ()(れい)(あつ)めと(しょう)()(ゆう)(かい)か!


 それともネルタがやった(ぎゃく)(さつ)か!」



(まえ)()(ろう)(へい)(たち)は、(けっ)して(しゅ)(こう)しない。



そんな(ねん)(ちょう)(しゃ)(たち)()(なか)に、

(わか)(へい)()(たち)(どう)(よう)する。



(かれ)らの(なか)(りっ)(しん)(しゅっ)()(もく)(てき)に、

(さと)(はな)れた(もの)(ふく)まれる。



()(かい)(ろう)(じん)(ども)(のぞ)みは、

 あの(ふく)らんだ(はら)()やすことだ。


 ()(かせ)ぎのおれ(たち)には

 (らん)(そう)のスープを()ませ、

 (くち)()らしというわけだ。」



(いち)()(わら)いが()きた。



(のど)にナイフの()()()んだ(じょう)(たい)で、

カーゼルが()(ぶん)(いのち)()(せい)にしてでも

(しゅ)(じん)(さま)(うった)えなければならない。



「このまま(けっ)()(のこ)さず

 (さと)(かえ)ったりしたらよぉ、

 おれらぁ()(しゃ)だぁ

 (おく)(びょう)(もの)だと(わら)われちまわぁ。」



カーゼルは()真似(まね)をしてみせる。

(わか)(へい)()(たち)(だい)(べん)(しゃ)として――。



()るに()えないカーゼルの(えん)()に、

サンスァラ(おう)(じょ)()(しょう)()かべる。



(やく)(しゃ)には()()きだね、(かれ)。」



わたしの(こと)()(おう)(じょ)(うなず)く。



(ぎん)(いろ)(とう)(しん)(けん)()したナイフは、

(ひかり)()けてよく(はん)(しゃ)している。



(やいば)(つぶ)してあるので

(かれ)(くび)()るには(いた)らない。



(わら)いたい(もの)には(わら)わせてやればいい。


 ()()(おう)()(つく)った(もの)(たち)よ。


 ネルタの(まつ)()()たものは(くち)()ざせ!


 ()ける(ため)(たたか)うのか!

 (たから)()(ばな)し、()えて()ぬか!


 ()ずべきことは()(かろ)んじることだっ。」



オルドラスはナイフを(おさ)め、

(きょう)(こう)(すき)()から(まる)めた(かみ)()()した。



姿()(せい)から(どう)()(ひと)(ひと)つ、

(ゆび)(さき)まで()(しき)された(かれ)(うご)きは

(へい)()(たち)(ぜん)(いん)()(もく)(あつ)める。



オルドラスは()(たい)()(やく)(しゃ)(そん)(しょく)がなく

()(はな)せない。



「すでに(ぶん)(すい)(がい)とは(きょう)(てい)()わした。


 お(まえ)(たち)はよく(はたら)いてくれた。」



オルドラスは(よう)()()(きょう)(てい)(しょ)(ひろ)げ、

(とお)(へい)()(たち)()(かい)させる(ため)

(となり)(しょ)()(かん)(わた)した。



(おう)(じょ)()(きょく)であることを()らない(しょ)()(かん)は、

(きょう)(てい)(しょ)(そん)(ざい)(はじ)めて()にする。



「かっ、(かね)()(れい)(こうべ)()れるなど、

 (しん)()(もと)(こう)()ですぞ!」



(しょ)()(かん)(うら)(がえ)した(こえ)(あら)げる。



(うす)(じろ)(かお)真赤(まっか)にして(ふる)え、

オルドラスに(まさ)るとも(おと)らぬ

(きび)しい(ひょう)(じょう)()せる。



()(たい)()たされた(しょ)()(かん)

この()(きょく)(やく)(しゃ)ではなかった。



「わたしに(そう)(だん)()く、

 (てっ)退(たい)などと(かっ)()なことを!


 (げん)(ろう)(いん)()(ちょう)(きょ)()しませんぞ!」



(おう)()()(もん)()(かん)()ぎない(げん)(ろう)(いん)が、

 (へい)(たち)(きず)(なお)し、(いのち)(たす)け、

 (ふゆ)(さむ)さと()えから()(ぞく)(すく)えるのか?


 お(まえ)(たち)(つか)える(おう)は、

 (せき)(にん)()(もの)(たち)(せん)(たく)(ゆだ)ねる、

 (まよ)える()(ひつじ)だったか?


