142 久しぶりの愛娘
ただいま、ローリエ
「お父様!」
急いで家に帰ると、玄関で真っ先に出迎えてくれたのはローリエだった。かなり急な帰宅なのにいち早く来てくれたことに喜びつつ俺は勢いよく抱きついてきたローリエを受け止めてから抱きしめて言った。
「ただいま、ローリエ」
「お帰りなさい、お父様!」
嬉しそうに俺に抱きついてくるローリエを俺は抱き上げるが前より少しだけ重くなっていて成長を実感しつつ聞いた。
「良い子で留守番してくれたかな?」
「うん!」
「そうか、偉いぞローリエ」
「えへへ、そうかな?」
少しだけ幼くなったように甘えてくるローリエ。寂しい思いをさせたことに罪悪感を抱きながら言った。
「私が留守の間何もなかったかな?」
「うん、大丈夫です」
「そうか。よくお母様を支えてくれたな。偉いぞ」
とにかくひたすら褒めまくる。可愛い娘に久しぶりに会えたのだこうして甘やかしても多少はいいだろう。
「お父様、今夜はローリエと一緒に寝てくれますか?」
「ああ、もちろん」
「わーい♪お父様大好き」
そう言いながらこちらに抱きついてくるローリエ。しかしほんの数日離れただけなのに酷く長く感じた。あの王子様の件から濃かったからなぁ。まあ、今度からあの子の面倒も見なきゃいけないのだが。まあ、悪い子ではないけど、ローリエとセリュー様の関係に勘付いていたようなので見込みはありそうだが、さてどうしたものか。
「ローリエ、好きな人は?」
「お父様!」
うん、しばらくは大丈夫そうだな。いつかは嫁に出さないといけないが、相手がいないからなぁ・・・セリュー様も自分の道を行くようだし。まあ、ローリエが無駄に傷つけられないのはいいことかもしれないけどさ。
まあ、きっとローリエにふさわしい男を見つけてみせよう。ローリエが自分で見つけたなら複雑だけどしっかり応援しよう。きっと出来るはず・・・してみせる。
一番はローリエの幸せだからな。
「さて、ミントとバジルにもただいまを言わないとな。部屋まで抱っこでもいいかい?」
「うん!お父様の抱っこ安心する」
「それは良かった」
思えば何回ローリエを抱っこしてきたのだろう。数えきれないほどだ。やっぱりこうして重さを確かめてから嬉しさと寂しさを少しだけ感じてしまう。前より少しだけ重くなるということは、俺の手から離れるタイミングも近いということだろう。そんな寂しさを見せないようにローリエと一緒にミントとバジルの部屋に向かうのだった。
サーシャにも早く会いたいが、我が子の安全を確認してからにする。それにサーシャとはかなり時間をかける予定なのでこれくらいでいいのだ。存分にイチャイチャしてみせる!




