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102 弟子増加

増えました


「えい!えい!」


本日も元気に素振りをするセリュー様。基礎的な部分が出来ていても、それらの修練を怠ることはできない。それを分かっているのだろう、セリュー様を見てから俺はもう一人に視線を向ける。


「マクベスくん、もっと集中しなさい」

「わかってますよ・・・ただ、俺は別に剣術なんてそこまでがっつり極める気はないんです」


そう、本日からセリュー様と同じ時間にもう一人生徒が増えた。宰相の息子であるマクベスだ。宰相と姫様からの打診で預かった生徒はあまりやる気のない瞳で中途半端に素振りをする。確かにこの子には将来的には宰相になってもらうが、自衛くらいは出来るレベルにしないと外聞が悪い。なら・・・


「よし、ならマクベスくんには勝負をしてもらおうか」

「勝負?」

「うん、君が勝負に勝てたからこれから先の授業は大目に見よう。ただ、負けたら頑張ってもらうけどね」

「あなたを相手に?勝てるわけないでしょ」

「ええ、私と戦うと実力差がありすぎますからそんな大人げないことはしません。勝負をする相手は・・・セリュー様。お願いします」


そう言うと素振りをしながら聞いていたセリュー様はびっくりしてからこちらを見て聞いた。


「ぼ、僕がですか?」

「ええ、たまには私以外の相手と戦ってみたいでしょう。心配しなくても君が負けることはまずあり得ません」

「いやいや、なんですでに俺が負ける前提なんですか。流石に王族の方に後れはとりませんよ」

「だと、いいですね」


予想が正しければ、目の前のマクベスはおそらく天才いや、秀才の部類に入るのだろう。手のひらには軽いマメができているので、こうしてスカしておきながら陰で努力をするタイプなのだろうが、本物の努力をする天才には及ばないだろう。


俺の挑発にも取れる言葉にしばらく黙ってからマクベスは頷いて言った。


「・・・わかりましたよ。やりますよ。ただ、怪我してもしりませんよ」

「と、いうわけで、お願いできますか?セリュー様」

「えっと・・・僕は構いませんが、いいのですか?」

「ええ、存分に力を奮ってください」


ここ最近俺と剣術の訓練と称して何度も打ち合ってるセリュー様には温すぎるゲームだが、こうして自分の強さを知ることも訓練の一環だ。マクベスには悪いがサンドバックになってもらおう。

自分の力量と相手の力量を把握できなければ戦いでは死ぬ。まあ、セリュー様が戦場に出ることはないだろうが、強くなるに越したことはない。攻略対象を強くするデメリットも多いが、まあ、強くなれば考え方も変わるきっかけを与えられるかもしれない。

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