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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第10章 怨讐の環

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第10章 第3節 燐光の蝶(第1項)

カヴァの(てん)(まく)(はこ)()まれる(いた)(かたまり)



(ふた)つに()られた(いた)(ひら)かれ、

()げられた4つの(ぼう)()びる。



(ちょう)(つがい)()()がる()(しょ)には、

(てつ)(ぼう)()して(かたち)()(てい)していく。



(いた)(かたまり)はテーブルへと(へん)(けい)した。



わたしが(すわ)()()(おな)じく、

()(かさ)ねた(いた)から()()てられる。



(よる)(やかた)()(かげ)(にわ)

(てん)(がい)()()ける(さい)使(つか)(きゃ)(たつ)も、

(おな)じように()(かさ)ねることができる。



カヴァの(せい)(ぞう)()(じゅつ)は、

()(のう)()()ちて()()()るものがある。



テーブルを(はさ)み、

オルドラスの()かいに異母妹(いもうと)のサンサ、

サンスァラ(おう)(じょ)(すわ)る。



(おう)(じょ)(となり)にはムネモスを、

わたしは(はな)れて(はし)(すわ)った。



オルドラスの(がわ)には、

(ぐん)()(れい)(かん)のカーゼルと(しょ)()(かん)(なら)ぶ。



イオスはわたしの(ふと)(もも)(うえ)(すわ)ると、

テーブルに(まえ)(あし)()せて()()がり、

(しょく)()()(かま)えを()る。



(ざん)(ねん)ながら(しょく)()(てい)(きょう)されない。



そんなイオスの(じょう)(わん)(こつ)(すく)()げ、

(まえ)(あし)をわたしの(ふと)(もも)()ろすと

(もん)()()(ごえ)()()た。



(しょ)()(かん)()(げん)(かお)(じょう)()させて、

(たい)(めん)したわたしとイオスを(こう)()()る。



宝飾巾(ヴェール)をした(しょう)()(かっ)(こう)のわたしと、

(ねこ)()(まえ)(すわ)っているのだから、

(しょ)()(かん)()(まん)(とう)(ぜん)(けん)()だった。



「さて、スァラ。


 お(まえ)はいままでなにをしていた?」



(しょう)(かん)(しょう)()真似(まね)(ごと)をしていたわ。

 (はは)()たのかしらね。


 わたしの()(やかた)では(しょう)()とは()ばずに

 ドレイプと()ぶのよ。


 おかげで(そう)(とく)とも(なか)()くなれたわよ。」



(ぶん)(すい)(がい)(あやつ)(おんな)が、

 まさかスァラとは。」



「あら、わたしに()()はないわよ。」



二人(ふたり)(そろ)って(わら)う。



「スァラ、それはお(まえ)()か?」



(やかた)(はたら)くドレイプの、

 手伝(てつだ)(やく)()をフランジと()ぶのよ。


 『布の皺(ドレイプ)』と『飾り紐(フランジ)』は、

 (ひかり)(さえぎ)るカーテンの()()わせね。


 ドラスは()(ども)がお(のぞ)みかしら?」



(からか)ってくれるな。


 おれにも()()る。」



()ってるわ。」



――サラシュって()(まえ)だったかしら。



「ムネモス。


 頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)(はず)して

 (かお)()せてあげなさい。


 (しょう)(かい)(おく)れたわね。


 この()はエルテル(せん)(だい)(りょう)(しゅ)

 エリクの(むすめ)のムネモスよ。


 (やかた)(あず)かってるのよ。」



「おいっ! それを(さき)()えば、

 お(まえ)(けん)(さき)()けずに()んだぞ。」



(ほん)(とう)かしら。ね?」



サンスァラ(おう)(じょ)()(しょう)する。



(おう)(じょ)(こと)()にカーゼルが(うなず)きかけ、

(くび)(よこ)()った。



「オランドル(たち)()んでこい。」



「なにをしている!


