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72 賑やかな夕飯

皆で食事(^^)



「なるほど、それで可愛らしい使用人が増えていたのね」


夕食時、本日の報告をすると母上がそう頷く。サーシャの容態は徐々に良くなってきており、ここ最近は食堂まで歩いてくることができるようになっており、今も俺の隣に座ってゆっくりと食事をしている。ちなみに右側がサーシャで、左側がローリエが座っており、その前に父上と母上が座っている。


うん、まあ母上は孫が可愛いくてしばらくは領地に戻らないだろうけど父上も予想以上にこちらに滞在しているので俺としてはかなり驚いている。


最近はこうして夕食を共にすることも少なくはなく、当たり前のようにいるので帰ってから多少は静かになるのかと思いながら俺は言った。


「侍女見習いの女の子3人はそのうち、ローリエとミント、バジルのそれぞれに専属の侍女としてつけようかと思ってます」

「そう、バジルにつける侍女は私が選んでもいいかしら?」

「母上・・・バジルが大好きなのはわかりますが、過保護すぎですよ」

「あなたにそれは言われたくないわよ・・・ねぇ、ローリエ」


そうローリエに視線を向けるとローリエはきょとんとしてから笑顔で言った。


「ろーりえもおとうさまだいすきです!」

「うん、そうか。ありがとうローリエ」


あまり話を聞いてなかったみたいだが嬉しいので頭を撫でる。すると、反対側からこほんという咳払いと同時にサーシャの声がした。


「旦那様。お食事中ですよ」

「すまない、サーシャ。仲間外れにしたわけではないよ」

「わ、私は別に・・・」

「よしよし」


そう言いつつ撫でると素直になるサーシャ。娘への嫉妬があるのも可愛いが子供が増えたのでこれから更にフォローが大変になると心底嬉しく思うのだった。


「それにしても、バジルは母上と父上に凄くなついてますよね」

「そうかしら?まあ、きっとサーシャに似たからね。素直になったんだわ」

「そ、そんなことは・・・」


その理屈だと俺に似てたらそうじゃないと?地味に傷つくが俺は父上に視線を向けて言った。


「父上も物凄くなつかれてましたよね?」

「ああ、カリスが小さい頃を思い出すよ」

「そうね・・・昔はあんなに可愛いかったのにね」

「おや?今は可愛くないのですか?」


そう聞くと母上は笑いながらながら言った。


「孫と比べられたくないでしょ?」

「ええ、もちろん。ちなみに父上は私の出産には立ち会えたのですか?」

「・・・屋敷に戻った時に丁度産声が聞こえてきた」


それは・・・セーフなのかアウトなのか。出産という意味では間に合ってないのだろうが、産まれたタイミングというのがまた絶妙だなと思ってると、母上がくすりと笑いながら言った。


「この人ったら大慌てで入ってきて凄く安堵した表情していたのよ」

「リシャーナ、それは言わない約束だっただろ・・・」

「あら、いいじゃない。あの時のあなたの顔凄く可愛いかったわよ」


母上のペースに巻き込まれて父上が徐々に崩れていく。なんというか母上の父上の可愛いがりかたがなんというか俺のサーシャへの態度を少し変えたようなものに見えてくるが・・・うん、気のせいだろうと見なかったことにして食事を続けるのだった。






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