表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第10章 怨讐の環

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/163

第10章 第3節 燐光の蝶(第2項)

数多(あまた)(かがり)()(ゆう)(やみ)()らす。



(ちゅう)(りゅう)(ちゅう)につき()(さん)ではあるが、

 (だれ)にも(えん)(りょ)などせず()べ、

 (ほのお)()えるその(とき)まで(おど)ってくれ。」



(だい)()ったオルドラスが(かがり)()()らされ、

(へい)()(たち)(しょう)()(だん)()けて(ぎん)(ぱい)(かか)げた。



わたし(たち)のテーブルに(きょう)されたのは、

(しお)()(にく)(こう)(そう)()きや(よう)(にく)(ちょう)()めと、

(たん)(ぱく)()(にく)(はい)った()(さい)(るい)のスープ。



()(さん)()ぶには(にく)(るい)(おお)く、

わたしが()らえられた(とき)()んだ

(らん)(そう)のスープは()されない。



(みぎ)()()()宝飾巾(ヴェール)()()げ、

(にく)(くち)(はこ)ぶと(こう)(りょう)(えん)()(のど)()く。



宝飾巾(ヴェール)()れるだけで()(なか)(いた)む。



イオスは()でただけの()(にく)と、

パンと()(さい)スープを()ぜたものを(もら)って、

(うな)(ごえ)()らして()べていた。



(ぜん)(しん)()(さか)()てて(しゅう)()(けい)(かい)している。



()られたくないほど、おいしいらしい。



サンスァラ(おう)(じょ)がイオスの(しょく)()に、

(こと)(こま)かく(ちゅう)(もん)しただけのことはある。



(とお)くでハーフガンが

こちらの(よう)()()(にら)んでいる。



(かれ)はエルテルの()()という()(ぶん)(かく)し、

わたし(たち)()(えい)という(たち)()(じょう)

(うたげ)(せき)(さん)()できない。



カヴァの(へい)()(たち)(かれ)()(わら)っている。



それでも(ちょう)(はつ)(おう)じないハーフガンに、

(わか)(へい)()(たち)はすぐに()きて()った。



()わって(しょう)()(たち)(かれ)()(かこ)んだ。



(おう)(じょ)もその(よう)()(きょう)()(しめ)(かん)(さつ)した。



ハーフガンは(まど)わされず、

(しょう)()(たち)(あい)()にされない。



(あき)れた(かの)(じょ)(たち)(さき)(わか)(へい)()(たち)(さそ)う。



(から)ひぃ…。」



ムネモスが(りょう)()(くち)にし、

宝飾巾(ヴェール)(かお)(かく)した。



「お(にく)()したポッポや

 お(さけ)(いっ)(しょ)()べるのよ。」



ハーフガンの(かん)(さつ)()きた(おう)(じょ)が、

(さけ)(はい)った(ぎん)(ぱい)(あお)ってみせる。



(あに)との(さい)(かい)()たして(おう)(じょ)(じょう)()(げん)だった。



「またムネモスに(さけ)(すす)めないでよ。」



「またって、わたしは()ませてないわよ。」



「どうしてカヴァのお(りょう)()って

 こんなに(しお)(から)いんでしょうかぁ。」



(した)()して、(のど)(ひら)いて(うった)える。



クロノとの(ひさ)(びさ)(さい)(かい)

()(あか)くして()いていたムネモスの、

(ひょう)(じょう)()調(ちょう)()(だん)(かの)(じょ)(もど)っている。



(つよ)いお(さけ)()んで、(おど)って、(たたか)って、

 ()(ため)()きるのよ。」



()のように()(おう)(じょ)(せつ)(めい)に、

ムネモスが(かお)でわたしに()()(たず)ねる。



(しお)()かせて(しょく)(りょう)()(ぞん)しているのと、

 (こう)(ぐん)(あせ)(なが)させる(もく)(てき)があるの。」



カヴァは(やま)(かこ)われた(こう)()(さむ)(ため)

