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86 バースデーサーシャ

サーシャさん誕生日編


誕生日当日、何も知らないサーシャを連れて俺とローリエは広間へと向かっていた。


「あの、旦那様どちらへ行くのですか?」

「去年の雪辱を果たすためかな?」

「雪辱?」

「なんでもないよ」


そう言うとサーシャはローリエを見て聞いた。


「ローリエ、何か用事なの?」

「えっと・・・お母様に見て欲しいものがあるの」

「見て欲しいもの?」


そんなことを話してる間に広間についた。サーシャを促してから扉をあけてーーーサーシャはフリーズした。そこには様々な料理や誕生日らしい飾りつけと、サーシャの友人達を何名か招いてあり、皆一様に笑顔だったからだ。その中には多忙なところを無理を言って来てもらった王妃様の姿もあった。


「旦那様、これは・・・」

「去年は誕生日をきちんと祝えなかったからね。今年は頑張ってみたんだ」


そう言うとサーシャは目を丸くしていたが、それに構わずに王妃様がサーシャに駆け寄ってくると笑顔で言った。


「サーシャ、誕生日おめでとう」

「レシリア様・・・ありがとうございます」

「フォール公爵から招待を受けた時は驚いたけど、頑張って予定あけてきたわ」

「お忙しい中ありがとうございます・・・」

「いいのよ、私が好きで来たからね」


そう言ってから王妃様は俺を見てニヤリと笑ってから言った。


「それにしても、王妃である私に直接招待なんて大胆なものね」

「サーシャが喜ぶことをしたまでです」

「あらそう、随分と妻想いですこと」


そりゃ、自慢の嫁ですから。何よりもサーシャが何をしたら喜んでくれるのかわかってからこそ友人達を招待したのだ。家族だけの誕生日というのもいいものだが、それは後に取っておく。そうして焦らしてからサーシャをとことん甘やかすのが俺の計画だ。


まあ、サーシャを前半友人達に取られるのはかなり悔しい気持ちもあるけど、お祝いの言葉は多いにこしたことはない。そんなことを考えていると、ローリエが俺に近づいてきてポツリと言った。


「おかあさま、よろこんでますよね?」

「ああ、ローリエが手伝ってくれたお陰だよ。ありがとう」

「えへへ・・・」


頭を撫でてお礼を言うとローリエは嬉しそうに微笑んだ。まあ、この数日は特にローリエが頑張ってくれたのでこれくらいのお礼は当然なのだが、こうして誉めてあげると凄く嬉しそうにするので俺もついつい甘くなってしまう。


まあ、その分ローリエは自分を律することをこの年で会得しているのであまり気にする必要はないだろうが、少しは頑固親父的なものにもなった方がいいのかな?


でも、それをしなくてもローリエは真っ直ぐに育ってくれているので、当分は必要ないだろうと思うのだった。



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