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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第10章 怨讐の環

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第10章 第1節 鈍色の蓋(第1項)

()(きり)(なか)(みずうみ)(ただよ)(はしけ)



(とお)西(にし)()(がん)(ほん)()えている。



()()()()ていたわたしは(なみ)()られて、

()()せる身体(からだ)(いた)みに()えられずに、

(あし)(ゆび)(うご)かして(もだ)える。



()(えい)のグルグスが()されて、

ウントが(ころ)された。



その(こう)(けい)(なん)()()(かえ)される。



(はしけ)(うえ)には()(さか)(かがり)()(なか)から

()()()()ぶ。



わたしの(となり)には、

(げっ)(こう)()らされたトリンが

ナイフを()って()っている。



(みぎ)(うで)(げき)(つう)()たれる。



(うで)(なか)(ちい)さな(せい)(ぶつ)()(まわ)り、

(しろ)(うじ)()()(やぶ)(にく)()う。



(ねずみ)(あし)(ゆび)()()て、

(ほね)(けず)っていく(おと)(あたま)(ひび)(つづ)けた。



(ぜん)(しん)()()(いた)みと()(かい)(かん)(おそ)われ、

()(ぶつ)(のど)()まり、()()される。



わたしの(たい)(ない)から()てきたものは、

(みち)(ばた)()てられたラミーの(ぬの)(ぶくろ)だった。



(さけ)ぼうとしても(あか)(ぐろ)(ない)(ぞう)が、

わたしの(くち)(なか)から(はが)がれず

()(きゅう)もできない。



(あく)()(ない)(よう)(おどろ)いて()()めた。



ベッドに()せた身体(からだ)()こしてみても、

(へい)(こう)(かん)(かく)(うしな)って()()がれずに、

(ゆか)()ちて(みぎ)(かた)()()けた。



――(うで)が…。



あるはずの(うで)(うしな)って()(せん)(うご)かすと、

トリンが(ゆか)(たお)れたまま()ていた。



『ニクス。

 あんたはこんな(やかた)

 ()るべき(にん)(げん)ではないのよ。』



わたしはトリンを()()ろしたまま、

(くび)(よこ)()る。



トリンは()んでいる。



(げっ)(こう)()らされても、

(かの)(じょ)(くら)(しず)んだ()がわたしを()る。



『この()はニース。』



()ていた(あね)のラミーがわたしを()り、

(みぎ)(うで)(きず)(ぐち)(つよ)(にぎ)って()()(やぶ)ると、

(にく)()けて(なか)から(しろ)(うじ)(うごめ)く。



(いた)みに(さけ)んでみても、(こえ)()ない。



(のど)にまで()められた(ぬの)()(きゅう)ができない。



()にした()()()()こうに

ラミーが()た。



()かいの(おり)に。



(うご)かなくなり、

(やみ)(いろ)(ぶっ)(たい)になった(あね)



(ろう)()(ひび)(あし)(おと)(あた)(つよ)(たた)く。



(いき)(ぐる)しさに()()けると、

(しろ)(ねこ)のイオスが(むね)(うえ)()っていた。



挿絵(By みてみん)



(まえ)(あし)()り、(はな)(いき)(とど)(きょ)()から

(あお)(いろ)()()()ろしている。



わたしの()(せん)()()くと(のど)()らし、

(せま)(ひたい)(あご)(こす)()ける。



「イオス。

 あなたも()(けい)なことをしないでよね。」



()(かい)(そと)でサンサがイオスを()()げると、

これまでの(あく)()(つよ)()(ろう)(おぼ)えて、

わたしはまた(あさ)(ねむ)りに(はい)った。



「あの()のことはこの()(えら)ばせるわ。」



部屋(へや)のどこかで、

サンサが(だれ)かと(はなし)をしている。



――メノー?



「あれは()()みたいなものよね。」



――スーはどうなったの?



()ているのか()きているのか、

()(ぶん)(こえ)さえ(はっ)したのか(はん)(べつ)がつかない。



()(にん)(かんが)えなんて()からないわ。


 ()(がみ)(おく)()(なお)()ではないから。


 どこでも()(わた)せる(たか)

 わたしは()ってはいないもの。」



どこかでイオスが()いている。



(にご)った()(ごえ)(こう)()()()する。



わたしは(ちゅう)(ぼう)

イオスのお(さら)(さが)さなければいけない。



「わたしにできることなんて

 (ふる)(きず)(かん)(かく)(てん)()()てるくらいよ。


 ()(ぶん)()()、お(かね)()(じゅつ)があっても、

 ()(こう)(りょう)(さん)(そう)(おう)()(かん)がなければ

 (かい)(けつ)しないわ。


 (つい)やせる()(かん)(そう)(たい)(てき)なのだから、

 (にん)(げん)一人(ひとり)(だい)()で、

 (おお)くの()(かえ)りを(もと)められても(こま)るわよ。」



――ルービィ…?