かれらは(たい)(しつ)(てき)(あせ)()きにくい。



ひとの身体(からだ)(うん)(どう)すると(ねつ)(はっ)し、

(えん)(ぶん)(とも)(みず)(たい)(ひょう)()()される。



(あせ)(たい)(ひょう)(みず)(じょう)(はつ)()()()(ねつ)で、

(たい)(おん)()げる()(のう)がある。



(やかた)でも()(とう)(しお)()(じゅう)(みず)(つく)り、

(すい)(ぶん)()(きゅう)をして(てき)()(はっ)(かん)(うなが)している。



(さむ)()(いき)(たい)(おん)(たも)てる(なん)()(にん)(げん)は、

(なつ)()(あつ)さに(よわ)いと(ほん)では(けつ)(ろん)()けていた。



(こう)(しん)(りょう)(おお)いのは(この)みの(もん)(だい)ね。」



(しお)(から)いお(にく)でも()したポッポに()せ、

スープを(くち)(ふく)めば(やわ)らぎ、

山羊(やぎ)のお(ちち)(さけ)がなくても()べられる。



「お(にく)はスープに(ひた)してから

 ()べてもいいわよ。」



(あさ)ましく(おも)われないの?」



(おう)(じょ)()(かた)をわたしは(あさ)む。



「カヴァがこのスープに(しお)(ひか)えるのは、

 こうした()(かた)(すい)(しょう)してるのよ。


 ()()(りょう)()しか(つく)らない()(ぞく)が、

 (うす)()ったお(にく)()いて調(ちょう)()させる

 (たい)(りく)()(ぞく)真似(まね)(ごと)をしたからよ。


 (あと)でお()()して(あじ)(うす)めたり、

 パンに()わせて()べることも

 できるでしょ?


 わたしは(むかし)からやってたわよ。」



「お(ひめ)(さま)なんだもの、

 ()(みょう)()(かた)をしても

 (だれ)(しか)れないのよ。」



「そんなはず、ないわよ…?」



(かの)(じょ)()(てい)したのに、

(こころ)()たりがあったのか(さい)()には(くび)(ひね)る。



「それにしてもまだ(しん)じられません。


 まさかお(ねえ)(さま)がカヴァのお(ひめ)(さま)なんて。


 ですよね?」



エルテル(りょう)のお(じょう)(さま)(どう)()(もと)め、

わたしはスープを()んで(かた)いパンを(なが)す。



(はら)(ちが)いの(あに)(とつ)(ぜん)()しかけて、

 (しん)じてくれなかったら

 どうするつもりだったの?」



「わたしが()っているドラスの

 ()ずかしい()()(しょ)(ぎょう)

 ()(ろう)していたわね。」



()かせてください。」



(ほん)(にん)()ない()(しょ)で、

 (ほん)(にん)(きょ)()なく()うのは()くないわ。」



わたしがムネモスを()いても、

サンスァラ(おう)(じょ)(ほう)(げん)する。



「あなた(たち)()える(はなし)なら、

 わたしに(おし)えたそばから(しい)()()けて、

 (いち)()()てなかったとかね。」



「もしそれを()ってたら、

 あのひとの(そん)(げん)(きず)つけて

 (おこ)らせるだけよ。」



ムネモスがお(にく)をスープに(ひた)して(うなず)く。



カヴァ(ぐん)(へい)()(たち)(しょう)()(だん)(むすめ)(たち)さわぎ、

(おど)り、(うた)って、(たお)れている。



サンスァラ(おう)(じょ)(こと)()(どお)り、

かれらは()びるように(さけ)()む。



(ふゆ)()(はじ)めたのに(ぐん)()(れい)(かん)のカーゼルは、

(はだ)()姿(すがた)になって(ぎん)()(ぶか)(むね)(かがや)かせ、

(だい)(うえ)()()(たち)()()する。



挿絵(By みてみん)



