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111 セリュー殿下の初仕事

セリュー様活躍


「これはこれは、セリュー殿下にフォール公爵。お二人で何かご用ですかな?」


場所は、マッシュ伯爵の屋敷。途中で拾ったセリュー様と怪我をしているメフィという少女を連れて屋敷を訪れるとマッシュ伯爵は少しだけ毒々しい表情を浮かべながら出迎えた。そんな伯爵に対してやる気満々なセリュー殿下は先手を取って言った。


「率直にお聞きします。この少女に見覚えがありますね?」

「ええ。我が家の使用人ですね。わざわざ送っていただきありがとうございます」

「いいえ。違います。僕達は彼女を貴方に渡すために来たわけではありません。助けを求められてここに来たのです」


その言葉にマッシュ伯爵はメフィに視線を向けると威圧するように言った。


「小娘。さっさと業務に戻りなさい」

「あ、あの・・・私は」

「返事はどうした?」


あまりのプレッシャーでガタガタと震えるその子にセリュー様は一度頭を撫でると微笑んで言った。


「大丈夫だよ。僕は君の味方だから。必ず守るから。だから自分の想いをきちんと伝えていいんだよ」


なんだか物凄くイケメンなセリュー様。あれ?この子ってこんなに頼もしかったっけ?子供の成長の早さに思わず驚く俺を置いておいて、セリュー様は続けて言った。


「僕はまだまだ弱いけど、こんなんでも王子だから。未来のある若者を潰すようなことは許せない。だから何があろうと君たちを守るよ。だから正直に答えて」

「セリュー様・・・」


その言葉にメフィは少しだけ顔を赤くするのを俺は見逃さなかった。さらりとフラグを立てる末恐ろしいイケメンに畏怖する俺を置いておいて、メフィは勇気を貰ったように言った。


「私達は・・・貴方にたくさん酷いことをされました。だから、私達を解放してください!」

「・・・!?小娘が生意気を!」


そう言ってからメフィを殴ろうとしてくるマッシュ伯爵をそれまで空気だった俺が止めに入る。


「マッシュ伯爵。殿下の前で荒事はお控えください」

「離せ!私は・・・」

「少し黙れ」


思わずドスの効いた声でそう言うとマッシュ伯爵はあまりの迫力に思わずあわあわするのを見てから俺は言った。


「貴方が私を暗殺しようとしたことは子供達の解放で見逃してあげましょう。しかし次に似たようなことがあれば今度は容赦しませんから。特に・・・私の家族に手を出したら次はあの世行きになるかもしれませんね」


その言葉に目を白黒させるマッシュ伯爵を置いておいて、勝手に子供達の回収を始めることにする。なんだかさっきの様子がお気に召したようなセリュー様と、そのセリュー様に情熱的な視線を向けるメフィを見てこれからのセリュー様の選択次第でローリエが泣いたら容赦しないでおこうと思うのだった。




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