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水着①

アナザーストーリー夏休み編です!

まずは水着(を買いに行く)回前編ですw

 とうとう夏休みを迎えた初日。


 今日は早速桜さんとデートだ。


 俺達は花崎さんからの誘いを受け、来週から花崎さんの別荘に行くことになったんだけど、そのために必要な水着を買いに行くことになったのだ。


 なんでも、去年買った水着がもうサイズが合わなくなっているらしく、買い直さないととても着れないらしい。


 ああ、うん。どこが、とはもちろん俺も聞かないが、彼氏としてそこは察した。

 桜さんはいまだに成長中、ということだ。最高かよ。


 で、俺はいつも通り待ち合わせ時間の一時間前に、桜さんの家の最寄り駅に到着したんだけど。


「あ、凛くん!」


 既に桜さんは待ち合わせ場所に来ており、俺を見つけるなり笑顔で手を振る。

 はあ……今日も天使だ。


「ゴメン桜さん、待たせちゃったね」

「いやいや、まだ一時間前だよ? 全然遅れてないから」

「いや、桜さんが待ってる時点で俺が悪いの」

「もう、そういうとこ頑固だよね。ボクは凛くんを待ってる間、その……嬉しかったよ?」


 ……………………ぐはっ!


 なんですかこれ、今日一日もつんですか俺。

 とにかく、これ以上桜さんに負ける訳にはいかない!


「う、うん、ありがとう桜さん。その……俺もここまで来る間、ずっと桜さんのこと考えてて、すごく楽しくて嬉しかったよ」

「ええー、来る時だけ?」

「い、いやいやいや! もちろんずっと桜さんのこと考えてるから!」

「ん、よろしい!」


 はい、負けました。


 だって、桜さんそんなこと言いながら、顔を真っ赤にしてずっと口元緩めてるんだもん。

 こんなの、勝てる訳ないよね。


「と、とりあえず、お店に行こうか」

「う、うん!」


 桜さんは俺の手を取って恋人つなぎすると、目的の店へと向かった。


 ◇


「ふああ……どれにしようかな……!」


 桜さんは数ある水着を眺めながら、手に取っては見比べていた。

 うん、どの水着でも、桜さんだったら確実に似合うよね。


「えーと……じゃあ、これとこれと……あ、あとこれも!」


 桜さんはその中から三着の水着を選ぶと、試着室に……って、手をつかまれた!?


「そ、その……どれがいいか、凛くんに選んでもらいたいな、って」

「ええと……俺が選んでいいの?」

「うん……凛くんに選んで欲しい」


 これは責任重大だ。


 なんと言っても、桜さんの魅力を最大限に発揮し、かつ、他の海水浴客どもの視線に触れても大事な部分を隠しつつ、さり気に俺だけは楽しめる……そんな水着でないといけないんだからな!


 俺は、桜さんが着替え終わるのを、試着室の前で緊張した面持ちで待つ。


 これは決戦……桜さんと俺の、決戦だ!


「あ、凛くん、こんなのは、その、どうかな……」


 カーテンを開け、その向こうから出てきたのは、白のビキニ姿の桜さんだった。


 はい、負けました。完敗です。


 だって、その圧倒的な双丘が生み出す至高の谷間から繰り出す攻撃は、どんなものでも破壊しつくすほどの威力があるんだもん。うん、ムリ。色々とムリ。


 それよりも。


「うん。その水着は却下で」

「ええ!? なんで!?」

「だって、桜さんのそんな圧倒的に素晴らしい水着姿を他の野郎に見られるだなんて、心の底から許せない。もしその水着で海に行くなら、ビーチにいる野郎ども全員血祭りにしてからでないと……」

「ふああ!?」


 うん、この水着を見る特権は、俺以外に与えてはいけない。

 封印だ封印。


「も、もう……じゃ、じゃあ他の水着に着替えるから、ちょっと待ってて!」


 そう言うと、桜さんは顔を真っ赤にしてニヨニヨしながらカーテンを閉めた。


 ふむ……しかし油断した。

 これは次の水着も締めてかからないと……。


「つ、次はこんなのだけど……」

「うおおおお!?」


 な、なんだと……!?

 ビキニを超える水着はないと思っていたさっきまでの俺をぶん殴ってやりたいぞ!


 現れた桜さんは、白と濃紺のボーダーのタンキニ姿だった。

 うん、良き。限りなく良き。


「さ、桜さん……似合い過ぎて、俺はどうしたらいいですか?」

「なんで敬語!? で、でも……あうう、じゃあこれにしようかな……」


 桜さんはさっきと同じくらい顔を真っ赤にさせて、またカーテンを閉めた。


 うん、あれ以上の水着を求めるのは、さすがに酷というものだ。

 もちろん、桜さんに似合わない水着は存在しないけども。


 うんうんと頷いていると、またカーテンが開き……。


「え、えへへ……今度はワンピにしてみたんだけど……どうかな?」

「ふおお……!」


 今度は黄色の花柄のワンピース水着だった。


「あ」

「あ?」

「ありがとうございますっ!」

「ふああ!?」


 ありがとうございます! マジでありがとうございます!

 ああ……俺の生涯、一片の悔いなし!


「そ、そのう……えへへ、そ、それで、どっちが良かった?」


 なあっ!? 俺に究極の選択をしろと!?


 くっ!? どうする!? どれが正解だ!?

 くそう……! 俺にどちらかを選ぶなんて、そんな真似………………ハッ!


「今回は、最後に見せてくれたワンピースがいいかな」

「ホント? うん! じゃあこれにするね!」

「うん。それで、また来年はタンキニでお願いしてもいいかな?」

「えっ! ……えへへ、うん、じゃあ来年も一緒に海に行こうね?」

「うん、もちろん!」


 そうだ、何も海に行くのは今年だけじゃない。

 来年も再来年もその次も、また桜さんと行けばいいんだから。


 そんな未来に想いをはせていると、私服に着替えた桜さんが試着室から出てきた。


「凛くんお待たせ!」

「う、うん、じゃあ、早速レジに……」

「えーまだだよ?」


 あれ? あの水着、気に入らなかったのかなあ……。


「だって、凛くんの水着選びがまだだよ?」


 …………………………は?


お読みいただき、ありがとうございました!

明日は水着(を買いに行く)回後編をお送りします!

少しでも面白いと思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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【俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ】
― 新着の感想 ―
[一言] この流れは… 明日はブラックコーヒー用意して待ちます♪
[良い点] グハッ!! 砂糖で殴打されたw
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