()(ひん)…。」



()(ひん)ですよね、あのひと(たち)。」



オルドラスの息子(むすこ)

オランドルが(しょう)()(だん)(とし)(かさ)(おんな)

(こし)(かさ)ねて(おど)っている。



(かの)(じょ)(たち)(ぐん)(にん)(げん)(とも)に、

 明日(あした)にでも()ぬかもしれないもの。


 どこかで(きん)(ちょう)()(あん)()(ぶん)

 (はっ)(さん)させないといけないわ。


 (かん)(ぱい)()わすエルテルと(おな)じくらい、

 かれらは()(かん)(てき)なのかしらね。」



(おな)じには()えませんよ。」



エルテル(りょう)とカヴァの()(かよ)った()()(かん)も、

ムネモスからすれば(ちが)って()える。



(えき)(びょう)(りゃく)(だつ)(ちん)(あつ)()(ろう)したエルテル(りょう)と、

(せん)(そう)()()れたカヴァと(くら)べるのも

()()があったのかもしれない。



(しょう)()(だん)(しょう)(かん)()たない(しょう)()

 というだけではなくて、

 (ぐん)にとっては(じゅう)(よう)(やく)(わり)(にな)うのよ。


 (ぐん)(ずい)(はん)して(しょく)()(せん)(たく)

 ()(しょう)(しゃ)()()()(がい)にも、

 ()(かく)()(りょ)()(りょう)

 (へい)(たん)()(そう)もするわね。」



いまの(かの)(じょ)(たち)(さむ)(ぞら)(した)

()(しゅつ)させた(はだ)(あせ)(かがや)かせて、

(あで)やかな(ふく)(はげ)しく(こし)()る。



(ひたい)()()いた(かみ)()こうで

(こん)()(はだ)(かさ)ねる(あい)()(さが)し、

(へい)()(たち)()(りょう)する。



()()(たず)ねてはいませんっ!」



(おこ)ってみせるムネモスに、

サンスァラ(おう)(じょ)(わら)っている。



オランドルが(しょう)()(あい)()(くち)(もと)(ゆる)めて(おど)る。



ムネモスは(ふた)()のクロノが、

(おな)じように(おど)姿(すがた)(そう)(ぞう)して、

(かっ)()(おこ)っていた。



ムネモスに(しん)(ぱい)されるクロノは、

(へい)()(たち)()(べん)した(きょう)(こう)

(さい)()()(まん)()に参加している。



オランドルとは(べつ)

()(たの)しみ(かた)をしていた。



「んーでもね、ムネモス。


 こちらのお(ひめ)(さま)

 ()たように(おど)りが上手(じょうず)なのよ。」



「なによ、その()(かた)


 (しょう)()(むすめ)だもの、

 (はは)(おそ)わっていまも(おど)れるのよ。」



()(とう)(しつ)()せたサンサの(おど)りは

(しょう)()(だん)(おど)(かた)(ちか)い。



「ムネモス。

 メノーに(きた)えられたと(おも)うから、

 わたしと(いっ)(しょ)(おど)りましょうか。」



(わたし)が、ですか?

 ニクス…。」



「わたしは(つか)れて、今日(きょう)はもう()()よ。」



宝飾巾(ヴェール)(した)欠伸(あくび)()た。



ムネモスはサンスァラ(おう)(じょ)()()られて、

メノーが(あい)()(とき)(おな)じように

()(まわ)される。



ムネモスは(おど)りの()(よう)()せたけれど、

(しゅう)()(おど)(しょう)()(だん)(えい)(きょう)もあって、

(しゅう)()(しん)(かの)(じょ)(うご)きを(にぶ)らせた。



それでもムネモスは(かお)()げて、

クロノやサンスァラ(おう)(じょ)()ては、

(わら)(ごえ)()して(おど)っていた。




 ▶

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