 おれが(ひざまず)いて(あたま)()げただけで、

 (はら)()たせるというのなら(やす)(とり)(ひき)だ。」



()いた(けん)()(ばや)(はず)すと、

(だい)()()てて(かわ)いた(おと)(ひび)かせる。



(げん)(ろう)(いん)(きょう)(こう)()から(つか)わされた(しょ)()(かん)は、

(えん)(せい)(てっ)退(たい)(かなら)(はん)(たい)するとわかっていた。



それを()()してサンスァラ(おう)(じょ)

あの(きょう)(てい)(しょ)(よう)()した。



「しかし…(てっ)退(たい)では(しめ)しがつきませんぜ。」



(さき)(ほど)まで(やいば)(つぶ)したナイフを(くび)()てられ、

(ふる)えて()せたカーゼルが

(こん)()(へい)(ぜん)()った。



()えない(やく)(しゃ)

 ()(きょく)()くべきではないわね。」



サンスァラ(おう)(じょ)もカーゼルの(えん)()

()(まん)(くち)せずにはいられなかった。



「わたしに()かせたんでしょ。」



わたしも(かの)(じょ)()(まん)(こう)()する。



「これを(たん)なる(てっ)退(たい)(おも)うな。


 (へい)(たち)(さと)(かえ)らせ、秩序化(オーダー)(おこな)う!」



秩序化(オーダー)…?」



(へい)()(たち)(こん)(わく)して(かお)()()わせ、

(こと)()()()(かく)(にん)()う。



カヴァの(ぐん)には

(せん)(とう)(おこな)うだけの()(ゆう)がない。



()(へい)(かず)(しょう)(たい)(ひと)(ぶん)にも()たない。



これだけの(へい)(あつ)めても

(かく)れて(たい)()する()(がい)(すべ)がなかった。



――()(きゅう)(こう)(へい)()(たい)()ければ、

  (せん)(せん)()()することも

  (もん)(やぶ)ることもできない。



――(らん)(そう)のスープで(くち)()らし、ね。



この(へい)(りょく)(しょう)(めん)から(しょう)(とつ)すれば

(ぼう)(へき)(つぶ)されてしまうのは、

(へい)(がく)()んだだけのわたしでも(そう)(ぞう)がつく。



()(いくさ)(へい)(いのち)(あず)かり

(ぐん)(ひき)いるオルドラスの(ほん)()ではない。



(かぎ)られた()(ふだ)しかないオルドラスと(ぐん)

(かぎ)られた(せん)(たく)(せま)られていた。



――()ける(ため)(たたか)うか、()えて()ぬか。



(たん)なる(てっ)退(たい)(おも)うな。』



――(たたか)わずに(かえ)(ほう)(ほう)…。



オルドラスの(はな)った秩序化(オーダー)は、

(しい)()(ふだ)(あそ)びのルールの(ひと)つから(いん)(よう)した。



(きょう)(こう)(ふだ)(てん)(たい)(うん)(こう)(げん)(そく)から(いつ)(だつ)し、

(あさ)(ひる)(ゆう)(よる)(ほし)(ふだ)(じゅん)(かん)(けい)なく

()(じょう)(なら)べられる(ふだ)



(きょう)(こう)(ふだ)()されると(すう)()(ひょう)()(ぎゃく)(てん)し、

()(じょう)(ちい)さな(すう)()の2(けた)()()わせが

(ゆう)()()わる。



()(ふだ)(おお)きな(あたい)(すう)()(ふだ)しか

(ゆう)しないカヴァの(ぐん)にとって、

(げん)(じょう)()()(じょう)(きょう)でしかない。



(しい)()(ふだ)(あそ)びを(おぼ)えたてのムネモスは、

こんな(じょう)(きょう)(まね)いて()けてしまう。



この(きょう)(こう)(じょう)(たい)から(しょう)(じゅん)(もど)

(おお)きな(あたい)(ゆう)()(じょう)(きょう)にすることを

秩序化(オーダー)()ぶ。



――(きょう)(てい)(しょ)という(ゆう)(こう)()(ふだ)()

  サンスァラ(おう)(じょ)にしかできなかった。



わたしはサンスァラ(おう)(じょ)()る。



(えん)(せい)(さん)()した(もの)(たち)には、

 ()(こく)した(のち)(ほう)(ほう)(きん)(あた)える。」



オルドラスは(しょ)()(かん)(かお)()(こう)(かく)()げ、

(かれ)()(ごと)(せき)(にん)()()けた。



――(ぐん)(てっ)退(たい)

  秩序化(オーダー)()()えている。



――(ふくろ)()えただけで(なか)()(おな)じ。



(むね)()って(さと)(かえ)れ!

 (いのち)あることを(よろこ)べ!


