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56 ご注文は娘ですか?

カリスさんは基本的にサーシャとローリエからの好意にしか気づきません(^^)



「ローリエ、最近お茶会にセリュー様も来てるようだけど、どうだい?」

「どう?」


キョトンと首を傾げるローリエ。夕食時に世間話の体で話をしてみたが・・・聞き方を間違ったと思い俺は言い直すことにした。


「セリュー様とは上手く話せているかと思ってね」

「はい!いろいろおはなしできてます」

「そうなのか。何を話しているんだい?」


過保護かもしれないが、少し男親として心配なのでそう聞いてみる。もし話が盛り上がってローリエがセリュー様に惚れたらどうしようとかと複雑な気持ちの俺にローリエは笑顔で言った。


「おとうさまのおはなしいっぱいしてます!」

「え?私の話?」

「はい!おとうさまは、せかいいちかっこいいってせりゅーさまとおはなししてます」


あまりにも可愛い笑顔でそんなことを言ってくれる愛娘に涙腺が緩みそうになるが、いや、しかし何故セリュー様と俺の話題で盛り上がれるんだとふと疑問になる。


子供とはいえ他にも話題は色々あるだろうに何故俺の話で盛り上がるんだ?セリュー様とはそこまで親しくないはずだ。確かに何度か会ってるし、こないだ厨房に来た時には柄にもなく色々話してしまったがしかし何故・・・


そこまで考えてふとこの前の王女様の台詞を思い出してしまう。


『弟はあなたの言葉に救われてからあなたをやけに尊敬してましたしね。それにこの前のお菓子も相まってあの子の中ではあなたは"憧れの人"扱いされているんですよ』


執務室に乗り込んできた時に王女様はそんなことを言っていた。あの時はそんな馬鹿な、という素直な感想が出たが・・・


「まさかな・・・」

「どうかしましたかおとうさま?」

「なんでもないよ。セレナ様とは仲良くやれているかい?」

「はい!いつもおとうさまのおかしをおいしいっていってくれます!あと、こんど、こんやくしゃ?にあわせてくれるそうです!」

「そうか。良かったよ」


そう言ってから俺はローリエの頭を撫でる。セレナ様とマクベスの婚約はまだ内々的なもので公表はしないが一部の人間には周知の事実だ。一度我が家に遊びに来た時に"たまたま"会って仲良くなってセレナ様が気に入ったという理由になっている。


まあ、間違ってはいないが、おそらくあの姫様は最初からマクベスを自分のものにするつもり満々だったから計画的犯行なのだろ。


だからこそ乙女ゲームの悪役令嬢というイレギュラーが起きやすい状況を確認するために俺に近づいてきたのだろう。しかもイレギュラーが悪役令嬢ではなくその父親の俺ということと、宰相であるグリーン公爵の裏切り疑惑と、マクベスの家庭環境を知って一気にマクベスをモノにしたのだろう。


まあ、正確にはこの後マクベスを育ててグリーン公爵の地位を奪ってもらう必要があるが、正直あの姫様がいるなら俺の仕事はあまり多くないだろう。頭もキレて何やら人脈もありそうなので俺はマクベスが育って宰相を継ぐときに後ろだてとして加勢するだけで済むだろう。


そんなことを思いつつ俺は「うにゃー」と気持ち良さそうに頭を撫でられてるローリエを可愛がりつつ食事を進めるのだった。






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