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34 ビクテール侯爵家

お久しぶりです。ここ1ヶ月更新が止まってしまいすみません・・・リアルで色々あってなかなか書けなかったのですがなるべく更新再開していくつもりです・・・あ、あと、甘いのを期待している方はしばしお待ちを・・・話をすこし進めてから甘くしていきたいと思います(^_^;)



「フォール公爵、本日はようこそおいで下さいました」

「いえいえこちらこそ・・・突然の訪問を受けてくださりありがとうございますビクテール侯爵」


現在俺の目の前にはビクテール侯爵家の当主であるトーラス・ビクテール侯爵が座っている。場所はビクテール侯爵家の屋敷・・・なぜ俺がここにいるのか。それは、父上から貰った情報を元に俺が先に仕掛けにきたからだ。


「ところで・・・本日はどのようなご用件で我が家においでになったのでしょうか?」


しばらく世間話をしてから単刀直入にビクテール侯爵からそう聞かれたので俺はそれになるべく柔和な表情を意識して答えた。


「いえ、ビクテール侯爵は我が父である前フォール公爵と非常に親しいと聞いておりまして、一度会って直接お話をしたいと思ってきたのですよ」

「親しいと思っていただけて非常に恐縮ですが、確かに先代のフォール公爵とは友好的な関係を築かせていただいているとは思います」


こちらの狙いが見えないのかビクテール侯爵は少し言葉を選びながら慎重にこちらの出方を伺っているようだが・・・俺もあまり回りくどい話は好きではないので単刀直入に本題に入った。


「そんな父より、なんでもビクテール侯爵が最近熱心に我が娘との縁談を前フォール公爵である父に進めていると聞きましてそのお話をしにきました」

「受けていただけるのですか?」


もちろんノーです。内心ではそう即答したくなる気持ちをなんとか抑えて俺は表情に出さないように言った。


「娘の将来に関することなので安請け合いはできません。ですが聞いた話ではビクテール侯爵のご子息も娘と年が近いという話でしたので、同じ貴族として仲良くさせていただければとは思っております」


正直ビクテール侯爵がかなり父上に熱心に話をしていると聞いて最初はどうしてくれようかと思っていたのだが・・・俺はとりあえず様子見をかねてそう前向きに思わせる返答をすることにした。


いずれはローリエにも婚約者をつけなければならないなら、いっそのことこちらから積極的に他の貴族とのアプローチを取って、そこから俺がある程度選別して、ローリエの様子を見て決めようと考えてのことだ。


本当は男親として娘を嫁に出すような行為には内心ではかなり複雑な気持ちにはなるが・・・ローリエに早めに俺やサーシャ以外の心の支えを作れればという狙いも少なからずある。


男親の俺がローリエを一生隣で支えることはできない・・・というか、俺は親としてローリエとの関係壊したくない・・・というか、あくまでローリエとの関係は親子でいたいので、男女の仲にする気は全くないので、とにかくローリエの隣でローリエを支えてくれる存在を見つける必要があるのは間違いないだろう。


何よりも俺にはすでにサーシャがいるので浮気をする気は毛頭ない。うん、だってあんなに可愛い嫁を放置して他の女に行くほどに頭は緩くないつもりだ。


サーシャもローリエも一人で無理をして強がってみせるところがあるので、そんな張りつめた心を隣で優しく受け止めて癒してくれる存在が必要だろうと思うのだ。


まあ、理想通りの男がいるかはわからないが・・・ローリエが幸せになるために妥協をするつもりはないのだ。


「それは我が家としても願ってもないことです。是非一度ご息女とのお話の機会をいただければ・・・」

「その前に・・・少しご子息に会ってみたいのですが、本日はご予定はあいておりますか?」


その言葉にビクテール侯爵は少し表情を固くしてから後ろに控えている執事にチラリと視線を向けてから答えた。


「ええ・・・大丈夫ですが、ただ息子の仕度に時間が掛かると思うので是非一度別の日に時間を取ってご息女と会わせて貰いたいのですが・・・」


あくまで子供同士を引き合わせることに執着するビクテール侯爵。普通なら別におかしくはないことだが・・・先程から感じているこの違和感はなんだろう。


「こちらとしては少しくらい時間がかかっても本日会えるなら一度会ってから帰りたいと思うのですが・・・難しいでしょうか?」

「いえ・・・ただ、フォール公爵をお待たせするわけにはいかないと思うので」


うーん・・・やっぱりなんか変だな。今日子供と会わせることをなるべく回避したいような雰囲気。それ以外にも何かを隠しているような感じがする。

正直、今日絶対に会って帰る必要はないが・・・これ以上縁談の話で父上に迷惑をかけたくはないし、早めに結論を出したい。断るにしても一度は相手の顔を見ておきたいのと・・・何やらこの家は地雷を抱えていそうな気配があるので、それをハッキリさせたいのも本音だ。


地雷があればそれを理由にこの家との付き合いを断ることもできるし、弱みがあれば脅して退かせることもできるだろうしね。


そんなブラックな思考をしつつ俺はビクテール侯爵としばらく駆け引きをしたのだった。




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