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36 剣鬼の実力

わかりにくい展開ですみません・・・この辺は軽く流していただければ幸いです(^_^;)


次からいつものイチャラブに戻ります・・・というか、ここ数話が特殊なのであって基本的にはローリエとサーシャを愛でる物語なのであしからず( ´∀`)



場所は移って現在俺はビクテール侯爵家の中庭にいる。


動きやすいように上着を脱いだ状態でストレッチする俺と向かいあうのは、ビクテール侯爵家で雇われている先ほどの暴力教師。そしてギャラリーには冷や汗を流しているビクテール侯爵と目を覚ましたビクテール侯爵の息子であるマスクがいた。


何故そんな急展開になっているのかと聞かれれば・・・簡単に言えば、俺が余計なお節介を働かせたせいだ。


あのあと・・・俺が、ビクテール侯爵の息子であるマスクの剣の指導を申し出ると、それに対して突っかかってきたのが剣術の指導の教師だった。まあ、爵位的なもので黙らせることは容易いけど・・・子供を痛め付けて笑っているような男には一度きちんと痛い目を見てもらいたいという気持ちがあったので、俺から剣術の手合わせを申し出たのだ。


教師の男はそれに即座に了承をしたが、ビクテール侯爵はそれはもう凄く慌てたように俺を止めようとしたのだが、それを黙らせて現在中庭に移動して準備をしているところだ。


まあ、ビクテール侯爵からしたら、剣術を専門にしている人間に貴族である俺が勝てるわけないから止めたのだろうが・・・まあ、ブランクがあるとはいえ、カリスさんの剣の腕ならそう簡単に負けることはないだろうというくらいの自信はある。


まあ、とはいえ久しぶりの手合わせだし、なによりいつものカリスさん愛用の剣は持ってきていないので、今回はビクテール侯爵からの借り物の剣だから少し不安がないわけではないが・・・まあ、大丈夫だろう。


「あの・・・」


そんな風に決まった手合わせの前に軽く柔軟をしていると、ビクテール侯爵の息子であるマスクがこちらに近づいてきて声をかけてきた。


「どうかしたのかい?」

「・・・どうして、そこまでしてくれるのですか?」


何がと聞く前にマスクは後ろのビクテール侯爵には聞こえないくらいの小さい声で言った。


「ぼ、ぼくは・・・ほんとうはこのいえのこどもじゃないんです。だからみんなぼくのことをつめたいめでみるのに・・・あなたはなんでぼくなんかをたすけてくれるのですか?」


本来ならその言葉・・・マスクがこの家の実子ではなく養子だというのに驚くべき場面なのだろうが、途中から予想できていたことに俺は少し考えてから答えた。


「そうだね・・・強いて言えば罪滅ぼしかな?」

「つみほろぼし?」


キョトンと首をかしげる目の前の緑髪の子供の頭を撫でて俺は言った。


「まあ、君の境遇の半分は俺のせいだからね。きちんと責任を取ろうと今さらながら思っただけだよ」


目の前の緑髪の子供には意味は伝わらないだろうが、それでいい。何故ならこれはあくまで俺のエゴだからだ。


まあ、正直最初はローリエと同じような境遇の子供を放っておけなくて提案したことなんだけど、目の前にいる緑髪の子供が目を覚ましてからそれは変わった。


何故なら目の前にいる緑髪の子供はビクテール侯爵の実の子供なんかではなく、本来なら乙女ゲームでは我が家で引き取っていたであろう養子の子供ーーー悪役令嬢であるローリエの義理の弟であり、攻略対象の一人であるマスク本人の幼少時なのだろうと気がついたからだ。


いや、最初はマジでわからなかったけど、王子が攻略対象だった一件からなるべく他の攻略対象を思いだそうとしていたことが今になって身を結んだというか・・・うん、まあ、簡単に言えばこの子がこんな扱いを受けているのは養子を引き取らなかった俺の責任でもあるので、その責任はきちんと取りたいと思ったのだ。


「ま、心配しないで大丈夫だよ」


目の前で心配そうな表情を浮かべる子供に俺はそう微笑みかけた。




「さて・・・準備はいいですかー?公爵さまぁ?」


十分に体をほぐしていると、剣術の教師がこちらにそう聞いてきた。その表情は自らの優位を疑ってないからか、こちらを馬鹿にしたようなニヤケた表情をしているが・・・俺はそれに軽く頷いてから言った。


「大丈夫だ。それと、先に言っておくが・・・手加減はするがあまり大怪我をしたくなければ早々にギブアップをすることだな」

「へー・・・それは、大した自信で」


一応の忠告をするが、男はそれをただの虚勢ととらえたのか変わらずに余裕の笑みを浮かべていた。

まあ、俺としては警告はしたし、あとはカリスさんのスペックを信じてやるだけかな?


