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52 宰相とのパーティー

甘い話を書きたいけどもう少しだけ話を進めますm(__)m





「いやはや、こうしてフォール公爵を我が家に招けるとは思いませんでしたぞ」


欲が透けてるような笑みを浮かべながらそう言ったのはこの国の宰相のグリーン公爵だ。場所はグリーン公爵の家。ここ最近、毎日のようにグリーン公爵は自宅にて晩餐会を行っているという情報を入手して俺はここに来ていた。


元々この手のパーティーはあまり好きではないので本当に必要な時以外は招待されても出ないようにしていたが、今回は必要なので来ていた。サーシャとローリエは今回は連れてこなかった。二人にはこんなところに来てほしくないのと、サーシャは体調を優先して、ローリエは夜のパーティーにはまだ出せないので一人できた。


「ご招待感謝いたします。グリーン公爵。相変わらず立派な屋敷で羨ましいですな」


金の無駄遣い甚だしいがそう褒めるとグリーン公爵は気をよくしたのか嬉しそうに言った。


「ははは、フォール公爵でしたらいつでも歓迎ですぞ。ところで本日は奥方と娘さんはおられないのですかな?」

「ええ、妻は体調が芳しくなかったので。娘は妻の付き添いに残してきました」

「ほう、フォール公爵の娘さんでしたらさぞ賢いのでしょう。私の愚息にも見習わせたいですな」


自分の子供を愚息扱い。思わず歯を食いしばりそうになるが、こらえて笑顔で言った。


「確か、息子さんは私の娘と年も近かったでしょう。今度良ければ我が家に遊びに来て下さい」

「それはありがたい申し出ですが・・・そういえばフォール公爵の娘さんは婚約者は決まったのですかな?」


ギラリと欲のある視線を向けてくるグリーン公爵。おそらくローリエがセリュー様と婚約したのかどうか気になったのだろう。グリーン公爵家は確か息子が一人だけで奥さんは死んでて愛人との間にもう一人子供がいるので、グリーン公爵としては出来るだけ得になりそうな家と婚約させたいはずだ。我が家は同じ公爵家でも格が違うので、ローリエを狙う気持ちはわかるが・・・この男の元にローリエを送るのだけは嫌だな。絶対にローリエが不幸になると断言できる。


そんな気持ちは口には出さずに俺は苦笑気味に言った。


「実はまだなんです。いい相手がいればいいのですが」

「そうですか」


ニヤリと一瞬笑うグリーン公爵に嫌悪感さえ湧いてくる。不思議だ・・・どんな相手でもあまりそういう感情はわかないのに、この人は最初から生理的に無理な気持ちしかない。

自分の子供でなくても子供を不幸にするだけの親には同じ親として思うところがある上にこの人は子供を道具としてしかみてないようなのでダメだ。


「そういえば、フォール公爵は何やらとても美味しいお菓子を作れるとか。是非今度作り方を教えていただきたいですな」


それからしばらくお酒を飲みつつグリーン公爵と話して言葉を濁しながら情報収集を行っていたが・・・こんなに不味い酒ははじめてだと思いながら過ごすのだった。



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