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79 久しぶりの夜会

夜会フラグ


「なぁ・・・いつもより夜会の招待状多くないか?」


目の前の書類の山に思わずそう聞くとジークはそれに対して淡々と答えた。


「ええ、それはそうでしょうとも。なにせカリス様がご自身の手で未発見の鉱石を発掘したのですからこうなりますよ。ええ」

「ジーク・・・なんか怒ってる?」

「怒ってなどおりませんが、お目付け役をミゲル一人に任せたことを若干後悔しております」

「ミゲルは悪くはないだろ」

「ええ、ですから呆れてるんですよ」


ため息をつくジークに俺は「それで・・・」と言って一つの招待状を指差して言った。


「何故、国王陛下からまで夜会の招待状がくるんだ?」

「きっと、他の貴族からの反発を抑えるためでしょう。カリス様が夜会に出ないことは皆様周知の事実ですから、どうにかしてカリス様との縁を作りたいという方のために陛下が動いた結果でしょう」

「だからって、わざわざパートナー同伴の夜会にする必要あったのか?」


そう言うとジークは呆れて気味に言った。


「おそらく、新しく鉱石の加工品を奥様に着けていただいて皆様に宣伝せよという目的でしょう」

「家の愛妻を見世物にしろということか」


冗談ではないと鼻で笑うとジークも同感なのか頷いて言った。


「今のカリス様を奥様同伴で外に出すのは危険ですからね」

「それはどういう意味だ?」

「いえ、物陰で奥様を襲うかもしれないので」


しれっとそんなことを言われるが・・・俺は獣かなんかと勘違いされてないか?


「なんにしても、国王陛下主催の夜会なら断れませんからね・・・準備するしかありませんね」

「ああ・・・まったく、私のサーシャを他人に見せねばならないとは貴族とは損だな」

「今さらなことを仰いますね。まあ、とにかく私は急ぎ夜会用の衣装の準備をいたします」

「ああ。いや・・・サーシャの衣装は今回こちらで手配するから大丈夫だ」


そう言うとジークは眉を潜めて聞いてきた。


「カリス様がですか?」

「ああ、知り合いに借りを返してもらういい機会だからな。それに、採寸もすぐに終わるからな」

「わかりました。ではカリス様の衣装のみを準備いたします」

「頼む」


そう言ってからジークは部屋を後にする。


まあ、サーシャを他人に見せるのは少なからずジェラシーがなくはないが、まあこれも貴族の役目と諦めるしかない。サーシャの体調は幸い安定してるしサーシャには無理をさせるつもりはないので大丈夫だろう。


サーシャが嫌がればこの話は無理をしても断るが・・・多分久しぶりの夜会はサーシャにはいい気分転換になるだろうから、なるべく行く方針ではいよう。子供達は・・・我が家の全力を持って守るから家のことは皆を信じるしかないだろう。



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