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138 不仲な王子

王子二人


「なんでお前がいるんだよ」

「それは僕の台詞です」


出会って三秒で喧嘩腰になる二人の王子。にしてもあのセリュー様がここまで敵視するなんて珍しいと思いながら俺は二人に言った。


「これからマベリス様は我が国へ交流のために来ます。そこでマベリス様の教育を私が引き受けることになりました」

「フォール公爵、本気ですか?」

「反対ですかセリュー様?」

「少しだけ・・・」


不服なのはきっと、メフィを馬鹿にした相手だから苦手意識を持っているのだろう。マベリス様にしても一度完敗した相手だけに敵対心があるのだろう。まだ若い二人のために俺は言った。


「貴方達がこれから出会う人は全員が貴方達に友好的とは限りません。価値観の相違は必ずおこること。だからこそ自分の知ってることが世界の全てではないことを覚えておいてください」

「自分の知ってることが・・・」

「世界の全てじゃない・・・」


いまいちピンと来ないのか首を傾げるので少しだけわかりやすく言った。


「例えば女性の好み。人それぞれ違いますよね。セリュー様は一途に尽くしてくれる女の子、マベリス様は自分のことを情熱的に愛してくれる女の子がタイプですね」

「な、なんでわかるんだよ!?」

「まあ、そうですが・・・」


驚くマベリス様に対してセリュー様はメフィを想像したのか少しだけ顔を赤くしていた。


「まあ、要するに人の性格の数だけそれぞれの思想などがあるのです。だからこそ余計な偏見はかえって邪魔になります。セリュー様は目指すべき場所がハッキリしていてもそこに甘えずに最善を目指すことを心掛けてください」

「はい!」

「マベリス様は自分のペースできちんと物事を見定めることを忘れないようにしてください」

「・・・わかったよ」


やけに素直に頷いたので少しだけ驚くが、どうやらそこそこ認められているようだ。それならいいか。


「さて、お二人は互いに苦手意識を持っていて今のところ仲良くなれる気配はゼロです。どうします?」

「な、なるべく仲良くするよう心掛けるとかですか?」

「無理なら無理だろ」

「そんな風に意見はわれます。まあ、どちらも不正解ではありませんが、一番は自分がどうしたいのかです」

「自分がどうしたいか・・・」


難しい顔をするセリュー様。俺はそれに苦笑してから言った。


「損得勘定で接することや、平行線を貫いたり色々あるでしょう。だからこと自分で考えて結論を出せばいいのです」


かなり投げやりに聞こえるが、結局は目的のための手段を説いているだけだ。自分の成すべきことを考えること。それが大切だと教えているだけだが、二人ともそれなりに真剣に聞いてるのでまあ、いいだろう。





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