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133 フレデリカ王国

他国でのカリスさん



隣国にあたるフレデリカ王国。そこが今回の目的地だ。早く終わらせるためには何をすればいいのか。それはセリュー様が無事にコネを作って帰ることだろう。


着いて早々に行われた歓迎パーティーにもセリュー様は堂々と出席しており、早々にこちらでの顔を売ることには成功しているようだった。俺もなるべく裏でサポートに回るがそこまで必要はなさそうで安心する。


「ほう、貴殿がもしや噂の《鬼神》殿か?」


そして、俺は何故かフレデリカ王国の国王陛下と話していた。他国まで名前が広まっているのは驚いたけど、剣鬼やら鬼神やら結果的に鬼がつく名前ばかりが広がっているようだ。ちなみに他にも俺は色々と呼ばれているようだが流石に全ては把握できていない。国内では剣鬼が圧倒的に多いが他国ではどうだろうか。


「私のことをご存知とは恐悦至極に存じます」

「貴殿を知らない者はそうはおるまい。何しろかつての戦争での英雄なのだからな」


かつて、圧倒的な力を誇っていたリシリエ帝国。その力は凄まじく、中でもその軍事力は他国の追随を許さずまさに脅威だった。その帝国に各国が力を合わせて挑んだ大きな戦があったのだが、カリスさんもそれに参加していたのだ。


記憶にある限りで一番の修羅場。味方が次々に倒れていく中で一人で剣を握って戦っていたことだけははっきりと記憶に残っている。結果的にその戦争はカリスさんを含む数人の戦士の活躍によって幕を閉じたのだが、そのうちのほとんどが王族と結婚したりとかなりの厚待遇を受ける中でカリスさんだけはそれらの報酬を一切受け取らなかった。


まあ、カリスさん的にはこれ以上見知らぬ女と縁を作りたくなかったのだろうけどね。女性嫌いのカリスさんらしいけど、一応そのせいかカリスさんはある意味では英雄みたいな扱いも受けてしまうのだろう。


「そういえば、貴殿には子供がいるそうだな。どうだ?私の子供と会ってみないか?」

「お言葉は嬉しいですが、私は子供達にはなるべく好きな人と結ばれる自由を与えたいのです」

「ほう、貴殿には欲がないのだな」

「まさか、私は誰よりも強欲ですよ」


サーシャに、ローリエ、ミント、バジルと家族のことなら譲るつもりは毛頭ない。だが、権威や地位や名声などにはあまり興味はない。俺はただ家族と幸せに過ごせればそれでいいのだ。


「まあ、しかし折角だからセリュー殿と一緒に会っていかれるといい。仲良くするのに越したことはないだろう?」

「ええ、そうですね」


面倒事はごめんだと思いながら俺は頷くのだった。



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