(かい)()(あい)()(こえ)()こえない。



(あたま)(なか)(もや)(ただよ)い、

(かい)()(ない)(よう)()()()からず、

(はな)(あい)()(みみ)(さが)した。



ここには(えさ)(ざら)()い。



「ニクス(ねえ)(さま)()(ぶん)はいかがですか?」



「ムネ…モっ。」



ムネモスの(かお)()て、()()がろうとした。



けれど(うで)(いた)みと()()で、

(なか)(きゅう)(げき)()()けられ、

()(なか)(えき)(たい)()いてしまった。



「あらあら。」



「やっと()(しき)(もど)ってきたわね。」



わたしは(おう)()したまま

サンサに()(なか)(さす)られると、

(ない)(よう)(ぶつ)()(えき)(たい)でまた(もう)()(よご)した。



(つぎ)には(みず)(ぶくろ)(なか)()()()まれ、

(のど)だけでなく(はな)(いた)くなる。



「ムネモス。


 (じゅう)(ぎょう)(いん)(だれ)かに()わりの(もう)()と、

 (ひと)(はだ)(てい)()()ましたお()(もら)ってきて。


 (よく)(じょう)(のこ)()ではなくて、

 (こん)()()めるものよ。」



――(こん)()…?



一人(ひとり)(すべ)てをやろうとしてはダメよ。


 (ほか)のひとに(たよ)ることも()(しき)しなさい。」



()かりました。」



二人(ふたり)姿(すがた)もまともに()えないほど、

()(かえ)(おう)()(はん)(しゃ)(みみ)にも(いた)みが(まわ)る。



(かた)(うご)かした()(たん)(みぎ)(うで)(げき)(つう)()たれる。



(みぎ)(うで)には(かわ)()かれて(ひど)(かゆ)い。



(あたま)(どん)(つう)に、(おも)たい(まぶた)



()()れた部屋(へや)のはずが、

(おう)()していると(ゆか)(てん)(じょう)()れ、

()(ぶん)がなにを()ているのか()からなくなる。



ベッドの(なか)()びる(ろう)(そく)の、

(よわ)(ひかり)(まぶ)しくて()()じる。



(あたま)()()ける(どん)(つう)(なが)(つづ)く。



()()かぶ(かん)(かく)と、(ぜん)(しん)(おそ)()(だる)さ。



(ふる)えるほどの(さむ)さと、

()えるような(あつ)さが()(かえ)される。



サンサとムネモスがわたしを()ている。



身体(からだ)(じゅう)(さわ)れられる()(かい)(かん)で、

ネルタの(とう)()らしていた(とき)(ゆめ)()た。



(げっ)(けい)()たからといっても、

 ()(ども)()めるわけではないのよ。」



「お(せい)()(ひつ)(よう)なのですよね?」



部屋(へや)(べん)(きょう)(かい)(ひら)いたサンサに、

ムネモスが()()とは(はず)れたことを(たず)ねる。



()(たい)(じゅう)(ぶん)(えい)(よう)()って

 (にく)(たい)(そだ)てないと、

 (にん)(しん)しても(しゅっ)(さん)(せい)(いく)()()ないのよ。


 (げっ)(けい)は10(さい)()ぎると(むか)えるわね。


 ()(じん)(せい)(ちょう)()があるから、

 (かなら)ず10(さい)()るわけではないわよ。


 (せい)(ねん)が16(さい)()まってるのは、

 ()(ども)()ませられる()()

 (ほう)(さだ)めたに()ぎないわ。


 16(さい)身体(からだ)()むのは(たい)(へん)よ。


 ()(ども)()むのなら(にく)(たい)(せい)(ちょう)しきった、

 18(さい)から20(さい)くらいからが

 ()いと(おも)うわ。」



「そんなに(さき)なのですね。」



「ベリーがあなた(たち)()んだのは

 25(さい)(とき)でしょう?


 おかげでどちらも()(せい)にせず、

 ()(たい)への(えい)(きょう)(すく)なくて()んだわね。」



(しゅう)()(くら)べて

 (おそ)かったと()ってましたね。」



部屋(へや)二人(ふたり)(かい)()(みみ)(かたむ)けて()(ひら)く。



(ひる)()ぎた(ころ)部屋(へや)(あか)るかったのに、

(まぶ)しさに(いた)みを(かん)じなくなっていた。



(じょう)(たい)()こそうとすると、

わたしの()(はん)してお(なか)()った。



今日(きょう)()きてるわね。」



「なにか()(もの)(もら)ってきますね。」



(しょう)()()いものを(たの)むわね。


 ニクスが()きなものだからといって、

 ()(もの)(から)いものを(あた)えてはダメよ。


 また(もど)してしまうから。」



()かりました。」



「ムネ、モス…、サン…。」



()さそうね。」



「…()く、ない…。」



(くち)(おも)うように(うご)かない。



(くちびる)()れているのか(かん)(かく)がなく、

(ひく)(こえ)(めい)(りょう)(しゃべ)ることもできない。



「セリーニの(かい)(けい)は、

 あなたの身体(からだ)には(こう)()(つよ)かったわね。


 (はん)(ぶん)でも()(りょう)かしら。」



(はつ)(ねつ)のせいで(かの)(じょ)(こと)()()(かい)できず、

(おも)たい身体(からだ)(かたむ)けて(となり)のベッドを()た。



ベッドに()まれていた(よう)()()(かた)()けられ、

そこにスーの姿(すがた)はなかった。




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