「じゃあ開始の合図を・・・ビクテール侯爵。お願いしても?」

「え、ええ。ですが、フォール公爵。どうか無理はなさらずに・・・」

「わかっています」


チラリと視線をマスクに向けると心配そうな表情を浮かべていたので、俺は軽く微笑んでから目の前の男に視線を向けて意識を集中させた。


「で、では・・・はじめ!」


そのビクテール侯爵の言葉で戦いは始まった。

男は変わらずにニヤケた表情を浮かべつつも剣を正面に構えてこちらの出方を伺うような素振りを見せたが・・・俺はそれを気にしないで真っ直ぐに突っ込むと、そのまま緩く構えられている相手の剣を払う要領で勢いよく弾き飛ばした。


「「はっ?」」


ギン!という剣がふっ飛んだ音と共に目の前の男とビクテール侯爵から漏れる疑問符。目の前の男は何が起こったのかわからないような表情を浮かべていたが、俺はその首に軽く剣を当てて皮膚を薄く斬りながら言った。


「まだ続けるなら仕切り直してもいいけど・・・少なくともこれが戦場ならお前の首はすでに胴体とは別行動を取っていたところだな」

「・・・!!調子に乗るな!」


男は俺の言葉に頭にきたのか無防備に剣を拾いにいくが、それをあえて追撃はせずに、男の準備が整うのを待つ。

やがて剣を拾うと男は今度はこちらを激しく睨み付けながら勢いよく剣を振りかざして俺を真っ二つにする勢いで突っ込んできた。


それを俺は軽く避ける。正直前世の体なら間違いなく追いきれずに真っ二つになっているだろう剣の速度なのだが・・・カリスさんの身体能力からしたら止まって見えるので余裕を持って回避ができる。


「くそ!ちょこまかと・・・」


男の剣さばきは悪くないが・・・なにぶん体の作りが根本的に違うせいだろうか?どれもカリスさんにとっては脅威にはならず、少し相手が可哀想になってくる。


何度となく繰り出させる攻撃を俺はあっさりと回避し、時には捌いて何度も相手の剣を弾いては仕切り直しを繰り返す。

次第に呼吸が乱れてくる男に対してカリスさんの神がかった体の俺は汗ひとつかかずにそれを冷ややかに見つめて言った。


「そろそろ降参してくれないか?」

「・・・!!ふざけんな!貴族なんかに俺が負けるか!!」


挑発のつもりはなかったのだが・・・うん、相手の闘志に火をつけてしまったらしい。

このまま続けてもこちらに得はないし・・・そろそろ本気でけりをつけるべきかな?


そう思い俺は再度剣を弾き飛ばした後に今度は剣の切っ先を男の目玉の手前まで持っていってから言った。


「降参しないならこのまま片目をもらうがどうする?」

「ーーー!?く、くそが!!」


その言葉に頭にきたのか男は俺に向かって生身で殴りかかりにこうようとしてきたので、俺はあえて剣を一度ひいてから相手の拳が出されるタイミングにあわせて剣を持ち替える。


「ぐあー!て、手がー!!」


ーーー結果、男の拳に軽く剣が刺さり痛みに悶える男。

運がいいことにそんなに勢いが強くなかったからか、あまり深く刃が食い込むことはなかったが、それでも俺を殴ろうとした拳からは血が吹き出していた。


まあ、大量出血で死ぬことはないだろうけど・・・流石にそろそろ飽きてきたので俺は痛みに悶えながら地面に横になる男に向けて剣を大袈裟に振りかざしてーーー


「じゃあね・・・さよなら」

「ひっ!」


ーーーそのまま男の顔面すれすれに地面に突き刺した。


男はそのショックからか気を失って白目をむいて倒れていたが・・・俺はそれに興味は示さずに驚愕の表情でこちらを見ているビクテール侯爵に笑顔で言った。


「さて・・・これでご子息に私が教えを与えることに異論はありませんね?」


顔を青くして何度も頷いたビクテール侯爵とその隣でこちらをキラキラした眼差しで見つめる一人の緑色の髪をした子供がいたことは語るまでもないだろう。










内容の簡単な補足


カリスさんビクテール侯爵家へ乗り込む→攻略対象の義理の弟を発見し、その最悪な環境にオコ→剣術の教師に剣の勝負で圧勝。以上。


ここ最近でもっとも下手で長い文章ですみません・・・シリアス&バトル描写が下手な作者なので、その分次からのイチャラブで全力を尽くします!



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― 新着の感想 ―
娘を虐待していたBBAも痛い目を見せずに放逐しただけだし、緑髪の子供の虐待を容認(と言うか指示)していた侯爵も痛い目無し。 苦手云々言っても、悪役に痛い目見せるぐらいは書けますよね? これでは単に、…
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