 おれがお(まえ)(たち)(みちび)いてやる!


 (あら)たな()(だい)(おう)(みと)めるならば、

 おれについてこい。」



オルドラスがコートを(なび)かせ(けん)(かか)げた。



それは(げき)(じょう)()

()()(おう)()(つく)ったカヴァ(おう)

ソーマの姿(すがた)だった。



(へい)()(たち)()いた2(ほん)(けん)(りょう)()(かか)げ、

(あら)たな()(だい)(おう)(たん)(じょう)(しょう)(よう)した。



――(おう)()(みずか)()(きょく)(えん)じて

  (けん)(えつ)(ほう)()()からないのかしら。



(こん)(かい)はカヴァとの(きょう)(てい)()わす、

 (だい)()なお()(ごと)でしたのね。」



オルドラスの(えん)(ぜつ)()(じゅう)()て、

ムネモスはサンスァラ(おう)(じょ)(かん)(しん)する。



「そんなもの(さい)(しょ)からなかったわよ。」



「えっ? でしたら、

 あの(きょう)(てい)(しょ)は…?」



「お(ひめ)(さま)()(ぞう)したの。」



わたしに()(きょく)()かせた(となり)で、

(おう)(じょ)は2(まい)(きょう)(てい)(しょ)(せい)(こう)()(ぞう)した。



(ひと)()きが(わる)いわね。


 これからマルフに()って

 これを(ほん)(もの)にする()(ごと)

 (のこ)っているのよ。」



サンスァラ(おう)(じょ)()(わん)()(くび)(ひら)くと、

(なか)からもう(ひと)つの(きょう)(てい)(しょ)()()した。



()(わん)(ちゅう)(くう)(しゅう)(のう)()(のう)になっていたのを

(はじ)めて()る。



(ほう)(ほう)(きん)(はなし)もしてたよね?


 (ざい)(げん)はどこから?」



「カヴァの(こっ)()から()せばいいのよ。


 ヒュルゲンの()(さん)(ちょう)(はつ)したのだから、

 そのくらいの()(ゆう)はあるはずよ。


 でなければ(げん)(ろう)(いん)

 (みん)(しゅう)(たお)されるわね。」



(ぶっ)(そう)ね…。」



(おう)()(かの)(じょ)()(かい)(わら)っている。



「でしたら(にせ)(きょう)(てい)(しょ)なんて、

 すぐに()(けん)しませんか?」



「そんなこと(かま)わないわよ。


 かれらの(かお)()てご覧なさい。」



()(まん)(こん)(わく)(しめ)(もの)もいた。



(さと)(かえ)れることを(よろこ)(ちゅう)(ねん)(へい)()

オルドラスを『(あら)たな(おう)』と(たた)える

(ろう)(へい)姿(すがた)もある。



(しょう)()(だん)(おんな)(たち)()()い、

(よろこ)びの(かん)(じょう)(ぜん)(しん)()かち()う。



(こう)(じつ)(あた)えるのがわたしの()(ごと)よ。」



サンスァラ(おう)(じょ)はこの()(きょく)

わたしに()かせた。



(あと)はマルフと(ぎん)(こう)()

 やってくれるわよ。」



「サンサお(ねえ)(さま)(しん)(よう)されてるんですね。」



()ったムネモスに(たい)し、

サンスァラ(おう)(じょ)がわたしを()()する。



「あっ。お(ねえ)(さま)はニクスでしたね。」



ムネモスは()(まえ)(こん)(らん)している。



(しん)(よう)ってお(かね)(かい)(けつ)するんだそうよ。」



わたしがムネモスに()げると、

サンスァラ(おう)(じょ)(うなず)いた。



――それが(かの)(じょ)にあって、

  わたしに()りないもの。



――『(やく)(そく)された明日(あした)』…。



ニースと()()った(しょう)()()っていた。



――秩序化(オーダー)なんて()(まえ)()えても、

  お(かね)()ければ、(へい)()(たち)(しょう)()(だん)

  明日(あした)への()(あん)(いだ)いたままで、

  (よろこ)べなかったはずだわ。



(しょう)()(だん)(よう)()した(かえ)りの()(しゃ)(なか)で、

わたしは(ほか)(かい)(けつ)(ほう)(ほう)()(さく)しながら

(ふか)(ねむ)りについていた。



オルドラスとの(かい)(だん)から(なん)(にち)()っても、

サンスァラ(おう)(じょ)(よる)(やかた)

(かえ)ってこなかった。




 ◆ (だい)10(しょう) 『(おん)(しゅう)()』 おわり

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