 さっさと()けっ!」



(ふと)(こえ)のカーゼルが()()ると、

(ちか)くに()ってイオスを()ていた(わか)(しょう)(へい)が、

(はし)って(てん)(まく)()ていく。



カーゼルの(しょう)(めん)(すわ)っていたムネモスが、

(きゅう)(おお)(ごえ)(おび)えて()(しゅく)する。



「スァラに(ゆかり)のある(むすめ)ならば、

 おれにとっては姪子(めい)(どう)(ぜん)だ。」



(どう)(ぜん)ではないわね。」と(おう)(じょ)()う。



(わる)(あつか)いはせんよ。」



オルドラスは()()せて

()()()()みを()かべたけれど、

ムネモスを(おび)えさせるだけだった。



そんな(かの)(じょ)(はん)(のう)でも、

オルドラスは()(げん)(そこ)ねたり

(いか)りはせずに(かん)(よう)さを()せる。



「おれの(むすめ)(ちか)(とし)(ころ)だが

 ()(たい)()()るぞ。」



「ここは(ぐん)()(かい)()()みたいだもの。


 (おんな)のわたしでも()(しゅく)するわね。」



「ふはっ。

 ()(かい)(ろう)(じん)(ども)(あい)()()(けん)するお(まえ)が、

 (もの)()じしたことがあっただろうか。」



オルドラスは(こう)(しょう)して、

その姿(すがた)(しゅう)()(おどろ)かせる。



(けい)()はあるわよ。」



「お(まえ)にも()わせたかったが、

 (むすめ)とは(こん)(かい)(えん)(せい)(おお)(げん)()してな。


 お(まえ)()てしまった。」



「サラシュはあなたに()たのよ。」



――あのヘッペの(あい)()をした()ね。



ペタの()(だい)(りょう)(しゅ)(かた)

(ほう)(とう)息子(むすこ)のヘッペリオが、

カヴァを(おとず)れた(さい)()(ざつ)(あつか)いをした

(おう)(じょ)()がサラシュ。



カヴァの(おう)()にしては

(むすめ)()(まえ)()(げん)(こう)()さはなく、

(ひび)きの()(じょ)(せい)(めい)だった。



(ちち)(うえ)。」



(てん)(まく)()(ぐち)に、()(はつ)そうな(わか)(おとこ)()つ。



挿絵(By みてみん)



「ああ、(はい)れ。」



「クロノッ!」



(だま)っていたムネモスが(まっ)(さき)(こえ)(はな)った。



(ぎん)(ぱつ)(おとこ)(となり)()(くろ)(かみ)(しょう)(ねん)は、

ムネモスの(ふた)()(おとうと)、クロノだった。



挿絵(By みてみん)



(かれ)()びついてきたムネモスを

()()めて()きしめる。



(いろ)()(はだ)(くろ)()は、

(てん)(まく)(なか)でも(らん)(らん)としている。



(げん)()そうだな。

 (おれ)()なくて(こころ)(ぼそ)くなかったか?」



「クロノこそっ。

 (わたし)()なくて、(さび)しかったでしょう。」



(きゅう)(さい)(かい)(つよ)がりを()うムネモスも、

(こと)()とは()(ぎゃく)(よろこ)び、(なみだ)(こぼ)す。



(ちい)さな(えん)(かん)が、(かさ)なり()

(せっ)(てん)(つく)った。



「おいクロノっ! (わきま)えろ。」



オランドルが(とし)(した)(かれ)(しっ)(せき)した。



(せん)(だい)(りょう)(しゅ)エリクの(こう)(きょ)によって、

()(きょう)のエルテル(りょう)()()される(かたち)

