表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/167

25 家族の誕生日

ほのぼーの・・・( ´∀`)



「さて・・・準備はいいかい?ローリエ?」

「はい!」


元気に返事をする愛娘に俺は笑顔を浮かべてから扉をノックした。


「サーシャ。起きてるか?」


しばらくして中から「はい・・・」という控えめな声が聞こえてきたので、俺は扉を開けて中に入る。


「体調はどうだ?」

「はい・・・朝よりはだいぶ平気になりました」

「おかあさまだいじょうぶですか?」

「あら、ローリエも一緒なのね。心配かけてごめんなさいね。それと・・・今日はあなたの誕生日をお祝いしたかったのに・・・」


申し訳なさそうにベッドに近づいてきたローリエと俺をみつめるサーシャ。そんなサーシャにローリエは笑顔で言った。


「おかあさまがげんきなのがいちばんだから、おかあさまはゆっくりやすんで、はやくげんきになってください!」

「ふふ・・・ありがとう。本当に優しい子ねローリエは」


母親らしくローリエの頭を優しく撫でるサーシャ。そんなサーシャに撫でられて、くすぐったそうに無邪気な表情を浮かべるローリエ。


この光景を見て俺は・・・一人、悶えるのを必死に抑えることに全力を注いでいた。


可愛いすぎるだろこの母娘!そっくりな見た目の可愛い銀髪美少女と美幼女の組み合わせ・・・うん、きっとここが天使が住まうという幻の楽園なのだろう・・・そんな幸福に身を委ねそうになるのを必死に抑えて俺は言った。


「さて、サーシャ。食欲はあるかい?」

「えっと・・・軽いものなら食べられるかと・・・」

「そうか・・・なら、丁度いいかもしれないな」


そう言ってから俺はサーシャとローリエのケーキが入った箱をサーシャの近くに置いて箱を開けた。


「これは・・・」

「サーシャのはレモンケーキ。酸味と甘さが抜群のケーキだよ。ローリエには甘い苺のショートケーキ。二人のために頑張って作った力作だよ」

「あの・・・パーティーは終わったのですよね?これは一体・・・?」


不思議そうに首を傾げるサーシャ。まあ、パーティーですでにケーキは食べたと思っているだろうからね。当然の反応だろうが・・・俺はそれに笑顔で言った。


「せっかくのローリエの誕生日だからね。メインは家族3人で静かにやろうと思って取っておいたんだよ」

「わざわざ私のために・・・」

「サーシャだけのためではないよ。ローリエも母親である君と一緒に食べたいだろうと思ってね。そうだろ?」


俺の言葉にローリエは笑顔で言った。


「おかあさまといっしょにけーきたべたいです!」

「・・・らしいよ。どうかな?」


そう聞くと、サーシャは嬉しそうに微笑んで頷いた。


「わかりました・・・せっかくの二人のご好意をありがたく受け取らせていただきます」

「よし・・・それなら準備をするから少し待ってて」

「準備?」


不思議そうに首を傾げるサーシャ。そんなサーシャのために俺はレモンケーキを一口サイズにフォークで取ると、それをサーシャに向けて差し出した。


「はい。サーシャ、あーん」

「えっ・・・あ、あの・・・旦那様?」

「ほら。遠慮しないで」

「で、でも・・・」


チラリと視線をローリエに向けてから恥ずかしそうな表情を浮かべるサーシャ。まあ、娘の前でやるのは恥ずかしいだろうが・・・そんなサーシャに構わず俺は『あーん』を続けていると、やがて根負けしたようにサーシャは俺の差し出したケーキをその可愛い口で食べた。


「どうかな?」

「・・・お、美味しいです」


恥ずかしそうに微笑むサーシャ。そんな可愛い反応を楽しんでいると、ローリエが俺の服の袖を引っ張ってから言った。


「おとうさま。わたしにもたべさせてください」

「ああ。もちろんだよ」


ノーという選択肢はなかった。可愛い愛娘のために俺は別のフォークでローリエ用のケーキからローリエが食べやすいようにサーシャの時より小さく取り分けてからローリエにそれを差し出した。


「はい。あーん」

「あーん」


もぐもぐと嬉しそうにケーキを食べるローリエ。そんなローリエを微笑ましく見守っていると、サーシャが少し拗ねたような表情を浮かべて言った。


「あ、あの・・・旦那様。私にも、その・・・食べさてください」

「よろこんで」


それからは交互に二人に食べさせることになったが・・・雛鳥に餌を与えるような微笑ましい光景を俺は脳内のフォルダーに保存して満足したのは言うまでもないだろう。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