表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

133/167

121 サーシャの願い

妻が母親をしている時



「あと少しかな・・・」


大きくなってきたサーシャのお腹を触りながらそう言うとサーシャは恥ずかしそうに言った。


「旦那様が気にしないのはわかってますが、それでも大きくなったお腹を触られるのは少しだけ恥ずかしいですね」

「そうかな?私としてはこれはこれで可愛いと思うけど」

「旦那様の前では細い自分でいたいんです」


なんとも可愛い台詞だけど、こればかりは仕方ない。何せ新しい命を作っているのだからそれなりに負担はある。それにサーシャの今までの兆候だと妊娠した後は確実に元のサイズに戻るので抱き心地も悪くならない。


「そういえば、最近はローリエが心配して来てくれるんです」

「みたいだね。仲良くできてて良かったよ」

「はい。旦那様のお陰です」


そう言いながら自分のお腹を愛しそうに撫でるサーシャ。その笑みにはえらく母性を感じられる。


「この子も元気に育って欲しい。旦那様と私の大切な子供ですから」

「そうだね。今度は男の子か女の子かどちらだろうね」

「ふふ、もしかしたらまた双子かもしれませんよ?」


そんな偶然が続くのだろうか?まあ、双子だとしても可愛いのには変わりないが。でも、双子だとサーシャへの負担もまた大きいだろうから少しだけ心配だ。子供は可愛いし好きだけど、サーシャが無事でないと意味はない。もちろん子供の安全を蔑ろにはしないけど、それでもサーシャのことも守りたいのだ。


「もう、旦那様ったら冗談ですよ」

「わかってるさ。それにしても妊娠しているサーシャにあまり手を出せないのは少しだけ物足りないね」


安定期に入っても念のためそういう行為は控えている。というか、負担が大きいのにそんな行為をしようとは思えないのだ。まあ、もちろんいずれは限界がくるかもしれないが、サーシャと子供の安全が第一。それを脅かすものは何人たりとも許さない。


「このまま食べちゃいたいけど・・・」

「だ、旦那様・・・まだ明るいですよ?」

「わかってるさ。だからこうして手を繋いで側にいるのは構わないだろ?」

「・・・はい。嬉しいです」


そんなやり取りをする俺とサーシャ。どれだけ忙しくてもサーシャとのイチャイチャがあれば俺はいつまでも戦える。どんな理不尽にも立ち向かっていけるのだ。やっぱりサーシャは最高だと思いつつ二人きりの時間を・・・いや、正確には三人での時間を過ごす。産まれてくる新しい子供のためにももっとよりよき国を作らないとね。最高のものを残してこそ親の務めというものだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