カヴァに()れられたクロノは、

(なか)()(りょ)()でもあった。



「オランドル。(いま)()い。


 カーゼル、(せき)()わってそこに(すわ)れ。


 お(まえ)にも(かか)わりのある(ひん)(かく)だぞ。


 クロノ。

 お(まえ)(たち)(そと)()ていろ。


 ()もる(はなし)もあるだろう。


 (きゃく)(よう)(てん)(まく)(よう)()させている。


 (あと)()ぶ。

 (かっ)()はするなよ。」



オルドラスはクロノに(あさ)む。



オランドルの(めい)(れい)によって、

(はし)(すわ)っていた(しょ)()(かん)(せき)()()され、

わたしの(まえ)にはカーゼルが(すわ)った。



カーゼル(あい)()()(かく)するイオスを、

()でて()()かせる。



カーゼルも(ねこ)(あい)()(はら)()て、

()(ぐき)()()しにして()(かく)(かえ)す。



(かれ)(こう)(しゅう)にわたしは(かお)(しか)めた。



オランドルは、サンスァラ(おう)(じょ)(まえ)にして

(きん)(ちょう)しているのか、わたしを()てくる。



「おれの息子(むすこ)のオランドル。


 こっちはおれの異母妹(いもうと)のサンスァラだ。」



(ほん)(とう)にサンスァラ叔母(おば)ですか? あの?」



オランドルは()()(ひら)いて

(おや)(かお)(うかが)う。



(はっ)(きん)(ぞう)より(わか)く、(うつく)しく()えます。」



(おんな)(たら)しの(じょう)(とう)()ね。


 ()()(もん)()は、

 ドラスに(おそ)わったのかしら。」



「おれまで(わる)()うな。


 こいつが(しょう)()(だん)()()んでるせいだ。」



「ほら、(かお)といいドラスに()てるのよ。」



(おう)(じょ)(はな)(わら)う。



「どういう()()だ。」



「お二人(ふたり)(とも)(からか)わないでください。


 それより(ちち)(うえ)

 お(しょく)()はいかがなされますか?」



今日(きょう)(いわ)わずにいられるか。


 (うたげ)(ひら)くぞ。


 お(まえ)(たち)(しょう)()(だん)(さそ)ってやれ。」



その(こと)()()くと、

オランドルは(こわ)()った(ひょう)(じょう)(やわ)らかくする。



(てん)(まく)()たばかりのオランドルは(せき)()ち、

(かい)(しょく)()(はい)(てん)(まく)()った。



「なんと(ゆう)(ちょう)なっ…。」



息子(むすこ)のオランドルの()わりに(しょ)()(かん)が。

(せき)(もど)ってすぐに()(げん)(てい)する。



今日(きょう)ばかりは(かま)わんさ。


 300(ねん)(むかし)()(せん)(つく)った(まち)だ。


 ネルタ(せい)(ばつ)(まも)るばかりの(ぶん)(すい)(がい)は、

 こちらが()めずとも()げたりはせん。」



オルドラスが(さかづき)(そこ)(かる)くテーブルを(たた)く。



300(ねん)(まえ)(ぶん)(すい)(がい)()(すい)(こう)()から、

カヴァの()(ぞく)()(まえ)(とう)(じょう)した。



()(そう)(しょう)(とつ)(たい)(りく)(なん)(ぽう)のクレワを()った

カヴァの()(ぞく)は、メーニェの(たみ)(ごう)(りゅう)して

ゼズ(とう)(かい)(たく)()ぎょう(おこな)った()(ろく)(そん)(ざい)する。



(たい)(りく)ではいまも(かみ)()(めぐ)り、

(ほっ)(ぽう)のソーンと(なん)(ぽう)のクレワは

(たい)(りつ)(つづ)けている。



西(にし)のカヴァは(けん)(こく)(とう)()から

(おう)(せい)()(しゅ)(どう)していたけれど、

エルテルや(ぶん)(すい)(がい)(せい)()()(ほう)した(けっ)()

(げん)(ろう)(いん)()(かい)(りっ)(ぽう)(けん)(しょう)(あく)されてしまった。



()(かい)()()たのは(せん)(だい)カヴァ(おう)退(たい)()()で、

()(かい)(あやつ)(にん)(ぎょう)になった(おう)(おう)(せい)(たい)し、

()(りょう)からは(かい)(らい)(こっ)()とまで()()されている。



「いまは(いもうと)との(さい)(かい)(いわ)(せき)だ。


 お(まえ)(げん)(ろう)(いん)への(ほう)(こく)(おこた)るなよ。」



「はぁ…。」



(しょ)()(かん)()(いき)のような(へん)()をする。



(かれ)はオルドラスから()()らし、

(すわ)っているわたしを(ぎょう)()した。



「それともお(まえ)はこれを()めて、

 (おう)()(さん)(だつ)でも(たくら)んでいるのでは

 あるまいな。」



「じょっ(じょう)(だん)()ぎますぞっ!」



(しょ)()(かん)(さけ)ぶ。



オルドラスの()()(わる)()(かた)を、

サンスァラ(おう)(じょ)(わら)って()いていた。



この(しょ)()(かん)やカーゼルなどからすれば、

(おう)(じょ)(しょう)する()(もと)(あや)しい(しょう)()になる。



わたしは頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)をしたまま、

(かれ)らの(ひょう)(じょう)をずっと()って()ていた。




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