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134 傲慢な王子

王子投入


「俺が、フレデリカ王国第三王子のマベリスだ!」


えらく尊大な態度のその子供にセリュー様は少しだけ苦笑してから笑顔で言った。


「リセマラ王国第二王子のセリュー・リセマラです」

「ふん、やっぱりリセマラ王国の奴は貧弱そうだな」

「私はともかくフォール公爵は凄く強いですよ」


その言葉に少年がこちらに視線を向けたので俺は小さく頷いて言った。


「お初にお目にかかります。リセマラ王国にて公爵の位を拝命しております、フォール公爵家の当主のカリス・フォールです」

「お前が父上の言ってた《剣鬼》だな!勝負だ!」

「お断りします」


なんでこんな子供の相手をしなきゃならないのか皆目見当もつかないのでそう断ると少年はこちらを睨み付けたまま言った。


「勝負から逃げるなんて男らしくないぞ!腰抜け!」


その言葉にセリュー様がなにかを言う前に俺は言った。


「男らしくというのは偏見すぎますね。人には様々な性格があります。それらをいっしょくたにして決めつけることはあまり望ましくありません」

「うるさい!いいから勝負だ!」


そう言いながらこちらに突っ込んでくるので俺はそれを避けずに見守ると少年は俺に対しておそらく全力で拳や蹴りを叩き込んできた。まあ、確かに子供にしてはそこそこ強いけど・・・この程度ならマッサージとさしてかわらない。しばらくそうしてから息をきらせてこちらを驚きの視線で見てくる少年。


「な、なんで効かないんだ!」

「ダメですよ。他人に暴力を振るっては」

「う、うるさい!」


そう言いながら再び俺に殴りかかろうとするが、その前にその拳はセリュー様によって防がれる。


「マベリス殿下。これ以上フォール公爵に危害を加えるなら僕が黙ってませんよ」

「な、なんだよ!お前には関係ないだろ!」

「フォール公爵は私の護衛です。護衛を馬鹿にされて黙っていられるほどに私は優しくありません」

「護衛なんて使用人だろ?そんな奴に気をつかうなんて馬鹿じゃないの?」


どうやらきちんと貴族らしい教育をされているようだ。完全に見下しているその言葉に、セリュー様はスルーできそうになかった。確かにここでそれを肯定したらメフィのことを貶めるようなものだしね。


「いいでしょう・・・ならば、僕と決闘しましょうか」


そしてセリュー様らしからぬ発言をここでしてしまう。一人称も僕に変わってるし。


「僕が勝てば先程の発言を取り消してもらいます」

「上等だ!」

「フォール公爵。立ち会いをお願いします」


こうして俺は何故か子供のいさかいに首を突っ込むことになるのだった。まあ、元気があって何よりだよ。





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