別荘②
ご覧いただき、ありがとうございます!
今日は正真正銘の水着回ですw
「「「「「おお…………!」」」」」
俺達は思わず感嘆の声を上げる。
や、だって、花崎さんの別荘、シャレにならないくらいデカいんですけど!?
しかも、純和風建築……!
「さあさ、遠慮しないで入ってください」
「「「「「は、はあ……」」」」」
花崎さんと葛西さんを除く俺達五人は、思わず恐縮しながら、中に入っていく二人の後に続いた。
「それで、こちらが男性用の部屋になります」
「「おお…………!」」
葛西さんに案内された俺と大輔兄は、その部屋のスケールに圧倒される。
部屋は二十畳(畳の数を数えた)の広さがあり、障子を挟んでそのまま庭へと直結している。
そしてその庭は、まるで京都の有名なお寺の庭園を彷彿させるかのように手入れがされていた。
それが俺と大輔兄で別々に用意されてるんだから、そりゃそうなる。
「それでは、水着に着替えられたら、海岸まであらためてご案内します」
「「は、はあ……」」
俺達はあいまいな返事しか返すことができず、葛西さんは少し苦笑しながら部屋を出て行った。
「大輔兄……予想以上だったね……」
「お、おお……」
「と、とにかく、水着に着替えて玄関で待ってようか……」
「お、おお……」
大輔兄、「おお……」しか言ってなくない?
◇
玄関に着いてしばらく三人を待っていると、三人は水着の上にラッシュガードを羽織ってやってきた。
ふむ、水着は海に着いてから披露、ということか。
そして、花崎さんの左肩には少し大きめの浮き輪が掛けられている。
うん、浮き輪大事。去年に続いて溺れられたらシャレにならん。
「さて、全員揃ったようですし、海へと向かいましょう」
葛西さんの言葉に全員頷き、車へと乗り込んだ。
そして、海へと着くと。
「ふああ……!」
桜さんが感動して溜息を漏らす。
ハア……そんな桜さんもカワユス。
「へえ……ねえねえ、ここ、人がいないんだけど?」
「ええ、一般の海水浴場は少し離れた場所ですから。ここは別荘所有者専用のビーチなので、いつもそれほど客はいませんよ」
「そうなの? なーんだ、ナンパとかされるかと思ってたんだけど」
おいおい皐月よ、お前、まだ懲りてないのか?
「冗談を。その割には、ホッとした顔してますよ?」
「は、はあ!? そそ、そんなわけないでしょ!」
うん、どうやら単なる皐月の強がりだったみたいだ。紛らわしい。
「そ、それより、早く泳ごうよ!」
桜さんが辛抱できないといった様子で、俺の腕を引っ張る。
「そ、そうだけど、まずは荷物置くスペースを作ったりしないと……」
そう言って、俺達はシートを敷き、パラソルを立ててそこに荷物を置く。
そして、女性陣はラッシュガードを脱ぎ、いよいよ水着のお披露目となった。
まずは桜さん。
うん、もちろん先週選んだワンピースの水着なんだけど、ああ……やっぱり良き。すごく良き。
「り、凛くん……その、あんまりジロジロ見られちゃうと……」
「うお!? ご、ごめん! でも、ありがとうございます!」
「あうう……そ、その、凛くんだからいいんだけど……恥ずかしい……(ゴニョゴニョ)」
はあ……眼福眼福。
そして、次に楓先輩。
うん……先輩、桜さんよりすさまじかった。
黒のビキニから繰り出されるその圧倒的な双丘だけでなく、アンバランスなほど細いウエスト、引き締まったヒップ、どれを取っても次元が違う。
なんだあのスタイル。圧倒的じゃないか。
「そ、その……大輔さん、どうですか……?」
「え!? あ、そ、その……素敵だと思います……」
「は、はわわ……ありがとうございます!」
はい、二人は好きにすればいいと思います。
で、次。皐月。
皐月は流行のピンクのタンキニ水着か。
元々均整の取れたスタイルしているから、水着が映えるな。
そして……うむ、胸は桜さんや先輩には及ばないけど、それなりのモノを持っている。良き哉良き哉。
「こら凛太郎、なにジロジロ見てるの?」
「は? 見てませんが何か?」
「嘘つきなさいよ! アンタ、昔っから嘘ついたときは鼻の穴が少し開くのよ!」
な、なんだと……………はっ!?
「さ、桜さん……」
「むうううう!」
あああああ!? 桜さんが怒っていらっしゃる!?
「い、いや、もちろん桜さんが最高だよ! そりゃもう桜さんに比べたら、皐月なんて、ねえ?」
「はあ?」
イ、イカン!? 今度は皐月まで敵に回してしまった!?
「何ですか、騒がしい……」
そこへ、呆れた表情を浮かべた花崎さんがやってきた。
ええと、花崎さん……。
花崎さんは非常にスレンダーではあるんですが、その……。
い、いや、お胸様に貴賤はありませんので、その筋の方々には大変好評を博すのではないかと……。
そして、その水着のチョイスはなんでしょうか?
学校指定の紺色のワンピース水着ですか……もしかして、本気で狙ってます?
この中に、そちら側の住人がいたら、言葉巧みに連れ去られてしまうのでは……?
「え、ええと、カ、カワイイと思うよ、うん」
「そ、そうね。多分熱狂的な一部の人達からは、喜ばれると思うけど……?」
「? そうですか。そう言っていただければ自信がつきますね」
うん、まあいっか。
「で、葛西さんは水着じゃないんですね」
「ええ、一応は。ですが、中に水着は着ていますので、お嬢様が溺れた際は、いつでもイケます」
「お疲れ様です!」
その後、俺達は思い思いに海を楽しんだ。
……ちなみに、花崎さんは二回溺れそうになりました。
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