115 双子の姉弟は甘えたい
順調に育ってます
「ぱぱ」
部屋に入るとハイハイしながら近づいてくるミント。最近は掴まり立ちすら出来るようになったミントを抱き上げるとよしよしと微笑む。
「よしよし。大人しくしていたかな?」
「あい」
「そうか。ミントはいい子だな」
そう言うと嬉しそうに微笑む。前より喜怒哀楽がはっきりとしてきており、最近では短い会話なら成立するようになりはじめていた。俺はミントを抱きつつもう一人の方を見ると双子の弟のバジルは積み木をしながらユリーと楽しげにしていた。
「ゆりーできたー」
「・・・お見事ですバジル様」
「へへー」
何やら楽しげな二人に思わず微笑んでからもう一人のミントの専属侍女のレイナに視線を向けて聞くことにする。
「今日はミントは何をして過ごしていた?」
「はい。本日はカリス様がお仕事をされてる間は積み木で遊ばれたり活発に動かれていました」
「それは良かった。しかしあの二人は毎日あの様子だな」
チラリと視線をバジルとユリーに向けるとレイナは苦笑して言った。
「バジル様は大変ユリーになつかれているようなので仕方ないかと。私もミント様に好かれてはいるようですがカリス様には敵いませんね」
「娘というのは年頃までは父親になつきやすいからね」
今のところローリエもミントも素直ないい子だけど、いつか反抗期が来たらどう接するべきか悩むところだ。まあ、どれだけわんぱくでも健やかに育ってくれるならそれ以上望みはしない。そんなことを考えていたらバジルが俺に気がついたのかこちらにハイハイしてやって来た。
「ぱぱ、だっこ」
「はいはい。よっと」
ミントとバジルを片手づつで抱き上げる。赤ん坊とはいえ二人持ち上げて抱き上げるのはそこそこ大変だが可愛い我が子のためなら特に気にならなかった。
「ぱぱ、ぱぱ」
「なんだいミント」
「にぱー」
笑うミントに思わず可愛さに悶えそうになる。ヤバい、我が子が可愛いすぎる!無邪気に笑うミントの天使のような微笑みにやられそうになってると、隣でバジルも同じようにして笑った。
「にぱー」
息子というものもやはり可愛いものだ。うん、我が子達が本日も可愛いようで何よりだ。サーシャのお腹には新しい家族もいることだし、サーシャのフォローとローリエとの交流、そして二人の面倒もきちんと見ないといけないな。ウザいと言われそうなくらいに構って可愛がって、時にはきちんと叱る。まあ、褒めるのは当然だけど本当に悪いことをしたときに怒れる親にならないとね。ローリエは昔の影響でしっかりし過ぎているが、二人には沢山ヤンチャして大きくなって貰いたいものだ。




