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119 娘の反応

甘えたい娘


「えへへ、お父様」


膝の上で楽しそうにするローリエ。最近は大きくなってきたので口調はそこまで幼くなくなったがこうして甘えてくるのは相変わらずだ。可愛い娘をいつまでこうできるかと思いつつ、俺は少しだけ聞いていた。


「ローリエ。セリュー様のことはいつから知ってたのかな?」

「うん、えっとね。実はセリュー様があの侍女の女の子に告白してるのを見かけたの」

「そうか。ローリエはそれをどう思ったのか聞いてもいいかな?」

「どう・・・えっと、素敵だと思いました。お父様とお母様みたいな関係になれるのはとても素敵なことだから」


愛娘からもラブラブに見えているらしい。まあ、否定はしないけどね。しかし、やはりローリエの方には今のところ恋愛感情などは芽生えてないみたいだ。娘の初恋がいつになるのか。そしてその初恋が実るのか。親としては色々と心配はするが、出来ることは少ないのでこうして甘えさせるだけだ。


「ねえ、お父様」

「なんだい?」

「お父様はローリエがお嫁に行ってもお父様でいてくれる?」

「もちろんだよ。私はずっとお前の父親だよ」

「うん。ローリエもお父様大好き」


ごろごろと猫のように甘えてくるローリエ。この年齢にしてはファザコンだけどまあ、そこは仕方ないよね。そのうち嫌われるかもしれないならきちんと可愛がってあげなきゃね。


「そういえばローリエ。最近忙しいのにお母様の元にもきちんと行ってるみたいだね」

「うん。ローリエも少しでもお母様の役に立ちたいから」


そう、ここ最近になって変わってきたのはローリエとサーシャが前より親子として接している点だろう。ローリエは前より母親を支えようとするようになったし、サーシャも子供達を大切に思っている。王妃教育で忙しいのにきちんと家のことも考えるのは偉いがそろそろ王妃教育は終わらせるべきだろう。


そうなると直接出向くのが一番か。


「ローリエ。王妃にはもうならなくてもいいけど・・・何かやりたいことはある?」

「やりたいこと?うーん・・・お父様のお役に立ちたいです」


なんとも親思いの台詞にほっこりするが、俺はそれに微笑んで言った。


「わかった。なら、したいことがあったら遠慮なく言ってくれ。私はローリエのことをちゃんと応援するから」

「ありがとうございます、お父様」

「こっちの台詞さ」


そうして膝の上に乗せたままその時間を楽しむ。しかし頑張りすぎるのは母親に似たのか。やっぱりローリエにはきちんと支えてくれるような人を見つけてあげたいものだ。余計なお節介でもそう思う。まあ、ローリエが好きになったなら誰でもきちんと応援しよう。そう思うのだった。





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