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100 婚約パーティー

タイトル詐欺ではないはず。


ローリエとセリュー様の婚約パーティーは小規模に行われた。陛下主催とは言え、本当は婚約ではなく、婚約者候補のままなのでその情報をあまり公にしないためだ。もっとも、表向きには婚約する二人があまり大々的にやることを望まなかったということにしてあるそうだが。


「あ、あの・・・フォール公爵」


挨拶を終えてから話しかけてきたのはセリュー様だ。俺は少しだけ複雑な気持ちを消してから聞いた。


「セリュー様。いかがなさいましたか?」

「あの・・・ご相談したいことがあるのですが」

「相談ですか?」

「はい、ここでは少しだけ困るので外でよろしいでしょうか?」


ここで主役と共に抜けるのはあまり良くないが、幸いローリエはセレナ様と楽しく話しているし、サーシャに関しても王妃様がいるので問題ないだろう。万が一に備えて警備の方にも手を回してある。とりあえずここは従うべきだろう。


「わかりました。行きましょう」


その言葉に頷いてから俺とセリュー様は外に出る。誰もいないことを確認してから、セリュー様は頭を下げて言った。


「あの・・・ありがとうございます。婚約の話を受けていただいて」

「頭を上げてください。正式には受けてないようなものですから」

「はい。それでも、嬉しいです。ローリエ嬢のような方が僕の側にいてくれるなら、僕はきっと迷うことなく道を進めます」

「なら、それはローリエに伝えてください。私はあくまでローリエの父親ですから」


そう言うとセリュー様は微笑んで言った。


「それに、僕も僕の目標をしっかりと目指せます。フォール公爵。僕は貴方のような格好いい人になりたいです」

「私は格好いいわけではありませんよ。守るものがある普通の父親です」

「ええ、そんな貴方のような人に僕はなりたいです」


真っ直ぐにそう言われるとなんとなく恥ずかしいが、そんなところを見せるわけもなく俺は頷いて言った。


「ならば、私を越えてみせてください。そして貴方がこの国の国王になってから何を成せばいいのか。それをきちんと考えてください」


どのみち俺はこの少年の師でもあるので、多少は真っ当に育って欲しいと願う。その言葉にセリュー様は微笑んで言った。


「はい。ありがとうございます」

「話は終わりですか?」

「いえ、もうひとつだけお話が」


そう言ってから少しだけ真面目な表情になってからセリュー様は言った。


「実は姉さん・・・姉のセレナのことで少しだけご相談したいことがありまして」

「セレナ様ですか?」

「はい。なんだか最近姉さんの様子が変なんです」


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